今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所になることを願って投稿させていただきます。
今日のトピックは「発達障害 疑い」についてです!
毎日子どもと接していると、発達障害を疑う瞬間があるかもしれません。
・発達が遅れている気がする…
・うちの子、発達障害なのかな…
・でも診断とかよく分からない…
発達障害を認めずそのままにしておくことは危険です。学校生活や人間関係に支障がでたり、そこから精神的な疾患に繋がるケースも考えられます。出来る限り早い段階で気付いてあげることが大事です。今回は発達障害の相談や診断基準、実際の診断の内容、準備するものまで紹介させていただきます。
目次
発達障害の疑いを持ったら、まず相談。
子どもの発達障害を疑ったらまずは相談することが大事です。相談する機関については以下の通り。
医療機関
発達障害の診断を下せるのは医師だけです。最終的には医療機関の受診をしましょう。発達障害の診断は小児科・児童精神科・小児精神科・発達外来を受診しましょう。大学病院や総合病院などでもOKです。
医療機関の探し方はネットでの検索が有力ですが、各都道府県がまとめている発達障害の診療にかかる医療機関リストや小児神経学会のホームページなども有力です!
問題として、予約が詰まっておりすぐに診断を受けれないケースも考えられます。
子どもが発達障害かどうか分からないという状況下ではずっと不安が続きますので、予約を待っている期間は他の機関で相談することで対処しましょう。
発達障害者支援センター
全国の市町村には発達障害者支援センターが設置されています。診断がなくとも相談することができるので、医療機関に行くまでの機関はここに相談するのがおすすめです。
①電話受付→②日程調整→③初回相談→④関係機関との調整・継続相談
が基本的な流れになります。まずは電話相談から始めましょう。
児童相談所
児童相談所は発達障害に関する相談業務も行っています。医療機関、発達障害者支援センターのどちらともうまく相談を受けられなかった場合の選択肢として有力です。児童相談所は学校や医療機関、児童福祉施設など様々な関係機関とつながっているため、連携して支援を受けることも考えられます。
横浜市の児童相談所を探す場合はこちら。
スクールカウンセラー
学校にスクールカウンセラーが常勤されている場合は相談するのも手です。スクールカウンセラーは心のケアだけでなく、発達障害への対応も業務に入っています。
発達検査を行うことはありませんが、結果を理解することはできるので医療機関との併用も有力です。お母さん・お父さんのケアも当然できるので幅広い対応ができると言えます。
一方でスクールカウンセラーが常勤ではなく、非常勤の場合は予約制になっていることが大半ですので、相談までに時間がかかるデメリットもあります。
まずは相談しましょう
誰かに相談をすれば、それは確実に支援の第1歩目になります。
一人で解決しようとするよりも確実に前に進みます。一人で問題を抱えて自分を追い込んでしまうことも減ります。なぜなら専門性の高い情報や発達障害と関わった経験が豊富な人に相談できるからです。
落ち着きがない、集中できない、注意をなかなか聞くことができない、コミュニケーションが取れないなど、先生や周りから自分の子どもについて気になることを言われると不安になりますよね。加えて自分の子どもを発達障害と疑うのは大きなストレスを伴います。
しかし疑いを持っているのにも関わらず、「まだ本当に発達障害かどうか分からないから様子を見よう」、「誰にも言いたくないから自分で解決しよう」といった気持ちになるのは危険です。このような気持ちに該当する場合は一刻も早く相談をしてください。自分が相談しやすいところに相談するで構いません。
参考記事
夜間や休日にも相談することは可能です。日中忙しく、夜間や休日にしか時間が取れないといった方はこちらの記事を参照ください。
発達障害は、自己判断してはいけない。
発達障害を自己判断するのはNGとなっています。発達障害には米国精神医学会によって発行されたDSM-5、世界保険機構(WHO)によって発行されたICD-10という診断基準を用いて診断をします。
DSM-5,ICD-10は専門家のための診断基準であって、一般人のために作られたわけではありません。最終的には医療機関を受診して、しっかりと診断をしてもらいましょう。
診断は問診、行動観察、検査。
診断の内容は、大きく分けて3ステップに分かれています。全てを実施するわけではなく、各医療機関や子供のケースによってなにを実施するかを決めていきます。
問診
今現在日常生活で困っていることや、今までの発達過程などを医師が聴き取ります。母子健康手帳や育児日記など、子どもについての情報を記したものがあれば持参することをおすすめします。診断の参考になります。
行動観察
問診中や検査者と一緒に遊ぶなどして子どもの行動を観察します。検査者は子どもの安全を確保するとともに、子どもに何かを強要することなく関わってくれます。検査者と子どもで遊ぶ場合だけでなく、親と子どもで遊ぶ場面を観察することもあります。
子どもの発達具合の判断だけでなく、親子関係も診ます。観察終了時は、検査者と一緒に関わり方のアドバイスを受けることができます。検査者は傾聴・共感の姿勢で話すため、安心してアドバイスを受けることができます。
発達検査(新版K式発達検査)
発達の具合を調べるのが発達検査です。数値化して結果を判断するため、検査者の主観が入ることはなく客観的な指標を得ることができます。年齢を選ばずに実施することができ、幅広い領域を評価して判断を下せるのが発達検査のメリットです。
最も有名な発達検査として新版K式発達検査というものがあります。
この検査では、身体機能の発達を見る「姿勢・運動」、物の認知や手操作を見る「認知・適応」、言葉を聞いて理解する力や話す力を見る「言語・社会」の3要素から判断されます。
知能検査(WISC)
認知能力の具合を調べるのが知能検査です。こちらも数値化して結果を判断するため、検査者の主観が入ることはなく客観的な指標を得ることができます。発達検査と違い、代表的な知能検査では5歳~16歳までの子どもを対象とするため幼児期の子どもに実施できないというデメリットがあります。
最も有名な知能検査としてWISCというものがあります。
この検査では、言語の理解やコミュニケーション力を見る「言語理解指標」、目で見た情報を処理して身体に伝えられるかを見る「知覚推理指標」、短期的な記憶能力や集中力を見る「ワーキングメモリー指標」、目で見た情報を、早く正確に書く力を見る「処理速度指標」の4要素から判断されます。
子どもを理解するヒントにしよう。
検査結果が返ってきたら、その結果を見て子どものことを理解するための手がかりにしてみてください。発達検査や知能検査は、ただ単に発達障害かどうかを判断するために行うものではありません。検査を受けた子どもの、どの部分に遅れが見られて、どの部分は正常または得意であるのかを見るためにあるのです。
主観の入らない客観的な情報というのは、発達障害を持った子どもを理解するための大きなヒントになってくれます。
参考動画
発達障害の診断治療についての流れについての解説動画はこちら。
診断に母子健康手帳は必須。
母子健康手帳は必須です。 母子健康手帳に記載されている小学校に入学する前の健康状態、発育、発達などの情報は診断時の大きな手掛かりとなります。
生育歴もまとめておくのがおすすめです。子どもがいままでどんな環境で育ってきたのか、どんな人と接して生きてきたのかなどをまとめときましょう。
学校の通知表や学校での様子をまとめたメモも用意しましょう。学校での様子は事前に学校の先生に聞いておくのがおすすめです。
子どもを理解するためにも、診断を受けよう。
発達障害の診断が必要なサービスを受けることが出来ます。代表的には、助成金や障害者手帳の受け取りなどが挙げられます。
もし発達障害だと分かった場合、それは子どもとの関わり方を変えるきっかけになります。より一層しっかりと子どもを理解しようとする意識に変わるからです。今までなんとなく見てきた行動も、しっかりと観察するようになれます。
加えてもし発達障害だと分かった場合、子どもの行動に対するストレスを減らすことができます。今まで説明が付かなかった子どもの行動に「発達障害のため」という説明がつき、子どもの行動を受容することがしやすくなるからです。
発達障害かどうかをハッキリさせることで、公的サービスを受けられるだけでなく、不安やストレスを減らすことができるほか、子どもとの関わり方を変えるきっかけになれるというメリットがあるのです。
まとめ
1,発達障害の疑いを持ったら、まず相談。
2,発達障害は、自己判断してはいけない。
3,診断は問診、行動観察、検査。
4,診断に母子健康手帳は必須。
5,子どもを理解するためにも、診断を受けよう。
最後までお読みいただきありがとうございました!