今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「暴力的な子」についてです。
あるブログが話題になりました。
ブログの執筆者がの自分の子どもを保育園に迎えに行ったときに、子どもが他の男の子に肩を殴られているのを見てしまった。
止めに入ったが、自分まで叩かれだしたので、思わず大声で、強く説教してしまったー。
このブログの執筆者の行動は賛否がありましたが、あなたなら同じシチュエーションに立ちあった時にどうしますか?
昨今、このような暴力的な子が増えてきているのではないかと言われています。
暴力的な子は、どうして乱暴をしてしまうのでしょうか。また、どのように注意をすればよいのでしょうか。
一緒に見てみましょう。


暴力的な子どもが増えている?!

2018年度の、小学生の暴力行為の発生件数は36,536件でした。
前年度2017年が28,315件、2013年が10,890件なので、年々暴力行為が増えていることがわかります。(文部科学省問題行為より)
平成30年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
小学校の教員も、「気に入らないことがあると手がでてしまう子どもが増えた」「感情をうまくコントロールできない子がいる」など、思うところがあるようです。
子どもたちに一体何が起こっているのでしょうか。
どうして暴力的な子どもになってしまうのか?

~しなさいと言われ続けると…
子どもは、親や先生に「~しなさい!」と言われ続けると、暴力的になってしまう傾向にあるようです。
親に、自分の価値観を受け入れてもらったことがあまりない子どもは、同じようにほかの人の価値観を受け入れることができず、暴力行為をしたりや暴言を吐いてしまうようになるのです。
虐待を受けている可能性がある
2018年度の統計では、児童相談所に相談された児童虐待の件数は約16万件にのぼることがわかりました。
親の影響で、暴力的な言動が日常的になってしまう子どもがいます。
親に愛されている実感がない子が、親の興味を引くために暴力的な言動を行ってしまうケースもあります。
また、愛される子どもになろうとして、ストレスでキレやすい子どもになってしまうこともあるようです。
自分の感情をわかってほしいから
自分の心の中のモヤモヤとした気持ちを言葉でうまく表現できずに、感情が行為になって現れてしまうことがあります。
「むかつく」「ばかやろう」など、暴言を吐くのも自分の気持ちをうまく表現できず、感情を整理することができないないからなのです。
逆に、未就学児の幼児であれば自分の気持ちを表す言葉を知りません。
どうしていいかわからなくなった結果、力任せに表現している可能性があるでしょう。
発達障害がある可能性がある
自分の気持ちをコントロールするのが苦手な子は、暴力的になってしまう可能性があります。
発達障害がある、とくにADHD傾向がある子どもは、ADHDの特性で見られる衝動性や多動性が原因の場合があるのです。
また、自閉症スペクトラム障害の傾向がある子どもは、物事が思い通りに進まなかったときにパニックになってしまうことがあり、癇癪をおこしてしまうこともあります。
そのストレスが親に暴力として現れてしまうケースもあるのです。
生まれつき「脳の機能障害」が原因と言われ、成長に極端な偏りが出来てしまうことにより、生活に支障を生じる障害の総称です。
「見えるモノ」「聞こえてくる音」「触った感触」など、それぞれの捉え方が異なる場合もある為、周囲の子供達と馴染めず不安を抱えている子供は多くいます。

周囲とは違う子供がいるから「あの子は発達障害!」と決めつけるのは誤りです。

下記に発達障害に関する記事を記載してあります。よければ併せてご覧下さい。
暴力は誰に向けられているのか


ケースごとに対処法も調べてみました。
きょうだいを叩いてしまう
きょうだい通し喧嘩になると、必ず手が出てしまう…。など、きょうだい通しの暴力沙汰も多いものです。
この場合は、どちらか一方に肩入れしてはいけないという思いで、喧嘩両成敗としてしまう場合が多いのですが、何が正しくて何が正しくないのかを伝えるチャンスです。
「とても腹が立ったことは分かるけど、先に手を出したお兄ちゃんが悪いと思う」「こんなときは暴力をふるわずに話し合わなきゃ」など、気持ちを理解してあげて、暴力をふるう前に諭してあげましょう。
パパ・ママを叩いてしまう
親に暴力をふるう場合は、やはり自分の気持ちをうまく表現できずにいたり、かまってほしい気持ちがあって暴力をふるうケースがあります。
場合によっては、親のことを下に見ている可能性もあります。
このような家庭内暴力には、親も毅然として対応することが大事です。
「大事なあなたに叩かれて、お母さんはこんなに辛いのよ」など、正直に伝えることが大切です。
家庭内暴力の中に、どのようなメッセージがあるのかを考えて、普段のかかわり方を見直してみましょう。
友達を叩いてしまう
ほかの子を叩いてしまった場合は、根気強く「暴力はだめだよ」と注意し続けることが大切です。
もしも、先に嫌なことをされたときに暴力で返してしまった場合は、その気持ちは理解してあげたうえで、暴力や乱暴はだめだよと諭してあげましょう。
一番いけないのは、「こうやって叩かれたら痛いでしょう?」と、親が子供に痛い思いをさせることです。
痛みで覚えさせるよりも、叩かれた相手がどう思うかを考えさせて、納得させる言葉がけをしてあげることが大切です。
暴力的な子どもにはどうやって注意すればいいの?


「痛い」「悲しい」ときちんと伝える
子どもの中には、叩いたり乱暴したりすると相手がどう思うかの想像をまだできない子もいます。
暴力を見かけたり、実際に暴力を受けたときには、「痛い」「叩かれた人は痛い思いをするんだよ」ということをきちんと言葉にして伝えることが大切です。
また、物に当たる場合も同様です。
「そんなに叩かれたらおもちゃも悲しいよ」など、物の立場にたって諭してみることも有効でしょう。
言葉で伝えることを教える
たとえば、嫌なことがあったときに暴力をふるってしまう子どもには、言葉で嫌な思いをしたことを伝えるように教えてあげましょう。
脊髄反射で手が出てしまう場合もありますが、その時は根気強く、「今、あなたはどんな気持ちで叩いているの?」など、気持ちの整理をさせてあげることが大切です。
まずは、子どもが嫌な思いをしたことを認め、その上で暴力はいけない手段であること、言葉で伝えることが有効であることを教えてあげましょう。
怒りの感情をコントロールすることを教える
暴力的な子どもは、感情のコントロールが苦手な子が多いです。
例えばおもちゃを買ってもらえず感情が爆発し、暴力をふるいだしたときは、「乱暴する子にはおもちゃを買いません」などと、毅然とした対応をすることが大切です。
ここでおもちゃを買い与えてしまうと、暴力をふるえばおもちゃを買ってもらえると思ってしまう危険性があるからです。暴力をふるっても、欲しいものは手に入らないと教えましょう。
また、「静かにするんだよ」と声をかけてゆき、怒りや暴力が静まってきたタイイングで「そうそう」「静かにできて偉いね」などとほめてあげることも大切です。
下記の動画は感情のコントロールが苦手な子に対する対処法が分かりやすくまとめられています。
なるほど。このように接してあげるといいのですね。
まとめ
昨今、暴力的な子どもが増えていると言われています。しかし、子どもの暴力には、何かしらの原因があります。
ただ乱暴をするのではなく、乱暴をせざるを得ない理由が隠されている場合があるのです。
暴力の裏に隠されている子どもの気持ちを考えて、「暴力はいけないこと」ということを毅然とした態度で教えてあげることが大切です。
また、子ども自身が自分の感情をコントロールすることができるように、積極的に声をかけていきましょう。