今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害の方に手厚い大学」についてです。
大学を選ぶ際にポイントにしたいところや、どんなサポートがあるのかを見ていきたいと思います。
大学生活と高校生活の違いや、最近の大学でのサポート体制について見ていきましょう。
目次
発達障害の特性に手厚い大学選び方!
実際にどのようなサポートがあるのか、具体的な大学名も解説していきます。
最近は、少しずつではありますが発達障害に対して理解が進んでいます。
日本学生支援機構のウェブサイトにもそれ専用のサイトができるほどです。
選ぶ時のポイントも含めて説明していきます。
高校生活と大学生活何が違う?
そもそも、高校生活と大学生活の何が違うのでしょうか。
①生活面
高校生活では、遅刻や欠席、提出物の遅れ、テストの点数などについて問題があると学校から家庭に連絡がいく仕組みになっています。
逆に大学では、欠席したからと、言って学校側から家庭に連絡はいきません。
学生本人が管理することを求められます。
就寝、起床、食事、持ち物の管理、体調管理などが個人に求められます。
一人暮らしをするのであれば、生活そのものやお金の管理、光熱費や家事能力も必要となります。
これがまず大きな違いです。
②修学のシステム
大体の高校では、学校側が決めた時間割に従い定期テストや出席日数によって学校が定めた基準をクリアすれば、進級、卒業ができるシステムになっています。
通信制の高校についてはこちらは当てはまりませんが、通信制の高校もある程度の基準によって単位を取得するシステムになっています。
では、大学のシステムはどうなっているのかと言うと、
大学ではまず自分で時間割を決めていきます。
時間割を決めるにあたっても、どの授業が必要で、進級、卒業するためには、これを組み合わせてとらないといけないなどなかなか複雑なシステムになっており、また申請する必要があります。
さらに授業がどこの場所で行われるかなども自分で把握して、その場所に行かなくてはいけません。
申請期間も決められていて、もしもそれを忘れてしまうとまた来年にならないと取れないという授業も出てきてしまうので、いろいろな管理能力が求められます。
③クラス制度の有無
大体の高校では、クラス(学級)というものがありました。
しかし、大体の大学では、クラス(学級)というようなシステムがありません。
つまり、毎日会うクラスメイトや担任の先生と言う人はいません!
メリットとしては、大きな違時間や人間関係がとても自由になるので気楽ではありますが、逆に言えば、友達が欲しいならば自分で積極的に動かないと行けないのがデメリットです。
また、担任の先生がいないので、
各授業の休講や試験日程、提出物なども大学構内にある掲示板を確認したり、ウェブサイトを随時見て自分で確認することが求められます。
つまり情報収集は全て個人で行う必要があります。
高校と大学の違い
・生活面
・修学のシステム
・クラス制度の有無
このあたりの困りごとを頭に置いておきましょう。
④おまけ
しかし、一人で解決しているというよりは、周りの友達や先生と相談しながら周りに適応している方が多いみたいです。
発達障害の特性に手厚い大学の特徴。
発達障害の特性をもつ方が大学を選ぶ時に手厚いと感じるポイントについてみていきます。
①障害学生支援の窓口のある大学
こちらは、過去に発達障害等の障害のある学生の支援をした経験があったり、専門のスタッフ(ソーシャルワーカーやスクールカウンセラーなど)がいるような大学があります。
見つけるには大学のオープンキャンパスで相談してみたり、大学のウェブサイトを見るのがおすすめです。
② 障害以外にも相談の窓口のある大学
授業、修学、ハラスメント、就職、学費、健康、心理等の相談に乗ってくれる窓口をもっている大学があります。
相談窓口があると、わりと親身になって一緒に解決してくれる大学が多い。
また、専門家が在中していることもあるので、安心です。
③ 大学の規模が小さく、学生の個性を重視し、気を配っている大学。
そもそも大学の規模が小さいので、個性を重視してくれるので、相談窓口やサポートも充実している大学。
実際に手厚いとされる大学の具体的なサポートについて。
① 学生の特性について、共有。
これは、学生の持つ特性について共有することで、特性への理解が進み、どのように配慮、サポートすればいいかの取り組みです。
② 授業の録音や板書の代わりに写真を撮ることへの許可。
こちらの支援は、学習障害の特性をもつ方には重要です。
書いたり、読むことを減らす支援です。
③ 提出物、授業の内容を視覚的に伝える。
発達の特性がある方には、具体的に提出物やその期限を伝えることで円滑に取り組めます。
また試験に出てくるポイントや授業中に取り組む内容についても説明します。
④ 書籍や教科書の電子データやテキストデータを配布。
学習障害などの特性があると、電子データにすることで、読み上げ機能が使用できたり、重要なポイントにマーカーをつけるなどのカスタマイズが可能です。
⑤ 授業を集中して受けるための配慮。
集中して授業を受ける場所の確保や、体調に合わせて気軽に入退室するように配慮したり、周りの目が気になって集中できない学生にはパーテーションを使用して個別スペースを用意してくれるところもあります。
⑥ グループワークが必要な時の配慮。
授業によっては、グループワークすることもあります。特性を理解した上でグループ内を調整します。
⑦ 支援機器の使用の許可。
ざわざわした音や、苦手な音のある学生に配慮したノイズキャンセリングのイヤホンやヘッドホンなど支援機器の使用を認める。
これによって授業を円滑に受けることが可能となります。
⑧ ノートパソコンやタブレットの使用許可。
学習障害のある学生に配慮してくれています。
読み上げソフト、音声入力ソフトなどを使用してノートに筆記するのではなく、代わりになるICTの持ち込みを許可しています。
⑨ 成績評価方法の変更。
成績評価の方法についても、授業の本質は変えない程度に、発達障害の特性のある方を、配慮した試験方法を採用しています。
⑩ 試験時間の延長。
発達障害のある学生や学習障害のある学生のために試験時間の延長などの配慮しています。
こうすることで、同じように試験を受けることが可能になります。
このように手厚い支援を取り入れている大学もあります。
具体的な手厚い大学の紹介。
実際に手厚いとされている大学を紹介します。
こちらは、一部です。
最近では理解のある大学が増えています。
① 富山大学
こちらは、国立の大学です。
アクセシビリティ・コミュニケーション支援室という発達障害のある学生に向けた支援センターを創設しています。
支援内容としては、修学支援、就職活動、家族支援、同年代の学生を集めた会合などを開催し、積極的にコミュニケーションの取れる場所の提供などを実際に行なっているそうです。
詳しくは、富山大学のウェブサイトを参考にしてください。
②明星大学
こちらは私立の大学です。
2016年から障害のある学生に向けたスタートプログラムという支援を提供しています。
このプログラムは、発達障害のある学生に向けた特別な支援カリキュラムで、年間30コマ、学校内や職場のルール、社会的スキルなどを学べるプログラムを有料で実施しています。
そのほかにも、2015年にユニバーサルデザインセンター(UDセンター)を大学の構内に設置し、支援すると共に、常に2名のソーシャルワーカーが常駐しています。
詳しくは、明星大学のウェブサイトを参考にしてください。
③日本福祉大学
こちらも私立の大学です。
キャンパスが3つありますが、どのキャンパスでも支援が行われています。
入学受験の段階からすでに支援がしっかりしており、入学後もサポートが確立しているので安心して通学が可能です。
そのほかにも、障害者支援と共に支援するひとを育てる教育にも力を入れられているので、ボランティアとしてサポートしてくれる人の大半は同じ大学内の学生です。
詳しくはウェブサイトを参考にしてください。
④通信制の大学
たくさんの大学の中にも通信制の学部があります。
こちらは、基本的には、家を基準として授業を受けるシステムになっているので、通学が苦手な方や家の方が安心できる学生については、通信制の大学もおすすめです。
通信制の大学の中にも、通い方を選べる大学もあるので、気になる大学に通信制があるのか調べてみると選択肢が広がります。
通信制大学一覧です。
まとめ
今回、発達障害の方に対して手厚い大学についてお話ししましたが、
・合理的配慮が実施されている
・相談支援の窓口がある
・過去に障害者支援の実績がある
・スクールカウンセラー、ソーシャルワーカーなどの専門家が常駐している。
など、この辺りがポイントになります。
そもそも、発達特性のある方は、興味の幅が極端な場合もあるので、
まずは、興味のある学部、将来的に何になりたいかなど。
また、総合学科のようにいろいろな学部が混ざっているような学部をチョイスするのがおすすめです。
また、困りごとも増えていく可能性があるので、しっかりしたサポート体制の整っている大学や、事前に学校説明会、オープンキャンパスなどで相談しておくのがいいと思います。
最近では、通信制の大学も充実しておりいろいろな通い方が選択できる時代です。
進路を選択する上での参考になればと思います。