今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害 ワーキングメモリ 鍛える」についてです。

発達障害の特性を持つ人はワーキングメモリが弱いと聞きいたことはありませんか?ぱっと聞いただけでは分からない方も多いのでしょうか。

今回は発達障害を持つお子さんや親御さんに向けてワーキングメモリが弱いとは何を意味するのか、そしてワーキングメモリが弱い場合には鍛えられるのかなど具体的に紹介してきたいと思います。

発達障害とワーキングメモリの関係

発達障害を持っている子どもさんの場合、ワーキングメモリが弱いといわれています。もちろん個人差もあります。

ワーキングメモリとはどのような機能なのでしょうか?下記をご覧ください。

ワーキングメモリ (working memory) は,思 考と行動の制御に関わる実行系機能 (executive functions) の一つであり,認知活動の遂行に必 要となる情報を一時的に処理・保持するといった「心の作業場」の役割を担う。

引用元:ワーキングメモリと発達障害 ―― 支援の可能性を探る ――湯澤美紀 2011

上記の引用を参考に説明していきたいと思います。

ワーキングメモリに余裕があると「心の作業場」が大きいということになりますね。そうすると、視覚や聴覚などから入ってくる情報に対して処理できる作業スペースが広く、余裕を持って情報の処理や正しい解釈ができますね。

ワーキングメモリが弱いと

発達障害の場合ワーキングメモリが弱い、つまり「心の作業場」が狭いのです。

皆さんも経験があるかもしれませんが、作業机が狭いと効率が悪くなりますよね。処理落ちしたり、整理整頓が難しくなったり、ミスしやすくなりますよね。ワーキングメモリが小さいと同様のことが起こります。

発達障害などでワーキングメモリが弱いと視覚や聴覚などの情報でスペースがすぐにいっぱいになってしまいます。そうすると、ワーキングメモリの容量を超えた情報を記憶したり処理を行うことは難しいですね。

その結果、その子が正しい解釈ができない、約束を忘れてしまうなど日常生活に影響が出てしまいますね。

具体的に考えられる影響を箇条書きにしてみました。

人間関係や学業への影響

家族・友人・先生との約束などを忘れてしまう

授業の理解が遅い、理解できない、ついていけなくなる

課題を最後まで終了することが難しい など

3つ目の「課題を最後まで終了することが難しい」でアレっと思った方もいらっしゃいませんか?ワーキングメモリと注意散漫は関連しています。下記をご覧ください。

ワーキングメモリ に負荷のかかる課題 (情報の処理と保持を同時に 要する) では注意散漫となりやすく,課題を最後 までそして正確に終えることは難しいこと,など を見出した。

引用元:ワーキングメモリと発達障害 ―― 支援の可能性を探る ――湯澤美紀 2011

そして、ワーキングメモリが弱いことで「約束をすぐ忘れる」「教えたことを覚えない」など実生活でも影響がありますよね。そのせいで周りに誤解を与えてしまう可能性もありますよ。

そのため、その子が持つワーキングメモリの状態に合わせて工夫をしていく必要がありますね。

ワーキングメモリを鍛える方法は?

ワーキングメモリを鍛えるには、

  1. ワーキングメモリに対してトレーニングをする
  2. ワーキングメモリは現状のままに創意工夫して最大限活かす

上記の2つの方法がありますよ。

1つ目は、最近の研究では脳へのトレーニングの効果や有効性が支持される研究結果が多数報告されているようですが、ワーキングメモリに対してのトレーニングの 効果については未だ不明な点も多いようです。

また、ワーキングメモリに対してのトレニングには個別の障害の程度に合わせて適切なプログラムが必要であり、私たちが家庭でトレーニングを行えるようになるには難しいようです。今後に期待される部分が大きいようですね。

下記の引用も参照いただければと思います。

専門的なプログラム以外でも下記の内容のように音楽や言語学習、体を動かしたりする有酸素運動などが神経の発達を促し、結果的にワーキングメモリの向上とも関わっているようです。

音楽、バイリン ガル教育、フィットネストレーニング、瞑想、そしてキャンプやハイキングなどの自然と のかかわりに至るまで、実に様々な活動が実行機能の向上に関係することが報告されてい る7)。特に有酸素運動に代表される身体的なフィットネストレーニングが神経発達を促 し、実行機能の向上に寄与することは広く知られている

引用元:発達障害児に対する実行機能の認知トレーニング 大 村 一 史 2015
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浩二
広い視野を持ってお子さんと色々な活動をしていきたいですね。

2つ目ですが、その子が持つワーキングメモリ能力を最大限活かしつつ、創意工夫する方法もありますね。

下の動画は発達障害でワーキングメモリの弱さに対しての対策を語られています。具体的なのでわかりやすいので参考にされてください。

下記にポイントをまとめてみました。

ワーキングメモリ能力に対して工夫するポイント

複数の指示はせずに、シンプルに伝える(その子ができる範囲を考慮して)

視覚優位の場合は伝えるときは目で見えるようにする(その子の得意に合わせて)

忘れてしまう場合はメモさせる、目で見える形に残す(約束、課題など)

子どもの理解度に合わせて、理解できるように何回も繰り返し教える

課題や宿題などをするときは集中できる環境を整える(気が散らないように)

親御さんの役割も大切

発達障害があるとお子さんは幼稚園や学校で褒められたりするよりも、叱られたり注意されたりすることも多いという現状があります。また、お友達に誤解されたりする場合もありますね。

保育園や小学校などで嫌な思いをしたり、他の子はできるのに自分にはできなくて辛い思いをしている場合もあり、発達障害を持つお子さんの場合は自信を無くしていることも少なくありません。

そこで親御さんには子どもさんとコミニュケーションをとって、たくさん話を聞いてあげてください。そして、できたことを当たり前を思わずに褒めてあげてくださいね。

お子さんを褒めて自信を持たせてあげることが発達障害を持つお子さんにとってはとても大切な経験になりますよ。

先生との架け橋

発達障害はひと目見ただけではわからない障害でもあります。

障害による特性によって誤解を受けずに、その子らしく通園や通学するためには、先生としっかりと子どもさんの状態を説明しその子にあった配慮や対応をしてもらうことも大切になります。

そのため、親御さんも大変ですが先生とコミニュケーションをとり、お互いに情報共有なども行い良い関係でいたいですね。

そして、発達障害を持つ親御さんは大変な思いをすることも多いですよね。発達障害についてわからないことやお悩みになることもあると思います。

次は相談窓口について触れていきたいと思います。

相談窓口について

発達障害を持つお子さんや親御さんは日々の日常生活のことやしつけなども含めて、悩みことも多いのでないのでしょうか。

そこで発達障害について相談ができる窓口を紹介していきます。以下の窓口をご覧ください。

上記の窓口ではお住まいの地域に設置がある場合がありますので、お問い合わせしてみてくださいね。

今回紹介するのは放課後等デイサービスについてです。内容は下記をご覧ください。

放課後等デイサービスは、支援を必要とする障害のある子どもに対して、学 校や家庭とは異なる時間、空間、人、体験等を通じて、個々の子どもの状況に 応じた発達支援を行うことにより、子どもの最善の利益の保障と健全な育成を 図るものである。

引用元:厚生労働省放課後等デイサービスガイドライン(本文).pdf

放課後デイサービスでは発達障害を持つ子どもさんの発達支援と共に、障害を持つ子どもを持つ親御さんを支援するという側面も持っています。

具体的には子育ての悩みや養育などに対して相談したり、子どもさんをケアすることによって親御さんの時間を一時的に保障することです。

そのため、こちらの窓口に子育ての悩みごとなどを相談してみてはいかがでしょうか。発達障害を持つお子さんが利用することもあるため、親御さんの参考となるアドバイスを受けられる場合もあるかもしれません。

親御さんは悩まれることも多くあると思いますので、このような機会を利用し相談してみてはいかがでしょうか。

施設紹介

放課後等デイサービス・アレッタでは放課後等デイサービスで横浜市を中心に、小学1年生~高校3年生の子どもさんを対象に事業を行っています。

発達障害を持つ子どもさんやそのお子さんを支える親御さんの負担は計り知れません。アレッタはお子さんのお気に入りの場所、親御さんにとって安らげる場所を目指しています。

子どもさんとのコミニュケーションや関わりで悩まれてはいませんか?どうぞ、アレッタにお気軽にお問い合わせください。


まとめ

今回はワーキングメモリが弱いとは何を意味するのか、ご理解頂けたと思います。ワーキングメモリを鍛える方法やそれを補うためにご家庭でできること具体的に紹介してきました。

ワーキングメモリを大きく伸ばすことは難しいですが、その子のワーキングメモリ能力に合わせてシンプルに伝えたり、目で見てわかるようにしたり創意工夫をしていくことが大切です。

親御さんも大変だと思いますが、辛いときは色々な窓口もありますので相談してみるのもおすすめです。最後まで読んでいただきありがとうございました。