今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害者向けの面接準備」についてです。
就職活動・転職時に避けて通れない「面接」
苦手意識がある方も多いのではないでしょうか。
就職活動・転職の面接には、暗黙のルールやマナーが存在します。
面接突破のカギは「面接の決まりごとをあらかじめ把握して対策しておくこと」
準備を念入りにおこなうことがあなたの安心と自信につながります。
発達障害をもつ方は、障害の特性から対人に不安がある方も多いと思います。
そんなあなたの面接攻略の一助になることを願って、面接の対策法を紹介していきます。
目次
【面接前の応募準備】発達障害の特性に合った会社を選ぼう
就職・転職活動では「内定をもらう」ことに意識が向きがちです。
あなたが納得できる内定を勝ち取るためには「あなたに合った会社」を選ぶことがとても大切です。
あなたが長く働ける会社をみつけるため、「仕事の内容」「職場の雰囲気」など、会社を知るところからはじめましょう。
あなたの「好き」「得意」を仕事にしよう
誰にでも得意・不得意があります。
仕事にも向き・不向きがあります。
自分に合わない仕事をするのはとても大変ですし、なにより楽しくありません。
特に発達障害をもつ方にとって、特性に合わない仕事は想像以上に大変でつらいことでしょう。
応募する仕事は、あなたが「好き」もしくは「特性に合う」仕事でしょうか。
求人に応募するときは、必ず自分に問いかけてみてくださいね。
「特性に合った仕事」を知りたい方はこちらの記事も参考にしてください↓
あなたが心地よく働ける会社を選ぼう
発達障害をもつ方にとって、希望する会社のサポート体制や雰囲気は気になるところですよね。
ハローワークなどの転職支援サポートを利用する場合は、
- 会社・部署で同じ特性をもった人が働いているか、働いていない場合は実績があるか
- どれくらいの期間働いているか(働いていたか)
- その方に対する配慮の内容
などを聞いてもらいましょう。
転職支援サポートを利用しない場合は面接で直接きくことになりますが、できれば自分で調べられたらよいですよね。
「発達障害をもつ方が実際に働いているかどうか知りたい」
「発達障害を公開して働いている方の生の声をききたい」
「一般的な企業口コミサイトにはかいていない・・・」
そんな時にオススメしたいのが、UMBRE(アンブレ)です。
UMBRE(アンブレ)は日本初の障害者雇用専門の企業口コミサイトです。
寄せられた口コミは9000件以上、もしかしたらあなたが希望する会社の口コミもあるかもしれません。
【応募書類の準備】ナビゲーションブックをつくろう
「ナビゲーションブック」は、障害や病気をもつ方が、その特性や病状についてまとめた説明書です。
発達障害をオープンにして障害者枠で面接を受ける方は、履歴書・職務経歴書と一緒に提出しましょう。
面接がとてもスムーズになります。
ナビゲーションブックをつくろう
「あなたがどんな特性をもっているか」
「なにが得意でなにが苦手か」
「職場で配慮してほしいことはなにか」
障害者枠の面接で必ず聞かれる質問、この回答をまとめた書類がナビゲーションブックです。
なぜつくるのか
メリットは大きく4つあります。
- 障害の内容を細かく説明する必要がなくなる(面接官からきかれることも少なくなる)
- 書類をつくる過程で自分の特性の理解が深まるため面接対策にもなる
- 障害についてもれなく説明できるので面接官も安心できる(=面接で有利になる)
- 口頭で言いにくいことも紙面であれば伝えやすい
どうやってつくるのか
2通りのつくり方があります。
- 就職・転職支援サービスをおこなう機関で作成サポートをうける
- Excel・Wordなどのソフトを使って自分でつくる
作成サポートをうける場合は、ハローワークや障害者雇用専門の転職エージェントで相談してください。
フォーマットの提供や作成手順の説明などを丁寧に教えてくれますよ。
「自分でつくってみよう」という方は、まずこちらの動画をチェックしてみてください。
ろみの発達障害チャンネル「発達障害のじぶんのトリセツのつくり方」↓
初心者でもわかるよう、作成手順やポイント・注意点などを丁寧に説明してくださっています。
動画の内容とは関係ないのですが、説明してくださっているろみさんがとてもチャーミングでとても癒されました・・・。
もうひとつオススメしたいのが、torisetu(トリセツ)です。
torisetu(トリセツ)は、ナビゲーションブックを無料でつくれるツールです。
作成方法は「質問に対して選択肢を選ぶだけ」
手順もカンタンなので、興味がある方は一度試してみてくださいね。
【当日の準備】服装や持ち物・当日の流れを予習しよう
面接当日にバタバタすると焦ってしまい、面接どころではなくなってしまいます。
前もってしっかり準備しておきましょう。
面接当日の流れを把握して何度もシミュレーションしておくと安心です。
面接当日の準備は前日までにすませておこう
面接当日に忘れ物をしたり遅刻すると面接官の印象を悪くしてしまいます。
そうならないよう準備は完璧にしておきましょう。
持ちものをそろえる
当日の持ちものは前日にそろえてカバンに入れておきましょう。
- 履歴書・職務経歴書
- ナビゲーションブック
- 筆記用具
- スケジュール帳
- メモ帳
- 求人票・会社案内
面接に着ていく服を準備する
面接当日に着るスーツやシャツ、靴などは前日までに準備しましょう。
汚れやシワがないか細かいところまでチェックしておくと当日バタバタすることもありません。
面接会場とアクセスを調べておく
面接会場の場所と当日利用する交通機関・乗り換え方法を調べておくと安心です。
乗り換え方法は、スマートフォンの経路検索機能などを使って調べると便利です。
面接当日の流れと印象アップのポイントをおさえておこう
面接の基本的な流れは「会場に到着する→受付をすませる→面接室に入る→面接→退室する→会場を出る」です。
ここではシチュエーション別の注意ポイントを説明します。
会場に到着する
面接場所へは30分前には到着しておきましょう。
会場の場所を確認したあとは、約束時間まで近くのカフェで一休みしながら面接前の最終チェックをおこないます。
「到着が早すぎるのでは?」と思う方もおられるでしょう。
しかし余裕をもって到着することにはたくさんのメリットがあります。
- 気持ちに余裕ができるため落ち着いて対応できる
- 面接前の最終チェックができる
- 急なトラブル(道に迷う・電車の遅れなど)があっても遅刻を防げる
なお筆者は極度の方向音痴なのでこの30分に何度も助けられました。
(ちなみに今までの人生で筆者を上回る方向音痴に出逢ったことがありません)
受付をすませる
受付は1~5分前におこないましょう。
遅刻はもちろんNGですが、面接官にも予定があるので早く着きすぎるのもNGです。
コートを着ている場合は、会社の建物に入る前に脱いで片腕にかけておきます。
受付では下記いずれかの方法で到着したことを伝えましょう。
- 受付ブースがある場合は受付担当の方に取次をお願いする
- 受付ブースがない場合は、エントランスに設置してある電話で担当部署に連絡する
- いずれにもあてはまらない、もしくはわからない場合は通りがかった社員の方に取次をお願いする
失礼いたします。本日○○時に〇〇様と面接のお約束をさせていただいております〇〇と申します。
(取次をお願いする場合は)お手数ですが、お取次をお願いできますでしょうか。
面接日程や詳細のメールをもらっている場合は、受付に関する記載がないかチェックしておきましょう。
受付の方にはハキハキと用件を伝え、通りがかった社員の方には笑顔で挨拶しましょう。
待ち時間がある場合は、椅子には座らず背筋を伸ばして静かに待ちましょう。
面接室に入る
入室前にドアを3回ノックしましょう。
面接室内で待機している面接官から「どうぞ」と言われたら入室します。
入室~着席までの一般的な流れは以下の通りです。
- 入室後ドアを閉める(面接官に背中を向けず、静かに閉めましょう)
- 「失礼いたします」とお辞儀してから面接官と目を合わせて挨拶する
- 着席前に椅子の横に立つ
- 「お座りください」と許可がでたあとに「失礼いたします」と断りを入れてから着席する(背もたれにはもたれずピシッと背筋を伸ばしましょう)
○○と申します。お忙しい中、面接のお時間をいただきありがとうございます。
本日はよろしくお願いいたします。
コートやカバンの置き場所を指示されることもあるので、その場合は「ありがとうございます」とお礼を伝えて言われた通りに対応しましょう。
面接
面接にのぞむ態度で好印象を残すポイントは以下の通りです。
- 第一印象がよい(かなり大事なポイント)
- 自然な笑顔
- 大きな声でハキハキと話している
- 姿勢がよく背筋が伸びている
- 相手の目をみて話している
- 基本的なルール・マナーを守れている
筆者は面接官の経験がありますが、第一印象は非常に大切です。
第一印象がよい場合、面接後の総合評価も高くなる傾向にあります。
逆に第一印象がイマイチだった場合、面接を通して評価を逆転させることは結構大変です。
第一印象はそれくらい大事なポイントです。
最初は特に笑顔で、ハキハキと大きな声で挨拶しましょう。
「笑っているつもりでも笑顔になっていない」ということもよくあります。
鏡をみながら笑顔をつくってみるとわかりやすいですよ。
面接室から退室する
面接が一通り終わってから退室するまでの基本的な流れは以下の通りです。
- 面接が終わったら着席したまま「本日はお時間をいただきありがとうございました」とお礼を伝える
- 椅子の横に立って一礼する
- コートを片腕にかけ、カバンをもつ
- ドアの前でふりかえり、面接官と目を合わせて「ありがとうございました」と再度一礼する
- ドアを開けて退室、静かにドアを閉める
いずれにしても面接官や案内担当者が誘導してくれます。
会場を出る
会場(建物)を出るまでは、まわりの目を常に意識しておきましょう。
最後まで気を抜かず、帰り際にすれ違った方にも笑顔で挨拶すると好印象です。
面接官や受付の方がお見送りをしてくださった場合は、最後に「本日はお時間をいただきありがとうございました。失礼いたします。」と一礼しましょう。
面接の質問パターンを知ろう
質問の回答によってあなたの合否は大きく左右されます。
そのため、質問パターンのチェックと回答内容の準備は欠かせません。
面接での質疑応答は面接官との心理戦です。
質問のパターンと質問意図が分かれば怖くありません。
こちらの記事を参考にしてください。
面接でよくある質問と回答のコツをまとめています↓↓
【これで安心】面接対策本を1冊読んでおこう
面接対策のひとつとして、面接マニュアル本を1冊読むことをオススメします。
1冊通して読んでおけば基本的なルールなマナーは網羅できます。
筆者のオススメはこちらの書籍です。
気になる方はぜひ読んでみてくださいね↓
障害をもつ方のための就職・転職活動マニュアルです。
一般雇用の面接対策がメインですが、発達障害をもつ方に特化したアドバイスがたくさん詰まっています。
また第10章では障害者雇用についても書かれています。
まとめ
以上、発達障害者向けの面接準備について説明しました。
・会社を選ぶときは、あなたの特性に合った仕事と職場を選ぶ
・応募するときは履歴書・職務経歴書と一緒にナビゲーションブックを提出する
・面接当日の服装や持ち物は前日までに用意する
・面接当日の基本的な流れを予習しておく
・面接対策のひとつとして面接マニュアル本を一冊読む
面接対策の一助としてぜひお役立てくださいね。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。