今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害とペアレントトレーニング」です。
少子化の現代では、子育てに悩む親って多いですよね。
子供が発達障害の特性を持っていたら、ふつうの人よりも悩むことは多くなると思います。
子育てに自信が持てなかったり、育児ノイローゼ寸前ということも。
発達障害を持つ子供の親は、子育てに強い不安を抱きやすいとも言われています。
そこで、ペアレントトレーニングを理解することで、あなたの心が軽くなるかもしれません。
今回は、ペアレントトレーニングについて実践方法も交えてお伝えしますね。
目次
ペアレントトレーニングとは
ペアレントトレーニングは、英語で示すとParent(親)Training(訓練)。
つまり、親訓練のプログラムということ。
ペアレントトレーニングは、「好ましい行動」や「許しがたい行動」のように、子どもの行動に注目し、具体的にどのような対応ができるかを学んでいくプログラムのことです。
親は、子供と接する時間が誰がよりも長いので、ペアレントトレーニングを行うことで、24時間対応できるセラピストのような関係になれるかもしれません。
詳しいペアレントトレーニングの実践方法については、後ほどお伝えしますね。
ペアレントトレーニングは、発達障害の子供に限らず障害のない子供にとっても効果的な方法のひとつとも言われています。
ペアレントトレーニングの効果
ペアレントトレーニングの効果は、主に3つあげられます。
・親のストレスが軽減できる
・発達障害の子供への接し方が変わる
・子育ての仲間が見つかる
では、順に見ていきましょう!
親のストレスの軽減
ペアレントトレーニングの効果の1つ目は、親のストレスが軽減できるということ。
発達障害の子供を育てる親は、ストレスを抱えやすく精神的にも辛い思いをされている方がいます。
「どうしてうちの子供は、みんなと同じようにできないの・・・」と周りの子供たちと比較してしまうと苦しくなってしまいますよね。
ペアレントトレーニングでは、発達障害の子供との関わり方が学べるので、子供への接し方が変わり、ストレスが軽減されるという結果が見込めるそうです。
子供との接し方が変わる
ペアレントトレーニングの効果の2つ目は、子供との接し方が変わること。
発達障害の子供との接し方に迷うことってありますよね?
つい叱りたくなる場面もたくさん出てくることでしょう。
たとえば、注意欠陥・多動性障害(ADHD)の子供の場合は、落ち着きがなくじっとしていられない特性があるので、電車の中で動き回って周りに迷惑をかけてしまったりすることもあります。
そんなときは、叱りたくもなってしまいますよね。
ペアレントトレーニングを受けると、子供の行動の見え方が変わり、ほめることが増え、叱ることが自然と減っていくそうです。
子育ての仲間が見つかる
ペアレントトレーニングの効果の3つ目は、子育ての仲間が見つかること。
発達障害の子供を育てていく中で、同じ悩みを持った仲間との繋がりは、心に安心感を与えてくれます。
ペアレントトレーニングを通して出来た仲間との情報交換が、お互いにプラスに働くこともあるでしょう。
参考元:厚生労働省
ペアレントトレーニングの実践方法
では、ペアレントトレーニングの実践方法についてお伝えしますね。
その前に、ペアレントトレーニングをする上で「完璧」という言葉は、頭の片隅に置いておくと心が軽くなりますよ↓
できたら褒める
誰だって褒められたら嬉しいですよね。
発達障害を抱える子供を積極的に褒めていますか?
どうしても怒りたくなる場面は出てきてしまうかもしれませんが、ペアレントトレーニングでは、褒めるポイントを見つけることも大切です。
行動の目標を決めて、対応することで良くなる可能性がありますよ。
たとえば、『シャツを着る』という目標に対し、着る順番を決めてあげることでスムーズにいくこともあります。できたら思い切り褒めてあげましょうね。
また、『買い物をしているときに癇癪を起こさない』という目標に対しては、小さなお店で買い物の練習をしてみたり、子供の買いたいお菓子を1個だけ紙に書き、お店へ持参し子供に紙を見せながら買い物をしてみるなど。
癇癪を起こさずに買い物ができたら、褒めてあげることをお忘れなく。
参考元:厚生労働省
子供の行動に注目し良い循環へ導く
子供は、親の注目を集めたくて悪いことをすることもあります。
ちょっとした『いたずら』のつもりが、危険な行動(人や物を傷つける)だったということもあるかもしれません。
ペアレントトレーニングでは、子供を叱るのではなく、褒めることに着目します。
褒められることで、好ましい行動が増え、危険な行動が減っていくという良い循環へと導くお手伝いができるようです。
子供の行動を「好ましい行動」「好ましくない行動」「危険な行動」の3つに分け、それぞれ対処していくことで、子供との良い関係を築いていきます。
では、3つの行動について見ていきましょう!
好ましい行動
好ましい行動とは、挨拶ができることや着替えをすることなど。
子供ができていて、これからも増やして欲しいと思う行動です。
好ましい行動が見られたときは、しっかり褒めてあげることが大切。
褒めるときのポイントとしては、子供の行動を褒めてみること。
たとえば、子供が宿題をやり始めたら、「宿題を始めたの?偉いわね」と褒めてあげる。
子供がゴミを拾ってくれたら、「ゴミを拾ってくれたんだね」と子供の行動に気付いていることを知らせてみる。
褒めるというと「凄いね」と言いがちですが、ペアレントトレーニングでは、褒めるポイントを行動中心に考え、子供の「褒められて嬉しい」という気持ちに寄り添います。
子供が完璧にできなくても大丈夫!
行動を褒めることを意識すれば、褒めるポイントはたくさん出てきますよ。
好ましくない行動
好ましくない行動とは、騒いだり、ぐずることなど。
スーパーで買い物をしているときに、ぐずったり騒いだりすると、周りに迷惑をかけてしまうこともあります。
ゆっくりと買い物をしたいお客さんだっていますものね。
子供にしてほしくない行動や減らしてほしい行動が出た場合は、上手な無視を取り入れてみましょう。
無視というと心が痛む方もいるかと思いますが、子供が好ましくない行動を取ったときに、注目しないことで好ましい行動に切り替わるのを待っているのです。
反応しないことで、子供も少し考えるようになるのかもしれません。
もし、子供が好ましくない行動をやめたら、すぐに褒めてあげることがポイントです。
「無視」と「褒める」をセットにすると、子供も傷つけずに好ましい行動へと導けるのではないでしょうか。
危険な行動・許しがたい行動
危険な行動・許しがたい行動とは、自傷行為や周りの人への暴力、暴言、物を壊すことなどです。
特に、人を傷つけるような行為は許しがたい行動であり、すぐにやめさせたいと思いますよね。
危険な行動への対処法としては、「制限」を設けることとが有効のようです。
子供に危険なことをわかってもらい、自分で行動をコントロールするチャンスを与えてあげることがポイント。
ただし、制限は乱用しないよう注意する必要があります。
褒めてみたり、無視して褒めてみたりと試しても解決できないときに使うようにしましょう。
たとえば、ボールを投げて友達に怪我をさせてしまった場合。
次にボールを投げたら、10分間は使わせない等の制限を設けます。
子供が指示に従ったら、褒めてあげましょうね。
参考元:いきいき岩手支援財団
注意欠陥・多動性障害(ADHD)のペアレントトレーニング
注意欠陥・多動性障害(ADHD)は、落ち着きがなくじっとしていられないことが特徴です。
親は、子供の問題行動ばかりに目が行きがちで、つい叱りたくなってしまいますよね。
ペアレントトレーニングで「良いところ探し」ができるようになると、ちょっとした子供の好ましい行動に目を向ける習慣がつきはじめます。
一瞬でも集中できたら褒めてあげる!そうすると、子供も嬉しいですし、子供の障害の受容にもつながりやすいそうですよ。
自閉症スペクトラム障害(ASD)のペアレントトレーニング
自閉症スペクトラム障害(ASD)はこだわりが強いことが特徴です。
たとえば、ゲームに強いこだわりがあり、友達にゲームを譲らなかったり、いつまでもゲームに没頭してしまうことなど。
対処法としては、「悪い行動」と思われる行動のなかに「ましになった行動」など些細なことでも変化を見つけていくことができるようになると、子供への接し方も変わるでしょう。
ゲームの時間が短くできたら褒めてあげるのも大事なことです。
ペアレントトレーニングが受けられる場所
ペアレントトレーニングは、以下のような場所でも受けられるようなので、一度確認してみるのも良いかもしれません。
・発達障害者支援センターや教育センターなどの行政機関
・病院などの医療機関
・大学に付属している心理センター
・NPO法人
・民間や個人の事業所など
気になる場所があったら、まずは電話で確認してみることをおすすめします。
場所によって、ペアレントトレーニングの内容に違いがあるかもしれませんしね。
ペアレントトレーニングの費用
ペアレントトレーニングの費用は、受ける場所や時間、人数によっても違ってきます。
お住まいの行政機関であれば、無料~2,000円/回ほどで受けられるところも多くなってきているようです。
医療機関では、保険適用外となるので倍近い値段は考えておいた方が良さそうです。
マンツーマンのペアレントトレーニングだと5,000円/回以上することも・・・。
費用が気になる方はペアレントトレーニングの本で学ぶこともおすすめですよ。
おすすめの本
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参考元:楽天ブックス
施設紹介
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一人で抱え込み過ぎるといつか爆発してしまう怖さもありますよね。
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気になることがありましたら、一度相談してみるのも良いかもしれませんね。
お役立ち情報
発達障害お役立ちトピックスでは、様々なお悩みや症状についての記事を掲載しています。
参考になる情報が沢山あるので、良かったらのぞいてみてくださいね。
まとめ
今回は、発達障害とペアレントトレーニングについて解説しました。
ペアレントトレーニングは、発達障害の子供にとって有効な手段のひとつと考えられます。
褒めることは、可能性を引き出す魔法の言葉。
そして、褒めることで子供の好ましい行動が増えていくのは嬉しいことですよね。
悩みながらも一歩踏み出して、ペアレントトレーニングを学んでみたら、今の状況も変わるのかもしれませんよ。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。