今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害の子どもが変わる食事」についてです。
元気な体を作るために、食事が関わっていることは、ご存知だと思います。
しかし、苦手な食材があったり、一種類の食材にこだわってしまったりと、なかなか思うように食べてくれないお子様も多いですね。
このページでは、栄養素についての説明もしますが、調理の工夫やどうして偏食してしまうのかについても触れています。
まずは、栄養素からみていきましょう。
目次
体をつくる栄養素
栄養素は、6つに分類されています。たんぱく質、脂質、糖質、ビタミン、ミネラル、食物繊維です。
肉・魚・野菜など、食材別にすると、何にどの栄養素が多いのか、そこまで、意識して毎日の食事を作る機会は、少ないですね。
にんじんを例にあげてみます。
カロテンを多く含んでいることが有名ですね。カロテンは、体内に吸収されるとビタミンAとして働きます。
カロテンは、他の食材でも摂取することができる栄養です。
例えば、ほうれん草やかぼちゃです。
にんじんが嫌いでも、栄養素を取り入れることはできます。
これから、栄養素と主な食材を紹介します。
栄養素と食材
6大栄養素の働き
たんぱく質 | 体のエネルギーになる栄養素 酵素を体内で作り出す |
脂質 | 体の細胞膜やホルモンバランスを整える ビタミンの吸収にも役立つ |
糖質 | すばやく分解され、身体のエネルギー源になる 必要以上に食べると、脂肪になる |
ビタミン | 体内でつくることのできない栄養素 他の栄養素の働きを助ける |
ミネラル | 身体を作る成分の一つになる 他の栄養素の働きを助ける |
食物繊維 | 便通をよくする 生活習慣病の予防になる |
6大栄養素の主な食材
たんぱく質 | 肉・魚・卵・大豆・乳製品 |
脂質 | なたね油・ごま油・バター・マーガリン |
糖質 | ご飯・パン・麺・イモ・砂糖・果物 |
ビタミン | 野菜・きのこ・青魚・ナッツ・納豆・レバー |
ミネラル | バナナ・海藻・小魚・乳製品・ココア |
食物繊維 | 穀物・イモ・豆・野菜・きのこ・海藻 |
※栄養素の説明および食材紹介については、栄養成分ナビゲーターを参考にしています。
栄養素別に分けてみましたが、きのこは、ビタミンと食物繊維に入っていますね。
一つの食材が、一つの栄養素ということではなく、色々な要素が集まっていることが、わかります。
ビタミンを、細かく分類すると10種類以上になります。
ミネラルも、8種類に分けられるなど、身体を健康に保つための成分は、たくさんあります。
毎日の食事で、うまく取り入れられるように、工夫する必要がありそうです。
栄養の偏りに注意が必要
「新型栄養失調」を知っていますか?
日本には、たくさんの食材がスーパーに並んでいます。
給食は、栄養管理されています。それなのに、栄養失調に似た症状を発症することがあります。
体のエネルギーになる栄養素は足りているが、ビタミンやミネラル、食物繊維が不足しているなど、栄養に偏りがでてしまうと栄養失調の症状がでることがあります。
たんぱく質・脂質・糖質を体のエネルギーとして活躍させるためには、ビタミンなどがとても重要です。
栄養が偏ってしまうと、肌がカサカサしたり、お腹に便が溜まってしまうなど、身体によくないこともおこります。
1日にどれくらい食べればいいのかを、細かく気にするのも一つの案ですが、まんべんなく食べることができれば、栄養の偏りを減らすことにもつながりますね。
好き嫌いが多い子への工夫
お子様に、好き嫌いはありますか?
発達障害のお子様には、食感や見た目で感じる好き嫌いもあります。
楽しめる食事タイムをめざしましょう!
偏食には、それぞれの理由があります。
「食べられるものがあるだけまし」と考えるのも一つの考え方です。
食感が苦手な子への工夫
白米が苦手な方は「味が嫌い」「色が嫌い」「食感が嫌い」「においが嫌い」など、複数の理由が考えられます。
- 味が嫌い
白米に味付けして、混ぜご飯や焼き飯にする - 色が嫌い
白い色が苦手なら、お醤油やトマトソースなどで着色する - 食感が嫌い
米粒を潰して、団子状やペーストにする - においが嫌い
リゾットやお茶づけにして、においを消す
いかがでしょう。白米を食べられない理由と解決策を考えただけでも、多数の選択肢があります。
白米が、ダメなら玄米にしてみるのもいいでしょう。
卵料理を思い出してください。
目玉焼き・だし巻き・炒り卵・卵スープ・錦糸卵など、普段から色々な調理法を実践していますね。
食感は、調理法で変えられることが多いので、対応しやすい分野ではないでしょうか。
環境で、食べられることもある
環境は、発達障害をもつ人にとって、とても重要なポイントです。
自宅では、普通に食べられるのに、外食ができない。
1人で食べると、もりもり食べるのに、だれか一緒にいると食欲が半減してしまう。
発達障害があると、一般的に普通と思われている状況が、とてつもない壁になってしまうことがあります。
自分で対処できるようになるまでは、周りの手助けで環境を変えてあげる必要があります。
あざこさんのツイートを見ると、両親の工夫がわかりますね。
環境に慣れさせるのも、社会にでるまでには大事なことです。
しかし、食事をしっかりとさせることが、発育段階では必要です。
偏食と発達障害の関係
幼いうちは、本人の「食べたい」を引き出す工夫をしていきたいですね。
発達障害にみる偏食は、一部の感覚が過敏になって反応してしまうことが多くあります。
これは、成長過程で慣れていくこともあれば、大人になっても苦手なこともある感覚です。
感覚過敏を抑えようとするあまり、頑張って食べさせてしまったりすると、ストレスを感じてトラウマになってしまうこともあり、慎重になるところです。
食べない食べられないことで、周りと違うことに反応し、そこだけを気にしてしまうこともありますよね。
発達障害をもたない人でも「ピーマンがきらい!」など、好き嫌いは、あるものです。
栄養面や、体調で気になることがあれば、担当医に相談して、検査をしてもいいでしょう。血液検査をすると、体内のバランスが崩れていないか、みることもできます。
幼児期には、わからなかった「嫌い」も、児童期になれば話せるようになったり、青年期になれば、自分から環境を変えられるようになったりと、成長していきます。
今悩んでいる食事と発達障害の関係も、時と共に解決策がみえてくるかもしれません。
まとめ
食事は、毎日の出来事です。
本人も周りも楽しめる食事環境を作ることで、食に興味が湧いてきたり、食べることが楽しくなったりと、本人の気持ちに変化が現れるでしょう。
時には、わがままで好き嫌いすることもあるかもしれません。
いつも温かく見守っているあなたには、見極められますよね。
栄養摂取だけなら、極端な話、点滴でもできます。
ここで、食事が子どもの発達障害をどう変えるかお伝えしたいのは、食事メニューや環境を整えて、食事を楽しくすることで得られるメリットです。
何が食べられないからダメと気にするよりも「今日は、これが食べられた!」を増やすことができれば、親子で楽しくなれますね。
一つの食材をたくさん食べたり、一つの栄養素を多く取り入れることで発達障害を治すということは、現在発見されていません。
いろいろな栄養素を含んだ食材を、子どもが食べやすい調理法で料理してあげることを意識してください。
体の成長に欠かせない食事と、心の成長に欠かせない笑顔を一緒に引き出してみてください。