過集中とは

ADHDとアスペルガー症候群に見られることの多い過集中とは、過度に集中している状態を指します。
集中すること自体は悪いことではありません。
しかし、極度な集中状態が続くことは、心身に影響を及ぼします。

自分の好きなことや関心のあることに没頭しすぎることにより、最低限営むべき日常生活にまで支障をきたしてしまう恐れがあるのです。

ADHDとアスペルガー症候群の全ての人が過集中の特徴を持っているわけではありませんが、注意する必要があります。

過集中とADHDとアスペルガー症候群の関係性とは

具体的に、ADHDとアスペルガー症候群と過集中の関係性はどのようなものか、解説します。

ADHDと過集中の関連について

ADHD(注意欠陥・多動性障害)とは、「attention-deficit hyperactivity disorder」の頭文字からきている名称です。
主な症状には、不注意・衝動性・多動性が認められます。

それぞれ、興味関心のないことには集中が続かない、落ち着きがない、衝動的な行動をとってしまうといった症状がみられます。

このイメージから、ADHDの人は、何事にも集中力を発揮できないと思われがちですが、実はそうではありません。
自分が興味を持ったことややりたいと思ったことに対しては、集中しすぎてしまうことでうまく切り替えられなくなることがあります。

これらの症状は、社会や学校での生活を送る上において、大きな障害となっているケースがほとんどです。

アスペルガー症候群と過集中の関連について

アスペルガー症候群の人は、人とのコミュニケーションや社会性における問題が見られることがあります。
彼らは、限定された物事への強い執着、こだわりを持ち、一旦興味を持つと過剰なまでに熱中する傾向にあります。

周りが見えなくなってしまうほど物事に没頭してしまうこともあり、これが周囲との衝突の原因になります。

過集中の強み

過集中には強みトと困難さの両方の面があります。
ここではまず強みをまとめます。

集中力が高い

周囲の環境や時間に惑わされることなく、興味のあることに熱心に取り組んで没頭することができます。
気づいたら時間が過ぎていたということも珍しくなく、どんなに雑音があっても集中することが可能です。

高い能力を発揮することができる

一つのことに没頭して集中することにより、高い能力を発揮したり、知識を深く持つことができます。
他の人が長時間かけて達成できる作業を短時間で達成する人や、専門的な技術・知識を発揮する人がいます。

人から褒められる行動につながる

集中して高い能力を発揮する過集中は、周囲の評価につながることがあります。
学校生活においても、成績が良く教師から褒められることも少なくありません。

個性として受け入れてもらえる

過集中は、集中力が高い、専門性があるなどとして、周りには個性として受け入れられることがあります。
そ特段素晴らしい個性として捉えてもらうことができるケースも珍しくありません。