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上手く文字を書けない症状
文字を書くことができない子どもには、様々なタイプが見られます。
「文字のバランスがとれない」「文字を書くと雑になる」「書き順が定まらない」
「鏡文字になる」「文字を覚えることができない」など、上手く文字を書くことのできない症状は十人十色です。
そこで、大人が考える対処策は反復練習であることがほとんどでしょう。
しかしそれでは、根本的な解決にはなりません。
なぜ上手く文字を書くことができないのか、その理由を理解することこそが、子どもの成長につながります。
文字を書くために必要な要素
そもそも、字を書くという動作には、ペンを持って動かす手の操作と、ペンの先や枠の大きさなどを見る視覚、安定した姿勢の3つの要素が必要です。
このうちの2つができていたとしても、どれか1つができていなければ、その時点で文字を書くことは難しくなってしまいます。
特に、手の操作は日常生活の中で意識をすることが少ないため、困難に感じるも子どもは多い傾向にあります。
しかし、手の操作にあたる「運動の感覚」は、文字を書く上で重要な要素です。
文字を上手く書けない原因に迫る
例えば、タブレットにタッチペンでサインを書き込む時、紙にペンで書く時よりも書きづらいと感じたことのある人は多いはずです。
これは、文字を書いているという明確な感覚が得られにくいからです。
紙に文字を書くときは、ペンと紙の間で摩擦抵抗が起こるため、文字を書く運動の感覚が手に伝わります。
しかし、それが得られにくい電子タブレットのサインなどにおいては、思うように字が書けなくなってしまうのです。
人は文字を書く時、書く運動の感覚を頼りに、微調整をしてうまく形を整えています。
この感覚をつかめない子どもは、書字が苦手になってしまう傾向にあります。
彼らはまるでタブレットに文字を書いているような感覚で、紙に文字を書いていると言えます。
文字を微調整するトレーニング
そこで、書字の感覚を掴むための対策として、下敷き代わりに「紙やすり」を敷く方法があります。
紙やすりを下に敷くことで、文字を書いているという感覚をつかみやすくなります。
これによって文字を微調整することができるようになることも期待できます。
文字のバランスを整えるトレーニング
他に、文字のバランスが悪いことを改善するためにできるトレーニングもあります。
まず正方形のマスを四分割して、それぞれを違う色で塗りつぶしましょう。
そこにお手本となる字を書いて、どの色にどのパーツがあるのかを確認します。
確認できたら、隣に書いておいた同じ配色のマスの中に、お手本を真似て字を書いてもらいます。
同じ大きさで書くようにアドバイスしながら、見本どおりに文字を書けるようサポートしましょう。
このトレーニングによって、書字に必要な枠の大きさやバランスを見る「視覚」の能力が養われます。
文字を潰さないためのトレーニング
また、文字が潰れてしまいがちな時には、イラストと合わせて練習するのがオススメです。
例えば、「ま」の文字を書く場合、丸の部分を作るようイメージしてもらうべく、空間を空けるべき部分に円状の「ボール」や「太陽」などのイラストをデザインします。
「わ」や「ゆ」などの潰れてしまいがちな他の文字にも応用できるので、ぜひ試してみてください。