今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所になることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害 入院」についてです。

「主治医から精神科へ入院を勧められた発達障害の症状で入院をした場合、どんなことをするかわからなくて不安…」
といった悩みをお持ちではありませんか?

例えば「骨折で入院」だったら入院のゴールは「骨折を治すこと」ですが、発達障害で入院する場合はゴールが不明確なため、「なんのために入院して、どんな治療を行うんだろう…」と不安な気持ちになりますよね。
また、精神科への入院に対して「怖い」というイメージをお持ちの方も多いと思います。

今回の記事では「発達障害の症状による入院はどんなときに勧められるの?」「入院中に行うことや、得られるメリットはどんなこと?」といった疑問を解決していきます。

発達障害による入院を勧められるのはどんなとき?

そもそも、発達障害による入院はどんなときに勧められるのでしょうか?
入院を勧められる状況は、大きく4つに分けられます。ひとつひとつ確認していきましょう。

精神的な症状に悪化が認められるとき

発達障害の精神的な症状が悪化し、日常生活が困難な場合に入院を勧められることがあります。
具体的には以下のような行動が見られる場合です。

主な行動

・物を壊す、人を殴るといった暴力行為が見られるとき
・妄想や、意味不明の言動が見られるとき
・拒食や過食により、身体的に影響が出ているとき
・睡眠をとらなかったり、浪費したり、話が止まらなくなったりといった過活動が認められ、周囲の人に支障をきたすとき
・「手を洗うのがやめられない」といった強迫症状が強くでているとき
・強い希死念慮があるとき
・オーバードーズやリストカットといった自傷行為が見られるとき

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浩二
このような精神的な症状は、発達障害の二次障害によって強く表れていることが考えられます。二次障害については以下の記事を参考にしてください。

家族と距離を取る必要があるとき

親子感の関係が症状の悪化に繋がっている場合、一度離れて治療を行うために入院を勧められることがあります。


患者が子どもの場合、情緒不安定や精神症状の悪化の原因が「適切な養育が受けられないこと」にある場合、入院を勧められることがあります。

引きこもりや不登校が長期化したとき

引きこもりや不登校により長期間社会生活から離れ、精神発達に多くの課題が見られるときに入院を勧められることがあります。入院生活を通して、対人関係などの精神的な成長の機会を提供します。

治療方針を決めていく際、通院治療のみでは情報不足のとき

病状の診断や治療方針の決定が急がれる場合や、通院時の診察のみでは情報が足りないときに入院を勧められることがあります。


入院し、治療方針の決定に必要な検査を一気に行う場合もあります。

発達障害の入院生活で行う治療は?

では、実際に発達障害の症状で入院した場合、どのような治療が行われるのでしょうか。主な4つの活動を紹介していきます。

生活リズムの改善

夜に睡眠をとり、昼間に起きて活動する生活リズムを整えます。朝は決まった時間に起床し、日中は運動や作業活動を行うことで、起きていることを習慣づけます。

また、入浴や手洗い、歯磨きや髭剃りの指導を行い、清潔な身だしなみを維持できるように訓練を行います。

規則正しい生活を行うことで、入院生活自体が治療に繋がっていきます。

服薬管理

正しい服薬を行うために、量や服用のタイミングの指導を行います。
また、入院生活の様子をみて使用する薬を調整します。

コミュニケーション能力の改善

病院のスタッフや他の患者とコミュニケーションを取ることで、対人関係の改善を図ります。

テレビを複数人で見たり、音楽を聴きながら会話を行ったり、ゲームやカラオケなどのレクリエーションに参加することでコミュニケーション能力を高めます。

もちろん強制ではなく、体調が悪かったり、うつ症状が出ていてコミュニケーションを取ることが負担になったりするときは自分の部屋で休むことができます。
躁状態で興奮状態にあるときも、対人活動はいったんストップになります。

不安な気持ちのカウンセリング

不安な気持ちや悩み事などを医療スタッフに相談し、アドバイスをもらいます。自分の気持ちを言葉にして表すことは、コミュニケーションの訓練にもつながります。

作業療法

作業療法士や医師が作成するプログラムに基づき、自己管理能力を高めるための作業活動を行います。
社会生活機能の回復や生活技術の向上のための訓練として、本人が希望しなくても行う場合があります。

具体的には以下のような活動があります。

作業療法で行う活動

・料理
・手芸、工芸
・絵画
・音楽
・パソコン作業
・ストレッチ
・スポーツ

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静江
どの活動も、医療スタッフがしっかりとサポートしてくれますよ!

入院期間はどのくらい?

発達障害の症状で入院することになった場合、期間はどのくらいになるのでしょうか。
こちらについては詳細なデータは得られませんでしたが、複数の精神科の情報を確認したところ、おおよそ3か月の入院期間を目安としていることが多いようでした。

ただしあくまでも目安ですので、症状や病状によって大きく前後します。
参考程度にとどめておいてくださいね。

入院生活で得られる効果やメリット

発達障害の症状で入院した場合、得られるメリットはどのようなものなのでしょうか。

まずは入院生活によって生活リズムを整えるきっかけが生まれ、退院後も規則正しい生活の維持を期待できます。

また、入院中の様々な活動から得た「支えてくれる人がいる」「聞いてくれる人がいる」と言った経験から、暴力や自傷行為でしか表せなかった自分の気持ちを言葉で表現できるようになったり、気持ちを自分の中で整理して、折り合いをつけることが少しずつできるようになります。

さらに、家庭や周囲の環境から離れた場所で過ごすことで気持ちをリフレッシュし、「ありのままでいていい場所がある」ことを体験することができます。

入院中に得たこれらの経験は、退院後の人生を生きやすく、より豊かにしていくための力となっていくはずです。

こちらの動画で、タレントのおかもとまりさんが精神科での入院生活で得たことを前向きに語られています。

まとめ

  • 精神的な症状が悪化した時や、現在の生活環境から離れる必要があるときに入院を勧められる。
  • 発達障害の症状での入院は、生活リズムの改善や作業療法がメイン
  • 自分のペースで症状の改善を図ることができる
  • 今後の人生をより豊かに過ごしていくための一つのきっかけとなる前向きな治療

入院を勧められた際は、自分にとって適切な治療を安心して受けられるように主治医とご相談くださいね。

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。