今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「発達障害の人は昔はいなかったのか?」についてです。

最近「発達障害」って良く聞きますよね。ここ10年くらいでしょうか?

有名人の方が発表されて、より身近になったような気はしますよね。

発達障害とは、生まれつきの「脳」の機能障害と言われています。遺伝するとも言われていますが、本当のところはまだ良く分かっていないようです。

昔の人のなかには「発達障害」の方はいなかったのでしょうか?

昔はいなかったの?

近年ではメディアにも取り上げられ、発達障害という言葉を耳にする機会が増えました。

ところが、昔からこの言葉が世間に周知されていたのか?というと、実はそうでもありません。

発達障害は昔からある障害ですが、世間に周知されだしたのは2000年に入ってからです。つまり、発達障害という障害を知らなかったので「昔はいなかった」と認識されていたと言えるでしょう。

発達障害は外傷等が無い為、見た目では判断が難しい特徴があります。この為、下記のツイートの様に、周囲からは「怠けている」「変わった子」と判断されやすいのです。

POINT

発達障害は先天性の脳機能障害が原因と言われています。なので、突発的な発症や、成人になってから発症するということはありません。

ただ、成人になってから発達障害と診断される人も少なくありません。これは「成人になるまで発達障害と分からずに生活していた」ということです。

発達障害者支援法

日本では「発達障害者支援法」が2005年に施行されてから、支援センターが設置されるなどフォロー体制が充実するようになりました。それまでは社会で生活することに大きなハンディを抱えていたのに、認識されていなかったんですね。

それ以前には精神障害や知的障害のある方についての支援のみが、想定されていたようです。知的障害はないけれど「生きにくさ」を感じている人に対しては、「怠けていないでもっと努力しなさい‼」という見方をされていたんですね。

この法律により、知的障害が無い「発達障害」の方への支援が手厚くなりました。何が得意で何が苦手なのか早期に発見し、生活していくうえでの「生きにくさ」をなくしていくという方向に変わってきたんですね。

2016年に改正されてから、小さいときから継続的に支援を受けられるようになったようです。この法律が出来たのは、病院を受診する方が増えた1つの理由かもしれません。

そして、「出来ない子がいる」という理解が進んだことで、以前だったら許されなかったことが多めに見られるようになったということは少なからずあるかもしれません。

例えば、授業中にじっとしていられずウロウロと動き回ってしまう子の場合です。以前だったらゴツンと叩かれたり(今だと体罰と言われるかも)、学校に行かなくなったりしていたのかもしれませんね。

医学の進歩

最近、新型コロナウイルスの感染が話題になっていますね。医学が進歩し、インフルエンザや他の風邪との違いが分かるようになっているからです。昔だったら、「ひどい風邪」としか言われなかったかもしれません。

「発達障害」が詳しく分かるようになる前には、「親の育て方が悪い」「怠けているだけだ」と判断されていたようですね。

二次障害

発達障害の二次障害のせいで、「精神的な病気」とだけ診断されていた方もいたようです。

大きなストレスを感じるとうつ病や対人恐怖症、各種依存症になることは広く知られています。

例えば、「空気を読めず冗談が理解できない」という特徴があるのに接客業についた場合です。気を付けていても失敗が続くという場合などは、二次障害を起こしやすいようです。

そもそも、発達障害って何?

一言に発達障害と言っても、様々な名前に分類されています。

  • ADHD:注意欠陥・多動性障害
  • ASD:自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群
  • LD:学習障害             など

1つだけではなく、複数の診断を受ける場合もあるようです。でも個人差が大きいのも特徴です。

例えば、ADHDの方の場合「じっとしていられない」という特徴がありますが、ADHDと診断されても「じっとしていられる」方もいるのです。

一目会っただけでは分かりにくい人が多いというのも、ある意味で特徴かもしれません。

注意欠陥・多動性障害の特徴とは?

「Attenuation Deficit Hyperactivity Disorder」の頭文字から取られています。日本語では注意欠陥多動性障害と訳されます。ですが、ADHDの方が良く聞く表現かもしれませんね。

  • じっとしていられない
  • 1つのことに注意を集中しているのが苦手
  • なにか思いついたらすぐに行動したくなる
  • 物をなくすことが多い
  • 忘れ物が多い
  • 綺麗に片づけたり、整理整頓したりすることが苦手
  • 人の言う事を聞いていない
  • 期限・約束・時間を守れない
  • 自分の興味があること話し出したら止まらない
  • 決まった場所に決まったものが無いと気持ち悪い
  • 我慢ができない                 など

参照:AD/HDについて(厚労省)

自閉症スペクトラム障害の特徴とは?

  • 目を合わせない
  • 他の人に興味がない
  • 小さいときは1人で静かに遊ぶ
  • ごっこ遊びをせず、おもちゃをひたすら1列に並べて遊ぶなど独特な遊び方をする
  • こだわりが強い(道順・時間・順番等)
  • 極度の偏食
  • 臨機応変に対応できない
  • 言葉が遅い
  • 意味のない言葉や同じ言葉をくりかえしたりする
  • 自傷行為がみられる
  • 癇癪を起す                   など

参照:自閉症について(厚労省)

アスペルガー障害の特徴とは?

  • 空気が読めないと言われる
  • 特定の分野に特別詳しい
  • 抽象的な表現を理解しにくい
  • 毎日同じルーティーンをこなさないと不安になる
  • 予定が変更するとついていけない
  • 細かいことに注目する
  • 感情を表情に表すことが苦手
  • 何回もあっている人に初めて会ったような反応をする
  • 複数の仕事を同時にこなすことが難しい
  • 規則性があるものを好む
  • 会話がかみ合わない
  • 冗談が理解できない  
  • 同年代の友達を作るのが苦手            など

参照:アスペルガー症候群について(厚労省)

学習障害の特徴とは?

  • 文字を読むのが苦手
  • 読んだ文字の内容が理解できない
  • 言われたことが理解できない
  • 文字を書くのが苦手
  • 語彙が少ない
  • 簡単な計算ができない(3+4 など)        など

参照:学習障害とは(厚労省)

日本独特の文化

普通が良い

「出る杭は打たれる」という言葉があります。日本は昔から「みんなと一緒。普通が一番。」という見方が多い気がしませんか?

普通(何を普通というかが微妙ですが)の子と違う事は、良くない・恥ずかしいという考え方です。家族の中に少し違う子がいたら、恥ずかしいので外に出さないようにひっそり生活していたのではないでしょうか。

今のように核家族は少なかったですし、母屋・離れ・倉庫の2階など生活空間が沢山ありました。存在を隠そうと思えば隠せた、ということですね。

しつけが厳しい

「しつけが厳しい」というと、「やっぱり親のせいでは?」と思われるでしょうか。

昔は親はもちろん厳しかったですが、先生も怖かったですよね。そして、近所には大体いませんでしかたか?怖いおじさん・おばさん。地域みんなで見守り、育てるという環境がありました。

じっとしているのが苦手でも、じっとしていないといけない時に動くとガツンと怒られる。その経験を積めば、我慢が出来るようになったのかもしれませんね。

職種の豊富さ

  • 黙って黙々と作業を続ける
  • 納得できないと最初からやり直す
  • 人と会話することが苦手
  • 手先は器用なので細かい作業が得意

この特徴って、昔の熟練の職人さんに多いと思いませんか?

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浩二
そんなイメージありますね。
  • 集団での作業より1人の作業を好む
  • 強いこだわりがある
  • 他の人への関心が薄い
  • 好きな事ヘは特別な集中力がある

同じことでも、このように表現するといかがですか?

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静江
なんとなく発達障害のリストにあった特徴と似てますね!

昔は小さな個人経営のお店が沢山あって、計算が苦手でもコミュニケーションが苦手でも「仕事」がありました。その人の特技を生かせる仕事です。

コツコツと自分のペースで仕上げることができ、キッチリとした仕事をするので評価される。自活もでき、自尊心も保てる。そんな仕事があったんですよね。

今は伝統的な職人仕事は少なくなって、ほとんどの人が会社に就職しパソコンを触る、いわゆる「サラリーマン」になっていますよね。

多くの人と一緒に働き、臨機応変な対応が求められる。発達障害の方にとって、一番ストレスになる職種ではないでしょうか?

わたしは誰でしょう?

科学が大好きです。

  • 先生に「なぜなぜ攻撃」をして3か月で学校を退学
  • 物が燃えることに興味を持ち、結果納屋を全焼させる
  • 空を飛べるかも!という発想で友達にヘリウムガスを飲ませる
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浩二
はい!
発明王のエジソンです。

テレビの歴史を見てきました。

  • め・ぬ・ねの違いが分からなかった
  • 授業中先生の話を聞かず、鳥に話しかける
  • 蓋を100回近く開け閉めした
  • 話していいよと言われたら、4時間くらいずっと話し続けた
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静江
分かりました!
黒柳徹子さん。「窓際のトットちゃん」読みました。

いつの時代にも、「ちょっと変わってる」と表現されていた人はいるということですね。

昔の偉人と言われる人の中にも、「発達障害」だったのでは?と推測される方がいらっしゃいます。

  • 坂本竜馬
  • 織田信長 
  • レオナルドダヴィンチ
  • ピカソ
  • アインシュタイン            など

自分の特技・良い点が開花して成功している例が沢山あるんですね。

参照:歴史上の人物にみる健康(NHK読むらじる)

参照:歴史的業績を残した人物に関する発達障害についての研究

有名人の公表

もう1つは有名人が公表していることも大きな理由かもしれませんね。

モデルの栗原類さんは、2015年に朝の情報番組で告白されていました。発達障害者支援法が出来て10年程たっていましたが、彼の告白によってより身近に考えられるようになった方も多いのではないでしょうか。

自分にも同じ特徴があるかもと思って、病院を受診する方も増えたと思います。

もし発達障害と診断されたとしても、得意な分野を生かして成功することが出来るということもイメージ出来るようになったと思います。

日本でも多くの著名人が発表するようになってきたのは、発達障害を理解する一助になっているような気がします。

まとめ

「発達障害者は天才だと思う」

そう言われた方がいらっしゃいました。過去の偉人・天才のエピソードを調べるとそんな気がしてきます。

誰にでも特異な事・苦手な事はありますよね。今の社会だから、やっていけること。逆に今だから浮いちゃうこと。

みんなが自分の輝ける場所を見つけることが出来る、自分のことを好きになれるそんな時代になりますように。

ご拝読いただきありがとうございました。