皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所となることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは、「発達障害のためのノート術」です。

発達障害の子供が学校でうまく板書ができないということがありませんか?これは発達障害の子供にはよくあることですが、そのままにしておくのは良くありません。

板書がうまくできなくて、あなたの子供が「授業の内容が理解できない」とか「授業についていけない」、「自分はダメな人間なんじゃないか」と感じてしまうならば、将来にも大きな影響が出るかもしれないからです。

しかし、些細なことをやるだけでも改善の余地はあります。そうやって子供が少しでも自信をつけてくれればとても嬉しいことですよね!

今回は発達障害の子供ためのノート術として具体的な内容を共有させていただきます。

発達障害のノート術!板書よりも内容を理解すること!

最初に考えてほしいのは、学校の授業において、ノートをとることがどれだけ力を注ぐべきなのかということです。

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浩二
極端な話をすると学生時代に書いたノートを今でも保管しているという方はどのくらいいるでしょうか?
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静江
私はとっくの昔に廃棄しました(笑)。しかし現在でも学んだ内容は自分の知識、教養として残っています。

つまり、ノートをとることにわざわざ全力投球する必要はないということです。

ノートをとるマインドセット!

書きましたように学校の授業を受けるにおいて、ノートをとることがすべてということは全くありません。

私自身、あまりきれいにノートをとっていた学生ではありませんでした。
まだモチベーションが高かった時期は、多少はきれいに板書をしていましたが、テスト勉強をする際にノートを見直す、ということはあまりなかったように思います。

教科書を使うほうが多かったですね。自分で書いたものよりも、教科書は随分きれいにまとまっておりキーワードが太字になっているものもあります。

その完成度の高さに悔しい思いをしたりもしました。

発達障害の子供は、ノートをとること自体に手間取ってしまうことがあります。それならば、いっそのこと先生の話をしっかり聞きの内容を理解することのほうがずっと重要ではないでしょうか。

そのようなマインドセットを教えることが第一歩となります。

ポイント

先生の話をその場で理解するのが最も重要。その為にしっかり聞く!

重要なところだけ拾う書き方でも十分!聞くことに集中!

板書が難しい子供には、ノートに書くことよりも聞くことに集中するように言い聞かせましょう。重要なところだけを書くようにすれば、それだけでも板書の負担はかなり減るはずです。

授業の内容が少しでもわかるようになれば、その時間は楽しいものになります。もっと学びたいという意欲がわいてきますし、学校へ行くことが嬉しく感じられるようにもなります。

そのような意味でも発達障害の子供の、授業の時間をより良いものとするのは重要なことですね。

よく先生の話を聞いていれば、その中で強調した部分がわかると思います。また時々テストに出すと明言することもあるでしょう。その言葉を聞き逃さないようにし、聞いたらその部分だけノートに書くようにします。

また、「キーワードのみノートに書くようにする」という方法もあります。授業で習うことは大抵教科書にも載っているので、キーワードさえわかれば、あとでたどることはいくらでもできます。

板書するポイント

先生が強調した部分やテスト出題を明言した部分、またはキーワードのみノートに記載する。

その子にあった文房具を使って少しでも板書がしやすく。

板書がしやすいように使用する文房具にも考慮すべきです。発達障害の子供の中には、罫線が引かれたノートや方眼ノートを嫌う子もいます。

そのような子供には自由帳のようなページのノートがおススメです。

また板書するには「書きやすさ」にも注目しましょう。書きやすいほうがスラスラかけるので書くペースは上がりますし、綺麗な字になりやすいですよね。

よってペンやシャープペンシルは、なるべく書きやすいものを選ぶと良いです。ボールペンならばゲルインクが書きやすいですし、シャーペンや鉛筆ならば、柔らかめの芯のほうが書きやすいかと思います。

ポイント

書きやすいノートやシャープペンシルなど、文房具にもこだわる

おススメの無罫ノートを下に一つだけ紹介いたします。

概要:罫線のないノート。176ページ。A5サイズ。

金額:871円(21/5/1 amazonより)

良い点:罫線がない。上部にあることの多いdateなどの記載もない真っ白なページ。ページ数に対してコスパもよい

悪い点:用途によってA5サイズでは適切でない。

良い口コミ:書き味がなめらか。開いたページが勝手に閉じにくい。

悪い口コミ:万年筆など、筆記具によっては書きずらい。

その他に考えられそうな工夫

クラスの中で席が後ろのほうだったら、黒板が見えにくいですよね。そのような場合は、先生に相談して、前のほうの席に移動してもらうのも手です。

また、授業が終わった後に友達にノートを見せてもらって、写すということもできます。現代であれば、スマホがあるので、ノートの写真を撮るとか、黒板の写真を撮るという方法も考えられます。できないことを補うという意味で文明の利器は積極的に利用すべきでしょう。

もちろんその場合は、友達にもノートをとるのがうまく出来ないからということをしっかりと説明したほうが良いと思われます。

発達障害の種類にもよって板書が上手くできない原因も違う。

では、発達障害の子が、板書が苦手な要因は何でしょうか。

発達障害には大きく分けると3つの種類があります。板書が苦手な理由は、その子の障害の種類によっても異なるのでしっかり把握しておくべきです。

先生が言ったことをすべて一字一句書こうとする。

これは広汎性発達障害の子供が陥りやすい原因です。

通常はノートに記述するよりも、話をするほうが短期間に多くの情報を伝えることが出来ますよね。よって先生が言ったことをすべて書くというのは明らかに無理があります。

しかし、広汎性発達障害の子供は俗にいう「こだわりが強い」という特性があるので、多少難しくても何とかしようと努力する子がいます。

余談になってしまいますが、「こだわりが強い」というのは、社会に出てみると、決して悪いことではなく、一つのことに対して「専門性が高い」ということでもあります。

そのような子は適材適所で型にはまれば、ものすごい力を発揮したり、他の人の追随を許さない成果を生み出すことも出来るでしょう。

ただ、既に紹介したように授業においてはむしろ、先生の話を聞くということに注力すべきです。

話を聞くということとノートに書くということが同時にできない。

こちらも広汎性発達障害の症状ですが、中でもアスペルガー症候群に属する子供が陥りやすいです。

アスペルガー症候群の子供は複数のことを同時にできないという特性があることが多いです。例えば、車を運転するときに横からくる車、前からくる車を見ながら自分のハンドルを切るような「同時にこなす」ということが極めて苦手なパターンですね。

ノートをとりながら話しているのを聞く、ということが出来ないので授業についていけなくなってしまいます。

https://twitter.com/Mina_Tomodachii/status/1386873276362752002

自分でとったノートが自分で読めないくらいに乱雑な書き方になる

これはADHDの子供に見られることが多いです。
せっかく頑張ってノートをとっても、見直して何が書いているか理解できなければ、意味がないですよね。

そのような子供は、やはりキーワードだけでもきれいな文字で書くように教えましょう。そうすれば、見返したときに最低でもどこまで授業が進んだかは認識できると思います。

中高生くらいであれば、バレットジャーナルを試してみるものおすすめ

その子によっては合う合わないがありますが、子供が中高生くらいであれば、「バレットジャーナル」を試してみるのもおすすめです。

バレットジャーナルは板書とは異なりますが、いわば手帳機能と思考整理を一つにまとめたようなノート術の一種です。

アメリカ人のデジタルプロダクトデザイナーであるライダー・キャロル氏によって考案されました。キャロル氏自身がADHDであり、様々なものに注意が向いてしまい、思考が追い付かず大変だったと言います。

ここでは、バレットジャーナルに関する詳細な説明は割愛しますが、同じような症状のある子であれば、試してみる価値はあります。

概要:ライダー・キャロル著のバレットジャーナル指南書。

金額:単行本1,760円(21/5/2 amazonより)

良い口コミ:ここ数年一番感銘を受けた本。単なるノート術ではない。なぜこのやり方なのかがわかる。

悪い口コミ:やり方だけを知りたい人には長い。

まとめ

今回は、発達障害の子ども為のノート術ということで紹介させていただきました。

まずはノートをとることよりも授業の内容を理解することのほうが重要になります。また発達障害自体は完治するものではありませんので、本日紹介した対策は下記のように些細な事です。

  • 重要なことだけ書く
  • 適切な道具を使う
  • その他、制の配置の変更やノート、黒板の写真を撮る

しかし、ちょっとした工夫で少しでもノートをとる負担を減らすことが出来れば、その時間を通して子供の将来がより良いものになっていくと思われます。

他にもできそうなことがあれば、常に試行錯誤しながら改善していきましょう。

本日も最後までお読みくださり、有難う御座いました。