今日も皆さんと一緒に、発達障害等に関する学びや情報交換の場所となることを願って投稿させて頂きます。 今日のトピックは「発達障害と農業」についてです。
発達障害という概念が、世間にだいぶ浸透し理解されて来ました。しかし、社会的には未だ苦労が多いのが現状です。
そんな中、農業に希望を見出し、様々な研究やアプローチが成されて来ています。それが本当に打開策と成り得るのか、最新の内容を確認します。
目次
「仕事」としての農業
双方の問題点
発達障害者サイド
発達障害の症状は、人とのコミュニケーションを困難とする特徴があるので、仕事をする上でもマイナス要素となり、就労や勤続を妨げています。
農業サイド
一方、農業は従事者の高齢化に加え、後継者と新規参入者の両面で若者の農業離れが深刻です。このままでは日本の農業自体が廃れてしまう、食料事情にも多大な影響が出る、と懸念されています。
その理由は、汚くなるし格好が悪い・キツイ割りに稼げない・収入的に不安定、などのイメージが有るようです。
参考元:PLANTS
解決へのアプローチ「農福連携」
そんな中で、発達障害者の特徴が農作業では問題にならない、むしろ向いている部分もあると、積極的に働きかけている「農福連携」という動きが有ります。
先に述べたコミュニケーション能力の低さは、農作業ではあまり支障にはなりません。それよりも「興味を持ったことには、とことん拘(こだわ)り、ものすごい集中力を示す」という特徴があります。
単独で黙々と行う単純作業に於いては、一般人以上の集中力・持続力・注意力を発揮します。これが、農作業においては有効だと言われるのです。
参考元:College Hack
結果としての実例紹介
「農福連携」は今、様々な自治体・福祉団体・企業などが取り組み、大きな結果を出し始めています。ここで、実例を幾つかご紹介します。
・発達障害を含む障害者を作業者として雇用し、農業を営む農場を取材したブログです。
・アメリカで、発達障害の青年が母親と農業の会社を興し、同じ発達障害者たちを雇用して、成功している事例を取材したブログです。
・農福連携に取り組む自治体の動画です。
「癒し」としての農業
ガーデンヒーリング
ガーデニングなどで土に触れることが癒しにつながるという研究データが出ています。NPO法人 日本園芸療法士協会という民間資格が取れる団体もあり、園芸療法を以下のように紹介しています。
園芸療法は人間と植物の関係において互いの感覚を交換することによって、人間は健康の回復していく療法であります。アメリカ・カンザス大学大学院では、園芸療法から「園芸医療」という学問の研究に入っており、医療分野の活躍がめざましいのです。
引用元:NPO法人 日本園芸療法士協会
「園芸療法」は主に、大学などの教育機関や医療機関・福祉団体などが多く取り組んでいます。
園芸療法を紹介する動画をご覧ください。
アグリヒーリング
更には、農業と福祉に医療も加えた「医福農融合」を、順天堂大学の研究員らがプロジェクトを立ち上げ、研究し始めています。それが、「アグリヒーリング」です。
農作業に携わることで、障害や病気から来るストレスの軽減や症状の緩和が見られることを、生体からのデータを解析することによって証明しています。
大手企業とも協力することで、更に研究が加速しています。そこから、農業の新たなビジネスとしての形も生み出されています。
順天堂大学によるプロジェクトのページと、それを紹介したビジネス情報ブログをご紹介します。
農業体験と農業求人サイト
農業体験
癒しとして、または仕事としての様子見なら、体験から試してみてはいかがでしょうか?農業体験は各自治体がウェブサイトに情報を載せています。お住いの地域の自治体サイトをご確認ください。
横浜市の「虹色畑クラブ」が開催している農業体験を、イベント紹介サイト「こくちーず(告知’s)」のページよりご案内します。参考までにご覧ください。
また、全国農業体験農園協会という団体もありますので、ご紹介します。ここは以下の趣旨により運営されている団体で、サイトから農業体験ができる農園を検索することができます。
農業者に対して農業体験農園への普及並びに運営等に対する協力・支援を中心とした農業経営の改善支援を行うとともに、地域住民・一般消費者並びに児童生徒に対する農業啓発を行い、広く社会に貢献することを目的とする。
引用元:全国農業体験農園協会
シェア畑
農業を継続して体験したいなら、レンタルの畑を利用する方法もあります。農家、地方自治体、農業協同組合、または個人などが提供している農園です 。
中にはサポート付きで、農作業のレクチャーやフォローなどのサービスを受けられる所もあります。
株式会社アグリメディアが展開する「シェア畑」のサイトと紹介動画をご紹介します。
農業専門求人サイト
農業関係の求人を探すには、農業関係専門の求人サイトがあります。いくつかの有名なところをご紹介します。
一般的なサイト
これらは一般向けのため、発達障害者には条件的に厳しい案件もあります。そこで、一般とは違う探し方もご紹介します。
一般とは少し変わったサイト
1つ目は、総務省が行う地方創生プロジェクトの「地域おこし協力隊」の仕事を探すことです。
比較的、緩めな労働環境と、手厚いサポート支援が受けられる点が、障害者には有利だと言えます。サイトページから、全国の求人案件を検索し、閲覧することが出来ます。こちらを経由すると、採用合格率が上がる傾向があります。
2つ目が「リゾートバイト」です。
文字通りのリゾート地での仕事ですが、求人案件は全国にあります。短期間で様々な勤務地を体験することができたり、居住費用や交通費を負担してくれることもあります。暖かい時期なら、農業案件も多くあります。
参考元:College Hack
放課後デイサービス アレッタの紹介
放課後デイサービス アレッタは横浜市を拠点とし、子どもたちの自立や健全な育成のために、障害児と保護者をサポートしています。
「自分の意思で行動する子」を育てようと、指導員はキッカケを与える助け手として接しながら、子供たち自らが選択し、学べる環境を提供しています。
「自分でできる」という自信を持たせ、将来に安心して暮らすことができるようになるための、創意工夫を込めたお手伝いをしていますので、是非上記リンクよりご覧ください。
まとめ
就労や勤続に困難が有る発達障害者と、若手不足が深刻な農業は、双方が問題解決の糸口になります。
発達障害者にとって農業は、仕事としてのメリットと療法としての効果の両面が期待できます。
農業にとっては、若手の就労者が増えることに成り、新たなプロジェクトとしての可能性もあります。癒し効果も、収穫の実利も有る家庭菜園利用は、休耕地の再利用にもつながります。
情報共有のネット環境を活用して、発達障害者と農業が互いを支え合える、良い係わりが築けるならば、未来への希望と成るでしょう。