今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させていただきます。今日のトピックは「発達障害 親のせい」についてです。
発達障害のある子どもを育てる中で、「発達に遅れがあるのは親の育て方のせい」と悩んだ経験をお持ちの方が多いのではないでしょうか。
周りの子どもと比べてできないことがあると、「どうしてうちの子だけできないの?」「育て方が悪かったのかな…」と、自分を責めてしまいますよね。
「もっと厳しく育てなきゃ!」と、苦手なことを克服させようとして間違った方法で子どもと接してしまうと、将来的にうつ病を併発してしまうなど、二次障害のリスクが高まってしまいます。
今回は「発達障害は親のせいなの?」「発達障害のある子どもに、親はどのように接すればいいの?」といった疑問について解説していきます。
目次
「発達障害は親のせい」には医学的根拠がない
結論から言うと、発達障害は親の育て方のせいではありません。発達障害は脳機能がアンバランスに発達することによって起きるもので、生まれ持っての特性です。
つまり、「親の育て方のせい」といった後天的なことは関係ないのです。確かに昔は「発達障害は、育て方や愛情不足によって発症する」といった誤った情報が流れていましたが、現在は「医学的根拠がない」として、専門家から完全に否定されています。
こちらの動画で、発達障害の原因について丁寧に解説されています。
発達障害の子どもへの接し方で大切なこと
発達障害の発症は親のせいではありませんが、親の接し方や愛情によって、発達障害の子どもの自己肯定感や幸福感は大きく変わることは事実です。
発達障害の子どもが幸せに成長するために大切な接し方を、主な発達障害の特性に分けて解説していきます。
注意欠如・多動症(ADHD)の場合
注意欠如・多動症(ADHD)には、じっとしていられずルールや順番を無視してしまう多動性・衝動性や、時間に遅れたり、持っていくべきものを忘れてしまったりといった不注意などの特徴があります。
注意欠如・多動症(ADHD)の特徴については以下の記事に詳細をまとめています。参考にしてくださいね。
ADHDの子どもと接するときには、まず「できること」に着目することが大切です。
遅刻してしまったり、ルールが守れなかったりと、つい「できないこと」に目が向いてしまいがちですが、できないことに対して「どうしてできないの!」と否定的な接し方をしてしまうと、自信がどんどん失われてしまいます。
ADHDを持つ子どもによく見られる特徴として、自分の好きなことについては人並外れた集中力を発揮することが挙げられます。そのようなできることや強みに着目して肯定的な接し方を心がけることで、自信ややる気へと繋がっていきます。
こちらは発達障害当事者の方のツイートです。
「よくできた」ことだけじゃなく、「あたりまえにできる」ことにも着目して肯定的に接することが大切です。
また、できるだけ失敗しないために先回りしてサポートすることも大切です。例えば忘れ物をしてしまうことについて、出かける前に「持ち物を確認しようか」と声をかけたり、持ち物リストを作成して視覚的に確認しやすくしたりといったサポートが効果的です。
自閉スペクトラム症(ASD)の子どもへの接し方
自閉スペクトラム症(ASD)の主な特性は以下の3つです。
・社会的な対人関係の障害
・コミュニケーション障害
・行動や興味のこだわり
自閉スペクトラム症(ASD)の人は物事の捉え方が周りとは違うため、コミュニケーションに不具合が生じてしまいます。
具体的な症状には、表情や雰囲気から相手の気持ちを考えることが難しかったり、人との関わりに関心がなかったり、一つのことに強いこだわりがあったりといったことが挙げられます。
自閉スペクトラム症(ASD)の特徴については以下の記事に詳細をまとめています。参考にしてくださいね。
自閉スペクトラム症(ASD)の子どもと接するときには、簡潔かつ明確に物事を伝えることが大切です。
自閉スペクトラム症(ASD)の人は、「あそこに置いて」「ちゃんとして」など曖昧な表現が苦手です。「前を向いて立ってね」など、はっきりとわかりやすく伝えるようにしましょう。
また、自分の予定の変化に強い不安を感じるため、見通しを目に見えるようにすると安心して行動することができます。どのような流れで1日が進んでいくのか、文字や絵を使ったリストにして見せてあげることがおすすめです。
その際、静かな場所や視覚的な情報が少ない場所など、落ち着く環境を整えてあげることでより安心感を高めてあげることができます。
学習障害(LD)の子どもへの接し方
学習障害(LD)は知的な発達に問題はありませんが、読み書き、計算などある特定の課題が上手くできない特性があります。
主に読字障害、書字障害、算数障害の3つに分けられ、小学生になり本格的に学習が始まる段階で発覚することが多いです。
特定のできないこと以外発達の遅れはないことから、障害が認知されずに周りからは「勉強が足りない」と本人の努力不足と判断されてしまうことが多くなっています。
自閉スペクトラム症(ASD)の特徴については以下の記事に詳細をまとめています。参考にしてくださいね。
学習障害を抱える子どもは「できるようにならなきゃ」と人一倍努力しますが、それにも関わらず成績は一向に伸びないため、自信を失いつらい経験をすることが多いです。
そのため、まずは特性や苦手な部分を理解し、障害を受け止めることが何よりも大切です。できないことを決して否定せず、頑張ったことを褒めてあげるとともに、学校や関係機関と適切な対応を考えていきましょう。
親の接し方は発達障害による二次障害を防ぐことにつながる
上記で解説した発達障害の子どもと接する上で大切なことは、発達障害の特性を抑えることではなく、その特性によって起きてきまう二次障害を防ぐことにあります。
発達障害の子どもは、周りと違うことをして怒られる経験や、他社とのコミュニケーションが上手く取れずにいじめを受けることが多いことなどから、うつ病や不登校など、二次障害を発症するリスクがとても高くなっています。そのため、親が正しい知識をもって、理解し関わっていくことがとても大切です。
二次障害については以下の記事に詳細をまとめています。参考にしてくださいね。
まとめ
- 発達障害そのものの発症は親のせいではない。
- ただし、発達障害の子どもの自己肯定感や幸福感は親や周囲の影響を強く受ける。
- 発達障害の子供に対して適切なサポートを行うためには、支援機関や医療機関に相談して専門的なアドバイスを受ける。
専門機関と協力しながら、親子共に幸せに過ごせる対応方法を考えていってくださいね。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。