今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害への対応」についてです。
いま、発達障害の人が増えてきているといわれており、発達障害のある人への支援や対応が話題になっています。
発達障害の人がいきいきと学校に行ったり働けるようになるために、学校や保護者はどのような対応をすればよいのでしょうか。
「学校編」「会社編」と、シーン別に対応方法をまとめてみました。さっそくみてみましょう。
目次
発達障害がある子どもへの対応 学校編
以下のケースをみてみましょう。
- まわりに合わせて動くことができない
- いつも給食を残してしまう
- 宿題をしない
- 「読む」「書く」「話す」ことが苦手
まわりに合わせて動くことができない
発達障害のある子どもは、順番を守ることができなかったり、列に割り込んでしまったりすることがあります。
また、授業中にもかかわらずほかのお友達にちょっかいをかけてしまうなど、よく考えずに行動してしまったりします。
これは、ADHD(注意欠陥多動性障害)の、衝動性の特性が出てしまっているのです。
また、物をすぐに失くしてしまったり、じっとしていることが苦手など、ADHDの特性によりまわりに合わせて動くことができない場面が見受けられます。
こういった時はどのように対応すればよいのでしょうか。
ルールを見える化する
本人も、順番を守らなければいけないことや授業中に話しかけてはいけないことは分かっているのですが、本人に悪気はなく衝動性によって体が勝手に動いてしまうケースが多いのです。
この場合は、順番や列に並ぶルールを決めて、目で見て確認できるように黒板などにかいておく、などの対応がおすすめです。
また、授業中にしてはいけないことも絵やカードに書いておくなど、こちらも目で見てわかるように表現すると理解してもらいやすいでしょう。
みんなで、できたところを褒めてあげる
ルールを決めたうえで、本人がルールを守ることができれば、みんなで褒めてあげましょう。
また、ルール違反があった場合に、本人が謝ったら許してあげましょう。
失敗したら謝ることが大事ということをわかってもらうことが大切です。
いつも給食を残してしまう
発達障害の中でも、自閉症スペクトラム障害をもった子どもの中には、食べ物の好き嫌いが激しかったり、好きな勉強を給食の時間になってもやめない子がいます。
自閉症スペクトラム障害の子供は、極端な偏食がある場合があります。
特別な感覚から、普通の人が感じないようなにおいや味を感じたり、食べ物の食感が我慢できない場合があるのです。
また、家とは違う大きな食感から大勢に配膳する様子や、なじみのない食器などが不安の種になっていることもあります。
無理して食べなくていいよ、と声をかけてあげる
自閉症スペクトラム障害の子どもの偏食は、本人の努力ではどうにもならないことが多いので、子どもが大きな劣等感を持ってしまわないように、無理をさせないことが重要です。
苦手なものは誰にでもあるので、「食べなきゃダメ」というよりも、「無理して食べなくていいよ」と言ってあげるのが大切です。
また、「何が嫌い」で「何が食べることができない」のかを聞いて、どうすれば食べることができるようになるのかを工夫してみましょう。
そして、食べることができたらしっかりとほめてあげることも大切です。
宿題をしない
宿題は、提出するまでに自分で取り組まなければいけないものです。
しかし、発達障害のある子どもは見通しの持ちにくさや切り替えの苦手さなどがあり、なかなか宿題に手を付けることができない場合もあります。
また、宿題の量やレベルが本人に合っていないとなかなかやる気が出せなくなります。
宿題を取り組む準備を手伝ってあげる
宿題の内容を確認する、宿題をはじめるために、教科書や筆記用具を出す作業を手伝ってあげましょう。
一緒に準備をする声掛けをすることで、宿題に取り組むきっかけを作ってあげることが大切です。
また、宿題が終わったら好きな遊びや、おやつの時間に設定をすることで、見通しを持って宿題に取り組むようにしてあげると効果的です。
自分で宿題を終わらせることが難しい場合は、手伝いながら宿題を進め、できるところは自分でやらせるようにして、少しでも達成感を味わえるようにしましょう。
「読む」「書く」「話す」ことが苦手
発達障害の中でも、学習障害(LD)がある子どもは、字が覚えられなかったり、書いてある字がほかの子供と違って見えてしまう場合があります。
そのため、字を間違って書いてしまったりすることもあります。
また、話を整理することができず、長い話をしたり、相手の話に相槌を打つことが苦手です。
読める、書けるように工夫をする
読みやすいように、文章に線を引いたり、大きな文字にするなど、本人にとってどうすれば読みやすくなるのか話し合ってみることが大切です。
また、文字が書きやすいようにます目が大きいノートを使用するなどの工夫をすることもできます。
無理して話さなくてもよい
話すことが難しい場合は、得意なことをほめたり、文字にしたものを読むようにしてみましょう。
「無理してはなさなくてもよい」というように、苦手なことよりも得意なことを伸ばしていくことに意識を置くことが重要です。
発達障害がある人への対応 会社編
以下のケースを見てみましょう。
- 集中力がもたない
- 優先順位を考えるのが不得意
- 人を怒らせてしまう
- 攻撃的になってしまう
集中力がもたない
発達障害のある人は、仕事に集中できないことが多いのですが、それには理由があります。
それは、周囲の刺激に対して敏感すぎるということと、自分の世界に入り込んでしまうことがあるためです。
周りの音が気になったり、室内の様子が気になったりすると集中できなくなってしまいます。
また、特に興味がない仕事だと、なかなかその仕事に集中できず自分の世界に入ってしまいがちになります。
集中できる環境を整える
周囲からの刺激をさえぎることで集中力アップを図ることが大切です。
たとえば、耳栓やヘッドホンの使用を認めたり、作業スペースを区切るなど、環境整備を進めることも考えるべきです。
また、こまめに休憩を取らせることも効果があります。
なるべく変化のある仕事につかせる
同じ作業を繰り返す仕事では集中力がもたず、ミスをする可能性があるので、なるべく変化のある仕事を振ることが大切です。
また、なるべく本人の興味がある分野の仕事にすることが円満に仕事を進める秘訣です。
集中力が必要な作業ではなく、短いスパンで終わる作業を依頼することもよいでしょう。
優先順位を考えるのが不得意
ADHDの傾向がある人は、やるべきことがあるのに、それを先延ばしにして自分の興味があること、好きなことばかりを優先してしまいがちです。
そのため、仕事の期限が守ることができなかったり、優先順位の低い仕事から始めてしまったりと問題が起こる可能性があります。
徹底的に「見える化」して計画を共有する
会社側は、まず本人に無理なスケジュールを与えないことが大切です。
また、ホワイトボードなどに優先順位や、やることを書いておき、周りの人とも進捗を共有できるようにしておくと安心です。
本人と進捗状況をこまめに確認することで、いつでもフォローできる環境をととのえることができる上に、コミュニケーションも生まれるので一石二鳥になります。
人を怒らせてしまう
ADHDの傾向がある人は、自分の感情をコントロールすることが苦手です。
また、共感性の欠如によって、相手の気持ちを考えないことを言い続けたり、相手の立場によって話し方を変えることがあまり得意ではありません。
そのため、仕事で取引先の人を怒らせたり、何かとトラブルを起こしてしまう場合があります。
周囲の人は、どのように対応すればよいのでしょうか。
本人に悪気はないということを理解する
発達障害のある人と話していると、カチンとくることもあるかもしれません。
しかし、本人に悪気はなく、脳の機能障害による特性ということを理解するだけでもコミュニケーションが変わってきます。
「こういう特性の人なんだ」と、理解を示すことが大切です。
また、取引先との窓口ではなく、社内の調整役にするなど、仕事内容の調整も考えてみてもよいでしょう。
本人に合った職務にすることが、本人だけでなく周りのためにもなることがあります。
攻撃的になってしまう
先述の通り、発達障害の人は自分の感情をコントロールすることが苦手です。
また、ストレス耐性が低いため、想定していたことと違うことが起こると対応ができなくなってしまう場合があります。
そのようなときに、大きな声を出したりイライラして攻撃的になってしまうことがあります。このような場合は、どのように対処するのがよいのでしょうか。
落ち着くまで放っておく
この場合は周囲の人が感情的になり、怒ったりしてもクールダウンしない可能性が高いです。
本人が落ち着くまで、周囲の人は無視することがよいとされています。
また、感情を爆発させないために、なるべく一人になる時間を作るようにしましょう。
そうすることで、興奮した状態からクールダウンをすることができます。
まとめ
発達障害のある人が昨今増えてきているといわれており、学校や職場での対応は必須となってきています。
学校、職場にいる発達障害の人ひとりひとりをみつめて、特性に合わせた対応を行うことが大事です。
また、発達障害に対して理解することも大切です。
発達障害のある人がいきいきと学校に行ったり働いたりすることができるように、学校や職場で、きちんとした対応をしていきましょう。