今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害 絵」についてです。
最近発達障害という言葉をよく耳にするようになりましたね。
発達障害の子どもさんを持つ親御さんは、子どもに注意しても注意を聞いてくれなかったり、同じことを繰り返して疲れてしまった事はありませんか?
今回は発達障害と話題になることも多い絵カードについて、効果はあるのか、どう入手したらいいのか、絵カードを具体的にどう使うのが正しいのかなど気になるところを解説していきたいと思います。
目次
発達障害の子に絵カード?
発達障害がある子どもたちは言葉よりも、絵や図で示した方が伝わりやすい(視覚優位)という特徴があることをご存知ですか?
このような特徴があるので、発達障害の子どもとのコミニュケーションや教育などに絵カードなどの手段が療養や家庭で役立ち、使用されています。
下記は発達障害の特徴ですね。
発達障害の子どもの特徴
それではどうして発達障害を持つ子どもさんは言葉で説明しても理解できない場合があるのでしょうか。
これから発達障害がある子どもさんの特徴を見ていきましょう。
発達障害を持つお子さんにこのようなことはありませんか?
・集団行動で何をしていいのか、いけないのかなどが理解できない、行動できない
・言葉で説明しても理解できていない、繰り返し同じことをしてしまう
・意思表示の困難な場合もある
・予定の見通しや予測を立てることが苦手
・予測が立たないことがあると強い不安を感じる
・複数の指示やメッセージを処理できず、理解できない
・自分がなにをしているかを把握できなくなる、パニックになる
言葉によるメッセージが伝わらない場合も
発達障害を持つ子どもさんは言語的なコミニュケーションで困難を抱えている場合も多くあります。
日常生活の中で親御さんが言葉を投げかけても、お子さんに意図したメッセージが伝わっていないことはありませんか?
これは、お子さんが相手の意図しているメッセージが理解できない・伝わらないという状態になっているからです。
理解できない手段で注意されても、子どもさんに伝わらず、結果的に同じことを繰り返してしまいます。
理解を促すには
親御さんは「何回も注意しても同じことをする」「何回も同じことを言わなければいけない」「なんでわかってくれない」という経験をお持ちではないでしょうか?
このように、発達障害の子どもさんの場合は言葉によるメッセージが伝わりにくいという特徴もありますが、絵やイラストを使うと伝わりやすいという特徴(視覚優位)も見られますよ。
絵カードなどの視覚的なものを使ってやシンプルに伝えるようなスタイルで徐々にお子さんの理解を促しましょう。
徐々に理解できたり、お子さんが行動できるようになることもあるようです。
状況判断や予測することが苦手
日常生活や集団生活では状況を理解できなかったり、次の予測や状況判断が難しいので「今なにをしていいのかわからない」「次はなにをするのか」の把握が難しいため日常生活で不安を感じやすいです。
具体的にイラストを活用するとすれば1日の予定を絵やイラストで示して「いつになにをするのか」「次の予定はなにがあるのか」など予定を伝えすると子どもさんも見通しが立ったり、把握できるようになりますよ。
また、食事や社会的なマナーも「こうするとみんな気持ちいい」など言葉を交えながら積極的にイラストを用いて説明してみましょう。
そうすると、子どもさんのわからない・見通しが立たないという漠然とした不安を軽減できるようになる可能性もあります。
ワーキングメモリが弱いことも
一度に複数の事柄などを覚えたり、同時にいくつかのことを処理できる能力のことを意味します
発達障害の場合はワーキングメモリが弱いというところも特徴の一つです。
発達障害を持つ子どもさんは一度に複数のことを注意するとワーキングメモリが弱いです。
発達障害の子どもさんが行動の途中で自分がなにをしているかわからなくなって困っている場面を目にすることも多いのではないでしょうか。
絵カードやイラストを有効活用
このような混乱やパニックを減らすため、絵カードやイラストなどで記憶を保持する手掛かりにしたり、手順やスケジュールを見て行動の手がかりにすることができます。
具体的には絵カードや手順表など使って、親御さんの手助けを受けながら、それを見ながらできるということを繰り返してみましょう。
そうすることによって習慣を覚えたり、必要な生活のスキルを身につけることにもつなげられる可能性も持っています。
下の動画は、ワーキングメモリについてです。
動画でワーキングメモリが弱いと「手帳は手放せない」と解説しています。
発達障害を持つお子さんや親御さんにも「手帳」という形に限らず視覚支援にも応用できるのではないでしょうか。
絵カードの役割や効果
絵カードなどを示して子どもさんが把握しにくいことや予測できないことを提示することで、視覚的な手がかりにして子ども行動を補助することができますよ。
視覚的支援をすることによって徐々に「今なにをすればいいのか」「今なにをすればいいのか」状況判断や習慣を身につける手がかりになります。
そのため、絵カードなどの視覚的な支援は予測が難しいなどの特徴を抱える発達障害のお子さんに効果があるといわれていますね。
結果的に絵カードなどの視覚支援を上手に取り入れることによって発達障害を持つお子さんや親御さんの抱える困難さが楽になる場合もありますのでぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
これまで絵カードや視覚的支援を知らなかった、あるいは知っていたけれどもやったことのない親御さんは一度は挑戦してみてくださいね。
(参考:効果的な巡回支援のための基本と実践ー厚生労働省 保育者が行う絵カード作成の誤り および不適切な使用方法の分類-指示カードの誤りに着目して-筑波大学 水野 智美)
絵カードはどこで入手する?
絵カードはどこで入手するのでしょうか。それは以下の方法があります。
- 書店で購入
- インターネットで購入
- 自分で作る
書店で購入
書店で買うメリットは、
- 絵カードを置いている場合は実物を見てから商品を買える
- 自分で作る手間がない、または減るところ
反対に、書店で購入するデメリットは
- 絵カードの取り扱いをしていない書店もある
- 品揃えの差がある
- 限られた絵カードの中から選ぶ
- 既製品のため必要時には子どもに合わせてカスタマイズの必要があるなど
下記は書店に入荷された絵カードについてのコメントです。絵カードを置いていない書店もありますが、下記のように絵カードを入荷している書店もあります。
インターネットで購入
インターネットでは「絵カード」「発達障害」とキーワード検索すると一瞬で様々な絵カードがありますよ。
インターネットで買うメリットは、
- 一瞬にして様々な絵カードから選択することができる
- 自分で作る手間がない、または減るところ
反対にデメリットは、
- 実際に注文しないと実物を見られないこと(返品保証がある場合もある)
- 商品紹介べージに一部掲載はあるが、実物を手にした時に思ったものと違う可能性もある
- 既製品のため子どもに合わせて必要時カスタマイズする必要がある
一例ですが、絵カードはこちらもありますのでチェックしてみてくださいね。
自閉症児と絵カ-ドでコミュニケ-ション PECSとAAC /二瓶社/アンディ・ボンディposted with カエレバ楽天市場で探すAmazonで探すYahooショッピングで探す
発達障害の子が迷わず動ける!絵カード PriPri発達支援 5 /世界文化社/佐藤曉posted with カエレバ楽天市場Amazon
自分で作る
最後は自分で作るという方法です。最初は難しく感じるかもしれませんが、絵カードは自分でも作れますよ。
下記ご覧ください。
絵カードづくりに必要なもの
- スマホあるいはパソコン(イラストあるいは写真を選択して加工する)
- プリンター(なけれはコンビニのネットプリントでも)
- ハサミ
- あればラミネート
現在ではスマホアプリでも手軽に絵カードが作れるようになっていますので、検索してみてくださいね。
子どもさんの反応を確認しながら
子どもさんによってイラストよりも写真の方が理解しやすい場合、そして、逆の場合もあります。イラストや写真は検索すると無料で使えるものや有料で販売しているものなど様々な選択肢があることはご存知ですか?
写真を使う場合も、スマホの写真加工アプリで写真加工(背景をシンプルにしたり、文字入れ)できるようになっています。絵カードづくりで試してみてもいいかもしれません。
発達障害では、手先が不器用な場合もあるので絵カードの「持ちやすさ」や「扱いやすさ」なども考慮して作るのもいいですね。
絵カードは子どもさんの反応を見て少しずつ絵カードを作りましょう。
大きさを統一
市販の絵カードと併用した場合でも、大きさが統一してある方が戸惑わずに使える場合もあります。カードの大きさは
- 4.5×4.5cm
- 2.5×2.5cm
となっているものありますので、お子さんの様子を見て使いやすいサイズを選びましょう。
絵カードの注意点
絵カードを使う場面は何かを覚えてもらいたいときや生活習慣を身につけたいときに使いますよね。
下記は、絵カードを作成・使用するする際の注意点と使い方です。
・シンプルに伝える絵カード作り
・注目してほしいところを的確に伝えるカード作り
・実物の色や大きさと同じものと認識できるカード作り
・絵カードでできたときは褒める
・行動を抑制するような絵カードよりも、行動を促す絵カードを多めに
・絵カードを見せながら簡単な声かけをする
・絵カードの出すタイミングをずらさない(その場で)
それでは絵カードの補足をしていきましょう。
シンプルに作る
発達障害の子どもさんは、親御さんの意図が子どもさんに伝わりやすい絵カードを作ることが大切ですよ。
写真の絵カードで注意することは、
- 背景をシンプル(白など)にして子どもの気が散らないように作る
- 伝えたいメッセージは「一つのカードに一つ」
イラストや手書きの絵カードで注意することは、
- 実物の色と大きさなどをなるべく差がないように注意
- 伝えたいメッセージは「一つのカードに一つ」
→実物を絵カードが大きく違うと、子どもさんが同じものと認識できなくなる可能性がある
以上のことに注意して、シンプルで的確に伝わるものを作成したり選択しましょう。
絵カード+コミニュケーションを
絵カードだけで子どもには伝わらないこともあります。プラスして親御さんの見守りや声かけがとても大切な要素ですよ。
子どもさんの様子を見ながら、必要な時に適切なタイミングで絵カードを出しましょう。後で注意しても伝わらないこともあります。
そして、子どもさんが絵カードを使って行動できたら褒めてあげましょう。褒めてあげることで、子どもさんは小さな達成感を感じたり、親御さんが子どもさんの成長を感じたりできるかもしれませんね。
絵カードなどは継続することが大切ですから、親御さんもお子さんも継続できるようにしていきたいですね。
(参考:保育者が行う絵カード作成の誤り および不適切な使用方法の分類-指示カードの誤りに着目して-筑波大学 水野 智美)
この動画は発達障害と絵カードをまた違った角度で解説していますよ。
困ったときの相談先
絵カードについて触れてきました。発達障害の子どもさんがいる親御さんは、絵カード以外でもどうしていいかわからないことや誰かに悩みを聞いてほしいこともありますよね。
こちらでは相談窓口をご紹介します。
- 市町村窓口
- 児童相談所
- 発達障害情報・支援センター(各都道府県に設置)
- 通学・通園している先生や特別支援学級の先生など
- 放課後等児童デイサービス
上記の窓口では専門職員や先生などは発達障害などを持つ子どもたちを経験しています。親御さんが解決しないことやお悩みなどあればぜひ相談してはいかがでしょうか。
施設紹介
放課後等デイサービス・アレッタでは放課後等デイサービスで横浜市を中心に、小学1年生~高校3年生の児童を対象に事業を行っています。
発達障害を持つ子どもさんやその子どもを支えるご両親の負担は計り知れません。アレッタはお子さんにとってお気に入りの場所、親御さんにとって安らげる場所を目指します。
子どもさんの育児や生活習慣の習得などで親御さんは悩まれていませんか?アレッタにお気軽にお問い合わせくださいね。
まとめ
今回は発達障害と話題になることも多い絵カードについて、効果はあるのか、どう入手したらいいのか、絵カードを具体的にどう使うのが正しいのかなど気になるところを解説してまいりました。
絵カードは視覚優位という特徴を持つ発達障害の子どもさんには正しく使うことによってその効果があるようです。絵カードを上手に取り入れて、子どもさんも親御さんも充実した毎日を過ごせたらいいですね。
もしも、絵カードの悩みに限らずに困ったことなどあれば悩まずに相談窓口に相談しましょう。最後までお読みいただきありがとうございました。