特別支援学級とは

特別支援学級とは、障害のある子ども一人一人に合った教育のため、小・中学校に設置された、障害種別ごとの編成である少人数学級のことです。

文部科学省による2015年の調査では、187,100人の幼児児童生徒が、特別支援学級に在籍しており、これは幼児児童生徒全体の1.2%です。

現在高校で特別支援学級を設置している例はありませんが、76.6%の小学校と73.7%の中学校が、特別支援学級を設置しています。
特別支援学級自体の数と在籍する幼児児童生徒の数は、ここ20年増加傾向にあることから、小・中学校では支援体制の整備が進んでいます。

特別支援学級の対象となる障害の基準

特別支援学級は、障害種別ごとに7種類に分けられています。
対象となる障害の程度を次にご紹介します。

・知的障害
・肢体不自由
・病弱・身体虚弱
・弱視
・難聴
・言語障害
・自閉症・情緒障害

最終的な就学先は、保護者の意見を尊重した上で市区町村による就学相談にて決定します。
また、これらの基準より重い障害のある子どもは、多くの場合特別支援学校の対象です。

特別支援学級の教育環境

特別支援学級では、一人一人が能力を最大限発揮するための取り組みがなされています。
1クラスの定員は上限が8人と定められており、少人数教育で障害のある子ども一人一人のニーズに合わせた教育が受けられます。

また、教室という多目的な空間に混乱してしまう子どもがいる場合、1つの教室では1つの活動が行うよう配慮するなど、子どもに合わせた教育環境となるよう工夫されています。

授業レベルそのものも、子どもに合わせて適宜変更しています。
必要に応じて下の学年のものに替えたり、特別支援学校の各教科に替えることもあります。

その他、特別支援学級では、特別支援学校学習指導要領に定められた自立活動の時間が設けられています。
コミュニケーションに不安のある子どもにはそれを支援するための活動が、身体の動きに困難がある子どもにはそれを改善するための指導が行われます。

また、障害のない通常学級の子どもと積極的に触れ合う機会を設けるよう示された特別支援学校の学習指導要領に従って、朝の会や帰りの会を通常学級で過ごしたり、給食や体育、音楽の時間のみ通常の学級で授業を受け、特別支援学級と行き来する例もあります。

特別支援学級と通級指導教室・特別支援学校の違い

障害のある子どもの教育環境には通常の学級、通級指導教室、特別支援学級、特別支援学校があります。
それぞれ明確な障害の程度の基準はありませんが、この順に障害の程度は重くなります。

通級

通常学級の学校に籍があり、通級指導の時間だけ通級指導教室に通います。
担任は通常学級の先生で、通常学級の学校に通級指導教室がない場合、通級指導の時間のみ別の学校に通います。

特別支援学級

特別支援学級が設置されている学校に籍を置き、基本的に特別支援学級で授業を受けます。
担任は特別支援学級の先生で、体育や図画工作、音楽などの時間のみ通常学級の子どもと授業を受けることもあります。

特別支援学校

通学する特別支援学校に籍を置きます。
通級や特別支援学級は、通常の教員免許のみでも受け持つことができますが、特別支援学校の教員は、通常の教員免許に加え、特別支援学校の教育免許を取得しています。