今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。

今日のトピックは「発達障害 保育園」についてです。

最近発達障害はよく耳にする言葉になってきたのではないでしょうか?

この記事を見ているのは保育園の入園を検討している親御さんでしょうか。

あるいは入園後に発達障害と悩まれているのかもしれませんね。

今回は発達障害がある子は保育園に入園できるのか、そして入園後にも発達障害とわかった場合は取るべき対応や専門機関の紹介をしていきます。

発達障害があると入園できない?

インターネットやSNSで発達障害だから保育園に入園できなかったということを聞いたことはありませんか?

発達障害がある場合でも保育園に通園している子どもさんもいます。

しかし、保育園の事情により入園できない場合もあるようです。

以下の書き込みをご覧ください。

https://twitter.com/hattatsumama/status/1208715545249341441

発達障害を理由に断られたと書かれています。

法律では、正当な理由なく障害を理由にサービス(保育も含めて)の提供を拒否したり制限を受けたりするなどの障害者の権利や利益を侵害されることは禁止されています。

(参照:厚生労働省厚生労働省における障害を理由とする差別の解消の推進障害者差別解消法 福祉事業者向けガイドライン

そのため、文字通り障害を理由に入園拒否することは法律に反しているといえます。

ただし保育園側に正当な理由があった場合は例外ということになるようです。

根拠は何?

法律においての正当な理由とはなんでしょうか。以下をご覧ください。

正当な理由に相当するか否かについて、事業者は、個別の事案ごとに、障害 者、事業者、第三者の権利利益(例:安全の確保、財産の保全、事業の目的・ 内容・機能の維持、損害発生の防止など)の観点に鑑み、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断することが必要であり、事業者は、正当な理由が あると判断した場合には、障害者にその理由を説明するものとし、理解を得る よう努めることが望まれます。

引用元:厚生労働省厚生労働省における障害を理由とする差別の解消の推進障害者差別解消法 福祉事業者向けガイドラインより

繰り返しますが、発達障害があっても受け入れてくれる保育園も存在します。

そして保育園は年単位で通うことになるので、入園後の先生との関係も大切です。

入園後に注意したいこと

・先生とコミニュケーションを取り、親御さんがいつでも相談できるような関係を築きましょう

・子どもさんがより楽しく過ごせるように、効果的な方法や工夫などの情報を共有しましょう

しかし、残念ながら保育園側の体制や止むを得ない事情によっては親御さんの希望通りにはならない場合もあるというのが現状のようです。

まずは相談窓口へ

経済的に共働きを選択せざるを得ない場合は保育園を検討しなければなりませんよね。

保育園に預けたいけど、子どもが発達障害かもしれないあるいは発達障害を持っている場合は子どもの入園の可否は気がかりですよね。

まずは余裕を持って市町村の窓口に行き、子どもの状態を話して入園できそうな保育園を検討してみましょう。

そこで、障がい児保育や発達障害の子どもの経験がある保育園について聞いてみるのもいいですね。

保育園を検討する

候補が見つかったら、インターネットで口コミや評価を見てみるのもいいですね。

そして、保育園を実際に見学しましょう。

今後、保育園には年単位で通園するので見学の際に検討したいことををあげてみました。

見学で検討したいこと

・保育園の雰囲気

・保育園の先生が信頼できそうか

・障害がある子がいる場合の先生の体制、個別対応はできるか

・障害に応じた子どものケアやフォローアップがどこまで可能か

その他に保育園の行事や親御さんへ負担がどの程度になるのかも把握しておくと良いかもしれません。

いろいろな角度から検討した中で、親御さんがお子さんを気持ちよく信頼して預けられる保育園を選ぶということが一番大切ですよ。

発達障害はいつわかる?

発達障害とわかる年齢はその子によって異なります。

早くて1歳半から兆候がみられることもあります。

入園時にわからなくても入園後に発見される場合も多いようです。

発達障害と発見される経緯は保育園での集団生活が始まり、その子特有の特徴があることで親御さんや保育士に気づかれるということ多いようです。

保育園に通う年齢で発見されることが多い発達障害は、広汎性発達障害と注意欠陥多動性障害になります。

(参照 保育における発達障害の傾向がある子どもとその保護者への支援の実態 木曽陽子 2014 2月 )

発達障害がある子の特徴(一部)

・集団の指示がわからない、従えない、目立つ

・一人だけ違う行動をする

・友達とコミニュケーションが上手に取れない

・落ち着きがない

発達障害とは

発達障害は広汎性発達障害と注意欠陥多動障害の他に学習障害、チック、トゥレット症候群、吃音症、発達性協調運動障害などがあります。

(参照:厚生労働省|みんなのメンタルヘルス 発達障害 発達障害情報・支援センター|発達障害を理解する、発達障害に気づく)

発達障害については下記の引用もご覧ください。

生まれつき脳の一部の機能に障害があるという点が共通しています。同じ人に、いくつかのタイプの発達障害があることも珍しくなく、そのため、同じ障害がある人同士でもまったく似ていないように見えることがあります。

引用元:厚生労働省|みんなのメンタルヘルス 発達障害
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浩二
発達障害は「その特性を直す」ではなく「特性を理解して付き合っていく」という発想が大事です。
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静江
日常生活や保育園で過ごす時間を楽しく過ごせる様、その子の特徴に応じて工夫や療育など必要なことを検討をしていくことが大切です。
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浩二
そのためには親御さんと保育園の先生が子どもさんの発達障害のこと、困りごとを理解しましょう。そして両者とも協力してより良い環境を整えていく必要があります。

以下でそれぞれについて説明していきます。

広汎性発達障害(自閉症、アスペルガー症候群)

  • 会話の冗談などが理解できない
  • 暗黙のルールがわからない
  • 相手の気持ちがわからない
  • 他の子に関心がない、集団行動が苦手
  • 異常なこだわりがある
  • 臨機応変が苦手
  • 得意なことは何時間でも集中できる
発見される時期

1歳以降に発見されることが多い

自閉症の特徴を親御さんの目線で書かれている動画になっています。どうぞご覧ください。

注意欠陥多動性障害(AD/ H D)

  • 落ち着きがない
  • 順番を待てない、話に割り込む
  • うっかりミスや忘れ物が多い
  • 集中し続けるのが困難で最後までできない
  • 物事の段取りや整理整頓が苦手
発見される時期

3−4歳で早期発見されることもある

小学校在学中(7−12歳)で発見されることが最も多い

注意欠陥多動性障害は特徴によって多動性、注意力散漫、衝動性と種類が分かれています。

  • 多動性→おしゃべりが止まらない、待てない、ウロウロするなど
  • 注意力散漫→うっかりして同じ間違えを繰り返す
  • 衝動性→約束や決まりごとを守れない、衝動を抑えられない、せっかちでイライラしてしまうなど

下の動画はADHDの女の子の動画です。注意散漫の様子などが動画となっています。

学習障害(LD

  • 読む、書く、計算するなど特定の行為が難しい

学習障害の人は私たちとは見えている世界が違います。具体的には文字が消たり歪んだり、暗号のように見えるようです。

次の動画を見るとわかりやすいです。ご覧ください。

なので私たちが簡単と思えるような宿題や読書であっても学習障害を持つ子が同じことをしようとすると、驚くほど時間がかかったりできなかったりします。

発見される時期

小学校に入学する年齢になると学習障害がはっきりしてくることが多いようです

学習障害の自覚がなかったり、周りに理解されないために友達にからかわれたり先生に誤解されたりすることも残念ながらあります。

個人差がありますが電子機器を使えば他の子と同じように読み書きができる場合もあります。

なので、その子に合わせて柔軟に対応できるとその子の強みを生かすことができます。

知的障害を伴う場合も

発達障害は知的障害を伴うこともあります。

チック障害

自分の意思とは関係なく行う行為を意味しています。

自分で止めることもできません。

チック障害は、成人までに症状が軽快することもあります。

運動チックと音声チックの2つに分類されています。

解説

・運動チック
→まばたき、急に首を振る、顔をしかめる、などの素早い運動をする行為

・音声チック
→咳払い、鼻を鳴らす、奇声をあげる、特定の単語を繰り返すなどの行為

トゥレット症候群

運動チックと音声チックの両方が一年以上続く重症のチック障害のことを意味します。

吃音症

口ごもったり、言葉の出だしが困難だったり、話が休止したりなど流暢に話ができない状態です。

発達性協調運動障害

WHOの診断ガイドライン「ICD-10」によると、全体的知能の遅れや、協調運動の発達の重篤な機能障害を基本的徴候としています。

動作ができないことにより日常生活に支障がある場合を発達性協調運動障害と診断されます。

協調運動とは

感覚と動作など、同時・連動してする運動(動作)のこと

→スポーツを思い浮かべるとわかりやすい

発達障害の困りごととは

保育園などに通園する頃は発達障害の特徴が現れ始める時期になります。

そして特徴があることによって何か問題になるのか考えていきましょう。

コミニュケーションの問題

発達障害は脳の障害によって、お友達と会話が難しかったり興味が偏ったり相手の気持ちを理解するということが難しいですね。

集団のルールを理解できない、わからないこともあり集団生活に適応できないといった問題も出てきます。

これらの原因でが対人関係や集団生活でのトラブルを抱えることがあり、褒められることよりも注意されたりすることも多くなります。

そうなると自己肯定感も低くなり、自信も無くしてしまうこともあるかもしれません。

2次障害の可能性も

発達障害の自覚なく、そして周りも気づかず必要な対応や配慮がされない場合ストレスを溜め込む様になる可能性もあります。

そして、環境に適応できず2次障害(うつや不登校など)に移行してしまうという可能性もあります。

保育園の問題

保育園は基本的に大人数の子どもを少数の先生が担当して保育しています。

そのため、集団行動が理解できなかったり問題となる行動をしてしまう子がいると全員の子どもに目が行き届かずに必要な対応をすることが難しくなります。

保育士側のパワー不足や発達障害の子どもに必要な個別対応が困難になる場合もあり両者にとって不幸な結果になりかねません。

柔軟な対応も必要

発達障害の子は独自の世界の中で自分と周りを理解しています。

その特徴も一人一人違い個別に配慮をしていく必要がある場合もあります。

もしも、必要な対応が難しい場合は保育園側も親御さんも柔軟に考えて専門機関の受診や療育などを検討していく必要もあるかもしれません。

家庭と保育園の見解の不一致

家庭ではいい子なのに保育園に行くと聞かされる様子が違い驚くという声も時々耳にします。

お子さんにとって家庭と保育園では環境も違います。そのため、家庭での環境に適応できていても集団生活での適応ができず行動として出ている可能性もあります。

その結果保育園の先生と御両親が見解が違うのは仕方ない場合もあります。

保育園と協力してより良い環境を

家庭での過ごし方や工夫していることを保育園の先生に情報としてお話ししてみたり、保育園での行動を一緒に考えてみたりアドバイスを求めたりしてもいいですね。

いずれにしてもご両親と保育園の先生は認識が違う場合、子どもの状況を理解し考えながらその子にとって良い環境を一緒に考えて作っていくことが大切です。

親御さんがしていきたいこと

発達障害の早期発見

お子さんに発達障害があるまたは疑わしい場合には早期発見を行い、お子さんの困りごと対して理解して適切な対応をしていきたいですね。

そして、2次障害にならない様にその子に合った環境を整えていくこともとても大切です。

下の動画は自閉症の子どもが診断がついてから保育園と療育に通いながら過ごしている様子が動画となっています。参考までにご覧ください。

保育園との連携

発達障害を持っている子どもさんは少なからず集団生活において困難さを抱えている場合があります。

親御さんと過ごしているだけでは発見できない異変を保育園の先生などは感じている場合もあります。

保育園の先生と良い関係を築き気軽に相談できる関係になっておきたいですね。

家庭で困っていることに対しても具体的なアドバイスを求めるのもいいかもしれません。

子どもとの時間を大切に

普段から子どもさんに時間をとって、穏やかに話を聞いてあげてくださいね。

コミニュケーションをとって子どもさん理解を深めましょう。

子どもと話すことによって、親が理解できることや気づきが増えるかもしれません。

子どもと会話したり一緒に時間を過ごすことによって、子どもの異変に気付いてあげることもできるかもしれません。

意識して褒める

発達障害があるとどうしても注意されたり、理解されなくて辛い思いをすること多いです。

自己肯定感も低くなりがちなので、意識してできたことを褒めてあげて自尊感情を育ててあげたいですね。

家庭環境も大切

まだ保育園だと家庭にいる時間の方が多く子どもさんにとって大切な環境です。良い環境を作りたいものですね。

具体的には、ママやパパが良い関係でいたり、楽しい会話をしてみたり、子どもが居心地がいい環境を築いてあげましょう。

子どもを注意するとき

親の立場となると、子どもに「いいこと」「いけないこと」を伝えないといませんよね。

そうしたときに、注意したいことがあります。

  • その場で、簡潔に、わかりやすく
  • 顔を見て、穏やかにゆっくり話す
  • テンポの遅めの会話を心がける
  • 話に集中できるように環境を調整する
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浩二
ご両親の関わりはとても大切です。家庭での工夫も限界もあります。親御さんが頑張っても子どもにその想いが届かないこともあります。
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静江
身近に保育園もありますが発達障害の専門知識を持つ機関に相談することもできます。

相談窓口

相談窓口は以下に記載しました。

自治体の窓口

保健センター、保健所などで発達相談を行なっていますので問い合わせしてみてはいかがでしょうか。

そして市町村の1歳半健診、3歳児健診では医師や職員に発達や心配ごとなどを相談することもできます。

発達障害情報支援センター・療育

発達障害情報支援センターはお住まいの都道府県に設置されています。設置はこちらをご覧ください。

市町村の相談窓口から発達障害者支援センターを紹介される場合もあるようです。

受診する際には「今何に困っているのか」「何を相談したいのか」を考えておく相談がスムーズに進むようです。

準備しておきたいこと

母子手帳などの生まれてからの経過がわかるもの(生育歴)
・幼稚園や家庭での困ったエピソード
・その子の特徴など
(参照 発達障害情報・支援センター|こんなときどうする

放課後デイサービス

お子様が成長された際に参考にしていただければと思います

小学校に就学している子を対象に「放課後等デイサービス」があります。

放課後等デイサービスは、支援を必要とする障害のある子どもに対して、学校や家庭とは異なる時間、空間、人、体験等を通じて、個々の子どもの状況に 応じた発達支援を行うことにより、子どもの最善の利益の保障と健全な育成を図るものである。

引用元:厚生労働省|放課後等デイサービスガイドラインについて

このような施設もあります

放課後等デイサービス・アレッタでは、横浜市を中心に、小学1年生~高校3年生の児童を対象に事業を行っています。

発達障害を持つ子どもさんやその子どもを支えるご両親の負担は計り知れません。

それでも、お子さんの健やかな成長を見守っていきたいですよね。

アレッタではお子様の「お気に入りの場所」になれるように、そしてご両親の「一時的な休息の場」になれる場所を目指しています。

些細なことでも、どうぞお気軽にお問い合わせください。

まとめ

今回は発達障害がある子どもさんの場合は入園できるのか、そして親御さんが知っておいた方が良いと思われる内容を見てきました。

保育園に入れるかどうかも大切です。

しかし、保育園に入ってからも先生と信頼関係を築き子どもさんが過ごしやすいように環境を整えていくことも大切です。

しかし、親御さんも全てに対応できるわけではありません。

どうしよう、困ったとなったら保育園の先生や専門機関もありますのでひとりで思い詰めずに相談するようにしていくださいね。