今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所になることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「放課後デイサービスとは?」についてです。
そんな疑問について、一つずつ説明しています。
また利用するためには、どんな手続きが必要で、どんな子どもが対象なのか、どんなサービスがあるのかを詳しく見ていきます
・放課後デイサービスがどんなものなのか。
・利用するためには?
・手続きは?
・種類は?
目次
放課後デイサービスとは?なにをするところ?
放課後等デイサービスとは、障害を持っている学校に通う児童(小学校、中学校、高校など)が学校の授業の終わった後や夏休み、冬休み、春休みなどの長期休暇中に通うことのできる施設です。
2012年に改正された児童福祉法によって、放課後等デイサービスというものができました。
今回の法律の改正が行われる前までは、障害の種類ごとに利用できる施設が分かれていました。
法律の改正後に、年齢や目的別に分けられました。
児童発達支援 ・医療型児童発達支援 ・放課後等デイサービス ・保育所等訪問支援という方に変更が行われました。
この法律の改正によって、かなり大きな規制緩和がされたので、住んでいる地域で乳幼児から高校生まで均一した福祉サービスを受けられるようになりました。
放課後デイサービスを利用できる人は?
では、具体的にどのような方が対象になってくるのかみていきます。
今回は放課後デイサービスのお話になるので児童発達支援については省略します。
①障害のある子ども
②原則就学児童
①障害のあるこども
身体に障害のある児童、知的障害や精神に障害のある児童(発達障害の子も含む)が対象となっています。
しかし、療育手帳、障害者手帳がなくてもサービスを受けることが可能です。もちろん診断がなくても利用できます。
その場合は、ドクターなどの専門家に意見書を書いてもらい、放課後デイサービスを受ける必要があると認められると利用が可能です。
②原則就学児童
就学児童と言うのは、幼稚園と大学を除いた小学校、中学校、高校に通っている子どもです。年齢で言うと6歳~18歳です。例外としては、引き続きサービスを受けなければ困る場合は、満20歳になるまで利用しても大丈夫です。
放課後等デイサービスの施設の種類
利用する目的や各施設の特徴に合わせて種類があります。こちらの分け方はすべての放課後等デイサービに当てはまるわけではなく、3つの大きな括りにしました。
①習い事タイプ
運動や音楽(楽器の演奏)、書道や絵画(アート)、プログラミングやロボットなどのプログラムに特化した施設のタイプです。
ピアノを習う、体操教室に通うというような習い事感覚の放課後等デイサービスです。
簡単に言えば、習い事に障害について理解のあるスタッフや教室という感じです。
このタイプは比較的短い時間の利用が特徴です。
②学童保育タイプ
こちらのタイプは、子どもたちが好きなことをできる時間が比較的多い。
習い事型のように特定のプログラムには特化していないため、掃除や料理、買い物、小集団でこ関わり方、服の畳み方などの生活に必要な能力を育み育てる時間と、自由に宿題などの勉強をしたり、自由に遊ぶ時間に分かれている施設が多い。
③療育タイプ
専門的な療育タイプです。行動、学習、コミュニケーションなどの様々な角度から各自に合わせた療育をする。
ソーシャルスキルトレーニングや音楽を取り入れたもの、運動療法などの施設独自で考えられている療育プログラムが時間内に組まれていることが多い。施設によっては作業療法士などの専門資格を保有している人がいることが多い。
個別の1対1を採用している施設が多い。
放課後デイサービスの目的に合わせた4つのプログラム
今回の法律の改正で、放課後デイサービスの目的にあわせた4つのプログラムを盛り込むように言われています。
それについて少し触れておきます。
①自立した日常生活を送るための訓練
着替えや掃除、料理、お金の管理など日常生活で必要な能力を育てる。
ひらがなの書き方や読み方、計算、宿題などの学習に必要な能力を育てる、社会で自立して活動するための能力のトレーニングや集団でおこなうトレーニングによるコミュニケーション能力の向上。
②創作的活動や作業活動
創作活動や作業活動を提供する。
例えば、染紙やすき紙などの創作、スライムなどの感覚遊び、粘土による造形、書道、絵を書く、野菜スタンプや季節ごとの創作など。
③地域との交流
障害がある子どもに社会の体験や生活するための経験が豊かになるよう、地域交流を積極的に行う。
学校がお休みの日を利用して、水族館や動物園、工場見学などへの社会科見学を実施する場合もあります。
また地域の駄菓子屋さんやケーキやさんに実際にお買い物をしにいくことで社会体験を学べます。
④余暇の提供
障害のある子どもたちの放課後や夏休みなどの長期期間のお休みを安心して過ごせる居場所として、自由に遊んだり安心して過ごせる空間の提供や、運動やダンス、楽器、アートを習うなどのプログラムを実施する。
どんな人がいる?
保育士の、資格を持っている人か児童指導員が一人以上、児童発達支援管理責任者の資格を持つ人が必ず一人、その他に施設の設備や人材管理する管理者が一人いるのが基本的なスタッフ構成になっています。
①児童指導員1人以上(保育士資格保持)
②児童発達支援管理最近者1人
③施設を管理する人
④施設によっては専門の資格をもつスタッフ。
ここでいう保育士というのは、国家資格を持ち、子どもの療育や指導を実際に行う人のことを言います。
児童発達支援管理責任者とは、放課後等デイサービスに通う子どもに対して個別支援計画を一人ずつ作成し、その子どものためのサポートが支援計画を基に実施されるようにマネージメントする人です。
児童発達支援管理責任者になるには、国の法令が定める目標を最後まで終わらせ、決められた研修を受け、各都道府県、政令指定都市から資格を与えられることが条件です。
管理者とは、保育士、児童発達支援管理責任者などの人材などの管理や、事務や施設の全てのことについて管理や調整する人です。
そのほか施設によっては、作業療法士、言語聴覚士、臨床心理士などの専門家がいる施設もあります。
放課後デイサービスを利用するためには?
具体的に利用するための申請方法などについて見ていきます。
①利用回数
利用回数はすべての人が同じではありません。自治体から発行される受給者証によって人によって受けられるサービスの回数が検討されます。
子どもや保護者の状況や環境、利用したい回数や施設の空き状況などのいろいろな方面から受給者証の申請するときにその人にあった回数をきめる審査が行われ、ひと月に利用できる日数の最大値が受給者証が発行される時に決まります。
ひと月に使える日数の上限の範囲内で、その子に必要なサービスを組み込んで利用計画が立てられます。
お子様の関心のあることや、成長や発達の状況に合わせて様々な療育施設を掛け持ちして、組み合わせていくことが多い。
必ずしも複数行かなくてはいけないのではなく、子どもの特性や、集団へどのくらい馴染めるかなど、タイプをうまく組み合わせて、一週間のスケジュールを組むのがおすすめです。
②費用
放課後等デイサービスは障害児通所給付費の対象になっています。受給者証を自治体に申し込み、認可され取得することで国と自治体から利用料の9割が給付され、1割の自己負担で福祉サービスが受けられます。
利用した日数に応じた1割負担分の利用料を支払います。
前年度の所得を基準にひと月に保護者が負担する額の最大金額が決められているので、たとえ利用する日数が多くても下記の金額以上の負担はありません。また、自治体によっては独自の助成金が支給されることもあるので、独自の助成金がないか確認しましょう。
所得ごとの負担上限金額
■所得ごとの負担上限月額
原則としては、一割負担ですが、前年度の年間所得(支払金額から給与所得控除額を差し引いた額)によっては負担額が0円となる場合があります。
生活保護受給世帯・市町村民税非課税世帯: 0円
市町村民税課税世帯(前年度の年間収入がおよそ890万円以下の世帯): 4,600円
上記以外(前年度の年間収入がおよそ890万円を超える世帯): 37,200円
(2022年現在)
その他の費用
施設によりますが、おやつ代やお弁当代、制作費がかかることもあります。
食費の減免
通う施設を利用する場合、食費の軽くしたり免除があります。障害児の通所施設については、低所得世帯と一般は食費の負担が軽減されます。
放課後デイサービスを利用するための手続き
①利用相談
お住まいの区市町村の福祉の関係のある担当窓口や障害児の相談のサポートを行なっている事業所などにまずは相談しましょう。
どのようなサービスを支援してほしいかなどの聞き取りが行われます。窓口で地域の児童発達支援事業所や放課後デイサービスのリストなどの情報を提供してもらえる場合もあります。
受給者証を申請するにあたって、これからのどのような順番で進めていくのかや必要な書類などについてはお住まいの自治体によって変わることもありますので、このときにしっかり必要な書類をチェックしておきましょう。
②施設の見学、体験、相談
実際に利用したい事業所にまずは電話して空き状況や見学や体験ができるかを相談しましょう。
空きがあり、見学、体験ができるのであれば必ず利用する本人を連れて行き、見学、体験します。その時に利用するための回数や曜日、プログラムなどについても具体的に相談しましょう。
このときに必ず何箇所か見学、体験してどの施設が本人にとって合っているのかを比べることが大切です。
事業所に書いてもらう意見書や地域や自治体、市町村によって申請するのに必要な書類があるときは早めに作成してもらいましょう。
利用したい放課後デイサービスが決まったら、相談支援事業所と言って障害のある子どもや大人、親の相談に乗ってくれる施設で受給申請に必要な障害児支援利用計画案の作成をお願いします。
放課後デイサービスによっては、相談事業所を持っている事業所もあるのでまずは相談しましょう。
区市町村にある相談や支援を行なっている事業所に行ったときに聞き取りという簡単な面談をしたり、地域によっては家庭訪問して聞き取りをする場合もあります。
障害児支援利用計画案は家族やサポートする人がセルフプランという形で作成することも可能です。
③申請書等の提出
利用したい放課後デイサービスが決まったらお住まいの区市町村の福祉の担当窓口に行って利用するために必要な申請書(障害児通所給付費支給申請書)、さらに障害児支援利用計画案(もしくはセルフプラン)という、子どもがどのような支援が必要か目標を立てながら計画したものを提出します。
このとき、自分の家庭の所得を証明する書類や、もし取得していたならば療育手帳や障害者手帳を持っていって提示します。
手帳を持っていない場合は児童相談所、市町村保健センター、医療機関などに療育が必要だということを書いてもらった意見書などを提出することも可能です。
そのほか必要な書類はお住まいの自治体によって異なりますが、児童発達事業所の療育を受ける必要があるというような意見を書かれたしよるやマイナンバーカードが必要な場合もあります。持ち物は事前によくチェックしておきましょう。
④調査
受給者証の発行するためには、利用する条件をクリアしているかどうかや、また申請されている子どもに必要だと思われる適切な支援の量(日数)について、お住まいの区市町村の受給者証の支給担当窓口によってディスカッションが行われます。
直接会っての面接調査や実際に利用希望者の自宅に訪問して調査し、今の状況の聞き取りや評価、サービスの利用についての親や本人の気持ちや意志の聴き取りなどが行われることもあります。
その後支援を受けるべきかの審査があり、受給者証が提供されるかどうかが決まるまで、はやくて2週間~遅くて2か月かかることもあります。
⑤受給者証の交付
支給が決まったら、受給者証が交付されます。郵便や直接受け取りに行くなど、お住まいの自治体によって受け取り方法は様々です。
受給者証を受け取ったら利用するためのどのような支援や短期目標の設定など、支援についての計画を考える障害児支援利用計画を作成します。
相談や支援を行なってくれる相談支援事業所が受給者証のどのようなサービスをどのくらいの量受けるかなどの内容に基づき、利用を希望する事業所と連絡をとり調整して作成してくれます。
このときのおすすめとしては、同時進行で受給者証の申請をやりつつ、支援計画の作成を依頼しておくとスムーズに利用が開始できます。
⑥事業所との契約、利用開始
受給者証と障害児支援利用計画(もしくはセルフプラン)を持って事業所に足を運び、サービスを受けるための契約とそれに必要な手順です。
印鑑や健康保険証、また持っている場合は療育手帳・障害者手帳など、その他に必要な持ち物は事前にチェックしましょう。契約が完了したら利用がスタートできます。
まとめ
放課後等デイサービスは、障害児向けの学童保育というイメージがありますが、障害のある就学児童へのいろいろな社会経験や居場所の提供、勉強と生きていくためのサポート、趣味を楽しむ場所、また小集団でのコミュニケーションの場所など様々な目的のある施設です。
そのため、施設の特徴、形態は本当に多くの種類があります。子どもの障害の程度やその子の特性に合わせて、放課後等デイサービスの利用を考えましょう。