この記事を見ているあなたは発達障害といわれているご本人ですか?
発達障害を持つママやパパですか?
自分はなぜ発達障害なのかと落ち込んでしまったり、ママやパパなら「しつけがいけなかったかな?」と自分を責めたりしていませんか?
「なぜ発達障害になるのか?」原因と今後の対策や、相談窓口など紹介していきます。
目次
なぜ発達障害になるのか?その原因は?
生まれつき脳の機能に障害があることが原因となっています。(参照:厚生労働省|みんなのメンタルヘルス)
遺伝や後天的要因との関係は、あると言われていますが、はっきり解明されていません。
親のしつけがダメだから、育て方が悪いなどの誤解があったようですが、そのようなことはないので安心してくださいね。
発達障害とは?
あらためて、発達障害とは、生まれつきの脳の機能の一部に障害があることが原因です。具体的にどういうことなのか一緒に見ていきましょう。
通常は、脳が発達すると、
- 言葉が話せる
- 相手の気持ちを理解できる
- 自分の気持ちを表現できる
- 臨機応変ができる
など表現することや他者に対しての認知機能などが発達します。
しかし、発達障害の場合は、脳の機能の障害があり、上記のような発達が見られないことがあるという特徴があります。
その結果として、「空気が読めない」「融通がきかない」「ミスばかりする」など相手に誤解を与えたり、孤立してしまうことが珍しくありません。
発達障害は、3つの種類があります。その特徴を見ていきましょう。
発達障害の種類とは?
発達障害は以下3つにわかれます。
ASD(自閉スペクトラム症)
- 人と目が合わない
- 他の子に関心がない
- ひとり遊びが多い
- マイルールがあり、臨機応変が苦手
- 得意なことは何時間でも熱中できる
- こだわりが強い
- 割と早い時期(1才前後)でサインが現れる
(参照:厚生労働省|みんなのメンタルヘルス )
ADHD(注意欠陥・多動性障害)
- (椅子に座っている時など)手足をもじもじする
- おとなしく座っていられない
- 常に動いている
- 順番を待てない
- 不注意(うっかりミス)が多い
- 集中し続けるのが困難
- (宿題など)最後までできない
- 物事の段取りが下手
- 整理整頓が苦手
(参照:厚生労働省|みんなのメンタルヘルス )
LD(学習障害)
- 読む、書く、計算するなど特定の行為が難しい
- 小学校の学年が上がるにつれ成績不振に陥る
(参照:厚生労働省|みんなのメンタルヘルス )
3種類が必ずしも、独立しているというわけではなく、複数の傾向を持つ人も存在します。
発達障害は治る?
発達障害は病気ではありません。治るものではないのです。
その子の得意や苦手を知り、家族や周囲の人に理解・支援してもらいながら、その子にあった環境を調整していくことがとても大切です。
もしも、自分の子供が発達障害だったら、早期発見、そして、なるべく早期に環境を整えてあげることが大切です。
早期発見が重要な理由
発達障害の特性上、対人関係が上手くできずお友達や先生と良い関係を作れなかったり、誤解されてしまうこともあります。
そして、学習面でも、提出物が宿題などきちんとできなかったり、忘れてしまったり、課題などを最後までできないこともあります。
発達障害の理解がない環境で、上記のような特徴があると、友達と仲良くなれない、先生に怒られたり注意されたりすることが多いことが想像できますよね。
そうすると、幼稚園や学校などの場所で過ごすことが苦痛になるなど、その子と環境が合わないという現象が起こります。
そして、自己肯定感が低くなり、自信が持てなくなります。やがて、悪化すると精神的に辛くなり、いじめ、不登校、引きこもりなどの2次障害が起こってしまうこともあります。
2次障害まで悪化してしまう前に、早期発見、早めに対処して環境を整えてあげることが大切なのです。
2次障害になったら?
上での述べてきた通り、発達障害は早期発見、そして環境を整えていくことが大切です。
しかし、2次障害になってしまったら、迅速に医療機関を受診し、環境を整え、治療を開始することが大切です。
社会的支援とは?
2005年に発達障害者支援法施行されました。(参照:文部科学省|発達障害者支援法)
この法律では、子どもの発達障害は早期発見、早期療育、早期支援と就労など発達障害者に支援する取り組みなどが定められています。
この法律ができたこともあり、発達障害という概念が浸透しつつあり、社会的に支援が広がりつつあります。
実際に、お子さんが生まれてから、発達障害に対して不安に思った時に相談できる機会が充実しています。
その機会は乳幼児健診から始まります。
乳幼児健診とは?
乳幼児健診は、市町村によって行われる健診です。集団健診と個別健診に分かれます。
集団健診
- 1歳6ヶ月健診
- 3歳児健診
- 2歳児歯科健診
個別健診(主に医療機関)
- 先天性股関節脱臼健診(3ヶ月)
- 3〜4ヶ月健診
- 9〜10ヶ月健診
- 5歳就学前健診(質問表を記入・幼稚園で実施)
市町村の相談窓口
発達障害についての個別相談を行なっている場合もあります。
お住まいの市町村の窓口に心配なことを相談してみましょう。
発達障害者支援センター
発達障害者支援センターは、発達障害児を支援するための専門機関です。
全国にあります(参照:発達障害者・支援センター|相談窓口の情報)
役割は次のとおりです。
- 発達障害児(者)と家族が豊かな地域生活を送れるように、保健、医療、福祉、教育、労働分野の関係機関と連携している
- 発達障害児(者)と家族からの相談を受け、指導、助言をしている
発達障害かどうかの判断は、その子の生育歴が重要になるので、
- 今どんなことで困っているのか
- 成長の過程で困ったこと
- 気がかりなこと
などを事前に準備し、簡単に時系列にしてまとめておくと、順番に話ができますね。次のものを準備しましょう!
- 母子手帳
- 幼少期の様子がわかるもの(ビデオ、動画など)
- 学校で描いた作文
以上のような過去の記録も準備できると話が進めやすいでしょう。
放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)について
保護者が労働などで日中家庭にいない小学生が対象。
授業の終了後に小学校の余裕教室や児童館などを利用して、適切な遊び場や生活の場を与えて、発達段階に応じた遊びができるように、健全な育成を図ることを目的としています。
(参照:PDF放課後児童健全育成事業|厚生労働省)
実施主体、窓口
市町村
障害児の受入状況は?
平成 26年度時点で放課後児童クラブは約2万ヶ所設置され、登録児童数は、約93万人となっています。
そのうちの障害児の受入は、全国の放課後児童クラブの約半数で行われている。そして、受け入れている障害児の割合も、登録児童数の3%程度(2万人弱)。
障害児の受け入れも数年の間に少しずつ増加しています。(参照:PDF発達障害児による放課後児童クラブの利用状況|総務省)
発達障害児の受け入れ状況は?
総務省の資料によると、平成26年に調査した31市町村のうち、15の市町村が発達障害児の利用が確認できています。
同年の放課後児童クラブの登録児童数が約4万人だったのに対し、発達障害児は1,200人(2.7%)です。
発達障害児の割合も数年でわずかに増加しているようです。(参照:PDF発達障害児による放課後児童クラブの利用状況|総務省)
相談してみよう
障害児を受け入れてくれる放課後クラブには障害について専門知識がある支援員が配置されています。
困ったことなどは相談してみても良いかもしれません。
そして、障害を持つママ同士のつながりも大切ですので、横のつながりを持つというのも良いかもしれませんね。
発達障害と知らずに大人になったら?
発達障害に対して社会的に認知されつつあり、法整備も進んでいるのが現状です。
しかし、もう大人になっている世代はどうでしょうか。幼児期からの早期発見などの手厚い支援からは抜け落ちてしまっているのが現状です。
大人の発達障害とは?
最近大人の発達障害が話題になっていますよね。
なぜ大人の発達障害が起こるのでしょうか?
子どもの時期に発達障害はなかった?
それは、これまで発達障害の認知が社会的に希薄だったこともありますが、従来は、重度の自閉傾向や知的障害がなければ、支援の対象になりませんでした。
学校で遅刻や忘れ物をしたり、うっかりミスなどしても、「個性的」「ああいうやつ」など理解されるだけで、医療機関に行き、診断までに至ることが少なかったことが考えられます。
社会人になってからつまづく理由
発達障害は脳の一部の機能の障害なので、突然なるわけではありません。
小さい時から発達障害の傾向はあっても、両親や学校の先生、友人などの人に恵まれていたため、日常で問題なく過ごせていた可能性があるからです。
そして、発達障害の自覚がなく、周りの理解がない状況で社会に出ると、ケアレスミスをしたり、同僚や上司を怒らせてしまったりすることもあります。
この傾向は、気をつけていてもミスなどをしてしまうので、仕事の評価が上がりずらかったり、自己肯定感の低下にもつながります。これが、大人になって社会に出てつまづいてしまう理由です。
2次障害になってしまったら
大人になってから、社会に出てつまづいてしまうと精神的にボロボロになり、うつ状態や適応障害、不安障害など精神科疾患になってしまうこともあります。
もし、そうなってしまったら迷わずに医療機関を受診しましょう。
大人で2次障害になる場合、根底に発達障害が隠れている場合もあるので医師にしっかり相談してみましょう。
発達障害とわかったら
子どもの発達障害の場合よりも、活用できる制度は劣っているかもしれません。
しかし、大人になってから発達障害がわかった場合であっても、発達障害の特性を踏まえた環境の調整や生活を工夫したりすることもできます。
さらに、ソーシャルスキル・トレーニングなどを行なった場合には、発達障害の状況を改善できることもあります。
ここからは、発達障害の人が利用できる窓口を見ていきます。
利用できる相談窓口
発達障害者支援センター
発達障害者支援センターは、発達障害者を支援するための専門機関です。
全国にあります(参照:発達障害者・支援センター|相談窓口の情報)
役割は次のとおりです。
- 発達障害者と家族が豊かな地域生活を送れるように、保健、医療、福祉、教育、労働分野の関係機関と連携している
- 発達障害者と家族からの相談を受け、指導・助言をしている
発達障害かどうかの判断は、今までの生育歴が重要になるので、次のものを相談前には準備しておきましょう。
- 今どんなことで困っているのか
- 学生時代や就職してから困ったこと
- 気がかりなこと
などを事前に準備し、簡単に時系列にしてまとめておくと、順番に話ができますね。
大人の場合は両親など本人の幼少期の様子など知っている人に同席してもらうのも良いかもしれません。次のものも準備しておきましょう。
- 母子手帳
- 幼少期の様子がわかるもの(ビデオ、動画など)
- 学校で描いた作文
以上のような過去の記録も準備できると話が進めやすいでしょう。
ハローワーク
ハローワークでは発達障害者の就業支援も行なっています。障害の特性に合わせた支援が行われます。
以下のような場合でも地域障害者支援センターや職業能力開発校などと連携してリハビリテーションや職業訓練を受けることができます。(参照:厚生労働省|発達障害者の就労支援)
- すぐに職業につきたい場合
- じっくりと相談しながら準備を進めたい場合
- 就職してからも支援を受けたい場合
発達障害を持つ人はそれぞれ特徴があります。得意なことを生かせるような相性が良い職種につけるようにしましょう。本来持っている力を最大限に引き出すことができるからです。
逆に、適性があっていない職種についてしまうと自身の負担になり、状態の悪化につながってしまうからです。
発達障害を公表している芸能人
ここで、3人の発達障害を公表している芸能人を紹介します。
1人目:「元TBSアナウンサー」小島慶子さん
40代に入ってから、ADHD(注意欠陥・多動性障害)と診断されたようです。
その自覚はなく、30代で不安障害になったのがきっかけで発達障害がわかったそうです。
一つのことに集中してしまったり、逆に注意散漫だったり、計画的に行動できず、家族に迷惑をかけてしまったりということがあるようです。
発達障害の自覚はないようですが、前から「なんだか私、大変」「相当ダメ人間だな、自分。と思っていた」と言っているところが印象的です。
2人目:「落語家」柳家花緑さん
LD(学習障害)と診断されているようです。
数年前に、人に指摘されて調べてみたら、LD(学習障害)だったそうです。
発達障害とは知らず、漢字を読むのが時間がかかり、国語はもちろん、他の教科も成績が低く勉強について行けずに、辛い小学生時代を過ごしていたようです。
昔を振り返りながら、「自分は勉強できない、ただの落ちこぼれ」「自分は何をやってもダメだ」という思いが常にあるとカメラに語っています。
個人的に印象に残ったこと
今ままで苦労されてきたようですが、「(発達障害と)周りが認めてくれたことで楽になった」と発言されているところが印象的です。
3人目:「漫画家」沖田✖️華さん(透明なゆりかごの作者)
LD(学習障害)とADHD(注意欠陥・多動障害)、自閉スペクトラム障害と小学校から診断されていたようです。
強いこだわりがあるようです。そして、聴覚過敏があり、日頃から悩まれているようです。
日常的なコミニュケーション(本音と建前の使い分けなど)がうまくいかず、前職(看護師)も最終的に退職されたそうです。
最終的に精神的に追い詰められ、うつ状態(2次障害)になってしまったようです。
芸能人3人のまとめ
- 発達障害が原因で生きていくことが辛かったり、生活する中でや自己肯定感が低くなっている人がいること
- うまくいかない原因(発達障害)を知ることで気持ちが前向きになれる人もいるということ
- 発達障害を知り、理解することで、障害者も健常者もお互いに理解し合え、優しくできる
- 発達障害の人の特徴があっても、受け入れてくれる環境を選ぶことも大切
まとめ
発達障害になる原因と種類や社会的な制度など説明してきました。
発達障害の人に必要なのはその特性を本人や家族や周囲の人が理解し、本人にあったやり方で環境を整えていくことです。
そして、本来持っている力が生かされるようにしていけたらいいですね。
読んで頂いでありがとうございました。