今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させていただきます。今日のトピックは「大人の発達障害を本人に伝えるべきか」についてです。
あなたは職場に仕事が上手くできない変わった人を見たことはありませんか?
そのような人に困ってしまったり、助けてあげたいと思ったことはありませんか?
観察をしていて、もしかしたら発達障害だと思って、上司に相談をしてみたことはありませんか?
実は、その相手は本当に発達障害を抱えているかも知れません。
この記事をご覧のあなたは本人に伝えた方が良いのか、悩みを持っていることでしょう。
それでは、本人に伝えた方が良いのか、それとも伝えない方が良いのかを考察していきましょう。
目次
大人の発達障害を伝えるべきか
もし、あなたの周囲や職場に発達障害が疑われる人がいる場合、それは本人に伝えるべきです。
多くの場合、実は発達障害を持っている本人が困っていたり悩んでいたりしています。発達障害を持つ人の中には自分が発達障害だと知ることができて安心できるという人も多くいます。
伝えるべき理由
さて、それでは何故、伝えるべきなのでしょうか?
それは、発達障害を持つ人と、その周囲の人とが上手くやっていくためです。特に職場である場合は会社のためになると考えても良いでしょう。
具体的な例
どのような場合に伝えるべきか、ここに困る人も多いと思います。
まず、あなたに余裕があるのであれば、職場や就職での活動で、その人がどのような人かを観察してみてください。
発達障害の特性で困っている人は、コミュニケーションが苦手なために辛い思いをしています。
以下のようなことが見られるのであれば、発達障害を疑っても良いかもしれません。
- 言葉を遮られて最後まで話せていない。
- 要領を得ない話し方をしている。
- 節々に独自の言葉を使っている。
悩みを一人だけで抱え込まない
もし、どのように観察していけば良いのかが分からなかったり、自分から相手に対して発達障害の可能性を伝えることができないのであれば、まずは信頼できる人に相談してみると良いでしょう。
特に職場の場合は、自分の上司や発達障害が疑われる人の上司に相談するのがベストです。
その人たちが信頼できないのであれば、職場の責任者の人に相談するのも良い手段です。
伝え方について
それでは、発達障害が疑われる人に対して、何をどのように伝えれば良いのでしょうか。
職場という組織の中であれば、直接言うのは難しいかもしれません。
それでは、考えていきましょう。
まずは職場の上の役職の人に相談
上司に相談して産業医さんのところに導いてもらうのが自然であると考えられます。
なぜならば、発達障害の傾向が見られても、その人が発達障害であり、困っているとは限らないからです。
確かに発達障害を持っている人は努力をしても上手くいかずに、二次障害としてうつ病になってしまうケースがあります。発達障害についてあまり知られていない職場であればなおさらです。
ですが、そのような人に見えたとしても、実は本人が困っていないこともあります。
発達障害を決めるのは誰か
どのような人であるから発達障害だと言うものは、そもそも明確に定義がありません。専門医によってテストなどを通して総合的に判断されるのです。もしかしたら発達障害ではないのかも知れません。
そして、発達障害であったとしても二次障害のうつ病になってしまっている場合、伝えたとしても何がおきるか分からないので慎重に行動をする必要があります。
このような理由から、同僚という立場から発達障害を直接指摘するようなことをするのは避けたいところです。
きちんと会社の産業医さんから専門医のところに導いてあげて、治療に導くのが最善の道です。
あなた自身の安全は守ろう
先ほども述べましたが、あなた自身が行動をするとしても、同僚である人に発達障害を伝えに行くのは避けてください。
発達障害と会社がかみ合えば上手くいく
発達障害の人は以下のような特性があります。
- 高い集中力。
- 気がつきにくいことに気がつく。
- アイデアが豊富。
これらは、上手く働けば会社を上手く回していくための鍵となっていきます。しかし、仕事が上手くいかない人は会社の方針を理解せずに、自分の興味や知識で動いてしまいます。
そんなとき、上手く会社の一員として動かしてくれるのは、上役の人たちの役目です。
直接伝える危険性
直接、発達障害の自覚がない場合、その人に発達障害の可能性を指摘するのには危険があります。
役割があるかも
会社では、個々人の能力を見極めて役割を与えています。
もしかしたら、その人の働き方を会社側が精査しているところかも知れません。同僚という立場である以上、タイミング悪く自分からアドバイスに行ってしまうのは避けるべきでしょう。
傷つけてしまうかも
友達であるならともかく、会社という場での付き合いの場合、相手は何かしら自分にフィルターをかけている可能性があります。
特に本当に発達障害であれば、周囲と上手くやろうとして努力している人が多いので、もし伝えてしまったとしたら傷つけてしまう可能性があります。それがきっかけで二次障害となってしまい、休職させてしまう可能性もあります。
既に診断されているかも
既に発達障害を診断されている場合もあります。
その場合、本人は非常に悩んで苦しんでいます。理由は発達障害を会社に伝えた場合に悪い方向に進むという考えを捨てきれないからです。
障害があるという表現をすると、自分に対してマイナスをつけてしまうことになります。なので、本人は障害をオープンにするかクローズのままで働いていくかを悩んでいます。
それでも伝える方がよい
ここまで読んでくださった方の中には、もしかしたら「それなら伝えない方が良いのではないか」と思う方もいらっしゃると思います。
ですが、大人の発達障害、特に職場でのことでしたら言うべきです。
今は社会的にも多様性を受け入れていく時代ですし、会社としても上司が部下の能力を考えて仕事を与えるというのは当たり前です。
それに、発達障害は個性に近いものですから、オープンにしたとしても問題はありません。個人に対して差別をしたり孤立させたりするような人の方に問題があります。
ただし、やはり会社では、その人の上司から適切に伝えて、産業医さんや専門家に判断してもらえるように導いてあげるのが正解と言えます。
周囲の人にも発達障害を知ってもらうために
発達障害の傾向がある大人に対して、きちんと本人に伝えるということは重要です。
そして、さらに重要なのは発達障害の傾向のある人だけでなく、職場全体が発達障害という特性を理解していくということです。
発達障害がわかり、その本人と上司だけで仕事をしていくことは、ほとんど不可能です。会社にはチームで働く作業が多いので、一緒に作業をする人も発達障害という特性があるということを理解しておく必要があります。
この記事をご覧の方は発達障害に理解があることでしょう。しかし、あなた以外の方は理解があるとは限りません。
ましてや難しい問題なので、あなたが周囲の人に発達障害を広めてしまうと、必ず職場で問題になります。
発達障害の知識を正しく社員全体に伝えるのは、上司たちの役目です。
あなたは会社に対して発達障害のことを伝えるだけで充分です。
まとめ
- 発達障害の傾向がある人がいたら伝えるべき。
- 発達障害のことは本人ではなく上司に伝えよう。
- 会社側が動いてくれるのを見守ろう。
- 会社と発達障害の関係を崩さない行動を取ろう。
以上が、この記事のポイントとなります。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。