今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害 普通学級 迷惑」についてです。

お子さんに発達障害があると、保護者の方は普通学級(通常の学級)と特別支援学級のどちらを選べばいいのか迷ってしまいますよね。

今回は、発達障害児が普通学級に入るとどのように迷惑なのかという疑問や保護者の方がお子さんのためにできることを確認していきます。

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静江
発達障害児だけではなく、発達障害グレーゾーンの方にも参考にしてみてください。

発達障害児が普通学級にいると起こる迷惑行為

SNSなどの反応を見る限り、残念ながら発達障害児が普通学級にいることで迷惑だと感じる方は一定数います

参考元:Twitter検索結果

発達障害ではないお子さんや保護者の方から見ると、発達障害児が普通学級にいてどのような行為に迷惑と感じるのでしょうか?

よくある迷惑行為3点と、発達障害を抱えるお子さんに被るデメリットをお伝えします。

授業を妨害する

  • 授業中に席を立つ
  • 授業中に先生や周囲へ話しかける
  • 健常者と同じように動作できず授業時間が足りなくなる

発達障害児が勝手に席を立つ、周囲とおしゃべりを続けるなどの授業妨害行為をする度に先生が指摘をすると、先生もクラスメイトも授業に集中しにくくなります

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浩二
授業中じっとしていられず席を立つ行為は、ADHD(注意欠如多動性障害)によく見られます。
LD(学習障害)の生徒さんがいると授業がスムーズに進まない可能性が出てきますね。
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静江
健常者のクラスメイトからすれば「なんで授業中に席を立つの?」「授業がちょくちょく中断して集中できない…」といった疑問や不安が出てくるかもしれません。

お世話係に抜擢(ばってき)される

  • 生徒の意思を確認せず先生が勝手にお世話係を指名する
  • 頼りにされすぎて疲弊してしまう

「発達障害児が座る席の近くに席がある」「頼りがいがある」という理由だけで生徒の意見を聞かず、先生が一方的にお世話がかかりを指名される可能性があります。

指名された生徒は「困っている人を助けられた」という自信がつく一方で、「なぜ私がやらなければならないの?」と不満を持つ場合が考えられます。

暴力や口の暴力をふりかざす

  • 暴力をふるう
  • ちょっかいを出す

感情のコントロールがうまくできないお子さんは、クラスメイトや先生と揉めてケガを負うもしくは負わせてしまう可能性があります。

クラスメイトや先生だけではなく、お子さんもケガをする可能性があるので、双方メリットがありません。

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静江
ADHD(注意欠如多動性障害)によく見られる症状で、迷惑行為が他害に直結する場合です。

発達障害への偏見が広まる

必要な支援や学校の先生や同級生の理解がない状態で普通学級にいる場合、お子さんがが環境に適応できず、上記のような問題行動(大声、暴言、暴力、離脱など)を起こしてしまう可能性があります。

発達障害児に対しての理解・支援が得られない事例は、同級生や保護者に「迷惑」「こわい」と捉えられる事例もあるようです。

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静江
発達障害があるお子さんは、普通学級で過ごすだけでもハードルが高くなってしまう可能性があるんですね。
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浩二
逆に学校の先生や同級生に発達障害に理解してもらい、柔軟な対応ができたケースもあります。
発達障害を持つ子どもさんでも普通学級で過ごせたという意見もあるようです。

発達障害児の進級先候補は特別支援学級の検討を

普通学級で落ち着いて過ごすためには、発達障害の特性の同級生や先生による理解が必要です。

しかし周囲の理解が得られない場合どうすればいいのでしょうか?

答えはその子にあった選択を個別に判断していくことです。具体的には以下の3点になります。

  • 発達障害への理解を得られたうえで普通学級に進む
  • 普通学級の他に通級の授業も受ける
  • 特別支援学級へ進む

大人数で授業を受ける普通学級に進むのではなく、少人数制の特別支援学級で授業を受けた方がお子さんに向いているかもしれません。

参照元:(参考)通級による指導の現状|文部科学省

以下、普通学級(通級あり)と特別支援学級の特徴をまとめました。

普通学級の特徴(通級あり)

通級の正式名称は「通級による指導」です。

小学校~高等学校等において通常の学級に在籍し、学習にほぼ参加できる状態でかつ一部特別な指導を必要とする生徒に対し、障害に応じて特別指導します。

参考元:2.特別支援教育の現状|文部科学省

普通学級のメリット

主に教育面においてメリットがあります

例えば通常の学習過程を受けられるため、進路の幅が広がるのは本人にとって大変ありがたいものです。

大部分の授業を普通学級で受けて、一部の時間で障害に応じた特別な指導を週1~8コマ受ける形になります。

通級の場合、生徒数は13人につき教員一人という配慮です。少人数の授業なら緊張やイライラせずにいられるお子さんに向いているでしょう。

普通学級のデメリット

お住まいの地域によっては、通級指導教室の設置していない場合があります。

通級だけ他校に通学する場合、通学による負担を考慮しなければなりません

特別支援学級の特徴

文部科学省の定義によれば、特別支援学級とは義務教育課程において、対象の障害を持つ生徒に対し、障害による学習もしくは生活上の困難克服のために設置される学級と言われています。

参考元:2.特別支援教育の現状|文部科学省

特別支援学級のメリット

基本的には小中学校の学習指導要領に沿って編成しており、一人ずつ障害の状態に応じて、特別支援学校の学習指導要領を参考にしながら特別の教育課程を受けるものです。

少人数制のクラス編成(公立:1学級8人)なので、先生の指導が手厚く受けられます。

子どもが無理せず健常者からの視線を気にすることなく学習に集中できる点は大きなメリットです。

特別支援学級のデメリット

通級と同じく、自宅近辺に特別支援学級がない場合は遠方の学校に通学する場合があります。

通学時の付き添いや安全な通学経路を考慮しなければなりません。

通学以外では、小学校高学年になってから学級間の移動(普通学級から特別支援学級、またその逆)をすると浮上する問題があります。

例えば、学級間の移動により発達障害を周囲に知られ、無視されたり噂をされるなどの嫌な思いをするお子さんや保護者が出てくる場合です。

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静江
いずれにしても、子どもさんの特性を考えたり気持ちに考慮しつつ学級選びは無理のない選択をしていきたいですね。
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浩二
学校側とも話し合いながら選択をしていきたいところです。

補足:特別支援学級に進級した事例

発達障害を持つご家族の事例を参考までにご覧ください。「自信を取り戻せた」点に注目してみるといいでしょう。

補足:特別支援学級と特別支援学校の比較

発達障害を持つお子さんの両親が、実際見学をした上で特別支援学級と特別支援学校を比較している動画です。(動画内は2017年~2018時点の情報です)

特別支援学級と特別支援学校どちらを選択するべきか迷っている保護者の方に参考になります。

特別支援学校とは

幼稚園から高等学校等までの間に、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授ける目的で成り立っている学校です。
一般的に特別支援学級よりも重度な障害者を対象としています。
参考元:2.特別支援教育の現状|文部科学省

特別支援学校や支援学級について詳細を確認したい方は、下記の記事も参考にしてください。

保護者の役割は周囲への理解を深めること

保護者の役割とは、発達障害を持つお子さんの特徴や関わり方や工夫を第三者に対し正しく理解してもらうことです。

お子さんが普通学級と特別支援学級、どちらに在籍した場合でも保護者の方には同じ役割になります。

学校の先生や同級生やその保護者に繰り返し説明し、発達障害について理解を深めてもらいましょう。

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静江
繰り返し子どもの特性を周囲に説明することによって「〇〇君は、〇〇と理解するからシンプルに話そう、こういう風に遊ぼうと周りの子がわかって優しく接してくれるようになった」という経験談が見られました。

発達障害があるお子さんは、学校で何かしら行き違いや誤解を受けやすいという特徴があります。

お子さんが不利益を被ったタイミングで、周囲に事情を説明し理解してもらうように努めてください。

威張り散らす態度はNG

親御さんは発達障害の特徴を説明して理解してもらいたいときは「障害があるからわかってもらって当たり前」という思いでなく、「理解してくれてありがとうという感謝の前気持ち」を前面に出した方がいいでしょう。

説明を受けた側も人間なので、やってもらって当たり前の保護者には、素直に協力してもらえない可能性が出てきます。

2次障害に注意

発達障害を持っていると、小学生の時期から学校生活での問題が表面化しているのが分かっています。

そして心身症や学校不適応、不登校、社会不適応などの二次的な不適応になっていくという経過をたどってしまうのです。

2次障害にならないようにするためには、発達障害の特性を理解して学校生活でも無理のない選択をするなど、早めの対処を心がけてください。

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静江
日頃から子どもさんと積極的にコミュニケーションをとりましょう。
保護者の方はお子さんからのSOSを早期にキャッチして、適切な対応が取れるように心がけたいですね。

参照元:第一章 軽度発達障害をめぐる諸問題|厚生労働省

学校との密な連携

学校で過ごす状況は学校でしかわからないので、担任の先生や通級指導教室の先生、特別支援学級の先生と情報を共有してしっかりと連携が必要です。

保護者だけではなく支援してくれる方々と手を取って、お子さんが過ごしやすい、良い環境を作っていきましょう。

小学校で発達障害のお子さんが経験しやすいトラブルについては、下記の記事にまとめてありますのでよろしければ読んでみてくださいね。

保護者の方は学校以外にも相談の窓口を持ちたい時もありますよね?次項では発達障害を相談できる窓口を紹介します。

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浩二
相談できる相手は多い方が安心できますよ。

発達障害を相談できる窓口はさまざま

学校以外で発達障害を相談できる窓口は増えてきています。

  • 市町村の発達障害の窓口
  • 児童相談所
  • 発達障害情報・支援センター
  • 放課後等デイサービスなど

市町村の窓口はお住まいの市町村で発達障害への個別相談に応じている場合があり、発達障害情報・支援センターは全国に設置がしています。

発達障害に関して情報を集めたい方は問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

発達障害情報・支援センターとは

国立障害者リハビリテーションセンターに設置されており、発達障害に関する情報を国内外から集約し、理解を深めてもらうために情報提供しています。
参考元:発達障害者支援施策|厚生労働省

放課後等デイサービスを利用しよう

先述した相談窓口の他、放課後等デイサービスを利用する方法もあります。

放課後デイサービスでは発達障害を持つ子どもさんの発達支援のほか、障害を持つ子どもを持つ親御さんを支援するという側面もあります。

放課後等デイサービスは、支援を必要とする障害のある子どもに対して、学校や家庭とは異なる時間、空間、人、体験等を通じて、個々の子どもの状況に応じた発達支援を行うことにより、子どもの最善の利益の保障と健全な育成を図るものである。

引用元:厚生労働省放課後等デイサービスガイドライン(本文).pdf

放課後デイサービス内容は、子育ての悩みや養育などに対しての相談、お子さんを預かることで、保護者の方のパーソナルな時間を一時的に保障するなどが挙げられます。

「ちょっと疲れているな」「自分の時間を作って整理したい」などお悩みの方は、窓口や放課後等デイサービスを利用して、子育ての悩みを積極的に相談してみましょう。

施設紹介

放課後等デイサービス・アレッタでは放課後等デイサービスで横浜市を中心に、小学1年生~高校3年生の児童を対象に事業を行っています。

発達障害を持つ子どもさんやそのお子さんを支える親御さんの負担は計り知れません。

アレッタはお子さんのお気に入りの場所、親御さんにとって安らげる場所を目指しています。

子どもさんとのコミュニケーションや関わりで悩まれてはいませんか?どうぞ、アレッタにお気軽にお問い合わせください

神奈川県横浜市の放課後等デイサービスアレッタWEBサイトへ

また、アレッタサイト内の発達障害お役立ちトピックスにて発達障害に関する情報記事を公開しています。ぜひ参考にご覧下さい。

まとめ

普通学級にいると迷惑になるのか不安という保護者の方に向けて、普通学級と特別支援学級の特徴や保護者の役割について解説しました。

普通学級と特別支援学級のどちらを選ぶべきなのか?お子さんの特性や気持ちを考慮しつつ無理のない選択が大切です。

そしてお子さんが学校生活を楽しく送るには、保護者の果たす役割や学校との密な連携が大切です。

当記事を読み、進級選択のお役に立てれば幸いです。最後まで読んでいただいてありがとうございました。