今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。 今日のトピックは「発達障害日常生活への影響」についてです。

発達障害の人は、日常生活をおくっている上で困ったり、うまくいかない場面に出会うことが多いです。発達障害というのは生まれ持った特性です。人はそれぞれが生まれつきの顔や体・個性を持っていて、それを変えられないように、発達障害の人もその特性を180度変えることはできません。

ですが、その強過ぎた個性を知り、対応や社会に適応しているトレーニングを行うことで、症状の重さや症状からくるストレスの軽減が見込めます。

でもその特性とうまく付き合っていくことで、気持ちよく楽しく生活していくことはもちろんできます。発達障害を持っていない人だって、その個性を活かしきれる人とそうでない人に分かれますよね。それと同じです。

ではどうすればその個性を活かして、よりよい日常生活をおくることができるのか。どんなことを心がければ気持ちよく生活していけるのかを、一緒に考えていきたいと思います。

発達障害の人はどんなことに困っているの?

「うちの子は、全然片付けができなくて。部屋がいつも散らかっていて、困ってしまうの」

「友達との約束、間に合うように行きたいのに、いつも遅刻してしまう・・」

この二人は、普通の悩みのようにも見えますが、発達障害の特性ゆえにできないというケースもあります。

日常生活の中で、発達障害の人は色々な壁に遭遇することが多いのが事実です。他の人が当たり前にできるようなことでもつまずいたり、難しかったりすることもあります。

実際どんなことに困ることが多いのでしょうか?次で詳しく見ていきましょう。

幼児期の様子

幼児期は一つの一つのことに手がかかり、何事も一人ではできないので親御さんの負担が大きくなります

  • 特定のものにこだわりが強く、ちょとしたことで癇癪を起したり泣きわめいたりと、感情のコントロールが苦手。感情的になり、 一つ一つの行動がスムーズに進まないことが多い
  • 友だちとうまく遊べなかったり、友だちに関心を示さないことが多いので、集団生活になじめない。
  • 手先が不器用で、おはしを使ったり洋服を着替えたりすることなどに、時間がかかる。

小学生時代

小学生になると集団生活の中で、一人でやらなければならない事が多く、自立が求められます。その中で色々な壁にぶつかっていきます。

  • コミュニケーション能力が弱いため、友だちや先生との会話がうまくいかない。一方的にしゃべってしまい、周りから学校でも不思議な目で見られることもある。
  • 忘れ物やなくしものが多い。なくしものに関しては、どこでなくしたのかも分からないことが多い。
  • 片付けが苦手で、自分の部屋はもちろん学校の机・ロッカーの中も何がどこにあるか分からない状態になっている。
  • お風呂に入らなくても気にならなく、身だしなみにも無頓着。

大人になってから

学生のうちは親の手を借りたり、好きなことをやって過ごすことができても、社会に出ると今までのようにいきません。その中で初めて困難にぶつかる人もいます。

  • 職場や人との約束にいつも遅刻してしまう。
  • 社会に出てからの、複雑な人間関係についていけない。人とのコミュニケーションがうまくいかない。
  • 興味があることに集中しすぎてしまい、周りが見えなくなる。
  • 物事に優先順位をつけるのが難しかったり、同じことを繰り返し行うことが苦手。
  • 仕事などで細かいところまで注意できず、間違えが多い。

日常生活を快適におくるためにできること

発達障害だからゆえにできない事があるのは、仕方がないことです。でも生活しにくい、辛いとあきらめてしまってもいいのでしょうか。毎日のほんの少しずつの積み重ねや、心がけを変えることで日常生活は変化していきます。

それではどのようにすれば、よりよく快適に、日常生活をおくることができるのでしょうか。

一緒に考えていきたいと思います。

身ぎれいにする

身だしなみを整える、お風呂や歯磨きなどをきちんと行うことは、周りの人たちと生活していく上で大切なことです。発達障害を抱えた人は自分の身の回りのことに目が届かないことも少なくありません。

毎朝起きてからの身支度など、決まった動作をルーティン化し、それを毎日繰り返していくことで、自ずと身だしなみの週間が整うということも期待出来ます。

 

自分さえよければいいという考えはではなく、相手のことも気遣えるように努力しましょう。清潔感や毎日の服装にも気を付けると、周りの人も気持ちよく過ごせます。家族の人が気を配り、声をかけてあげることも大事ですね。

掃除や整理に工夫を

整理整頓が苦手な人は、シンプルでわかりやすい部屋作りを心掛けましょう。いらないものはこまめに捨てるようにする、カテゴリーごとに置く場所を決めておく、テプラで何を入れる場所なのかをすぐに分かるようにしておくなど、日々のくらしの中で心がけることが大切です。

もの忘れが多い場合など、本人だけではなく、周囲の協力もあると効果があります。仮にメモの習慣をつけたとしても、そのメモ帳を無くしてしまう場合があるからです。
移動の前、帰る前、帰った後など、「必要なモノを持っているか、忘れ物はないかの確認を行う習慣化」をつけることで、忘れ物などの改善が見込めます。

お子さんが片付けられなくてイライラしてしまうという親御さんは、ボックスをいくつか用意して、目で見て片付ける場所がすぐ分かるようにしてあげるといいですね。

時間に余裕をもつ

幼児期・小学生でも、発達障害の子は色々な事に時間がかかることも多いです。その時に時間に余裕がないと、本人も親も焦ったりイライラしたりと、物事がよけいにうまく進まなくなってしまいます。この時間までにやらないといけないというプレッシャーで、感情が高ぶり癇癪につながってしまったりもします。

一つ一つのことにじっくりと向き合い、達成感を感じられる環境を作りましょう。その達成感は次の行動へとつながります。

また、待ち合わせの時間にいつも間に合わない、予定していた時間に合わせて行動できないというのは、発達障害さんに多い特徴です。細かい時間の管理が苦手なので仕方がないのですが、時間を守ることは社会生活をうまく送っていく上で必要なスキルです。

その為には、自分が間に合うと思う時間よりも、1時間前に行動するようにしましょう。早めに時間を設定すると、忘れものに気が付くことができたり、気持ちにも余裕ができます。焦らずにゆっくりと考えられる時間を作ることが大切です。

会話力を身につける

一方的に話をし続けてしまう、会話のキャッチボールができない子は、どういうタイミングで会話をしていけばいいのかを家で訓練するとよいでしょう。お家の人が話した後に子どもが話すという練習や、一方的に話すのを我慢させる時間を作ると少しずつ会話力も育ってきます。相手の話もきちんと聞くという練習も大切です。

また誰かに質問されて、きちんと答えるという練習も効果があります。その時に相手の顔を真っすぐに見て話すということを教えましょう。発達障害の人は相手がどう思っているかを感じ取ることが苦手なケースもあります。相手の顔をちゃんと見ることで、表情を感じ取る練習にもなります。

日々の小さい訓練でも、積み重ねていくと大きな成果が出ます。

何より、出来たことを褒めてあげる環境

発達障害を抱えていると、「出来ること」「出来ないこと」に極端な差が生まれます。これによりストレスを抱えてしまう人がほとんどです。

  • やりたいことが出来た
  • 忘れ物がなかった
  • 挨拶が出来た

など、些細なことで構いません。出来たことを褒めてあげることが大切です。自分の行動が認められることで、次回も同じことをしてみようという思考が生まれます。

豊かな日常生活をおくるために

発達障害だからと言って、毎日何かの失敗を恐れながら過ごす必要はあるのでしょうか?そんなことは全くありません。発達障害は一つの個性です。苦手なことやできないこともあるかもしれませんが、逆に発達障害さん特有の得意なこともあるのです。

思い出すのが黒柳徹子さんの小説「窓際のトットちゃん」。黒柳徹子さんはADHDを公表されています。徹子さんの幼少時代のトットちゃんは、周りの人たちに愛情を持って受け入れられたことで、ありのままの自分を認めることができ、今も活躍されているのだと思います。

前向きに日々の生活をおくっていくことは、とても大切なことです。

気の合う仲間を見つけよう

発達障害さんは、人間関係に悩む人も多いです。他の人に理解されにかったり、意思がうまく伝わらなかったりすることもあるでしょう。そんな時一つの方法として発達障害を隠してしまうのではなく、「私はこんな特徴があって」と話していくと、周りもあなたのことを理解しやすくなります。

また同じ特性を持った仲間を見つけるのも一つの良い方法です。同じ発達障害を持つもの同士は理解し合うのも早く、悩みも共有しやすいです。話すことが苦手でも、好きなことや趣味が同じ場合だと仲良くなれることが多いですよ。逆に、共通点がないけど会話能力だけあっても、仲良くなるのは難しいですよね。

好きなスポーツに取り組んだり観戦したり、絵をかいたり、また好きな歌手のコンサートに行く、カラオケに行くなど何でもいいのです。本や漫画なんかの趣味が合う人もいるかもしれませんね。趣味の中で同じ時間を過ごすことは、仲間づくりに最適です。

周りのサポートを受けよう

お子さんあればまず学校に相談し、適切な支援を受けます。学校生活において支援があるのとないのでは毎日の学校生活も大きく違ってきます。また大人も子どもも専門機関に相談すると、よりよいサポートを受けることができます

家族や周りの人たちの助けは大切です。お互いに気持ちよく生活していくためにどうすればよいか、理解し合い話し合っていきましょう。

発達障害支援センターは、発達障害の相談に乗ってくれる機関です。自分ひとりで抱え込まず相談すると、新しい視点が得られることもあります。

また放課後等児童デイサービスアレッタは、小学生から高校生までのお子さんの支援をしてくれる施設です。子どもたちの未来に選択肢が増えるよう、自信をもって生活できるように支えてくれます。また育児で疲れた時に一時預かりなどもしてくれるので、活用してみてくださいね。

自分に合った仕事に就こう

発達障害でも自分に合った仕事をして活躍している人はたくさんいます。その為には自分の特性や適性に合った仕事を見つけることが大切です。

じっとしていることが苦手だけれど、行動力のあるADHDの人は営業職や起業家が向いていたり、人との関わりが苦手な一方、物事への集中力に長けている自閉症スペクトラムの人は研究職や専門性のある仕事で力を発揮したり。

自分は何が得意と不得意をよく見極め、興味があることは何かという視点から仕事を選びましょう。

まとめ

発達障害の人が気持ちよく日常生活ををおくっていくためには、何を心がければいいかという事について紹介しました。また発達障害の人は自分自身の特性を理解し、周りの人にも理解してもらうことで、よりよい毎日をおくることができます。

一度しかない自分だけの人生です。日常のケアにも気を付けながら、充実した生活を創っていきましょう。