今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。 今日のトピックは「応用行動分析学(ABA)」についてのその4です。

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静江
今回は実践編として、具体例を!
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浩二
使いどころの難しい消極的罰を中心に解説します

発達障害の早期療育に用いられるABA療育において消極的罰を用いる場合は、まだ子どもが幼く問題行動が見られるようになって日が浅いうちが好ましいとされます。

ではここで、その具体例を見ていきましょう。

玩具売り場での例

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静江
「おもちゃ買ってよ買ってよ買ってよ~~~~」というのはあるあるですよね…

では、実際に玩具売り場で癇癪を起こす子どもに消極的罰で対処する場合はどう考えればよいでしょうか?

▼用語については前回の記事で解説しています。ぜひ先にこちらの記事も読んでみてくださいね。

消去と強化を組み合わせる

問題行動に対応するためには、問題行動を減らすだけでなく、望ましい行動を増やすことも大切です。

それを実現するには、強化と消去の両方を用いて望ましい行動に導きます

消去で対応をする

消去とは、子どもが求めるものを与えない、与えられない状況を作り出すことです。

玩具売り場で癇癪を起こす子どもの場合は、おもちゃを買わず駄々をこねられても無視をすることで「癇癪を起こせば欲しいものを買ってもらえる」という強化子を無くします。

問題行動を起こす子どもは「癇癪を起こす」→「欲しいものが手に入る」→「癇癪を起こす」という循環にあるので、これを阻止することが重要です。

消去を用いた対応をする際は、「消去バースト」と呼ばれる一時的な問題行動の悪化が見られることがありますが、これにも反応をせず無視をするといずれは収まります。

どうしても困った場合

どうしても困った場合には周りに迷惑にならないよう、静かな場所に連れ出して癇癪が収まるまで待ちましょう。これには時間を要する場合もありますが、途中で負けて要求を飲んでしまうと逆効果ですから、強い姿勢で対応しましょう。

例えば、おもちゃ売り場で癇癪を起こす子どもを無視したことで逆上し売り場のものを散乱させるなど、子どもが更なる問題行動に出たとします。

そこで対応が難しくなり要求に対応すると、子どもは今後より注目を集められる行動に出れば要求を飲んでもらえると学習します。このことが更なる問題行動の悪化につながるのです。

環境を調整することで問題行動の発生を抑える

消極的罰を用いることでより困った状況に陥る可能性を考えると、「買い物に連れて行かない」「託児所に預ける」などといった環境調整で対応したほうが無難に問題行動を防げると言えます。

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静江
駄々をこねられたら心が折れそうな場合は、環境の方で対処しましょう
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浩二
お菓子をねだられないためにネットスーパーを使っている方もたくさんおられますよ

強化で対応する(望ましい行動を増やす)

問題行動を減らすだけでなく望ましい行動ができた場合に褒めたり褒美を与えることで強化を行います。

強化にはいろいろな方法がありますが、その中の一つ「別の適切な行動を強化する」方法を例に挙げます。

別の適切な行動を強化する具体手法

「落ち着いて三回買い物ができたら欲しいものを一つ買ってあげる」というルールを作り、子どもと共有しておきます。

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静江
事前に約束しておくことが大切ですよ
ABCフレームでいうところの、Aのステップです

よりルールをわかりやすくするため、ノートやメモを使い一回買い物が終わるごとにポイントが貯まる仕組みを作り可視化しましょう。

ポイントがたまって褒美がもらえるこの仕組みを、「トークンシステム」と言います。

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浩二
例えばシールを貼って記録する場合、シールがもらえること自体もご褒美になりますし、ご褒美の状況が目に見えるのでやる気もでます

シールがたまったら見返りとしてのご褒美(強化子)を用意して、実際にルールを守って買い物ができた場合は言葉にして褒めながらポイントを渡し、一定数に達した時はご褒美を授けます。

子どもの特性や状況は各々違うので細かい対応方法は異なりますが、ABAの手法により原因の特定や好ましい対処行動がより具体的になります。

悪い言葉を使う例

周りを不快にさせる発言の場合

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静江
使ってほしくない汚い言葉に限ってしつこく使う場合、よくありますよね

明らかに誰かを傷つけることはないけど、汚い言葉とか、言ってほしくない言葉ってありますよね。無意味に「ウンチ」の連呼とか…

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浩二
そういうときは消極的罰、無視を使ってみましょう

ウンチの連呼などは特に、周りが笑うから繰り返す側面があります。ノーリアクションを貫けば、反応がなくてつまらなくなり、言わなくなります。

周りの子を傷つけるような発言の場合

周りの子を傷つけるような発言の場合、周りの子に危害を加えていると考えられます。しかし、そこで一生懸命こんこんとお説教をしたところで、直らないから困ってますよね…

そういう場合は、短く叱り、相手のお子さんに親がまず謝罪しましょう。そして例えばそれが公園での出来事であれば、すぐに家に連れて帰りましょう(=楽しい公園から帰ることになってしまった⇒消極的罰)

次回は、公園に行く前に約束をしてから出かけ、同様のことがあれば、またすぐに連れて帰るようにすればOKです。

最後まで仲よく遊べたら

逆に、お友達とトラブルなく遊べたときは、望ましい行動の強化のチャンス!

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浩二
今日は最後までお友達と仲良くできて、とても楽しかったね!お父さんもうれしかったな~などと、しっかり褒めましょうね

まとめ

今回の記事では具体事例2パターンについて解説しました。

「罰」という言葉からは、かなりネガティブな印象を受けるかと思いますが、消極的罰はそこまで罰!というイメージのものではなかったのではないでしょうか?

ただ今現在は消極的罰もあまり積極的には使わないABA療育が主流となっています。使いどころに悩んだら、消極的罰ではなく、望ましい行動の強化の方だけ実践でも良いかと思います。

ぜひ一度試してみてくださいね。

最後までお読みいただきありがとうございました!