今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「頭の中で音楽が流れることと発達障害」についてです。
皆さんは、ふとした瞬間に頭の中で音楽が流れることはありませんか?
好きなアーティストの曲やCMで流れていた曲が頭の中でリフレイン。
ふつうの人では特に気にならなくても、発達障害の人にとっては大変苦痛を感じることがあるようです。
そこで、今回は頭の中で音楽が流れることと発達障害の関係性や対処法についてお伝えしたいと思います。
目次
発達障害と頭の中で音楽が流れる「イヤーワーム」の関係
注意欠陥・多動性障害(ADHD)と自閉症スペクトラム障害(ASD)に多いと言われている頭の中で音楽がしつこく流れる現象。これをイヤーワームと呼ぶそうです。
特定の音楽のフレーズが頭の中でずっと繰り返される症状のこと。ディラン効果とも言われる。(ボブ・ディランの曲でなりやすいという事例からだそうです)
しかし、実際のところどうなのでしょうか?
イヤーワームは脳の機能障害のひとつと論文で語られていることもあるそうですが、論文や学者によって見解が異なるため、今は研究段階であり発達障害とイヤーワームの関係性は今のところ不確かであると考えられています。
イヤーワームは誰にでも起こりうる
現に、あなたも一度は経験したことはありませんか?
好きなアーティストの曲が、頭の中で鳴り響いていることもあるでしょう。
イヤーワームは、特別なことではなく、誰にでも起こりうる現象。こちらのTwitterの方も書かれていますが短絡的に発達障害とイコールで考える現象ではありません。
頭の中で音楽が流れて困ること
ふつうの人のイヤーワームで、好きな曲が頭の中で止まらなくなっても、周りの友達に「同じ曲が頭の中でずっとグルグル回ってて困っちゃうよー」とあまり深刻に考えないことが殆どだと思います。
しかし、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の人や自閉症スペクトラム障害(ASD)の人は、頭の中で音楽が流れることで困ることもあるようです。
詳しくは次から解説しますが、発達障害当事者によるイヤーワームのお話がYouTubeで聞けますのでぜひ見てみてください。
注意欠陥・多動性障害(ADHD)の場合
ADHDの場合、じっとしていられなかったり、自分の思い通りにならないとイライラしてしまうことがあります。
頭の中で音楽が流れているから、身体全体でリズムを取りたくなってしまう。
周りにたくさん人がいる状況の中で、リズムを刻んでいたら他人の目が気になってしまうこともあると思います。
じっとしていられない注意欠陥・多動性障害(ADHD)の人にとっては、苦痛ですよね。
注意欠陥多動性障害(ADHD)の詳しい説明はこちらです↓
自閉症スペクトラム障害(ASD)の場合
たとえば、雨の音が気になる、ノートにペンを走らせるときの音が嫌、黒板に書くチョークの音がとてつもなく気になるなど。
このような症状がある場合、頭の中で音楽が流れ続けることで、苦しくなってしまうこともあります。
ただでさえ、音に対して辛い思いをされているのにイヤーワームが加わると、頭の中を掃除したくなるくらい苦痛に感じることも・・・。
自閉症スペクトラム障害(ASD)の詳しい説明はこちらです↓
共通の困りごと
頭の中で音楽が流れ続けていると、気になってしまい中々寝付けないこともあるかもしれません。
イヤーワームが原因で寝不足になることも考えられます。
▼その他、睡眠と発達障害については下記の記事でも詳しく取り上げています。
頭の中で音楽が流れることへの対処法
頭の中で音楽が流れることへの対処法として、集中する先を別のところにそらせることが大きなポイントです。
イヤーワームは無意識に起こることが多いので、意識をそらすことが大事。
このイヤーワームに対して対策を行なっている人は多くいます。
一例として、Twitterで対策方法を公開していました。
イヤーワームへの対策を順に見ていきましょう。
- ガムを噛んで意識を変える
- 違う曲を聞く
- 言葉の並び替え遊び(アナグラム)など頭を別の事に集中させて対処する
- イヤーワームになりやすい曲を聞かない
1.ガムを噛んで意識を変える
ガムを噛むことに集中するため、イヤーワームの対処法になります。
意識が頭の中で音楽が流れる曲だけではなく「噛む」ことにも向けられるため効果的と言えます。
ただ、上のツイートの様に、ガムを噛みすぎることにも注意が必要かもしれません。
2.違う曲を聞く
イヤーワームで悩んでいるときに、曲を聞くの?と思いますよね。
イヤーワームは悪ではありませんが、ずっと頭の中で音楽が流れているのはわずらわしいものです。
違う曲を聞くことで、今頭の中で流れている音楽を一旦止められるのかもしれません。
懸念点は、別の曲でイヤーワームが起こってしまう可能性ですが、少なくとも曲が変わるので気分転換にはなりそうです。
3.アナグラム(言葉の並び替え遊び)で対処する
本を読んだり言葉の並び替えも脳を使うため、イヤーワームには効果的だと言われています。
特に、「アナグラム」(言葉の並び替え遊び)は、イヤーワームから一時離れられるのでおすすめですよ♪
「アナグラム」とは、言葉を並び替えて意味のある言葉にする遊びのことです。
たとえば、下記のような例文です。
例:
・ガム→グアム
・とうきょう(東京)→きょうと(京都)
・かなしみ(悲しみ)→かみなし(紙なし)
少し頭を使うような問題を解いてみるのも良いですね。
もう少し例が知りたいという方は「アナグラム」で検索してみてください。
4.イヤーワームになりやすい曲を選択しない
速いテンポでよく聴きなれたような音楽だけど、ふつうとはちょっと違った進行する曲がなりやすいそうです。
どこかで聞いたことがあるような曲は耳に残りやすく、イヤーワームを起こしやすいので、イヤーワームに苦しんでいる人は極力触れないようにすることも対策のひとつ!
ボブ・ディランの「風に吹かれて」は、イヤーワームになりやすい曲のひとつとして有名であり、先ほどちらっと書きましたが、「ディラン効果」はこのことが由来だそうです。
紹介してきた内容に限らず、イヤーワーム状態より違う情報を得て「気を逸らす」ことがポイントです。
ご自身のお気に入りの方法があれば、そちらを実践して頂いて構いません。
施設紹介
頭の中で音楽が流れることは、発達障害の人にとって苦痛を生じることでもあります。
ご本人以外でもイヤーワームで苦しむ子供のことを考え、辛い思いをされている人にとっては、安らげる場所になることもあります。
不安に思ったり心配ごとが出てきたら、放課後等デイサービス・アレッタがあなたのお役に立てるかもしれません。
放課後等デイサービス・アレッタでは、心身に障害のある小学校1年生〜高校3年生までの児童を対象にサービスを行っています。
デイサービスと言っても高齢者の介護とは異なります。障害を抱えた児童や親御さんの休息の場にもなるでしょう。
気になることがありましたら、一度相談してみるのも良いかもしれませんね。
お役立ち情報
発達障害お役立ちトピックスでは、様々なお悩みや症状についての記事を掲載しています。
参考になる情報が沢山あるので、良かったらのぞいてみてくださいね。
まとめ
- 頭の中で音楽が延々と流れる現象「イヤーワーム」=発達障害ではない
- イヤーワームを止めるには気をそらせることがポイント
- イヤーワームになりやすい曲があるので注意する
今回は、頭の中で音楽が流れることと発達障害について解説しました。
頭の中でエンドレスに曲が流れ続けることで苦痛を感じることも多いと思います。
しかし、音楽はときとして気分を明るくしてくれたり、優しい気持ちになれたりする要素を含んでいます。
ご紹介した対処法を活用しながら、イヤーワームと上手に付き合えたら、今よりも少しだけ楽になれるかもしれません。
いつやってくるか分からないとビクビクするよりも、「対処法があるから大丈夫」と思える気持ちのゆとりが大切ですね。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。