今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害と積み木」についてです。
今回は、発達障害のお子さんにぴったりな積み木遊びについて、その効果とオススメの商品を紹介します。
さまざまな遊び方があり、得られる効果も多岐にわたっているので、ぜひ日々の遊びにとりいれてみてください。
目次
発達障害児が積み木遊びで得られる効果
発達障害のあるお子さんにとって、積み木遊びの効果とは一体どのようなものが考えられるでしょうか。
次のように3つの側面からみていきましょう。
頭脳面
積み木遊びは、何も考えずに楽しむこともできますが、頭をフル回転させて積み木遊びに夢中になるお子さんもたくさんいます。
頭脳面では次のような効果が期待できます。
集中力
積み木を積んだり、何かを表現したりと、目的を達成するために自然と集中することができます。
発達障害のあるお子さんの中には、目の前のことに集中することが苦手というお子さんがたくさんいます。
遊びの中でのさまざまな作業を通じて、ものごとに自然と「集中する」経験を積むことができます。
想像力
積み木の遊び方は無限にあります。
自分のつくりたいものを、頭の中で自由に想像することができます。身近に実在するものもあれば、全く未知の生物などを自分でつくり出すこともできます。
遊びを楽しみながら、自然と想像力を広げることができます。
美的感覚
積み木を使ってさまざまな形を表現したり、色や形の異なる積み木を組み合わせてみることで、美的感覚を磨くことができます。
「この形をのせたらかっこよくなるかもしれない。」と試行錯誤したり、「この色を組み合わせたらかわいいな。」と考えることで、自分だけのオリジナルのアートを楽しむことができます。
算数的思考
積み木を使って算数の学習に役立てることもできます。
まずは数を数えることから始め、たし算やひき算に使用することができます。
また、並べたり積み上げたりして図形を作ることで、「空間認識力」を鍛えることができます。
学習障害により算数の学習が困難なお子さんも、積み木遊びの中で自然に取り入れてみると、興味を持ってくれるかもしれません。
頭の体操
このように、積み木遊びをとおして脳が刺激され、頭の体操をすることができます。
難しいことは考えずに、まずは積み木遊びを思いのままに自由に楽しむことが大切です。
精神面
積み木遊びは、頭脳面だけでなく精神面でも効果が期待できます。
忍耐力
まずは、コツコツとした作業を通じて忍耐する力をつけることができます。
イメージした完成図に向かってひとつひとつ丁寧に作業することで、完成までの時間を楽しみながら過ごすことができます。
少しでも油断したら倒れてしまうかもしれないという緊張感のもと、目的に向かって我慢するという体験をすることができます。
達成感
そして、何といっても積み木の醍醐味と言えば、達成感です。
達成感を味わうために、集中力や忍耐力などを駆使して作業に熱中することができます。
自分の努力により目的を達成したという経験は、これから歩んでいくさまざまな場面での大きな自信につながります。
協調性
積み木遊びはひとりでも十分楽しむことができますが、他者と協力することで、より大きく魅力的な作品を生み出すことができます。
発達障害により他人と関わることが苦手というお子さんの場合も、大好きな積み木遊びをとおしてなら、自然と距離を縮めることができるかもしれません。
積み木遊びが好きなお子さんは、他人と関わるきっかけのアイテムとして、積み木遊びを取り入れてみてはいかがでしょうか。
身体面
積み木遊びは身体面でもとても大きな効果が期待できます。
手先の運動
手先を動かすことは、脳を刺激することにつながります。
積み木をつかんだり、積み上げたり、組み合わせたりする動作は、手先を自分の思い通りに動かす練習になります。
手先を動かす経験を積むことで、手先の器用さが増していきます。
力のコントロール
積み木を積んだり組み合わせたりする際は、力の加減が必要です。力が強すぎると崩れてしまいますし、弱すぎてもうまく組み合わせることができません。
遊びの中で試行錯誤することで、自然と力をコントロールできるようになります。
創造力
積み木遊びは、ものづくりに似ています。
つくりたいものを自由につくりあげることができるので、繰り返し遊ぶことで創造力がどんどん豊かになっていきます。
ものづくりが楽しいと感じるきっかけになるかもしれません。
このように、積み木遊びには「頭脳面」「精神面」「身体面」の3つの側面から効果が期待できることがわかりました。
発達障害の症状により効果がある面は人それぞれですが、どれかひとつでも当てはまりそうなものがある場合は、ぜひ試してみてください。
では、発達障害のお子さんにとって積み木遊びが効果的なのは、どのような理由なのでしょうか。
具体的にみていきましょう。
発達障害児が積み木遊びで効果が得られる理由とは
そもそも発達障害とは
発達障害とは、生まれつき脳の一部の機能が通常と異なるために起こる障害のことをいいます。
生活環境や育て方によるものではなく、あくまで脳の影響によるものであることを認識することが大切です。
発達障害の中にはさまざまな種類がありますが、いくつかの種類を合併することもあり、その症状は個人により大きな違いがあります。
現在、治療により治す方法はみつかっていませんが、ご本人に合ったさまざまな体験をすることで、苦手なことができるようになる場合もあります。
積み木遊びは、苦手を克服するためのひとつの方法として、活用することができるかもしれません。
発達障害の方に多い感覚過敏とは
発達障害の特徴はその種類によりさまざまですが、五感のうちのいずれかの感覚が過敏である方がたくさんいらっしゃいます。
五感とは、「視覚」「聴覚」「触覚」「味覚」「嗅覚」のことをいいます。感覚過敏の方は脳の影響によりこれらの感覚が過敏であることが多く、少しの刺激でも不快に感じることがあります。
そのため、おもちゃを使った遊びの場でも、ライトが光ったり大きな音がなったりするような五感を刺激するものを不快に感じる場合があります。
積み木は、木などの素材でシンプルにつくられていることが多く、ライトや色などの派手な装飾がほとんどありません。
また、機械的な大きな音もなりません。
木と木がぶつかる自然のぬくもりある音がなることがありますが、それでも気になる場合は、音のならない積み木を選ぶこともできます。
このように、発達障害のあるお子さんにとって、積み木はとても親しみやすいアイテムであるといえます。
発達障害児の遊び方の特徴
発達障害のあるお子さんは、次のように遊び方にも特徴がみられます。
・同じ遊びを延々と繰り返す
・興味関心をもつおもちゃが限られる
・他人に興味をもたず、ひとりで遊びに没頭している
・現実離れした自分だけの世界観で空想遊びをしている
・肌ざわりにこだわる
・においを気にする
参考:公益財団法人母子健康協会
このように、発達障害のあるお子さんは友達とわいわい遊ぶというよりも、ひとりで黙々と自分の興味のある遊びをするという姿が多く見られます。
これらの遊び方の特徴からも、発達障害のあるお子さんには自分の思い通りに遊び方を工夫することができる積み木遊びをオススメすることができます。
では、積み木を使った遊び方にはどのようなものがあるでしょうか。さまざまな工夫ができる積み木の遊び方について、詳しく紹介します。
積み木の遊び方とは
積み木とは
積み木とは、その名のとおり、木を積み上げるおもちゃのことをいいます。さまざまな形や大きさ、素材があり、それらを自由に組み合わせて遊びます。
積み木遊びの魅力は、やはり遊び方が無限にあるということです。
積み木を使ったさまざまな遊び方
積み木を使った遊び方に決まりはありません。定番の「積む」や「くずす」だけでなく、遊び方は無限にあります。
崩れた時の音が苦手な場合は、大きな音がならないようにカーペットを敷くなど、音を抑える工夫をすることで誰でも気軽に楽しむことができます。
ここでは、積み木を使ったさまざまな遊び方を難易度順に4つの段階にわけて紹介します。ぜひ日々の遊びにとりいれてみてください。
第一段階
- さわる
- つかむ
- なめる
- 振る
- 音をならす
第二段階
- 積み上げる
- くずす
- 並べる
- ものに見立てる
第三段階
- ドミノ倒し
- ものをつくる
- 他のものとくみあわせる
- ごっこ遊びに利用する
第四段階
- 数遊び
- 図形遊び
- グループ分け
- 同じ形をマネしてつくる
このように積み木は、積み木単体で遊ぶ方法から、他のものと組み合わせる方法まで、自由自在に遊び方を工夫することができます。
ひとつの遊び方にしばられず、自分の思うままに自由に遊ぶことができる積み木は、発達障害のあるお子さんにとっても魅力のたっぷりつまったアイテムであると言えます。
では、実際に発達障害のあるお子さんはどのように積み木遊びを楽しんでいるのでしょうか。実例をみてみましょう。
積み木遊びの実例
では、発達障害のあるお子さんは、実際どのように積み木を使用しているのでしょうか。
実際の声を聞いてみましょう。
このように、それぞれのお子さんによって積み木の遊び方は無限にあります。
得意なことを活かして自由に表現することもできますし、苦手な分野を克服するために練習に使用することもできます。
遊びにも訓練にも使うことができる、まさに万能なアイテムです。
では、発達障害のあるお子さんにはどのような積み木が合うのでしょうか。
それぞれの症状に合わせたオススメの積み木を紹介します。
発達障害児にオススメの積み木8選
発達障害のあるお子さんにオススメの積み木を紹介します。
さまざまなタイプがあるので、それぞれのお子さんの特性にぴったり合う積み木を見つけてみてください。
ボーネルンド「白木積み木」
1つ目はこちらです。
ボーネルンドのとてもシンプルな木製の積み木です。
価格15,400円(2020年11月現在、楽天市場最安値)
余計な装飾がなく、肌触りも滑らかな優しい手触りの商品です。
派手な色や光を苦手とする視覚過敏の方にオススメの積み木です。
カラフルな装飾を避けたい場合には、このようなシンプルな木製の積み木をとりいれてみてはいかがでしょうか。
・大きめのつくりなので、小さい子でも誤飲の心配がありません。
・箱に片付けるのもパズルのように楽しめます。
・肌触りがよく、木のぬくもりが感じられます。
・値段が安くはないので、購入まで悩みました。
・ピースがもう少し多ければさらに良かったです。
参照:楽天市場
パール金属「からふるEVAブロック積み木」
2つ目はこちらです。
こちらは軽くてやわらかいスポンジ素材の音の出ない積み木です。
価格2,083円(2020年11月現在、楽天市場最安値)
ぶつけても痛くないので、安全に遊ぶことができます。
崩れたりぶつかったりしても大きな音が鳴らないので、カチカチと音の出る積み木が苦手な聴覚過敏の方にオススメです。
・崩れても音がならないので、アパート住まいでも安心して遊ばせられます。
・見た目だけで判断して木製の積み木だと思っていたら、固めのスポンジ素材でした。
ピープル「お米のつみき 白米色」
3つ目はこちらです。
こちらは原料の51%が純国産のお米で作られた積み木です。
価格7,458円(2020年11月現在、楽天市場最安値)
材料も製造も純国産で、とても丁寧に作られた安心できる商品です。
ほんのりとお米の香りがするので、木の香りが苦手な嗅覚過敏の方にオススメです。
・余計な色もなく、安心して遊ばせられます。
・6ヶ月の子が喜んで口に入れて舐めまわしています。
・軽くて傷もつかないので、長く遊べると思います。
・100%お米ではなくプラスチックや金属が使われているので、万が一壊れてしまったら心配です。
参照:楽天市場
くもん出版「図形キューブつみき」
4つ目はこちらです。
こちらは、遊びながら図形が学べるキューブ型の積み木です。
価格2,660円(2020年11月現在、楽天市場最安値)
同じ大きさのキューブ型の積み木が50個入っており、楽しく遊びながら図形の感覚と形の構成力を育てることができる商品です。
平面から始まり、立体に発展していくことで、お子さんの空間認知能力を育てます。
視覚の機能の影響により空間を認知することが苦手なお子さんにオススメです。
・遊びの幅が広がり長く遊べるものなので、もっと早く買えば良かったです。
・図形の勉強にとっても役に立っています。
・軽いので、倒しても他の積み木より音が静かです。
・一個のサイズが小さいので、小さな子どもが遊ぶ時は見守りが必要です。
参照:楽天市場
フランス文部科学省推薦「KAPLA」
5つ目はこちらです。
こちらは、遊び方が無限大のフランス生まれの木製積み木です。
価格9,350円(2020年11月現在、楽天市場最安値)
同じ形で同じ大きさのシンプルな木製積み木が200ピース入っています。
くっつけたりはめ込んだりすることなく、ただただ積み重ねていくことでどんなイメージも形にすることができます。
自由自在に表現することができるため、創造力や集中力を養いたい方にオススメです。
手先の訓練にもなり、幼稚園や小中高大学など、世界中の教育機関で親しまれています。
・大人も子どもも一緒になって夢中で遊べます。
・どんな形でもつくることができ、とてもワクワクします。
・崩れた時の音がとても心地いい音です。
・値段が少々高めです。
参照:楽天市場
ネフ社「ネフスピール」
6つ目はこちらです。
こちらは蝶のような形にカットされた、とても珍しい個性的な形の積み木です。
価格17,371円(2020年11月現在、楽天市場最安値)
1958年の発売から、半世紀以上に渡って世界中で愛されている商品です。
一見とても難しそうに見えますが、切り込みの角度などが計算されて作られているため、とても安定して積み上げることができます。
シンプルな積み木に飽きてしまったけれど、手先を動かすことが大好きというお子さんにぴったりな積み木です。
・赤ちゃんから大人まで、みんなで夢中になって遊んでいます。
・崩れ方が独特で面白いです。
・持った時の手になじむ感触が秀逸です。
・蓋付きの木箱が開けづらいです。
・値段がとても高いです。
参照:楽天市場
キュボロ社「クゴリーノスタート」
7つ目はこちらです。
こちらは、ビー玉の動きにワクワクする動きのある積み木です。
価格36,378円(2,020年11月現在、楽天市場最安値)
少し難易度が上がりますが、木製の積み木を組み合わせてコースを作り、ビー玉を転がすことができる商品です。
まずはあまり深く考えずに適当に積むだけでも、ビー玉が跳んだり転がったりする動きを楽しむことができます。
コースを考える際に楽しみながら試行錯誤できるので、集中力や創造力を高めたい方にオススメです。
・毎日夢中になって遊び、難しいコースをつくってほしいとせがまれます。
・つくりがとてもしっかりしていて、品質が良いです。
・どこからビー玉が出てくるか色々と頭を使って、飽きずに遊べます。
・とても高価なものがので、購入するまで悩みました。
参照:楽天市場
くもん出版「ひらがなさいころつみき 」
8つ目はこちらです。
こちらは楽しく遊びながらひらがなを学べる積み木です。
価格3,180円(2020年11月現在、楽天市場最安値)
立方体の5面にひらがながあり、残りの1面にかわいいイラストとことばが印刷されています。
積み木として遊ぶだけでなく、文字を読んだりつなげたりしながら楽しく文字遊びができます。
ひらがなが苦手な学習障害の方にオススメな積み木です。
・同じ文字もたくさん入っているので、色々な言葉がつくれて本当に楽しそうに遊んでいます。
・みるみるうちにひらがなが読めるようになって、文字を並べて名前をつくったりしています。
・小さめのつくりが子どもの手になじんで使いやすいです。
・まだ2歳で文字に興味がないので、あまり遊ばなくなりました。大きくなったらまた使ってほしいです。
参照:楽天市場
このように、木のぬくもりを感じるシンプルな積み木から、お米でできた積み木や、変わった形の積み木など、積み木の種類はバラエティに富んでいます。
発達障害の症状に合わせて、お子さんのお気に入りとなる積み木をぜひ探してみてください。
まとめ
今回は、発達障害のあるお子さんにオススメの積み木遊びの効果についてお伝えしました。
遊び方が無限にあるため、それぞれのお子さんの状況に合わせてさまざまな遊び方を工夫することができます。
そして、オススメの積み木についても8つ紹介しました。この他にも積み木の種類はたくさんありますので、ぜひお気に入りのアイテムをみつけてみてください。
積み木遊びは、「頭脳面」「精神面」「身体面」の3つの側面を伸ばす効果が期待できます。伸ばしたい側面があるお子さんは、ぜひ日々の遊びの中でうまくとりいれてみてください。