今日も皆さんと一緒に、発達障害等に関する学びや情報交換の場所となることを願って投稿させて頂きます。 今日のトピックは「発達障害と慢性疲労による病気の関係」についてです。
発達障害が持つ様々な症状の内、疲れやすいというものがあります。
発達障害の影響により、外から入る様々な情報を効率良く整理することが難しい場面は少なくありません。この為、心体共に疲労を感じやすいのです。
今回は、発達障害を伴う慢性疲労を症状とする「病気」というのが、とても気になったので関連するものを少し詳しく調べてみることにしました。
目次
発達障害を伴う慢性疲労になる病気
慢性疲労症候群/筋痛性脳脊髄炎
そのままズバリ、慢性疲労症候群(CFS=Chromic Fatigue Syndrome)という病気です。慢性疲労と名称は似ていますが、全く異なる非常に重い病気です。
ただ、疲労という病名から誤解や偏見を受ける可能性が高く、1年に渡る様々な協議の結果、世界の多くの医学会誌などで用いられている、筋痛性脳脊髄炎(ME=Myalgic Encephalomyelitis)を用いることとなりました。
20~50歳台女性の発症が多く、アレルギー疾患を伴うケースが多くあります。日本での罹患率は厚生労働科学研究所データによると、およそ0.3%、患者数は約38万人で、欧米や世界の患者数0.2%~0.7%とほぼ同程度です。
国の難病指定を受けることは、できていません。
診断基準
CFS/MEの症状は、免疫系、神経系、内分泌系など多系統の病態が関与するので症状は多岐に渡り、判別の基準もいくつかの診断基準があります。
血液検査や尿検査などで病気を特定することができないため、症状から他の病気の可能性が全て否定された段階で、初めて慢性疲労症候とが診断されることになります。
症状からの診断
CFS/MEと診断される症状を、国際コンセンサス基準から示すと、次の4つに大別されます。
- 運動後の神経免疫系の極度の消耗(必須)
- 神経系機能障害
- 免疫系・胃腸器系・泌尿生殖器系の機能障害
- エネルギー産生・輸送の減損
このうち1については必須で、2~4については少なくとも一つは症状が当てはまることとなっています。
これらを踏まえ症状をまとめると、次のようになります。
- 6ヶ月以上、連続で慢性疲労の症状があり、疲労によって作業の継続が困難になる
- 疲労が日常的な活動や仕事を妨害する
- 以下の症状のうち、4つ以上に当てはまる
- 24時間以上継続する倦怠感
- 睡眠でリフレッシュしない
- 睡眠障害
- 微熱や体温調節失調
- 短期記憶や集中力の著しい障害
- 感覚過敏
- 原因不明の筋肉痛、関節痛
- 重症の頭痛
- 首や脇の下のリンパ節の腫れ
- 喉の痛みや口内炎、甲状腺の炎症
- 朝のこわばり
- 頻尿、寝汗
- 体重の変化
- 動悸、息切れ、不整脈
- 低血糖の発作
- 過敏性腸症候群
- 月経前症候群
- 発疹 など
症状の程度
慢性疲労症候群の全ての人が、同じ程度であるわけではありません。
他の病気同様、人によって重症度は異なり、軽度・中度・重度の3段階に分けることができます。
- 軽度:活動エネルギーは半分程度で、仕事や自分の世話はできても、休日は終日の休息を要する
- 中度:症状が原因で外に出られず家に閉じこもるか、午前で活動を終了し、午後は睡眠を必要とする
- 重度:洗面と食事程度はできるものの、それ以上は難しく、ひどい時は寝返りさえ困難で、患者の4分の1は、この重度
合併症
慢性疲労症候群患者の半数は、うつ病を併発する他に線維筋痛症や睡眠障害、投薬による副作用などの合併症を患うことが多くあります。
参考元:慢性疲労症候群の症状と治療
小児慢性疲労症候群
小児慢性疲労症候群(CCFS)は、病状はCFS/MEと同じく全身の問題を伴う、神経・免疫・内分泌系の異常が絡みあった疾患ですが、子どもの場合は「発達」という観点を考慮に入れなければならないとされています。
診断基準
小児慢性疲労症候群国際診断基準という診断基準がありますが、基本的には大人の慢性疲労症候群と同じものです。
違いは、大人のCFSは6ヶ月間の症状の継続なのに対し、CCFSは3ヶ月間の継続で診断されるという点のみです。これは、子どもの異変には素早く対処すべきという便宜上の理由になっています。
発達障害との関係性
研究者による従来の資料の中には、慢性疲労症候群とADHDやアスペルガーの関係性について示すものは少なく、中には安易な発達障害診断を批判する部分もあり、関係があるかどうか判断されかねていました。
ところが、下記に紹介する研究者たちによる最新の本で、はっきりと小児慢性疲労症候群と発達障害は深い関係にあることを示唆する記述がありました。
この病気に関連する医師や研究者の先生方による最新書籍を紹介します。
この本は、子どもの睡眠障害や不登校問題、慢性疲労症候群を長年研究してこられた、「子どもの睡眠と発達医療センター」の三池輝久先生らによる、最新の研究をまとめた共著本です。
参考元:慢性疲労症候群の子ども(CCFS)には発達障害が多い?
原因
CFS/MEやCCFSの明確な原因は、残念ながら未だ発見されていません。
様々な研究を通じて、いくつかの原因めいた手掛かりは分かってきているものの、特定するまでには至っていないようです。
以下、原因と推測されているものの一例です。
- ストレス
- 感染
- ホルモン低下
- 免疫機能障害、アレルギー
- 遺伝的要因
- 異常な低血圧
- 栄養不足 など
症状
中心的な3つの症状
- 強い易疲労性:強い疲労を感じ、姿勢保持の弱さから、短時間でも同じ姿勢を保てず、座るでも寝るでもない姿勢で居てしまいます。
- 学習記憶障害:思考に霧がかかったようで、気力・集中力・持久力・記銘力・判断力・認知力が想像以上に低下し損なわれます。
- 過眠型睡眠障害:睡眠の質のバランスが崩れ、昼と夜が逆転し、起こしても起きられず、毎日の睡眠時間は10時間~15時間にまで増加します。
その他の症状
- 自律神経症状:手のひらの発汗、手足の冷えなど末梢循環不全が生じたり、ドライアイや瞳孔の過敏性反応、頭痛・眼痛・関節痛・腹痛などの疼痛も表れます。
- 起立性調節障害(OD):自律神経失調症状が高頻度で見られ、特に立ちくらみが起こる起立性調節障害が並存することが報告されています。
- 血糖調節異常:糖からエネルギーを作る機能が障害を受けているため、 血糖が高い状態を保ち、同時に甘い物を欲します。
- シナプスの混線:脳の情報伝達の決まりに混乱が生じています。
- 深部体温が高い:昼夜の体温の上下など、生体リズムの不調で、夜間に脳温が下がらず休めません。この異常が続くとCCFSが再発するので、極めて重要な意味を持つと考えられています。
- ホルモン異常:各ホルモンの分泌量が、減少したり時間がズレたりして生活に支障が出て、行動する気力も出ません。
- 脳血流の異常:脳は働いている部位があると、他は働けません。「不安」に関係する基底核の血流が増加し、「思考」の視床と前頭葉の血流が低下して、強い不安感情に、他の全てが抑え込まれます。
- 脳の過敏状態:脳機能のバランスが崩れ、脳が過敏状態にあり、必要・不必要を問わず、すべての情報に反応してしまいます。
- 抗Sa抗体が現れる:この抗体は免疫系統の異常を示すもので、この異常が見られる子どもたちは、自己免疫性疲労症候群(AIFS)と呼ばれています。
参考元:小児慢性疲労症候群(CCFSと)は (2)12の症状
類似する症状が出る病気
直接、発達障害を伴う病気ではありませんが、発達障害と慢性疲労に類似した症状を合わせ持つ病気は、意外と多くありますので、そのいくつかを紹介いたします。
副腎疲労
1990年代に米国の医師ジェームズ・L・ウイルソンによって提唱されました。
副腎は、エネルギー代謝や血糖調整など、生命維持に必要不可欠なホルモンを50種類以上も分泌する臓器で、疲弊し機能が低下すると、ホルモン分泌が減って、関連している症状が出ます。
ただし、副腎疲労は医学的にはまだ完全に証明されておらず、 軽度の副腎不全やアジソン病ではないかと、異を唱える医者や研究者の意見があります。
原因
副腎が疲労する一番の原因は、ストレスによる過剰分泌です。
副腎皮質ホルモンは抗ストレスホルモンとも言われ、危機、不安、恐怖、怒りの感情によって分泌されるため、身の回りの様々な刺激によって働かされることが多く、疲労してしまいます。
現代はストレス社会と言われますが、本当に様々なものがあります。
精神的ストレス
- 人間関係
- 感情を揺さぶる出来事
- ハードスケジュール
- 冠婚葬祭や引越しなどの生活環境の変化 など
肉体的ストレス
- 怪我
- 感染症
- 便秘 など
環境的ストレス
- カビやダニ・ゴミ・ホコリなどのハウスダストなどによるアレルギー
- コーヒーなどのカフェインやアルコール類、タバコのニコチンやタールなどの有毒成分
- 唐辛子のカプサイシンなどの食品に含まれる刺激物
- 環境ホルモンと呼ばれる、化粧品や洗剤、殺虫剤などの薬品、プラスチック製品・建材や土壌・空気中・水などに含まれる化学成分
- 家電などからの電磁波や紫外線 など
主なホルモンとその働き
50種以上のホルモンの内、疲労に関係する主なものをご紹介します。
- アドレナリン:脂肪分解や血圧上昇など、各臓器に指示を出す肉体担当。
- ノルアドレナリン:脳で作用する神経伝達物質で、精神作用担当。集中力、判断力、やる気、緊張などを高め、うつの治療に利用される。
- コルチゾール:各臓器に働きかけ、各ホルモンの分泌バランスを調整。アドレナリン、ノルアドレナリンは一過性だが、コルチゾールは蓄積性で、正常値回帰に時間がかかる。
- アルドステロン:体液調整とミネラルバランス(特にナトリウムとカリウムは重要)の補正を行う。
- デヒドロエピアンドロステロン=DHEA:性ホルモンを作る働きをし、老化に関わる若返りホルモン。副腎疲労の他、循環器、糖尿、高コレステロール症、肥満、合併性硬化症、パーキンソン、アルツハイマー、免疫不全、うつ、骨粗鬆症などにも効果が期待される。
症状
副腎が分泌するホルモンの減退により様々な影響が出るのです。
- ストレスに弱くなる
- とにかく疲れが取れない
- 熟睡できない、朝起きるのが辛い
- 気力、体力、集中力がない、日常生活の意欲低下
- 不安や恐怖心、気持ちの落ち込み
- うつなどの精神疾患
- 夕方から元気になってくる
- 小さな事へのイライラや急にキレやすくなる
- 記憶が曖昧
- 低血圧気味になる
- アレルギー症状が出やすい
- 風邪をひくと治りにくい
- 甘い物・塩からい物を求める
- コーヒーやチョコレートが手放せない
- 慢性の便秘や下痢など、お腹の不調
- 性欲が減退
- PMS(女性の月経前症候群)がおきやすい など
低血糖症
低血糖症(Hypoglycemia)とは、血糖値が低くなりやすい人や現れる症状のことです。
一般的には、糖尿病を薬で治療されている方に高い頻度でみられる緊急の状態ですが、糖尿病で無い一般人が起こす低血糖症の方が気付きにくく、むしろ問題になって来ています。
その中で、夜の睡眠中に低血糖が起きることを、夜間低血糖といいます。
原因
- 食事(特に炭水化物)の摂取量不足
- 食事時間の通常より大幅なズレ
- 通常よりも長い、または激しい運動の最中、または翌日
- 過剰な飲酒
- 入浴
- 投薬量の間違いや投薬の効き過ぎ
- 肥満などによる投薬の必要量の変化
- インスリン注射の位置変更 など
症状
血糖値がおよそ70mg/dL以下になると、「交換神経症状」が現れ、さらに下がって50mg/dL程度になると、「中枢神経症状」が現れます。
ただし、普段から低血糖がよく起こる方や、乳児・老人・自律神経障害を持つ方などは、交換神経症状が出ない無自覚性低血糖になることがあるのです。
無自覚性低血糖では自覚症状は無いが、計ると60mg/dL程度まで低下している場合や、気付かずに50mg/dLより低くなり、突然に重い中枢神経症状になる場合があります。
血糖値が50mg/dLよりも低くなると、昏睡など意識のない危険な状態(重症低血糖)になることがあり、深刻で命の危険もあるので、低血糖になった時は、できるだけ早い軽い段階ですみやかに対応をしなければなりません。
低血糖の程度による症状は以下の通りです。([夜間]は夜間低血糖の症状)
およそ70mg/dL以下:交感神経の警告症状
- イライラ、キレやすい、不安定、喜怒哀楽が激しい
- 動悸
- 手足の震え
- マイナス思考、不安などのうつ症状
- 復讐願望、自殺願望
- パニック症状
- 甘い物依存
- 落着きが無い
- 性衝動・性的不能
- 冷や汗、寝汗[夜間]
- 不眠・悪夢・うなされる[夜間]
- 動悸や悪寒で途中に目が覚める[夜間]
- 睡眠途中の不穏な言動や暴言[夜間] など
50mg/dL程度:中枢神経のグルコース欠乏症状
- 集中力低下
- 物忘れ
- 食後などの異常な眠気
- 生あくび
- 低血圧、顔色が青白くなる、かすみ目、めまい、ふらつき
- 偏頭痛、起きて直ぐの頭痛[夜間]
- 異常な疲労感・倦怠感[夜間]原因も有り など
50mg/dL以下
- 意識障害
- 異常行動
- 痙攣
- 昏睡
脳脊髄液減少症
脳髄液が漏れ出し、量が減ることで発症するといわれる病気で、低髄液圧症、脳脊髄液漏出症を含みます。
原因
髄液漏出、髄液産生減少、髄液吸収亢進などが原因と考えられており、慢性経過した症例が多いです。
- 外傷性:交通事故、スポーツや日常での転倒・打撲、暴力など
- 医原性:脊椎手術、腰椎穿刺、整体治療など
- 特発性:外傷などの明らかな原因がない場合
- その他:出産 など
症状
症状においては、CFS/MEとほぼ同じで全身に渡り、疲労感や倦怠感とともに、発達障害に似た症状も見られます。
急性期の主な症状として
- 起立性頭痛が最多で重要
- 頚部痛、悪心、めまい、耳鳴、などを伴うことも多い
- 病状の慢性化に伴い全身倦怠感をはじめ種々の症状が多くなる傾向
慢性期の症状として
- 頭痛(起立性が主)、頚~腰痛、四肢痛などの疼痛症状
- 全身倦怠感、易疲労性
- めまい、耳鳴、視力低下、光過敏などの脳神経症状
- その他に顔面痛や違和感、咽頭違和感、顎関節症状 など
- 動悸、息切れ、消化器症状、悪心・食思不振・下痢などの消化器症状、体温調節異常などの自律神経症状
- 注意力低下、記憶力低下、うつなどの高次脳機能症状
- その他:不眠、易感染性、内分泌症状 など
参考元:山形県立中央病院 脳神経外科
その他
他にも下記のように、症状が類似する多くの疾患があります。
- 慢性疲労
- 睡眠障害
- 貧血
- 低カリウム血症
- うつ病
- 適応障害
- 精神疾患
- 線維筋痛症
- 甲状腺機能低下症
- 女性の月経前症候群や月経前不快気分障害
- 更年期障害
- LOH症候群
- 成長ホルモン分泌不全
- 子供の起立性調節障害や脊柱側弯症 など
症状だけを見ると、類似する実に多くの疾患が当てはまってしまいますから、誤診や重篤な疾患の見落とし・見誤りを防ぐためにも、総合病院や専門医にしっかりと診てもらうことが大事です。
治療と対策
これらの病気は明確な原因が不明なものも多く、先ずは第一条件として、総合病院や専門医にしっかりと診てもらうことが不可欠です。
そして治療は、医療機関と本人と家族が連携・協力して行います。
医療機関から受ける治療
睡眠改善
投薬によって、就寝と睡眠の時間や質をコントロールしますが、現在では、過眠型睡眠障害の方面からの治療が、最も効果を挙げているようです。
睡眠障害に有効な治療には、高照度光療法や低温サウナ療法など、特殊な施設を必要とする高度医療があって、一定期間の入院を必要とする場合もあります。
体質改善
温灸・入浴などの温熱療法により、筋肉の緊張をほぐしリラックスさせるのと同時に、血流を良くして新陳代謝を促し、ストレス軽減と免疫を高めることで、体質改善の効果にも期待するものです。
入浴は体力にあった範囲内にすることに注意が必要で、入浴できない患者には、短時間の半身浴や足湯などがあります。
エネルギー回復
エネルギー生産を担うミトコンドリアの機能が低下しているため、学習・記憶機能障害や易疲労性が生じます。
糖質からのエネルギー生産性は低下していても、脂質からのエネルギー生産性は比較的保たれているので、これに合った食事療法で改善が見込めます。
行動改善
認知行動療法を用い、病気を悪化させると思われる活動や行為を、調整する方法を学ぶことです。
患者は疾患への対処がより容易になり、新たな症状を誘発することなく、活動量を増すことができるようになることが知られています。
家族も教育を受けることで、良好なコミュニケーションを保てるようになり、CFSが家族に与える種々の悪影響を軽減できるようになるのです。
心理療法
不安やストレスを軽減させ、リラックスさせるために、箱庭療法などの遊戯療法や、絵画・造形・音楽・ダンスなどの芸術療法など、子どもの状況に応じて様々な心理療法が行われており、それぞれに特徴的な効果があるようです。
そのためには、環境として設備の整った施設や、資格を持った療法士やインストラクターがいる施設を選ぶ必要があります。
本人と家族ができること
疲労対策を試みる
病気については、よく知ることと自己管理が基本です。今は、インターネットで何でも探すことができますから、様々な疲労対策の情報を調べて集めて、試してみましょう。
治療に役立つサプリメントや生活の工夫などは、一般でも聞くことがあります。実際、還元型コエンザイムQ10やメラトニンやLカルニチン、クロニジン、各種ビタミンは疲労や睡眠に効果のある栄養素として注目されています。
率先して教育に関わる
成績至上主義の学校社会では、子どもたちに正しい価値観を教えることは無理だし、子どもたちの成育に責任を持つべきは、まず家庭であり親なので、学校に丸投げせず、親もできるだけ多くの時間を子どもと共有することが大切です。
子どもの言葉に耳を傾け、手本を示すべきで、親が責任をもって教育に関わるなら、障害を持つ子でも個性豊かで発想に満ちた大人に育つ可能性があることは、アインシュタインやエジソンやダビンチなど、前例として多く示されています。
症状をキチンと説明する
CFSの患者は、見た目からでは病気に見えないため誤解されがちです。また子どもは自分の体調を上手に説明できないので、家族が子どもと他人との間に立って擁護する必要があります。
その際、子どもにも、徐々に自分で自分のことを表現できるように、手伝ってあげることも必要です。
学校以外の選択肢もある
発症すると、変わらず学校に通おうとするほど症状の重症化が進みます。
今の学校教育のシステムは、こうした生徒に合わせてはくれないので、一週間も休んでしまうと「もう付いて行けない」と思い込み、置いて行かれる焦りがストレスがを増し加え、回復を難しくしてしまいます。
今は、定時制高校や通信制高校や高卒認定試験といった多様な学校以外の選択肢がありますから、進学校に通っている場合には辛い選択になるでしょうが、治療を優先に考えると、必要かも知れません
充分な睡眠時間を確保する
睡眠時間の確保ができず生体リズムが乱れたまま、気力で学業に復帰しても、改善はされないので再発してしまいます。
復帰、再発を繰り返すと症状を重症化させてしまいます。CFSの研究においては睡眠が疲労回復に不可欠だと分かっています。
心にゆとりを
CCFSの子どもたちには、心に余裕を持つよう指導がされています。学校のカリキュラムとは裏腹に「不思議なことに勉強に一年や二年のブランクがあっても、数ヶ月で追いついてしまうこともある」と言われています。
要は焦らないことが重要で、心にゆとりを持つことでストレスから解放されれば症状の改善につながり、無理していては見えなかったことにも気づけて、新たな可能性につながるかも知れません。
愛して信じることを諦めない
愛情不足は生きる力を奪います。理解されず病状に苦しでいると、人は自信と価値を失って行きます。自尊心を失った子どもを守れるのは家族だけです。
黙っていても愛情は伝わらないので、どんな状態であろうとも、「愛しており、信じており、親は命をかけて守る覚悟がある」ということを言葉と行動で示しつづける必要があるのです。
最後に残る自尊心の基となるのは、誰かに愛されてる、信じられている、ということに尽きるのではないでしょうか? であるならば、それは当然、親の役割だと言えるでしょう。
参考元:小児慢性疲労症候群(CCFS)とは (5)治療法ーそれぞれの立場でできること
放課後デイサービス アレッタの紹介
放課後デイサービス アレッタは横浜市を拠点とし、子どもたちの自立や健全な育成のために、障害児と保護者をサポートしています。
「自分の意思で行動する子」を育てようと、指導員はキッカケを与える助け手として接しながら、子供たち自らが選択し、学べる環境を提供しています。
「自分でできる」という自信を持たせ、将来に安心して暮らすことができるようになるための、創意工夫を込めたお手伝いをしていますので、是非上記リンクよりご覧ください。
まとめ
発達障害には疲れやすいという症状を持つことがある中、発達障害を伴う慢性疲労の症状が出る、慢性疲労症候群や小児慢性疲労症候群という病気があるということが分かりました。
他にも、発達障害に似た症状と慢性疲労を併せ持つ病気が多種あり、何れも免疫系、神経系、内分泌系に影響を及ぼすものですが、原因は未だ明確にはなっていません。
症状が似通っており、明確な診断には総合病院や専門医にかかる必要がありますし、治療も心身両面から的確に、ストレスを避け焦らず無理せずに、じっくり時間をかけた思いやりにあふれたサポート体制と心構えが必要なようです。