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ヘルプマークとは
ヘルプマークとは、援助や配慮を必要としていることが外見からは分からない人が、周囲に配慮を必要としていることを知らせて援助を得やすくなるよう作成されたマークのことです。
発達障害や精神障害、知的障害のある方、義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、妊娠初期の方は、外見から障害の有無が分からないことがほとんどです。
目に見えない障害を持つ方は、心身の不調で優先座席に座っていたら咎められたり、突然発作が起きて驚かれてしまうことがあります。
周囲の理解が得られないことで苦しい思いをしたり、適切な対応を受けることができないかもしれないと不安を感じることも多いでしょう。
そこで、周囲に配慮を必要としていることを伝え、援助を得やすくするための意思表示のかたちとして、ヘルプマークが役立ちます。
ヘルプマークとは、赤地に白色で十字マークとハートが描かれたデザインそのものを指すほか、地方自治体が配布する長方形のミニストラップのこともこう呼称します。
ストラップ背面には、必要な支援を記入したシールを貼ることもできます。
東京都から始まったこの取り組みは、2012年からストラップタイプのヘルプマークを配布しており、2019年8月の時点では43の都道府県でヘルプマークの配布がされています。
2017年7月20日には、東京オリンピック・パラリンピックに向け、不特定多数の人が出入りする施設で、目で見て案内が可能となる図記号を指すJIS Z8210(案内用図記号)が改正され、ヘルプマークが追加されました。
今回の改正によって、ヘルプマークがより広く認知されることが期待されます。
ヘルプマークの対象者とは
ヘルプマークの対象者は、外見からは障害が分からない方々です。
身体機能で制限を設けているわけではないので、精神障害や発達障害、知的障害がある方も対象と想定されています。
ヘルプマークの入手にあたっては、障害者手帳などの書類提出は必要ありません。
これは、ヘルプマークを必要とする方が円滑にマークを利用できるようにするための配慮がなされているためです。
ヘルプマークの使い方
ストラップタイプのヘルプマークは、裏面に緊急連絡先や必要な支援を記入して、カバンなどの目につきやすいところにつけるのが一般的です。
ヘルプマークをつけることで、電車内で優先座席を利用したい時や障害のある子どもが迷子になった時、緊急時・災害時に役立てることができます。
保護者としても、子どもにヘルプマークをつけさせることで、何かあった時に連絡をしてもらうことができたり、必要な対処をしてもらえるかもしれないという安心感につながります。
ヘルプマークの入手方法
ヘルプマークを導入している都府県では、それぞれの配布場所で無料配布を行っています。
原則として、郵送は行っていないので、直接申し出る必要があります。
書類の記入や障害手帳の提示などは必要ないので、家族など代理人による申請も可能です。
なお、ストラップが近くで入手できない場合には、自身で作成することが可能です。
行政が作成する際は申請が必要ですが、個人の場合には、縮尺を厳守すればカードやステッカーの作成が可能です。
ヘルプカードとの併用
日常生活においては、体は健康であることから特別の配慮や優先席の確保などを必要としない場合、ヘルプカードを常に目に見えるところに携行することに抵抗を感じる人もいるでしょう。
そんな時は緊急時や災害時のために携行するヘルプカードを代わりに所持しておくという手があります。
ヘルプマークの配布がされていない都道府県でも、区市町村でヘルプカードの作成・配布が行われている場合があり、入手できることがあります。
状況に応じて、ヘルプマークと使い分け併用するという使い方も検討してみてください。