今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所になることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「発達障害をわかりやすく」についてです
もはや、誰もが知っているであろう「発達障害」。しかし、「このような症状も発達障害なの?」と、結構くわしくは知らない人も多いはず。
そこで今回は、発達障害をわかりやすく知りたい人向け。発達障害を、より細かく、そして出来るだけわかりやすくまとめてみました。「木を見て森を見ず」にならぬよう、まずは、発達障害の全体像を描いてみることをオススメします。
目次
発達障害をわかりやすく網羅的に解説します!
まずは有名な3ジャンル。その中でも、それぞれの特徴と特性をポイント毎に浅堀り(聞き慣れないコトバですが広く浅くを意味しています)してみたいと思います。
広汎性発達障害(PDD)
広汎性発達障害(PDD:Pervasive Developmental Disordersの略称)の特徴は次の2つ。
- 対人関係やコミュニケーションが困難
- 常同的・反復的行動を取る
そして、有名な診断名が次の2つです。
- 『自閉症』
- 『アスペルガー症候群』
この2つ以外にもまだ診断名があります。それは後ほど。
よく言われる『グレーゾーンの診断』ほど広汎性発達障害に含まれています。
注意欠陥多動性障害(ADHD)
注意欠陥多動性障害(ADHD:Attention-Deficit Hyperactivity Disorderの略称)の特徴は次の3つです。
- 不注意
- 多動性
- 衝動性
でも、落ちついている子ども(もしかしたら大人も)なんているのかしら?その線引きはどうしているの?
ピッタリの記事を見つけましたので引用します。
「ここからは障害です、なんてハッキリした線引きはできないよなあ。みんなそれぞれに凸凹はあるし・・・そもそも普通ってなんだろう?」(中略)「普通じゃない人」という漠然としたイメージで一括りにせず、「この人は何に困っているのだろう」と個別に考えて接して欲しい
Yahoo!ニュース『ADHDを公表してみたら、こうなった〜普通って、一体なんだろね?』(小島慶子さんの記事)
元TBSアナウンサーの小島慶子さん、40歳を過ぎてから軽度のADHDと診断。周囲からは「障害なの?」と思われても、自分の中での「困りごと」は日毎たくさん積み重なっていったと書かれていました。
どう生きていくか、が大事ですよね。
学習障害(LD)
学習障害(LD:Learning Disabilityの略称)の特徴(困難と感じるポイント)は、次の5つです。
- 聞く
- 話す
- 読む
- 書く
- 計算(推論も含む)
広汎性発達障害のあまり知られていない4つの症例
広汎性発達障害には、あまり知られていない症例があります。今日は4つ紹介します。ぜひこの機会に知ってください。まずは、症例を1つでも多く知ることが大事。
レット症候群(1~1.5万人に1人の女子)
レット症候群は、これまで出来ていた「コトバ」や「運動」が徐々にできなくなってしまう難病です。女の子に多いのもレット症候群の特徴。
3歳の頃には一度覚えた言葉を話さなくなりました。
【動画】子どもに発症 難病「レット症候群」知っていますか?より引用
小児期崩壊性障害
小児期崩壊性障害は、これまで出来ていたコトバや対人関係、常同行動を繰り返したり。レット症候群に似ていますが、違いは症状の現れるタイミングの違いです。
だからこそ、気づかれにくく、そして本人は苦しみやすい障害と言えますね。
発達性協調運動障害(DCD)
発達性協調運動障害(DCD:Developmental Coordination Disorderの略称)は、「不器用」「運動オンチ」と言われがちな障害です。
発達性協調運動障害は、極端に認知が低く支援が行き渡っていません。
ただ、今回、発達性協調運動障害を学んだことで、「もしかして…」と想像ができるのに加えて、その子の「困りごと」も想像でき寄り添えますよね。
知ることで、対応は変わるものです。とても大事なことですね。
特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)
今回の記事で、特に知ってほしいのが、この「特定不能の広汎性発達障害」です。
特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS:Pervasive Developmental Disorder Not Otherwise Specifiedの略称)は、自閉症やアスペルガー症候群、その他の広汎性発達障害の特徴がみられるものの、それらの基準(医師の判断)を満たさない場合に診断される障害。
診断名は明らかになっていないけれど、「困りごと」は明らかにあるということですものね。
ただ、先ほどの小島慶子さんの記事にもありましたけど、ADHDといって一人ひとり違う。診断名がついたって、間違ってもADHDの代表ではなく、あくまで1サンプル。
特定不能の広汎性発達障害も同じ。「困りごと」を明らかにして、これからどう生きていくかを考えていけばいい。
以前、特定不能の広汎性発達障害をまとめた記事を書きました。よかったらこちらもどうぞ。
学習障害(LD)の困難ポイント!「読み」「書き」「算数」
学習障害は6つの特徴(困難と感じるポイント)があると述べましたが、中でも「読み」「書き」「算数」は、モロに学校教育に関係してくる。3つの特徴を掘り下げていきます。
読字障害(ディスレクシア)
読字障害(どくじしょうがい)は、文字を読むのが困難な障害でLDの1つです。
いくら単語や文法を勉強しても、脳にある機能の部分的機能不全により、文字が発する音や、文字そのものの見え方が変わってきてしまうのです。(文字列をそのまま読めなかったり、文字自体がダブッたり、歪んだり見えてしまう)
アーレン症候群
読字に困難が生じる例として「アーレン症候群」というものもありました。
書字障害(ディスグラフィア)
書字障害(しょじしょうがい)は、書くことに困難さを感じるLDの1つです。
ただ、書字障害はパソコンやタブレットを使用して障害を乗り越えられる例もあります。
文字の代わりになるパソコンは僕の武器になる
【書字障害】中学3年生の挑戦…字は書けなくても“得意”を伸ばしていく! “パソコンは僕の武器” 山形 NNNセレクションより引用
字を書こうといくら努力しても、障害によってうまくならない現実にやる気をなくす。これはあってはならないことです。代用品で防げるのなら防ぎたいですよね。
目の悪い人がメガネを使って視力を補うように、字を書くのが困難な人はタブレット使って字を入力する、一緒。
算数障害(ディスカリキュリア)
算数障害(さんすうしょうがい)は、数字に関する能力にのみ障害があるLDの1つです。
頑張ったから計算速度が向上したり文章問題がスラスラ解けるようになるわけではありません。
算数障害(ディスカリキュリア)とは?症状・原因・対処法についてより引用
まとめ
今日の記事をまとめると以下のとおりです。
・発達障害は大きく3つ
①広汎性発達障害/②ADHD/③LD
・広汎性発達障害のあまり知られていない症例4つ
①レット症候群②小児期崩壊性障害③発達性協調運動障害④特定不能の広汎性発達障害
・LDの困難ポイント3つ
①読み/②書き/③算数
以上のポイントを広く浅く調査し紹介していきました。
知るのと知らないのでは天と地ほどの差があったのではないでしょうか。
今日は一貫して、その子の「困りごと」に焦点をあてました。診断は1つの判断基準なだけです。問題は、その子の「困りごと」。ここをいち早く察知し、できる限り生きやすい未来になることを願っています。そのための知識として、この記事をご活用ください。