今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「生きづらいと感じやすい発達障害者」についてです。

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静江
発達障害のある方は、さまざまな症状により生活のあらゆる場面で困難が生じやすく、「生きづらい」と感じてしまう方がたくさんいらっしゃいます。
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浩二
「生きづらい」と感じる場面が少しでも減らせるような方法はないのでしょうか。
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静江
「生きづらい」と感じるポイントには個人差がありますが、少しのアイディアで生きづらさを軽減することはできるかもしれません。

今回は、発達障害のある方が「生きづらい」と感じたら試してみてほしい方法を紹介します。

発達障害のある方が毎日を少しでも生きやすくなるよう、一緒に考えていきましょう。

発達障害で生きづらいと感じたら試すべき方法

発達障害のある方は、脳の影響によりさまざまな症状を抱え、「生きづらい」と感じてしまう方がたくさんいます。

長い人生の中で、「生きづらい」という気持ちを抱えたまま過ごしていくのは、身心ともにとても負担がかかります

残念ながら、発達障害そのものを治療する方法は現在見つかっていません。

しかし、発達障害により生じる症状を少しでも軽減したり、二次的に発生する問題を防ぐことはできるかもしれません。

もしも発達障害の影響で生きづらいと感じたら、まずは次の方法を試してみてください。

発達障害で生きづらいと感じたら試すべき方法

 (1)生きづらいと感じるポイントをリストアップし、それぞれについて対策を練る
 (2)専門家に相談する
 (3)当事者と悩みを共有する

このように、生きづらいと感じるポイントひとつひとつに注目して、それぞれについて対策を練る必要があります。

また、自分ひとりで解決しようとするのではなく、必ず誰かと一緒に悩みに向き合うことが大切です。

それぞれの方法について、くわしくみていきましょう。

 (1)生きづらいと感じるポイントをリストアップし、それぞれについて対策を練る

発達障害のある方が、「生きづらい」と感じるポイントは、人によりさまざまです。

それぞれが抱える生きづらさを、まずは紙などに書いて見える化しましょう

多くの方が生きづらいと感じやすいポイントは次のとおりです。

発達障害者が生きづらいと感じやすいポイント

【身体面】
・におい・明かり・音など、感覚が過敏
・運動が苦手
・手先や体を動かすのが不器用
・疲れやすい

【精神面】
・「普通」のことができない
・何を改善すれば良いのかわからない
・集中力がない
・注意散漫である
・気力がわかない
・忘れやすい
・何をするにも疲れてつらくなり途方に暮れてしまう
・他の人との違いに不甲斐なさを感じる
・生まれてこなければよかったと思ってしまう

【対人面】
・コミュニケーションがうまくとれない
・会話が成り立たない
・雑談ができない
・発達障害が原因でいじめにあっている
・変わり者扱いされる
・周りに発達障害を理解してもらえない

【仕事面】
・職場になじめない
・仕事についていけない
・ミスばかりしている
・報告連絡相談ができない
・後輩の前で上司に怒られる
・整理整頓ができない

参照:NHK NスペPlusNHK ハートネット福祉情報総合サイト

このように、発達障害のある方は、身体面から仕事面までさまざまな面で生きづらさを感じています。

それぞれの面に対して考えられる対策は次のとおりです。

【身体面】

感覚過敏の方は、苦手な感覚に対処するための対策を考えましょう。

視覚過敏の方はサングラス、嗅覚過敏の方はマスク、聴覚過敏の方はイヤーマフなど、グッズを使用することで不快感をやわらげることができる場合があります。

また、周りの方にあらかじめ伝えることで、カーテンを閉めさせてもらう、大きな音を出さないようにしてもらうなど、協力を得られるものもあるかもしれません。

手先や身体を動かすことが苦手な場合は、作業療法や理学療法を受けることで効果があるかもしれません。

運動についてくわしくは下の記事をご覧ください。

【精神面】

落ち着きがなく、目の前のことへの集中が続かない場合は、環境を整えることで改善できる場合があります。

座りやすい机とイス、静かな部屋、余計なものが視界に入らない環境を用意することで、自然と目の前のことだけに集中できるかもしれません。

また、忘れ物が多い場合は、下の記事のようにいくつか対策が考えられます。

周りの人と比べて劣等感におそわれてしまう場合は、自分の長所を思い浮かべてみてください。

どんな人にも短所はあります。できないことを責めて落ち込むのではなく、できることに注目してそれを活かすことが大切です。

自分の長所となる部分に力を入れて、自分の活躍できる分野で自信をつけていきましょう。

【対人面】

他人と関わることが苦手な場合は、あらかじめ自分自身の発達障害について伝えておくことが大切です。

発達障害であることを理解してもらえれば、コミュニケーションをとる際にも相手の方から歩み寄ってくれる場合があります。

相手にこちらの状況を伝えておくことで、相手の方も安心し、コミュニケーションをとりやすくなります。

発達障害であることを伝えるには勇気がいるかもしれませんが、伝えてしまえば楽になることの方が多いはずです

ぜひ発達障害をオープンにすることを前向きに考えてみてください。

【仕事面】

仕事においてミスが多く、職場に馴染めない場合も、周りに理解してもらうことが大切です。

発達障害の特性は個人により大きく差がありますので、自分自身の特性について、上司や同僚に知ってもらうことが解決への一歩です。

発達障害の特性であることがわかれば、周りの方にとっても仕事がしやすくなります。

また、発達障害の特性に合わせた仕事を選ぶことも大切なことです。

発達障害の方の適職については下の記事をご覧ください。

このように、発達障害のある方が生きづらいと感じるポイントは、多岐に渡っています。

すべての悩みを同時に考えてしまうと頭がパンクしてしまいますので、ひとつひとつ順番に注目してゆっくりと対策していきましょう。

なお、これらの対策をしても生きづらさを感じてしまう場合は、多く方の悩みに寄り添ってきた経験のある専門家に相談してみましょう。

発達障害の専門家には、次の場所で相談することができます。

(2)専門家に相談する

自分ひとりや、周りの人を頼っても「生きづらい」という気持ちが軽減できない場合は、発達障害の専門家に相談してみましょう。

主な相談先は次のとおりです。

発達障害についての相談先

・自治体の発達相談窓口
・自治体の保健センター
発達障害者支援センター
・療育センター
・医療機関

上記のような場所で、発達障害に関することや、生活全般のことについて相談することができます。

このような機関にいる専門家は、発達障害のある多くの方たちの悩みによりそってきたプロです。

発達障害そのものについてや、そこから発生する二次的な問題など、総合的に相談することができますので、生きづらさを抱えている方はぜひ相談してみてください。

発達障害情報・支援センターのHPでは、全国各地の相談機関を検索することができますので、ぜひ参考にご覧ください。

参考:発達障害情報・支援センター

(3)当事者と悩みを共有する

専門家に相談するほかに、発達障害の当事者と悩みを共有する方法があります。

同じ悩みを抱える当事者と話すことで、今まで隠さなければならなかった自分の気持ちを解放することができます

ありのままの自分の姿で人とコミュニケーションを取れることは、大きな自信にもつながります。

発達障害の当事者と出会うためには、「発達障害当事者会」に参加することをおすすめします。

次のような方法で全国各地のさまざまな発達障害当事者会を探すことができますので、ぜひお住まいの地域について検索してみてください。

発達障害当事者会の探し方

・インターネットの検索エンジンやSNSなどで「発達障害当事者会 地域」と検索する
・イベント告知サイト「こくちーず」「発達障害2.0」などで検索する

参照:こくちーず発達障害2.0

このように、発達障害により生きづらいと感じた場合に試すべき方法はたくさんあります。

ご自身の状況に照らし合わせて、取り入れやすいものから取り入れてみてください。

続いて、発達障害により生きづらいと感じる場合に参考になる動画を紹介します。

発達障害で生きづらいと感じている人にみてほしい動画

発達障害により生きづらいと感じている人はたくさんいます。

それぞれの方がそれぞれの症状により悩みを抱えていますが、「生きづらい」という面で共感できる部分があるかもしれません

発達障害により生きづらさを感じる人に向けていくつか動画が公開されていますので、参考に紹介します。

こちらは、生きづらさを長所としてとらえて、自分の好きなことにどんどん挑戦してほしいという動画です。
こちらは、「普通」になろうとするのではなく、個性を伸ばした方が生きやすくなるという動画です。
こちらは、生きづらいと感じた時に励みになった言葉をたくさん紹介した動画です。

このように、生きづらさを感じた時に大切なのは、自分自信の長所に注目することです。

人と比べてできないことばかりに注目してしまうと、どんどん悩みが大きく深くなってしまいます

悩まなくていいことまで悩んでしまい、堂々巡りになってしまうかもしれません。

そうではなく、自分自身にできること、自分自身の本当に好きなことに注目して、自信を持てることを伸ばしていきましょう。

自信を持てることがひとつでもあると、何事にも希望を感じられるようになります。

続いて、発達障害により生きづらいと感じる場合に参考になる書籍を紹介します。

発達障害で生きづらいと感じる場合に参考になる本

生きづらいと思ったら 親子で発達障害でした

こちらは、発達障害と診断された親子が懸命に生きる姿を記した、実録コミックエッセイです。

幼いころから生きづらいと感じていた親子が、絶望希望を繰り返しながら、何とか前向きに生きていこうとする姿が満載です。

発達障害の当事者だけでなく、子育てに悩む親御さんにも参考になる一冊です。

出版社:KADOKAWA 

著者:モンズースー

価格:1,100円(2020年12月現在)

良い口コミ

・自分の状況とぴったり同じで、涙が出るほど共感しました
・対処法や考え方が具体的で、とても参考になりました
・発達障害の理解だけでなく、マンガとしてもとても面白かったです

悪い口コミ

・小さい子向けで、中学生には参考になりませんでした

参照:楽天ブックスAmazon

発達障害かも? という人のための「生きづらさ」解消ライフハック

こちらは、126名もの発達障害のある方からアンケート回答を集め、生きづらさを解消するための方法を紹介した本です。

4つのジャンル(仕事・日常生活・人間関係・体調管理)に分け、著者のワンポイント解説をつけて紹介しています。

ぜひご自分の状況に照らし合わせて参考にしてみてください。

出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン 

著者:姫野桂

価格:1,430円(2020年12月現在)

良い口コミ

・ずっと使えるガイドブックのような本です
・気づきが多く、視野が広がりました
・自分の怠慢が原因でないことがわかり安心しました

悪い口コミ

・具体性がなく、自分には役に立ちませんでした

参照:楽天ブックスAmazon

アスペルガーの人はなぜ生きづらいのか? 大人の発達障害を考える

こちらは、日々の生活の中で感じる困難に対し、どう対策していくかを解説した本です。

さまざまな場面で生じる不適応について、精神神経科医である著者が豊富な臨床経験をもとに徹底解説しています。

大学や職場などで不適応に悩んでいる方や周りの方にも参考になる一冊です。

出版社:講談社

著者:米田 衆介

価格:1,540円(2020年12月現在)

良い口コミ

・よく分析、説明されていて、とてもわかりやすかったです
・健常者の「普通」を教えてもらい、自分との違いが理解できました
・当事者にも周りの人にも参考になる内容でした

悪い口コミ

・偏見があるように感じました

参照:楽天ブックスAmazon

このように、発達障害による生きづらさに対処するための本がいくつか出版されています。

ご自身のケースに当てはまり、参考になりそうな本が見つかったら、ぜひ参考に読んでみてください。

まとめ

今回は、発達障害のある方が「生きづらい」と感じたら試してみてほしい方法をお伝えしました。

発達障害の症状は人によりさまざまですが、「生きづらい」と感じる気持ちには共通点があります。

決してひとりで抱え込まずに、その想いを周りの人と共有してください。

身近な人には言いたくないという場合には、専門の相談機関や発達障害当事者会などをとおして人とつながることができます。

生きづらいという気持ちにふたをするのではなく、その気持ちをオープンにして、解消できる方法をひとつひとつ見つけていきましょう。