発達検査とは、子どもの心身の発達度合いを調べる検査です。
幼稚園や保育園など教育機関において発達の遅れがあることを指摘されたり、乳幼児健診や医療機関にかかった際に検査を勧められることもあります。
この検査を受けることによって、子どもとの向き合い方のヒントを得ることができる他、子どもの育ちに関する情報を手に入れることができます。
子どもをサポートするための療育支援も、この検査結果をもとにして計画を立てる場合が多いため、役立ってくれるでしょう。
発達検査によって診断名がついてしまうのではないかと不安を感じる方もいます。
しかし、発達検査は発達障害の確定診断を行うものではありません。
発達障害の確定においては、生育歴や行動観察を始めとした臨床診断、発達検査や知能検査などの専門診断の結果を経て総合的に診断されます。
したがって、発達検査の結果のみで発達障害だと診断されることはなく、あくまでも確定診断の判断要素の参考になるものです。
目次
発達検査の種類
発達検査には、以下の通り様々な種類の検査方法があります。
・新版K式発達検査
・乳幼児精神発達診断法
・日本版Bayley-III乳幼児発達検査
・ASQ-3
・KIDS乳幼児発達スケール
・ブラゼルトン新生児行動評価法
・日本版デンバー式発達スクリーニング検査
中でも「新版K式発達検査」と「乳幼児精神発達診断法」の二つは、日本で使用されれることの多い検査方法です。
新版K式発達検査
年齢における平均的な行動や反応に合致するかどうかを調べる検査です。
「姿勢・運動」(P-M)、「認知・適応」(C-A)、「言語・社会」(L-S)の3領域で評価されます。
3歳以上の場合、「認知・適応」(C-A)、「言語・社会」(L-S)の2つに重きが置かれます。
この検査によって、発達指数と発達年齢がわかります。
乳幼児向けの検査用具では、乳幼児向けのおもちゃが用いられます。
これによってより自然な子どもの反応を記録することができるのです。
適用年齢は生後100日後から成人、所要時間は約15~60分程度で、料金は3割負担の保険診療でおよそ840円です。
なお、新版K式発達検査は1対1の個別式検査です。
乳幼児精神発達診断法
乳幼児精神発達診断法も、新版K式発達検査と同じく年齢と発達の度合いの比較を行う検査です。
新版K式発達検査と異なるのは、面接者が保護者に対して面接を行うことです。
乳幼児精神発達診断法では、発達プロフィールという検査した項目と月年齢を軸にした図を作成します。
子どもに直接検査をする方法では、結果が子どもの状態や障害に左右されてしまいがちですが、乳幼児精神発達診断法では普段の生活の状況に基づいて判断することが可能です。
津守・稲毛式乳幼児精神発達診断法の場合、「運動」「探索」「社会」「生活習慣」「言語」の5領域の438の質問項目を適用年齢別の質問用紙を用いて検査を行います。
適用年齢は生後1ヶ月から7歳までで、所要時間は約20分程度です。
遠城寺式乳幼児精神発達検査では、「運動」「社会性」「理解・言語」の3領域6の質問項目で検査します。
適用年齢は0歳0ヶ月~4歳8ヶ月までで、所要時間は約15分程度です。