今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。 今日のトピックは「応用行動分析学(ABA)」についてのその3です。

以前の記事はコチラです⇒その1その2

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静江
今までの2回の記事で、ABAについての概要を説明してきました。
今回は、より実践的に問題行動の原因を理解する手法について解説します!
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浩二
ABA療育に取り組むにしろ、取り組まないにしろ、問題行動の原因が分かることは親御さんにとってプラスになりますよ

ABCフレームを用いた分析法について解説した後、どう対処するかについても後半でご説明します。

ABC分析

ABA療育における問題行動の原因は、大まかに分けると4つに分類されます。

問題行動の原因となる4つの強化子

1.要求の実現
2.回避と阻止
3.注目要求の実現
4.自動強化(感覚刺激)

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静江
「分類について理解できた!」となっても、なかなか実生活で判断をするのは難しいものです…

▼4つの原因については前回記事の後半をご参照ください。

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浩二
そこでABAでは、行動を理解するため「ABCフレーム」というものを用います。
ABCフレーム

ABAフレームの「ABC」が示すものは、
・「A」がAntecedent = 先行事象(行動の前の状況)
・「B」がBehavior = 行動
・「C」がConsequence = 後続事象(行動の結果)です。

ABC分析の1例

例えばこれを欲しいものを買ってもらえずに癇癪を起こす子どもの行動に当てはめて分析すると、次のようになります。

おもちゃ屋さん(A:先行現象)+癇癪を起こす(B:行動)
 →欲しいものを買ってもらうことができた(C:後続現象)

この場合、Aに示されるおもちゃ屋さんという条件下において、Bで子どもが癇癪を起こすという行動を起こすことで、Cの欲しいものを買ってもらうことができたという結果につながっています。

Bの行動に出ることによってCの欲しいものを買ってもらうという結果が得られたため、今後この子どもは癇癪を起こす傾向が増加する可能性が高いと言えます。

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静江
これは、欲しいものを手に入れたという「要求の実現」によって行動が「強化」されるためです。
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浩二
この「強化」はABA用語なので、次の項目で詳しく解説しますね

ABA療育における【強化】【消去】【罰】とは

ABA療育でよく使われる専門用語(もしくは一般とは違う意味で使う言葉)がいくつかあるので先に解説いたします。

  • 強化/強化子
  • 消去

問題行動の対処法は【強化】【強化子】【消去】【罰】を組み合わせて行います。詳しくは用語解説の次で説明しますね。

強化

子どもに限らず人は自分のとった行動に対して望ましい結果が得られると、その後も同じような行動を繰り返す傾向にあります。

この、本人にとって望ましい結果(=褒美)を与えることで特定の行動を増やすことを「強化」と言います。

また、褒美のことを「強化子」と言います。

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静江
おもちゃなどの「物」に限らず褒め言葉などの本人が喜ぶものなら、どんなものでも強化子になりえるのがポイントです。
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浩二
こちらの記事で解説した通り、強化子は「望みをかなえるもの」。注目が欲しいようなケースでは「怒鳴られる」でも望みをかなえていることになってしまうのに注意してください。

消去

ある行動が褒美(望ましい結果)につながらないと、人はその行動を減少させる傾向にあります。

これを「消去」といいます。

行動をとった直後に不快を感じる出来事があると、それ以降その行動は減少します。

不快な出来事=罰には積極的罰と消極的罰があります。

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静江
きつく叱りつけたり体罰をするような積極的罰は避けて「褒美」を取り除くのが消極的罰です。

消極的罰の例には、ゲームを取り上げる、テレビの時間を減らすなどがあります。また、「注目」が褒美になっている場合では「無視」が消極的罰にあたります。

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浩二
ただ、今日においてはABAの療育において、罰の手続きは基本的に用いることは少なくなっているようです。

罰を与える人がいない場合問題行動が増える可能性が考えられたり、罰を与えることでまた別の問題行動が増える可能性があるためです。

消極的罰を用いるにしても、子どもが幼く問題行動が見られるようになって日が浅いうちに限定したほうがいいとされます。

問題行動の原因が分かった後の対処法

問題行動の原因が分かった後の対処法についてご説明します。

問題行動は望みをかなえるために起こっているとABAでは考えますので、「問題行動を起こしても望みがかなわない」「良い行動をすると望みがかなう」ようにしていく必要があります。

例:スーパーでお菓子を買ってほしいと泣き喚く

買い物に行った時、お菓子売り場で「お菓子かってよ!!」と泣き喚いたら買ってもらえたということがあったとします。

すると、次からも同じように泣き喚いて買ってもらおうとしてしまいますね。

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静江
こういう時の対処は、ABCフレームに合わせて考えると下記の通りになります。

A(行動前): 親と買い物の前に「今日はお菓子は買わない」と約束した
B(行動): 泣き喚いて「お菓子かって!」と言った
C(行動の結果): お菓子は買ってもらえなかった

子どもが「いくら泣いても、買わないと約束した日は絶対に買ってもらえないんだ…」と理解するまでは、泣き喚くのが一時的に悪化するケースも多いです。

しかし、親が【約束した日は買わない】態度を貫けばいずれこの問題行動は減少します。

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浩二
これが先ほどご説明した「消去」ですよ!

例:食事中に立ち歩く場合

食事中に立ち歩きを行ってしまう場合、「ちゃんと座って!」などと注意ばかりしたくなりますよね。

立ち歩きを行ってしまう原因にもよりますが、対処としては【座って食べているときに褒める】ことが有効です。

A(行動前): 親と食事前に「座って食べようね」と約束した
B(行動): 座って食べた
C(行動の結果): 「しっかり座っているね、さすがだね!」と褒められた

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静江
「いやいや、褒められる状況じゃないから悩んでるんですけど…」というお声が聞こえてきそうですが、1~2分でも座っていられるなら、その座っている間にすかさず褒めるんです!
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浩二
「座って食べられているから、デザートをあげるね」などデザートなどのご褒美もアリですよ

「座って食べたらいいことがあった」経験を積ませて、座って食べる行動を【強化】しましょう。

まとめ

  • ABCフレーム分析は、行動前⇒行動⇒行動後の3つのシーンに分けて分析する手法
  • 対処もABCフレームに当てはめて考える
  • 「問題行動を起こしても望みがかなわない」「良い行動をすると望みがかなう」ようにしていくことが重要

実際、お子さんが問題行動を起こしているときに、落ち着いてその背景の原因や子供の望みを考えることは中々難しいものです。

しかしABCフレームに当てはめることで、どういうことがあって、子どもが起こした行動が何で、結果どうなったかと状況を分かりやすく整理して考えることが出来るのでぜひ試してみてくださいね。

対処法では特に、「問題行動を起こしても望みがかなわない」 を理解させるケースで、一時的に状況が悪化する場合が良くあります。

この時に親が一貫性のない態度をとってしまうと今までの努力が泡になってしまうので、「今が踏ん張り時!」と思って耐えましょう…!

最後までお読みいただきありがとうございました!