今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害原因は、妊娠中にあるのか」ということです。

発達障害がどうして起こるのかは、実はまだよくわかっていません。

しかし、昨今の研究で、妊娠中や出産前後のトラブルが発達障害に関係しているのではないかということがわかってきました。

妊娠中の何が原因で、赤ちゃんの発達に影響を与えるのでしょうか。

また、妊娠中に気を付けたほうがよい生活習慣についてもまとめましたので、さっそくみてみましょう。

発達障害は、生まれつきの「脳」の障害

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浩二
まずは、発達障害の原因とされている「脳」の機能についてみてみましょう。

発達障害は何が原因で起こるのかはっきりとしたことは分かっていませんが、

脳の機能に障害があり、様々な症状を引き起こしていることは研究によって明らかになってきています。

脳の中で機能が生まれつき低下している部分があるのです。

前頭葉

多動や衝動性を制御する役割をしています。

発達障害のある人は、前頭葉を流れる血流量が低く、代謝が悪いといわれています。

前頭葉の一部である下前頭回という部分には、ミラーニューロンという自分の行動と他人の行動を結び付けて考える神経細胞があるのですが、

発達障害のある人は、このミラーニューロンの動きがほかの人よりも少ないため、コミュニケーションをうまく取れなかったりするケースが出てくるといった研究もなされているのです。

尾状核(びじょうかく)

いくつかの神経があつまっている箇所で、そのうちのひとつである「線条体」(せんじょうたい)が、注意力、情緒をつかさどっています。

この線条体の血流量が、発達障害のある人は、ほかの人に比べて低下しており体積が小さいと言われています。

大脳皮質

知覚、運動など、高次的な機能を担っています。

発達障害のある人は、この部分に軽度の萎縮や左右対称があるとされているのです。

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静江
発達障害の原因は、脳の機能にあることが分かってきているのですね。
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浩二
これら脳の機能の障害は、妊娠中に現れるのでしょうか。
周産期ごとに見てみましょう。

周産期の異常 妊娠中の時期

妊娠中の喫煙、飲酒はハイリスク!

胎生期に起こる発達障害の原因は以下のようなものがあります。

  • 胎児性 タバコ症候群
  • 胎児性アルコール中毒
  • 重金属の影響
  • 環境ホルモン

近年、発達障害を持つ子どもが増えているとされていますが、それは胎生期の飲酒、喫煙や、環境ホルモンなど環境汚染の影響ではないかと指摘されています。

特に妊娠中の喫煙については研究が進んでおり、喫煙する妊婦から生まれた子どもはADHDなどの発達障害を発症するリスクが上がるという結果も出ているのです。

さらに近年、妊婦の喫煙と子どもの発達障害の関連についての研究が進み、喫煙する妊婦から生まれた子どもは、注意欠如/多動性障害(ADHD)を発症する率が2~3倍に増加するとの報告が相次いでいます

公益財団法人 母子健康会  特集 「子どもたちをタバコから守るために」

また、妊娠中の飲酒については喫煙と同様リスクが高いです。

妊娠中に大量飲酒をすることによって、赤ちゃんが胎児性アルコール中毒を発症する可能性があり、

特徴的な顔貌、発達の遅れなどが現れることがあるといわれています。

参考  飲酒、喫煙と先天異常   日本産婦人科医会

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静江
妊娠中の喫煙、飲酒は百害あって一利なしですね!

周産期の異常 出生時、新生児期

出生時、新生児期に起こる発達障害の原因として、以下の要因があります。

  • 脳炎
  • 極度の栄養失調
  • 低体重出生(未熟児)
  • 仮死出生

発達障害になる原因として、上記のような出産前後のトラブルが関係していると考えられています。

このように、周産期の異常、遺伝などによって、先述した脳の前頭葉や尾状核に影響が現れることがあります。

そのことによって発達障害が発症すると考えられているのです。

増加する、「低体重出生」

特に昨今は、低体重出生の赤ちゃんが増えてきているようです。

低体重出生とは、いわゆる未熟児のことで、出生体重が2500g未満の赤ちゃんことを指します。

低体重出生は、どのようなリスクがあるのでしょうか。

それは、低体重で生まれてしまうと、軽度の発達障害を発症したり、糖尿病、肥満、高血圧など生活習慣病を引き起こしやすくなったりするリスクが上がるのです。

気をつけたほうがいい生活習慣って?

低体重出生や、そのほかの出産時リスクを避けるために、妊娠中のお母さんは、

  • 喫煙は避ける(受動喫煙もNG)
  • 飲酒は控える
  • きちんと三食食べる
  • 睡眠不足にならないようにする
  • 妊婦検診を受ける

など、きちんとした生活を送るように心がけましょう。

特に、バランスのよい食事は必須です。

赤ちゃんはお母さんから100%栄養をもらい成長します。

お菓子やパンだけでなく、1食に主食、主菜、副菜の3種類をとるようにしましょう。

まとめ

発達障害は、まだ詳細の原因は不明ですが、脳の機能障害によって起こされていることが、昨今の研究によってわかってきました。

それに加えて、 妊娠中や出産前後のトラブルが脳の機能障害に関係しているのではないかということもわかってきました。

妊娠中に喫煙、飲酒をすることによって、赤ちゃんが発達障害を発症するリスクが上がるという研究結果もあることから、妊娠中は喫煙・飲酒を避けて、規則正しい生活を送ることをおすすめします。