今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「発達障害を持つお子さんの育て方」についてです。
現在は発達障害について様々な情報が広がっています。「うちの子ども、なんだかほかの子と違う気がする」「二人目の子どもが一人目よりも育てにくい。何か問題があるのでしょうか?」
そう思ったら、まずは発達障害について知識を得て、お子さんの状態について知ることからはじめてみましょう。
「自分の育て方が悪かったのでは…」とお考えの方も、自分を責める必要はありません。まずは、発達障害とは何か?というところに立ち返ってみましょう。
目次
発達障害の子供の育て方は、どうすればいいの?
発達障害の子供の育て方について、具体的にくわしく解説していきます。
発達障害って個性なの?
発達障害のお子さんを最初から「個性」と捉えてしまうと、「人それぞれだから」という観点で見てしまい、環境のミスマッチがおきます。
すると本人が大変苦しんでいるのに、「みんな違ってみんないいのよ」と楽観的に捉えられてしまうケースも少なくありません。
発達障害は、発達の「特性」と捉えることが大切です。
発達障害という特性をもったお子さんに対し、まずはそれを家族がきちんと理解して、周囲の人たちの配慮や支援を積み重ねることによって、凹凸を個性に変えていきましょう。
なぜ発達障害になるの?
そもそも、なぜ発達障害になるのでしょうか。一つの原因として、まずは発達の凹凸があります。
これは生まれつきのもので読み書きはとても苦手だけど、工作は得意、といった凹凸です。両親から遺伝します。
また、生涯において凹凸がそんなに変わることはありません。
一生を通じて付き合う「特性」、「体質」のように受け止めるといいでしょう。
もう一つ、症状が強く出てしまうバックグラウンドとして環境のミスマッチがあります。お子さんの発達障害の特性と、周囲のかかわり方からでてくるものです。
たとえば、音や光に過敏に反応してしまうお子さんについて、カーテンがしまっていない教室での読書などはストレスになり不適応を起こしてしまう可能性があります。
お子さんの特性に合わせて、お子さんの席の近くだけカーテンをしめてもらうなど、周囲の環境を整えていくことが大切です。
私の育て方が悪かったのかもしれない…。
発達障害を持つお子さんがいるご家族の方は、「育て方が悪かったのでは」と自分を責めてしまいがちになります。
しかしそうではありません。
先ほども記載しましたが、発達障害の凹凸については生まれつきの部分が大きいからです。
「発達障害の特性をよく理解して、発達の凹凸に応じて環境を整えていくことが大切」と、心から理解した日がスタート地点になります。
しかし、「こうすれば必ず発達障害が治る!」などと、根も葉もない噂もインターネットなどにたくさんあります。
こういった都市伝説などに振り回されず自分の育て方を責めないでほしいと思います。
また、どのご家族の方も発達障害を持つお子さんの育て方については試行錯誤されています。
こういった当事者の家族どおしで情報交換するのもよいかもしれません。
“障害”をどう受け入れるか
「障害」といわれると、受け入れるのに時間がかかってしまうかもしれません。
最近では、「障害」と記載せず、「障がい」と「害」の字をひらがなで表記するケースも増えています。
発達障害も、最近では「神経発達症」と呼ばれることも出てきました。
しかし、呼び名が変わっても症状の内容などは変わりません。ともかく、「発達障害です」と診断されたときに、家族はどのように受け入れたらよいのでしょうか。
障害を受け入れるのに大切なことは、「特性理解」。つまり、お子さんのことをしっかりと理解してあげることが大切です。
何が得意で、何が苦手なのか、など、お子さんの発達の凹凸についてしっかり理解してあげましょう。
障害を受け入れることに時間がかかってもいいのです。少しずつでも、お子さんの特性に向き合ってみてください。
「うちの子に限って障害なんてない!」と強く否定してしまうと、実際に困っているお子さんについて適切な支援などが届かなくなってしまう可能性があります。
発達障害を持つお子さんの『育て方』のヒント
発達障害を持つお子さんを育てるうえで、様々な悩みや問題が出てくると思います。
ここでは、よくある発達障害の凹凸についての対処法について下記にまとめましたのでみてみましょう。
- 食べものの好き嫌いがとても多いのですが…。
- 場所を選ばずに、すぐにかんしゃくを起こしてしまいます。
- 運動がとても苦手で、不器用です。
- とにかく育てにくくて、辛いです。
- いろいろな専門機関があって迷います…。
食べものの好き嫌いがとても多いのですが…。
発達障害を持つお子さんは、異なる味や食感が混ざる食べ物が苦手です。たとえば、ごはん→味噌汁→おかずという三角食べができない場合も多くあります。それは、口の中で複数の味が混ざって気持ち悪くなってしまうからです。
この場合は、1品ずつ食べさせるなど工夫が必要です。
本人にとって、食事が苦痛なものにならないよう、配慮が必要です。
食事が苦痛なものになってしまうと、ひどい場合は摂食障害などを引き起こしてしまう場合もあるからです。
また、ひどい偏食のお子さんは感覚過敏を持っていて、イチゴのぶつぶつが気持ち悪かったり、ピーマンの緑色が受け入れられなかったりするケースもあります。
その場合は、細かく刻む、すりつぶしてほかの料理に混ぜるなど調理方法などにも工夫が必要です。
場所を選ばずに、すぐにかんしゃくを起こしてしまいます。
発達障害のあるお子さんがかんしゃくを起す場合は、本人なりのSOSである可能性が高いです。
決して家族を困らせるために起こしている行為ではなく、本人が一番困っているのです。
本人が困っているものとして多くあげられるのは感覚過敏、また、いじめなどのフラッシュバックです。
まずは、直接の原因を取り除いてあげることが大事です。
感覚過敏の場合、たとえばうるさい場所にいるときは静かな場所に連れていく、かんしゃくを起こした場所から離れる、などの方法が有効です。
また悪い記憶のフラッシュバックが起こっている場合は、好きなアニメを見せる、好きなものを食べさせるなど違うことを行い、気をそらすことが有効です。
なんにせよ、かんしゃくを起こすことはお子さんからのSOSなので、むげに扱わずしっかり対処しましょう。
運動がとても苦手で、不器用です。
発達障害を持っているお子さんは、運動が極端に苦手だったり、とても不器用であったりすることがしばしばあります。
運動が苦手な場合、運動のプロセスを一つずつ教えてあげることが大切です。
たとえば、マット運動であれば、手を頭の横に添えて…、足に力を入れてマットを蹴って、など、一つずつの手順をきちんと教えるのです。
そうすれば、運動が苦手であっても少しずつやり方が身についていきます。
また、箸を持つ、はさみを使うなど微細な動きが苦手なお子さんもいます。
これも運動と同じで、発達障害を持つお子さんはみよう見まねではなかなか身につきません。
こういった場合、箸を持ちやすいように丸い枠がついているものを使用する、鉛筆を持ちやすいようにグリップをつけるなど、道具を用いて使用しやすくすることができます。
極端に不器用な子どもは発達性協調運動障害という発達障害の可能性もあります。
とにかく育てにくくて、辛いです。
このように漠然とした不安を持っている家族の方もとても多いです。
このような場合は、しんどかったエピソードや細かい部分を紙に書くなどして、目に見えるようにすることが大切です。
紙に書いてみると、しんどさの正体は小さな悩みの集合体ということが分かってくると思います。
そして、悩みを見える化することによって解決策が出てきやすくなったり、解決するためにどのように観察すればよいか分かってくる可能性があるからです。
たとえば、夜寝てくれないという悩みを持ったお子さんがいました。
しかし、よくお子さんを観察すると、実はお母さんが起きているときに寝ることができないということが分かってきました。
過剰にお子さんの不眠を心配するのをやめて、一緒に添い寝するようになるとお子さんが自然と寝てくれるようになったようです。
どのように専門機関を決定すればいいのでしょうか?
現在はたくさんの発達障害専門機関が存在します。
どのような専門機関を選択すればよいのでしょうか。
頼りにすべきは、家族の素直な感覚です。
お子さんの発達の凸凹をきちんと理解してお子さん自身が達成感を感じることができる専門機関を選びましょう。
横浜市にある放課後デイサービス「アレッタ」では、お子様の未来を考えてお役に立てる時間を提供致します。
また、保護者様のストレス軽減も重要な課題と考えており、一時的な休息をお手伝いさせて頂きます。
ぜひお問い合わせください。
まとめ
発達障害をお持ちのお子さんのご家族は、「自分たちの育て方が悪かったのでは」と責めてしまいがちですが、実はそうではありません。
お子さんの発達の凹凸についてよく理解して、環境を整えていきましょう。
お子さんの特性に合わせて、ゆっくり着実に、一歩ずつ育てていくことが大切です。