今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「子育てに理想的な環境」についてです。
安全が第一であることは言うまでもありませんが「環境が人をつくる」といわれるように、子どもにとって環境はとても大切です。そして、子どもを取り巻く全てが環境です。
理想の環境に少しでも近づけることで、お子さんのもつ潜在的な能力や可能性を最大限に引き出せるかもしれませんよ。
目次
子育てに理想的な環境とは
子どもを取り巻く環境は様々
子どもの周りにある環境は、いくつかの種類に分類できます。まずはこれらがバランスよく整っていることが理想的な環境と言えるでしょう。
人的環境 | 親、兄弟、祖父母、親戚、友達、異年齢児、先生 など |
物的環境 | おもちゃ、遊具、道具、園庭 など |
社会的環境 | 公園、公共施設、商業施設、医療施設、行政支援、習い事 など |
たくさんの自然に触れられる環境
近くに公園、海や川、森林など、自然が豊富にある環境は、小さな子どもにとって、五感を刺激されるとてもよい環境です。
移りゆく四季を通して木々や草花の変化に気がつき、虫や小鳥のさえずりを聞き、風を肌で感じ、その中からたくさんの「なぜ」「どうして」が生まれます。
子どもの好奇心を刺激し、豊かな感受性を育み、生命の多様性を学ぶことができるでしょう。また、木登りをしたり、思い切り跳んだり走ったりすることで、身体的にも鍛えられます。
異年齢児と触れあうことのできる環境
年下の子どもは、年上の子どもから色々なことを学ぶことができるほか、「こうなりたい」という目標が持てるようになります。
年上の子どもは、年下の子どもに教えることで、その知識をより確実なものにし、ちょっとした優越感を味わうことで自信がつき更なる向上心が芽生えます。
真ん中の子どもは、その両方のメリットを得ることができます。
都会VS田舎
都会と田舎、どちらに住む方が子どもの環境的には良いのでしょうか。
それぞれのメリット・デメリットをみていきましょう。
都会 | 田舎 | |
メリット | ・学校や習い事の選択肢が多い ・商業施設や文化施設が多い ・交通の便が発達している ・近所づきあいは多くない | ・自然が多い ・地域や人との距離が近い ・全体的にゆったりとした雰囲気 ・住居費用や駐車場代が安い |
デメリット | ・競争が激しい ・ストレスを抱えやすい ・住居費用や駐車場代が高い | ・交通が不便 ・近所づきあいが大変 ・学校や習い事の選択肢が少ない |
それぞれ相反するメリット・デメリットがあることがお分かりいただけたかと思います。
小学生ぐらいまでは田舎で、中学生~高校生ぐらいからは都会の方が環境的にはよさそうですが、なかなかそう簡単にはいきませんよね。
子どもの性格や、何をしたいかによっても変わってきますので、一概にどちらが良いとは言えないかもしれません。
日本は子育てしにくい?!
日本が子育てしにくい、という声は確かによく耳にします。これはちょっと残念なことですね。
ただし、みんなが子どもに対して冷たいかというとそうでもなく、優しく親切な人も沢山います。
「子どもは国の宝」という意識が、もっと根付いていけばいいですね。
子どものIQに影響を与える環境とは
子どものIQが高くなる環境はあるの?!
IQが高いから将来有望とは限らない
認知的な能力、すなわち知能指数のこと。平均値は100。人口の約95%の人が70~130の間に収まっており、東大生の平均IQは120だといわれています。
IQの大半は遺伝によるものですが、教育熱心な家庭環境で育った子どもの方が、そうでない子どもよりもIQが高くなることがわかっています。
親の努力が無駄にならないことは嬉しいですね。
しかし、IQが高い人がみな優秀で将来有望かというと、必ずしもそうではありません。
IQの高い人の中には、他人に興味が持てなかったり、コミュニケーションに問題を抱えている人も多いと言われています。
IQが高い子ども(ギフテッド)と発達障害
IQが130以上の人は、ギフテッドと呼ばれています。神様から「特別な才能」というギフト(贈り物)を授かった人、というのが語源です。
並外れた記憶力を持っていたり、特定の学問や芸術において突出した能力を発揮します。
一方で、興味のないことや苦手なことはすぐに諦めてしまうことがあり、できる事とできない事の差が大きいことから、発達障害と区別がつきにくいこともあります。
発達障害とIQの関係性についての詳細は、こちらの記事をご覧下さい。
知っておきたいEQのこと
IQは知っていても、EQは知らない、聞いたことがない、という方は少なくないのではないでしょうか。
IQが認知能力なのに対し、EQとは非認知能力のことで、心の知能指数と呼ばれています。
コミュニケーション能力、協調性、自制心、粘り強さ、諦めずにやり抜く力、チャレンジ精神などの知能指数。
平均値は100。
EQは意識すれば向上させることができると言われています。せっかく高いIQを持っているなら、それを生かすためにバランス良くEQを伸ばして行きたいですね。
無料で受けられるEQテストもありますよ。(合計22の質問に答えるだけの簡単なもので、すぐに結果が出ます。)
子どもの能力を引き出す家庭環境
話しかける時間を増やす
子どもがまだ小さいと、「話しかけてもどうせ理解できないし・・・」と思いがちですが、どんどん話しかけましょう。
子どもの語彙力も増えますし、言葉を覚えるのも早くなります。
ちょっと言葉を理解し出したら、子どものやっていることを実況中継してあげるのがお勧めです。
自分の行動と言葉が紐付くことで、言葉への理解が高まります。
実況中継について詳しく知りたい方は、こちらの動画を参考になさってください。
子どもの「興味ありサイン」を見逃さない
子どもの能力を引き出すのが上手な親は、子どもを日頃から注意深く観察しています。
こどもの些細な行動、表情、視線から、子どもの興味・関心があるものをすぐさま察知し、そこから徐々に世界を広げていくのです。
子どもは興味や関心のあることは学びたがりますから、無理なく知識が身につきますね。
約束は必ず守る
ウォルター・ミシェルという心理学者が行った有名な「マシュマロ実験」はご存知ですか?
子どもの前にマシュマロを1つ置き、「15分食べるのを我慢できたら、もう1つあげるよ」という、子どもの自制心を試す実験です。
そこで15分食べるのを我慢できた子どもに、約束通りマシュマロをあげずにもう一度同じ実験をしたら、殆どの子どもがすぐにマシュマロを口にしたそうです。
つまり、約束を守らなかった大人に対し、「信頼」が消えてしまったのです。
子どもは、信頼できない相手の言うことを聞いてくれません。
どんな小さな約束でも、いちど口にしたならば守るようにしたいですね。
大人も勉強を続けよう!
子どもに「勉強しなさい」と言っても勉強しませんが、親が勉強しているところを見せると、子どもが勉強することに興味をもつようになります。
机に向かって本を開くだけが勉強ではありません。親子で色々な経験をすることで、楽しく見聞を広めていきましょう。
もう歳だから、と諦めるのは早い
知能には2つの種類があります。
主な能力 | ピーク | |
流動性知能 | 計算力/暗記力/集中力/IQ など | 18~25歳頃 |
結晶性知能 | 知恵/知識/経験知/判断力 など | 60代頃 |
流動性知能は40歳以降、急激に低下します。しかし、結晶性知能とよばれる知能は、年齢とともに伸びていきます。中でも「経験知」は好奇心によって伸びるといわれていますので、年齢を言い訳にせず、生涯学ぶ姿勢を大切にしていきたいですね。
まとめ
いかがでしたか?
子育てに理想的な環境は、人的・物的・社会的な環境がバランス良く整っている環境です。
低年齢のうちは自然に触れることや異年齢児との交流を通して、多様性や思いやり、コミュニケーション力を育んでいけるといいですね。
家庭環境では、親が子どもをよく観察し、積極的に関わっていくことが子どものポテンシャルを最大限に引き出す上で重要です。
とはいえ過干渉や過保護は避け、時には自由に冒険をさせてあげましょう。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。