今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「ロングスリーパー 発達障害」についてです。
最近睡眠について話題に上がることも多いですね。発達障害を持つ子どもさんの中でもロングスリーパーといわれる子どもさんもいらっしゃるようですね。
今回は発達障害をお持ちでロングスリーパーでもあるお子さんを持つ親御さんに、ロングスリーパーとはどんな人のことなのか、心がけること、注意するべきな子どもの睡眠のサインなどを解説していきたいと思います。
目次
発達障害とロングスリーパーの関係
発達障害の原因は、「先天性の脳機能障害」の影響と言われています。睡眠障害は発達障害に限らず誰にでも起こりうる障害です。ですが、発達障害は、何かの事故や生活環境の影響により障害を抱えてしまうことはありません。
睡眠に関する悩みは、日々のストレスや寝つきが悪いなどの体質、睡眠時無呼吸症候群など様々です。
この一方、ASDやADHDの発達障害を抱えた子供達は、睡眠に関する悩みを抱えている事が多いと言われています。
「周りと同じことができない」などのストレス、「周囲の音が気になる」などの感覚過敏と、他にも様々な要因があるでしょう。発達障害を抱えてしまうことで、より疲れやすい状況に陥りやすいのです。
なので、家に帰ったら遊ばずに寝てしまうという子供も珍しくないでしょう。
また、「疲れやすい」をトピックスにした記事があります。良ければ併せてご覧下さい。
ロングスリーパーとは
ロングスリーパーを見ていく前に、一般的な睡眠時間の目安をご存知ですか?
厚生労働省によると、一般的に必要とされている睡眠時間は6時間以上8時間未満としています。(参照:厚生労働省|睡眠対策 健康づくりのための睡眠指針 2014)
これに対してロングスリーパーは、厳密な定義はないようですが1日に10時間以上の睡眠を必要とする人を指している場合が多いようです。
ロングスリーパーの特徴
ロングスリーパーは病気ではなく、そのような体質であることが原因のようですよ。しかし、詳しい原因については解明されていないようです。
必要な睡眠が確保できていれば、日中に差し支えなく活動できるようです。
発達障害の子どもさんがロングスリーパーということも珍しくないようですよ。実際の発達障害の子どもさんを持つ親御さんのツイッターですので参考までにご覧ください。
心がけたいこと
必要な睡眠が取れていないと眠気がさしたり、不注意やケアレスミスをしたりなどその子の能力が十分に発揮できないということが起きてしまいますね。
保育園や学校で眠気がさしたり居眠りをしてしまったり、不注意でミスをしてしまうと、お友達や先生から「やる気がないのかな」「甘えている」など印象を悪くなってしまったり、人間関係に影響も出てくる可能性もありますよね。
なので、睡眠不足を避けてその子に必要な睡眠を取れるように心がけていきたいですね。
子どもさんが必要な睡眠を取るためには、下記の3つが大切です。
- 睡眠時間の確保する
- 質のよい睡眠を取る
- 規則正しい生活をする
そのためには親御さんは何をしたらよいか具体的に見ていきましょう。
時間の管理
幼稚園や学校が始まると、通園や登校時間は決まっていますよね。なので、必要な睡眠時間を確保するためにも起床時間から逆算して余裕を持って就寝していきましょう。
そのために毎日のことで大変ですが、夕食の時間やテレビの時間、明日の準備をする時間、お風呂の時間、布団に入る時間などあらかじめ計画を立てるなどしてお子さんをサポートしてみてはどうでしょうか。
・予定を把握できるように提示しておく、声かけもする
・予定を忘れてしまったり守れないことがある場合は、その子の目につくところに手がかり(視覚情報)を提示しておく
起きたら太陽の光を浴びよう
朝起きたときに太陽の光を浴びると気持ちいいですよね。朝が来たと感じませんか?
これには根拠があり、私たちは目が覚めてすぐに太陽の光を浴びると体内時計がリセットされて1日体内時計が動き始ます。そして、1日のリズムが始まるといわれています。(参照:厚生労働省|睡眠対策 健康づくりのための睡眠指針 2014)
このように太陽の光はこころも体も覚醒させる効果がありますので、朝起きたらカーテンを開けて太陽の光を浴びましょう。そして、毎日の習慣にするとさらにいいですよ。
夜はからだとこころのリラックスを
睡眠には、からだとこころの両方がリラックスできる環境も必要です。
からだの疲れを癒したり休めたりすることも大切ですよ。
ほんの一例ですが、
- 入浴の温度は、ぬるめ(38−40℃)にして、お風呂にしっかりと浸かる
- 入浴剤は、お気に入りを使用して親子で気分転換を図る
- 寝室の明るさを抑えて、部屋の温度の心地よさに気を配る
- 夜間の音など気にならないように調整する
という工夫もできますね。
次に、こころを休めるという点では子どもさんが心配事や不安なことがあると精神的に落ち着かなくて眠れないということもありますよね。また発達障害だと疲れやすかったり、心配事などを表現することが苦手な場合もあります。
そのため、家庭ではお子さんが安心して過ごせる環境を作り、お子さんの様子を見ながらゆっくり話を聞いてあげることも大切ですね。
発達障害ならではの配慮も
発達障害の特性として以下のような場合もありますよ。もちろん当てはまらない場合もありますので、一例として見てくださいね。
- コミニュケーションの困難、話すのが苦手
- 感覚過敏
- 集中しすぎる
- 疲れやすい
- 環境の変化に弱い
発達障害の特性として会話を上手にできず、自分の感じていることや不安に思っていることなどを伝えられない場合もありますよ。
そして、ストレスや不調を感じても表現できなかったり我慢してしまう場合もあるかもしれません。
そして、感覚過敏があると他の人がなんとも感じない音や刺激を過剰に感じてしまうため、他の子よりも疲れやすかったりする場合もあるようです。
また自分の得意なことや好きなことに対して集中しすぎてしまうという特徴もあるので、それもまた疲れやすくなる原因となります。
発達障害特有の疲れやすいについてのTwitterですね。ご覧下さい。
なので、発達障害がある場合にはその子の持つ特性に配慮しながら、その子の睡眠やからだやこころの状態などそばで見守り、こころの休息や睡眠が取れるように関わっていきたいですね。
子どもは睡眠の問題を抱えやすい
現代はテレビやゲームなど夜更かししやすい環境が整っていることも要因の一つとなり、子どもさんが睡眠についての悩みを持っていることは珍しいことではありません。その割合は、下記の引用をご覧下さい。
現代っ子の実に4-5人に1人は、睡眠習慣の乱れや睡眠障害など何らかの睡眠問題を抱えているのです。
引用元:厚生労働省 e-ヘルスネット|休養こころの健康 子どもの睡眠
発達障害の子どもは更に
発達障害の特性がある場合には、そうでない子どもに比べて睡眠の問題を持っている確率がより高いこともわかっています。
そして、睡眠の問題があった場合は睡眠に問題のない発達障害の子どもに比べて情緒面や行動面での行動が報告されたり、多動行動などが悪化している可能性も考えられるようです。
(参照:特集:睡眠と健康 国内外の最新の動向ーエビデンスからアクションへー〈総説〉子どもの睡眠 亀井雄一 岩垂喜貴 2012 )
発達障害の子どもさんは睡眠に関しての問題を抱える確率も高いので、親御さんはお子さんの日常生活の不調や睡眠の問題に注意してみていきたいですね。
症状があれば医療機関に受診を
家庭での生活リズムや睡眠習慣の改善だけでは対処できない「睡眠障害」があります。
そのため、子どもさんの睡眠状態をしっかりと親御さんが把握していく必要があります。もしも、下記のような状態が1ヶ月以上続くようであればかかりつけの小児科医に相談しましょう。
(参照:厚生労働省 e-ヘルスネット|休養こころの健康 子どもの睡眠)
日中の眠気が強すぎて起きてられない
日中の授業に集中できない、学習能力が低下している
寝ている途中で呼吸が止まってしまう
眠りの質が悪い、熟睡感がない
寝入りばなや夜間にからだの異常な動きがある
(参照:厚生労働省 e-ヘルスネット|休養こころの健康 子どもの睡眠)
ロングスリーパーと過眠は違う
睡眠障害の中には過眠というものもあります。ロングスリーパーとの違いをご存知ない方も多いのではないでしょうか?
ロングスリーパーは長時間の睡眠が必要な体質の人を意味しますね。そして、日中の病的な眠気は伴いません。
しかし、過眠は夜間の睡眠が十分取れていても日中に病的な眠気を伴う状態です。
過眠は、日中居眠りをしたり能率が落ちてしまうだけなく、周りの人に「真剣でないのかな」など人間関係で誤解を与えてしまうこともあるようですね。
そのため、夜間睡眠をとっていても日中に強烈な眠気を伴う様子が子どもさんに見られる場合はかかりつけの小児科医に相談してくださいね。生活リズムや睡眠習慣の改善だけでは対処できない場合のあるからです。
過眠の原因では、睡眠時無呼吸症候群が隠れている場合も小児でも2%程度で見られるようです。その場合は専門機関での診断や早期の発見・治療が大切になってきます。
(参照:厚生労働省 e-ヘルスネット |休養こころの健康 過眠 厚生労働省 e-ヘルスネット|休養こころの健康 子どもの睡眠)
通常の睡眠の人でも、眠気を感じることもありますよ。
ただし、意識的に眠ることを我慢できて起きていることができます。
ここでの「日中の強い眠気」とは、いくら頑張っていても起きていられないほどの強烈な眠気のことを意味しています。
発達障害に関連する窓口
今回は睡眠についてのテーマでしたが、発達障害を持つお子さんは睡眠に関してお悩みがある場合も多いですよね
更に発達障害の子どもさんを療養されている親御さんは日々の日常生活や子育てなども含めて、悩みごとも多いのでないのでしょうか。
そこで発達障害について相談ができる窓口を紹介しますね。以下の窓口をご覧ください。
- 市町村の相談窓口
- 発達障害情報支援センター
- 保健所
- 児童相談所
- 放課後等デイサービス
上記の窓口ではお住まいの地域に設置がある場合もありますので、問い合わせしてみてくださいね。
放課後等デイサービスは、支援を必要とする障害のある子どもに対して、学 校や家庭とは異なる時間、空間、人、体験等を通じて、個々の子どもの状況に 応じた発達支援を行うことにより、子どもの最善の利益の保障と健全な育成を 図るものである。
引用元:厚生労働省放課後等デイサービスガイドライン(本文).pdf
放課後デイサービスでは発達障害を持つ子どもさんの発達支援と共に、障害を持つ子どもを持つ親御さんを支援するという側面も持っています。
具体的には子育ての悩みや養育などに対して相談したり、子どもさんをケアすることによって親御さんの時間を一時的に保障することです。
そのため、こちらの窓口に子育ての悩みごとなどを相談してみてはいかがでしょうか。発達障害を持つお子さんが利用することもあるため、親御さんの参考となるアドバイスを受けられる場合もあるかもしれません。
親御さんは悩まれることも多くあると思いますので、このような機会を利用し相談してみてはいかがでしょうか。
施設紹介
放課後等デイサービス・アレッタでは放課後等デイサービスで横浜市を中心に、小学1年生~高校3年生の子どもさんを対象に事業を行っています。
発達障害を持つ子どもさんやそのお子さんを支える親御さんの負担は計り知れません。アレッタはお子さんのお気に入りの場所、親御さんにとって安らげる場所を目指しています。
子どもさんとのコミニュケーションや関わりで悩まれてはいませんか?どうぞ、アレッタにお気軽にお問い合わせください。
また、発達障害お役立ちトピックスでは、発達障害に関する様々な情報記事を公開しています。ぜひ参考にご覧下さい。
まとめ
発達障害をお持ちでロングスリーパーでもあるお子さんを持つ親御さんに、ロングスリーパーとは、親御さんが心がけること、睡眠で注意するべきサインなど解説してきました。
ロングスリーパーは病気ではありませんが、日常生活での工夫は必要でかつ発達障害の特性を持つ場合はその子に合わせた配慮も必要でしたね。
睡眠は子どもさんにとって大切ですから、親御さんの協力はかけがえのないものです。親御さんが不安に思うことがあれば、かかりつけの小児科医などの専門知識を持った人に相談してみてくださいね。