ダウン症が親から子どもへ遺伝する確率はどのくらい?

ダウン症の主な原因は、卵子や精子の分裂異常か、受精時に偶然起こる染色体の異常です。
このうちどちらの場合においても、両親どちらの染色体に関係なく引き起こる場合がほとんどです。

ダウン症を分類すると、大まかに次のような分け方をすることができます。

・標準型21トリソミー型
・モザイク型
・転座型

の3種類です。

ダウン症の約95%は、このうち「標準型21トリソミー型」に分類されます。
「標準型21トリソミー型」とは、通常22本ある常染色体が、1本多い23本になることで起こるものです。

この染色体異常は受精時に偶然起こるもので、両親どちらの染色体も関係ありません。

またダウン症全体のうち3%以下は、「モザイク型」に該当します。

モザイク型の人は、2つの異なる細胞によって体が構成されています。
染色体のうち21番目のものが、通常の2本の細胞と3本の細胞の両方により構成されることで引き起こされます。

モザイク型ダウン症もまた、両親の染色体に異常が見られなくても発生します。

「転座型」における発症率

ダウン症には、「転座型」というものもあります。
これは、21番目の染色体のうちの1本が、他の染色体(13番、14番、15番、21番、22番)と結合することで起こります。

転座型はダウン症全体のうち5%ほどにあたります。
この5%の発現率のうち半分は、親に転座染色体保因がある場合に引き起こされます。

つまり、転座型のうち半数ほどは遺伝的要因によるものです。

ダウン症が遺伝によるものである確率は、全体の2%ほどとされています。
ダウン症のほとんどは、精子や卵子、受精卵が分裂するときに偶発的に起こるものであり、遺伝による可能性は低いということです。

ダウン症の主な原因とは

ダウン症の原因は、精子や卵子、受精卵が分裂する際偶発的に起こるものが大半を占めます。
原因の一つに、卵子の分裂に問題が見られる場合があります。
女性が一生のうちに作り出す卵子の全ては、胎児期にはすでに形成されています。

月に一度、選ばれた卵子が排卵され、生殖細胞のみが行う「減数分裂」をします。
この段階で受精をしなかった場合は、生理となり月に一度女性の体から排出されます。

減数分裂の際、稀に分裂がうまくいかないことがあります。
この分裂異常の卵子が受精をすると、ダウン症の子どもが生まれるとされています。

高齢になると卵子の劣化が起こることで、減数分裂がうまくいかずダウン症の赤ちゃんが生まれる可能性が高くなるとされています。

染色体異常の年齢ごとの具体的な確率は、妊婦が20歳の時に1/1667の割合です。
30歳では1/952、35歳では1/378、40歳では1/106、45歳では1/30の割合で、ダウン症の子供が生まれるとされています。

これらの確率には、出産経験の有無は関係しません。
また、ダウン症の子どもが生まれる原因には、男性の精子の分裂異常や奇形精子、精子や卵子が受精後に分裂しながら着床に進む段階で染色体がうまく分裂しないというケースも含まれます。