今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害癇癪」についてです。

突然、大声で泣き叫ぶ子供を目の当たりにすると、本当に困ってしまいますよね。

発達障害の子供の癇癪にどう対処していいのか迷うところだと思います。

子供を見ていて、イライラしてしまうこともあるかもしれません。

発達障害の癇癪の理由と対処法を知り、心にゆとりが持てるようこれから解説したいと思います。

癇癪とパニックの違い

まず始めに、癇癪とパニックについての違いについて理解しましょう。

癇癪とパニック。

似ているようで、実は少し意味が異なります

癇癪

癇癪とは

思い通りにならなくて感情が爆発している状態のこと。

癇癪は「あのおもちゃが無いとダメ!」と特定の物が手元から離れたときに大声で泣き叫ぶ等の訴えを起こすことがあります。

他にも、痛みや不快な状況などの生理的な訴えがあるときにも癇癪を起こすようです。

パニック

パニックとは

「思い通りにならないのはなぜなのか?おかしい、こんなはずじゃない!」と錯乱している状態のこと。
思考することで混乱が生じてしまう。

パニックは、自分が予測していた出来事に誤差が生まれるとき、うまく処理できなくなり、混乱してしまう状態のことです。

たとえば、道端で大きな犬を見つけたから、近寄って撫でようとしたら吠えられてしまった!

犬は大人しくて可愛いというイメージを持っていた子供は「なぜ吠えるのか?わからない・・・」とパニックを起こすこともあるかもしれません。

発達障害と癇癪の関係性

癇癪が起こる子供は、発達障害なのか?というと必ずしもそうとは限りません。

しかし、発達障害の子供には癇癪が多く見られることがあると言われています。

そこで、発達障害の症状がなぜ癇癪を起こしてしまうのか調べてみました。

POINT

癇癪を起こす子供=必ず発達障害者とは限りません。 癇癪は誰にでもあります。

発達障害が癇癪を引き起こす理由

言葉の遅れが関係している

発達障害の子供は、言葉の発達もゆっくりの場合が多いので、自分の欲求を言葉で伝えることが苦手な場合があります。

伝えたいことが相手に伝わらないと、自分の感情の行き場を失い癇癪に繋がってしまうことがあります。

気持ちの高ぶりを抑えられない

発達障害の子供は、感情の高ぶりを抑えられなくなってしまうことがあります。

自閉症スペクトラム障害(ASD)と注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)の場合にわけてご説明しますね。

自閉症スペクトラム障害(ASD)の場合

自閉症スペクトラム障害(ASD)がある場合、コミュニケーションを上手く取れず、相手のことを理解しづらい傾向が見られます。

相手のことが理解できず自分の意図することが叶わないとき、感情が爆発し癇癪という形で表面化することがあります。

また、こだわりが強く、「毎朝6時に起きる、7時にご飯、19時には必ず寝る」等、子供の中でのルールが出来ていることがあり、ルーティーンが少しでも崩れると癇癪を起こしてしまうことも・・・。

自閉症スペクトラム障害(ASD)について詳しい記事はこちらです↓

注意欠陥・多動性障害(ADHD)の場合

注意欠陥・多動性障害(ADHD)の場合も「これがしたい!」という自分の感情を抑えることが難しいため、感情が爆発し癇癪を起こしてしまう可能性があります。

気に触ることがあると乱暴になってしまうのもADHDの特徴なので、癇癪とも繋がりが深いですね。

注意欠陥・多動性障害(ADHD)についての詳しい記事はこちらです↓

学習障害(LD)の場合

学習障害(LD)は、知能に問題はないものの「読む」「書く」「予測する」「聞く」「話す」などに困難を生じるケースが目立ちます。

たとえば、単語は問題なく読むことが出来るのに文章になると途端に読めなくなってしまったり、考えて答えを見つけることが苦手なことがあります。

周りに友達は、スラスラ文字がかけて、何の違和感もなく文章が読めている。

でも、学習障害の子供には常に「できない」が付きまとうので、他者と比べて劣等感を抱きやすく、癇癪を起こす可能性も考えられます

学習障害(LD)についての詳しい記事はこちらです↓

百ゼロ思考が邪魔をする

発達障害の特性の中に「百ゼロ思考」があることをご存知ですか?

百ゼロ思考とは、完璧じゃないと気がすまない、白黒ハッキリさせたいという思考のことです。

極端過ぎる思考に思えますが、発達障害者にとっては普通だと言われることがあります。

故に思うようにならないと自分が苦しくなってしまう。

料理するときに「良い塩梅」の味付けと表現することもありますが、ちょうどいい加減が発達障害者には理解が難しいようです。

発達障害の癇癪の対処法

ルールを決める

癇癪を起こした時のルールを決めておくこともひとつの方法です。

穏やかな状態のときに子供と一緒に考えることがポイント

ルールの一例

・大好きなぬいぐるみをなでる。
・好きな香りを用意する。
・「大丈夫」など落ち着ける魔法の言葉を用意する 。

子供によって落ち着く方法は違います。

あなたの子供にあったルールを一緒に決めて、いざ癇癪を起こしたときも冷静に対処できるようにしていきましょう。

癇癪がおさまったら褒めてあげる

子供の癇癪が収まったら、必ず褒めてあげるようにしましょう。
褒めることは安心感にも繋がります。

「ちゃんと落ち着けたね。偉いよ」のように褒めてあげると子供の心も穏やかさを取り戻します。

ポイントは、癇癪が落ち着いたタイミングで褒めてあげること。

落ち着いたら褒めてもらえるという流れを子供に教えることが出来ます。

間違っても叱責するようなことはしないように注意してください

環境を整える

感覚過敏の子供は、たとえ小さなことと思っていても辛い場合があります。

鉛筆で文字を書く音すら、不快なことも・・・。

光が必要以上にまぶしく感じたり、苦しみの中で過ごしていることだってあるんです。

だから、苦手な環境を極力避けてあげることも大事です。

こだわりが強い子供には、癇癪を起こす前に、専用の物を用意してあげることで回避できます。
おもちゃが良い例ですね。

視覚を上手に利用することも有効です。

予定の変更は大きな文字や絵を使って見せることで、理解度も増しますよ。

便利な絵カードのについて詳しい記事はこちらです↓

気持ちを伝える方法を考える

言葉は簡単に気持ちを伝えることが出来ますが、言葉以外でも表現方法はあります。

特に発達障害の子供は、自分の気持ちをうまく表現出来ないことがあるので、絵カードなどの視覚的な表現に切り替えることで、癇癪の頻度も少しずつ減っていくのかもしれません。

アプリでも絵を使って伝えるためのツールがあるので、良かったら参考にしてみてください。

詳しいアプリの情報はこちらです↓

えこみゅ

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気持ちを伝えるカードアプリ。
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日常で使える200種類の絵カードはすべて音声つき。

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【良い口コミ】
・子ども視点から感情を伝えるきっかけになります。
・ 視覚での情報取得が強い我が子に、こういうのをずっとさがしていました。
・ 聴覚障害と知的障害の子どもとカードを一緒に作るところから楽しめます。

【悪い口コミ】
・音声で読み上げるのは助かるけど、早口過ぎます。
・絵が大きくなって欲しいです。

参照元:APP Store

成功体験を積み上げる

いきなり大きな課題を与えるのではなく、最初は無理のない範囲で小さな課題を渡すこと。

そして、成功体験を積むことで「できない!」と癇癪を起すことも少なくなるのではないでしょうか。

課題を仕上げることを目標にするのではなく、続けることによって本人に自信をつけてもらうことを第一目標に据えることが、ポイントです。

言葉だけでなく安全を確保する

声かけや成功体験の積み上げは、発達障害の癇癪に有効だとわかりましたが、子供の安全を確保してあげることを忘れてはいけません。

なぜなら、癇癪が起きたときは、子供自身もどんな行動をするのか予想がつかないからです。

癇癪を起こし、頭を壁へ打ち付ける(自傷行動)可能性も考えられます。

危険なときは、子供と壁の間にクッションを挟んで、頭を守ってあげてくださいね。

発達障害の癇癪で注意すること

子供自身もどうして良いかわからないことがある

発達障害の子供が癇癪を起こすとき、子供自身も感情を抑えられない状況に陥っていることもあります。

癇癪について理解してあげることで、子供の心理状態も把握することが出来ます。

子供の癇癪に引きずられない

友達から重い相談をされたとき、自分まで暗い気持ちになってしまった経験、ありませんか?

反対に、とても喜ばしい出来事があり、身体全体で嬉しさを伝えたとき、周りの人たちもなぜか笑顔になっていませんでしたか?

感情は少なからず伝染します。

子供の癇癪においても、同じこと。

癇癪を起こしているとき、親はイライラしたり、気持ちが不安定になることも考えられますが、感情的に怒ると子供の癇癪をエスカレートさせてしまいます

大きな泣き声で長時間癇癪を起こされてしまうと、親もストレスが溜まってしまうこともあるでしょう。

発達障害の子供が癇癪を起こしているとき、あなたは心を乱されないよう平常心を保つことが大切です。

もし、そばにいないと子供の安全が確保できないときは、耳栓をして声を遮ることだって立派な対策のひとつです。

物を与えることは根本的な解決にならない

癇癪が続くということは、子供が思い通りにならないときですよね。

何とか癇癪を収めようと子供の好きなお菓子を渡してしまうと、子供は「癇癪を起こせば何かもらえる」という思考になってしまう可能性があります。

物ではなく、愛情を与えてあげるよう心掛けることが大切です。

施設紹介

子供の癇癪に触れる時間が長いと、辛くなることもあると思います。

発達障害の子供を育てる中で、不安に思ったり心配ごとが出てきたら、放課後等デイサービス・アレッタがあなたのお役に立てるかもしれません。

放課後等デイサービス・アレッタでは、心身に障害のある小学校1年生〜高校3年生までの児童を対象にサービスを行っています。

デイサービスと言っても高齢者の介護とは異なります。障害を抱えた児童や親御さんの休息の場にもなるでしょう。

気になることがありましたら、一度相談してみるのも良いかもしれませんね。

神奈川県横浜市の放課後等デイサービスアレッタWEBサイトへ

お役立ち情報

お役立ちトピックス

発達障害お役立ちトピックスでは、様々なお悩みや症状についての記事を掲載しています。

参考になる情報が沢山あるので、良かったらのぞいてみてくださいね。

まとめ

今回は、発達障害と癇癪について解説してきました。

癇癪は、コミュニケーションのひとつとして起こることもあります。

かまって欲しかったり、嫌な気持ちを伝えるための手段であったりと様々です。

発達障害の特性から、癇癪が増えてしまうこともありますが、原因を知り対処法を考えることで、子供への向き合い方も変わりそうな気がしませんか?

子供の癇癪と上手く付き合いながら、子供との大切な時間を過ごしていけることを願っています。

最後までお読みいただきましてありがとうございました。