今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所になることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「育てにくい子と発達障害の関係」についてです。
お子さんが、何でも言うことを聞く子なら「育てやすい子」と言いたくもなります。反対に、すぐ癇癪を起こす子なら「育てにくい子」とレッテルを貼りたくもなるもの。
そこで今日は、「育てにくい子」がなぜ育てにくいのか。発達障害の特徴例を参考に「グレーゾーン」という考え方も取り入れながら、育児の考え方を根底からガラッと変えてもらうために、いろいろと調べてまとめてみたいと思います。
今日の記事を読んで、しんどい育児とはサヨナラしましょう。
目次
育てにくい子は発達障害のせい?特徴例をみてみましょう!
まずは、ザーッと発達障害の特徴例をみていきたいと思います。自分の子と当てはまるところがないか1つずつチェックしてみてください。
あくまで、「えっ!?私の子が発達障害?」と落ちこむためにチェックするのではなくて、子供の特性を知るために行います。育児は人対人です。まずは相手を知らないと、対応のしようもありませんからね。
自閉症スペクトラム障害(ASD)の特徴例
はじめに、自閉症スペクトラム障害の特徴例を年齢別にまとめてみます。
生まれてから1歳ぐらいまで
- 抱っこをいやがる
- あまり泣かない
- あやしても笑わない
- ミルクを飲まない
- 偏食ぎみ
- 寝つきが悪い
- すぐ目が覚める
3歳ぐらいまで
- 発語や言葉が遅い
- 名前を呼んでも反応しない
- 人と視線をあわせようとしない
- ひとり遊びを好む
- 一緒に見てほしいものを指し示すことが難しい
- 触られることを極端に嫌がる
小学校に入る前6歳ぐらいまで
- 特定の順番で活動することや道順やものの位置などにこだわる
- とにかく集団行動するのが苦手
- 同年齢の友達とうまく遊べない
- 自分勝手な行動をとる
- 状況を読めない
- 同じ遊びをひたすら繰り返す
- ごっこ遊びが苦手
注意欠陥多動性障害(ADHD)の特徴例
続いて、ADHDの特徴例を年代別にまとめてみます。
保育園、幼稚園のころ
- いつもクネクネと動いて落ち着きがない
- 気になることがあると食事の途中でもたべるのをやめて動き回る
- 友だちからオモチャをとってしまう
- 忘れものや失くしものが多い
小学生のころ
- 授業中、イスに座れないでウロウロしてしまう
- とにかく忘れ物が多い
- 順番を待ったり列に並んだりできない
- 先生に当てられてもいないのに話し出してしまう
中学生、高校生のころ
- 自分の話ばかりしてしまう
- 極端に飽きっぽい
- 好きなことにしか集中できない
- 思ったことを口に出しすぎてしまう
- 忘れものや失くしものが多い
- 計画的に物事を進められない
学習障害(LD)の特徴例
最後に、LDの特徴例をジャンル別にまとめてみます。
読字障害
- ひらがなの音読が遅く、読み間違える
- 読んでいる文字や文章の意味を理解することが難しい
- 文章を読むのがたどたどしく、文章の内容(あらすじ)をつかんだりまとめたりすることが難しい
書字障害
- バランスのとれた文字を書くことが難しい
- 文章を書く時に助詞などをうまく使いこなせない
- 板書など書き写しの速度が極端に遅い
- 考えた内容を書いて表現することが難しい
算数障害
- 数の概念が身につかず、数系列の規則性などの習得が難しい
- 計算を習得することが難しい
- 文章題を解くのが難しい
いかがだったでしょうか。代表的な発達障害の特徴例をザーッと列挙してみました。
まずは、自分の子供は何で困っているのかを確認するためにも、ぜひチェックしてみてくださいね。
グレーゾーンという考え方
続いて、発達障害の中でも「グレーゾーン」と呼ばれる段階があります。その考え方をぜひ知ってもらいたいと思います。
発達障害のグレーゾーンとは、発達障害の症状がいくつか見受けられていても、診断基準の全てを満たしているわけではないため、発達障害であるとの確定診断を下せない状態のことを言います。
そのため、発達障害の「グレーゾーン」とは正式な病名ではありません。
あくまで「発達障害の傾向はあるが、発達障害であると確定診断を下せない状態」のことを言います。
発達障害の「グレーゾーン」の症状例
発達障害の際どいところの症状例について、以下にまとめてみました。
保育園、幼稚園のころ
- 気になることがあると食事の途中でも食べるのをやめて動き回る
- 特定の順番を守って活動することや、道順やものの位置などに強いこだわりがある
- 同い年の友だちとうまく遊べない
- 自分勝手な行動をとったり、状況を読めない
小学生のころ
- 学校のルールやマナーがきちんと守れない
- 授業中、イスに座れないでウロウロしてしまう
- 状況に合わない質問をしたり、一人で話し続けたりする
- とにかく忘れ物が多い
- 文字の読み書きに時間がかかったり、間違いが目立ったりする
- 計算が苦手
中学生、高校生のころ
- 思ったことをためらわず口に出しすぎてしまう
- 場を読むのが苦手
- 文脈の理解が困難
- 忘れ物や失くし物が多い
- 好きなことにしか集中ができない
今回調べてみてわかったことは、発達障害の特徴例と「グレーゾーン」の症状例に類似点がたくさんあったということです。
発達障害の診断には至らなかったとしても、発達障害の境界ギリギリかもしれないと認識するだけで、対応例はたくさん出てくると思います。つまり、動けるということです。
発達に遅れがあるかもしれないという考え方を取り入れて
発達に遅れがあるかもしれないと際どい特性を知ることで、子供への接し方は変わると思っています。
くわしい知識がないばっかりに、「ウチの子って、もしかしたら発達障害かもしれないのよね~」とずっと不安ばかりを抱えて過ごすことにもなりかねません。知らないということはすなわち、動けなくなることですから。
まずは、今すぐにでも知識だけは取り入れておいて、育てにくいわが子は、発達障害なのか、それとも発達障害の一歩手前なのか、それとも、どちらでもない1つの個性なのかをいち早く見極めてください。そうして、目の前のお子さんに接してほしいと思います。
発達障害であってもなくてもわが子はわが子
大前提として、発達障害があってもなくても、子供は子供、大切な子どもに変わりはありません。
大切なお子さんへ「育てにくい子」とネガティブなレッテルを貼ってしまう前に、そして「私の育て方が悪かったからかも」と落ちこむ前に、知識を身につけて、目の前の子どもと正面から向き合って、対応してください。
子育ては待ったなしですから。不安におののいて親が1ミリも動けないということがないように。子供は今日も変わらずに成長していくものです。
「どっち?」とモヤモヤしているぐらいなら早めの検査を!
それでもなお、発達障害かどうかモヤモヤと不安に思っているぐらいなら、早めの検査を強くオススメします。
疑わしい症状がみられることや、親御さん、とくにママの直感は大事にしてほしいものです。不安な毎日にサヨナラするためにも、検査を受けましょう。
検査するのは、子の特性を知るために行うことです。知るということが1番大切です。
子供の特性をゆがみなく知れたら、それに見合うように対処すればいいだけですからね。何度も言いますが、知らないから、動けないだけなんです。
発達障害を検査してくれる場所や相談先まとめ
子供の気になる症状や、育児の悩みを抱えているなら、まずは無料で相談できる各地域の専門機関を利用してください。
そして、相談してみて、発達検査や児童発達支援が必要な場合に、専門の医療機関へとつながることが理想的な流れです。
無料で相談できる場所
- 市町村保健センター
- 児童相談所
- 子育て支援センター
- 発達障害者支援センター
代表的な心理検査3つ
次に、心理検査の種類についても調べてみました。
①WISC-Ⅳ 知能検査
適用年齢は5歳から16歳までで、15の検査の合成得点から、全般的なIQだけでなく、個人の能力のばらつきがわかりやすいのがこの検査の特徴。WISC検査することでお子様の支援が必要な領域を明らかにしたり、強みを把握したりできます。
②田中ビネー知能検査V
適用年齢は2歳から成人までで、「思考」「言語」「記憶」「数量」「知覚」の問題構成から、14歳まではIQと精神年齢が、14歳以降は偏差知能指数がわかり、子供の様子を把握できます。
③新版K式発達検査
適用年齢は、0歳から成人までで、「姿勢/運動」「認知/適応」「言語/社会」の3領域から評価し、結果だけでなく言語反応、感情、動作、情緒などの反応も検査者が記録してくれ総合的に判断できます。
知能検査の受け方や費用は?
知能検査は、病院や児童発達支援センターなどで受けられます。
受け方や費用は、場所によってちがうので受信する病院に問い合わせてみてください。WISC検査の場合、病院で検査が必要だと判断された場合は保険適用され実質負担は1,350円ほどです。
診察して認められない場合や、親御さんの希望による場合は、保険適用外で1万~2万円が検査費の目安になっています。
まとめ
いかがだったでしょうか。
「育てにくい」わが子の特性を知るために…
①発達障害の特徴例を知る
②発達障害の「グレーゾーン」の考え方を知る
③発達障害の検査の種類と受け方・費用について知る
今日の記事では、これらのことがわかっていただけたかと思います。
大切なことなのでなんども言いますが、子供の特性を知ることが何よりも大切です。
「育てにくい」原因が、「障害」なのか、それとも「個性」なのか、専門家や医師でも判断に迷うのが発達障害というものです。
実際に育児に対して「育てにくい」と強く感じ、不安な気持ちで毎日を過ごされているのなら、まずは、今回紹介した無料の相談先や検査機関に相談してみて、子供の特性を明らかにしてください。
相手の特性を知ることで、次に何をすればいいかその打ち手がわかってくると思いますので。
今日の記事が、育児に不安を抱えるパパ・ママの少しでも手助けになればうれしく思います。