ADHDとアスペルガー症候群を持つ人に多く見られる過集中について、ここではそれに伴う困難をまとめます。

過集中の困難さ

興味関心のないことに取り組むことができない場合がある

過集中の人は、興味や関心のあることに対してなら集中が続きます。
しかし、興味・関心が向けられないことには、取り組むことが苦手な傾向にあります。
例えば、期限が定められている作業でも、興味関心がないため取り組めないことがあります。

虚脱状態に陥ることがある

過集中の状態が続くと、そのあと反動で虚脱状態に陥ってしまうことがあります。
虚脱状態とは、何に対しても集中することができず、やる気を失った状態のことです。
ひどい場合には寝込んでしまうなど、心身に影響が見られます。

日常生活に支障をきたす場合がある

過集中状態に陥ると、寝食や排泄など、生活に不可欠なことまで忘れてしまうことがあります。
時間を忘れて集中することで、日常生活に支障をきたしてしまう場合もあります。

心身の健康を保つことができない

過集中によって身体が発するサインに気づくことができず、日常生活に支障をきたしている状態が慢性化すると、心身が不健康になります。
栄養失調や睡眠不足を引き起こし、身体も心も不健康な状態に陥ってしまうこともあります。
重症化して、重大な問題に繋がるケースも考えられるでしょう。

邪魔をされると感情的になってしまう

過集中状態にある時、作業を中断させようとする他者に対し暴言を吐くなど、感情的になることがあります。
また、周囲の環境音が気になることもあります。
過集中の状態が落ち着いてからの方が、他人の忠告を余裕を持って受け入れることができます。

依存性が高まるリスクがある

インターネットやゲームなどに集中するうちに、依存症が高まってしまうリスクが高まります。

過集中への対策と注意点

過集中への対策

過集中の人が日常生活に支障をきたさないための対策方法をまとめます。

計画を立てる

時間を忘れ没頭してしまう場合は、事前に計画を立てから取り組むようにします。
集中して何かに取り組む時間、作業を切り上げる時間、休憩時間を定めることで、日常生活に影響を及ぼすことがなくなります。

時間を意識する

作業を始めてからの時間の経過を確認しましょう。
時計を見る癖をつけて、自分の状態を把握することが大切です。

周囲の人に協力を仰ぐ

自分一人で過集中を防ぐのには限界があります。家族や友達など、周りの人に注意や声がけをしてもらうことが必要です。

注意点

対策をすることで、ある程度過集中を防ぐことが可能です。
しかし、注意点も少なからずあります。

予定通りに進まず気落ちしてしまう

時間感覚を身につけた上で計画立てて行動した場合でも、予定通りに動くことが困難な場合もあります。
計画に執着しすぎてしまうと、今度はスケジュールを立てることに対し過集中状態が引き起こされてしまう場合もあります。
状態に応じて切り替えることが大切です。

他人任せになりすぎる

周囲の人に協力してもらうことも大切ですが、相手に負担になってしまってはいけません。
自分一人の力では解決できないことに関してのみ、他人を頼るようにしましょう。