今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「言葉の発達段階」についてです。

言葉の発達には、おおよその段階があります。

子供って、何歳くらいでだいたいどのくらいしゃべれるようになっているのかな?

もしかしたらうちの子、言葉が遅い?

など、疑問に思うことがあるかもしれませんね。

言葉が発達する道筋を知っておくことは、今子供がどの段階にいるのか確認できるという点でとても大切なことです。

今回は、言葉の発達段階や、言葉に遅れがあった場合の対処法までお話をさせていただきます。

言葉の発達段階とポイント

赤ちゃんが生後半年くらいから離乳食を食べるようになる、1歳を過ぎたら歩くようになるなど、子供の成長にはある程度共通した段階があります。

それと同じように、言葉の習得についてもある程度同じような過程があるのです。

これから、いくつかの年齢に区切って、おおよその言語習得状態とその時に心掛けると良いポイントをご紹介します。

0~1歳

「あーうー」「ぶー」などの喃語(なんご)を話すようになります。

赤ちゃんとスキンシップを取り、お話をして一緒に過ごすことで愛着関係・信頼関係を築いていく時期です。

ポイント

・たくさん話しかけてあげる
・子供が発する言葉に応答して会話をする
・身振り手振りや表情豊かに会話をする
・嫌がらない範囲でおもちゃなどのモノを触らせてあげる

avatar
浩二
愛着関係が築けると、赤ちゃんかちゃんがニコニコ笑顔で接してくれるようになりますよ。
avatar
静江
言葉の発達を促す「語りかけ育児」について、動画をご紹介します。よろしければご覧ください。

1歳半~2歳

「わんわん」「ぶーぶ」「だっこ」「いや」など一語で何かを伝えようとすることが増えます。

「ピッ」「ブッブー」などの効果音も言えるようになったり、次第に「これ 食べる」「あっち いく」と二語以上を使って自分の意思を伝えるようになるでしょう。

歩けるようになると、靴を履いて外に遊びに行くことが増えてくると思います。外の世界には、初めて見るものが沢山あるので、「あれが、わんわん(犬)だよ」「これは、葉っぱだよ」と教えてあげてください。

言葉と物が一致していることを学習する時期でもあります。

ポイント

・おもちゃを与えるのみでなく、分からなくても使い方を見せてあげる
・バイバイ、お辞儀、ちょうだいなどの動作と言葉を一緒にしてみせる
・外に出かけて、いろんな物を見せたり、自然を感じたり、砂場や遊べる遊具を使って遊ぶなど、さまざまな経験をさせる

avatar
静江
1歳くらいから、名前を呼ぶと、「はーい!」と手を挙げて返事をしてくれるようになります。

3~5歳

「この前、●●君と遊んだよ」「今度、動物園へ行きたい」など、今のことだけでなく、過去や未来の時系列で会話ができるようになります。

単語を覚えるスピードが早くなり、3語以上で日常会話ができるようになるのもこの時期です。

保育園や幼稚園へ通い始めることで、家族以外の人間関係も築くようになり、よりおしゃべりが上手になってくるでしょう。

ポイント

・絵本を沢山読んであげる
・家族以外とかかわりを持つことも多くなるため、物事の順番、ルール、やって良いこと、悪いことなどを説明する
・子供が疑問に思うことを丁寧に説明してあげる

avatar
浩二
文字に興味が出てきて、読み書きをするようになる子もいますよ。
avatar
静江
楽しい音楽に合わせた言葉遊びや、かるた遊びができるようになりますね!

小学校低学年

小学校に入学して、授業で教科書に沿って”読み書き”ができるようになってきます。

みんなの前で歌を歌ったり、発表をしたりする機会も少しずつ増えます。友達と過ごす時間も増えてくると、自分の意思を伝えたり、相手に分かりやすく伝えようとして、情報をたくさん含んだ文章で会話をするようになる時期です。

ポイント

・集団の中で生活をする
・学校での様子や、絵本の感想、ある出来事に対してどう思ったか?など感想を聞いて話してもらう
・家族、友達、テレビ、季節、食べ物のことなどを教えてコミュニケーションを取り、感情や知識を豊かにする

小学校高学年

学校では、自分で調べたことをまとめて発表したり、友達との間でテレビや遊びについて話したり、新しいルールを考えて説明して実行するなど、情報を自分の中に一度落とし込んでアウトプットできるようになります。

言葉や情報を自分でイメージ化できるようになっており、分からないことは自分で辞書やインターネットで調べて解決することもできるでしょう。

ポイント

・子供が自分で”読む”練習をして語彙力や知識を増やす
・家庭での子供とのコミュニケーションを大切にする
・可能な範囲で家以外の環境で他者とコミュケーションが取れるようにする

言葉に遅れがあると感じたら?

言葉の発達について説明をさせていただきましたが、もしかしたら自分の子どもは言葉の発達に遅れがあるのでは?と不安になっている人もいるかと思います。

言葉に遅れが生じる原因ってあるの? どこで検査をしてもらえばいいの? 

などの、原因や対策についてお話しさせていただきます。

言葉の遅れの原因は?

言葉の遅れにはさまざまな原因が考えられるので、すぐに特定できるものではありません。

喋らないだけではなく、耳が聞こえているか、運動能力の成長段階はどうか、周りに対する好奇心はあるか、他者とのコミュニケーションの取り方はどうか、など子どもの言動を全体的に観察してみましょう。

自閉症やその他の発達障害、特異的言語発達障害など、何かしらの障害がある場合も考えられます。

avatar
浩二
育て方が悪かった、とご自身を責める方がいらっしゃるようですが、そもそも子どもに何かしらの問題があって発達が遅れていることがほとんどです。
心配な方は一度診察に行ってみてくださいね。
avatar
静江
特異的言語発達障害については、下のサイトで詳しく解説されています。是非ご覧ください。

言葉の遅れはどこで診察してもらえる?

もし、言葉の遅れかも?と不安に感じた場合は、小児神経専門医がいる医療機関か、各自治体の保健センターへ一度相談してみてください。

【難聴が疑われる場合】

耳が聞こえているかどうか検査をします。ヘッドホンをして音を聞かせて、脳が反応しているかどうか診断します。

【知的障害が疑われる場合】

知能検査、血液検査やCT、MRI検査などの頭の検査を行い、脳に異常がないか確認します。

【自閉性のような発達障害が疑われる場合】

目線が合うかどうか、周りに対する好奇心があるかどうか、異常な執着がないかどうかなどの特徴を診察し、知能検査、血液検査、脳の検査などを行います。

言葉の発達の遅れには、検査を行っても原因がはっきりしないことがあります。今の子どもの様子をしっかりと観察しておくことが大切です。早めの診断と、周囲の理解と療育が今後の子どもへ大きく影響してきます。

avatar
静江
発達障害児の言葉の遅れについて、下の動画で詳しくお話がされています。宜しければ参考にしてみてくださいね。

言葉の発達を促すことはできる?

では、言葉の遅れがあると診断された場合、発達を促すようなことはできるのでしょうか?

まずは、いずれの診断を受けたとしても、それぞれの子どもの様子や好きな物を時間をかけて知っていくことが大切です。子どもにとってどんなことが楽しくて、心地いいのかをじっくりと観察していく必要があります。

それらを共感してあげることにより、子どもが物事に対するイメージを作り上げる練習にもなりますし、自己肯定感を上げることにもつながります。

医学の面では、診断された病名や原因によって紹介される専門医や施設で療育を行うということが基本です。

そこには、精神科の先生や”言語療法士”などがいて、言葉の発達についてサポートをしてくれる人がいるかもしれません。

言語療法士は、身近な人や物の名前を一緒に練習したり、本を読んだり、絵付きのカードを使ったりして読み書きや発声の練習をサポートをします。

障害の重度によっては落ち着きがなく座っていられない、言葉の練習を拒否されるなどなかなかリハビリに到達できないことも多いようです。

信頼関係を作り、座り続けられるような体力をつけるなど、長い時間のサポートが必要な場合もあります。

言語療法士

言語療法士または、言語聴覚士(略してST:Speech Therapist)は、生まれつきの障害や病気、後天的な事故などが原因で、話す・聞く・食べることなどが不自由な人のサポートや回復を支える人のことです。
国家資格にあたるSTは、病院やリハビリテーション施設、社会福祉施設などにいます。
食事の練習、舌や口のリハビリ、呼吸の練習などを行います。

avatar
静江
言語聴覚士さんのお声がありましたので、下にご紹介しますね!

まとめ

今回は、言葉の遅れとその診断方法や対策についてお話をさせていただきました。

お話した発達段階はあくまでも「目安」です。たくさん話しかけてあげること、会話をすること、何度でも説明してあげるなど寄り添ってあげることが大切です。

そうすることで一人一人の子どもの様子や成長のペースがおのずと分かってきます。子どもの好みや関心に合わせて適切なコミュニケーションを取っていきましょう。