皆さんこんにちは!本日も発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害との向き合い方」についてです。
最近「発達障害」というワードが周囲に認知されるようになりました。ところが、発達障害という言葉は知っていても、詳しい内容まで把握している人は多くありません。
「障害」という言葉が先走り、子供のちょっとした行動に「この子も障害を抱えているんじゃ…」と感じるという保護者は少なくないのです。
実際、発達障害を抱えていた場合、どう接していいのかわからないということもあるでしょう。
この記事では、発達障害に関する向き合い方について解説していきます。
目次
向き合い方は発達障害を正しく知る所から
「発達障害」という言葉が世間に周知されだしたのは、法改正され、メディアにも取り上げられる様になった2000年頃からです。
そして、発達障害は外傷等の特徴が無い為、「障害を抱えている」と明確に判断することができません。発達障害の確定診断は難しく、長期間におよぶ検査の結果により出されます。
勿論、症状の重さによっても判断は別れますが、グレーゾーンの場合では専門医でも判断が難しいと言えるでしょう。
つまり、周囲は勿論、自分自身ですら「これが障害」と判断することが難しいのです。
発達障害の症状にも重さがあります。「発達障害とは確定できないものの、軽度の障害を抱えている」状態です。
発達障害の特徴や向き合い方を理解することで、対応が楽になったり、悩みの解決につながったりなど、不安の軽減や解消することができます。
その為には、まず「発達障害を正しく知ること」が大切です。
そもそも発達障害とは?
発達障害とは、先天性による脳の伝達物質が少ないなど機能不全により、出来ること・出来ないことに極端な差が生まれてしまうことで、生活に支障が生じてしまう障害の総称を言います。
発達の凸凹という表現が多くあります。
定型発達児に比べ、「え?なんで?」と簡単なことが苦手だったりするんです。
逆に、周囲が驚く様な記憶力や集中力で、勉強ができるという場合もあります。
発達障害だからと言って、「必ず勉強ができない」ことはありません。
発達障害の原因は「脳」に関していていると言われていますが、この根本的な治療方法は見つかっていません。
また知的障害(精神遅滞)は無いものの、見えたり聞こえたりする様々の情報を正しく処理することが苦手な為、周囲から「あれ?」と思われることが多くあります。
ただ先に触れた様に、判断することは難しい特徴がある為、誤解を招きやすいのです。
決して生活環境によって発達障害を抱えてしまうということはありません。
3つに分類される発達障害
発達障害は様々な障害の総称ですが、大きく3つに分類されます。
- ASD:自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群
- ADHD:注意欠陥・多動性障害
- LD:学習障害
ASD:自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群
コミュニケーションに関する障害です。
- 空気を読んだ発言が苦手
- 相手の表情を読み解くことが苦手
- 相手の目を見て会話することが苦手
- 自分のペースを乱されることが苦手 など
コミュニケーションが苦手の為、口論に発展しやすくなってしまいます。また、自分のスペース(自分の遊び場書など)に他人が入ってくることを極端に嫌う場合があります。
結果的に1人で遊んでいることが多いと言えるでしょう。
ADHD:注意欠陥・多動性障害
注意散漫で、気になったモノには我慢できず行動してしまう特徴があります。この為、集団の輪を乱しやすいのです。
- 列に並ぶことが苦手なので、先頭に割込んでしまう
- 同じ場所にジッとしていることが苦手
- 集団行動から逸れやすくなるので迷子になりやすい
- 忘れ物や無くし物が多い など
様々な物や聞こえてくる音などに意識を向けてしまうことで、会話中でも他のことが気になってしまいます。注意散漫なので、物事に集中することが難しく、また物を置いた場所などを忘れやすくなってしまいます。
LD:学習障害
単語や文章を朗読したり、書き出したりなど学習面に関することが苦手な障害です。
- 本の朗読が苦手
- 文字の書き取りが苦手
- 簡単な計算が苦手
- ノートの線に沿って文字が書けない など
習った漢字や言葉でも、読むことが難しい場合があります。正しく見えていない為で、単語なら読めても文章になると途端に読めなくなるなど、見えている情報の処理が極端に苦手なのです。
この為、学ぶことに抵抗があり、学力低下に陥ることが多くあります。
多くに3つに別れますが、発達障害は併存していることが多くあります。例えばASDとADHDを抱えている人も少なくありません。そして、症状の重さも人により様々です。
また、上で紹介した症状に当てはまるからといって「必ず」障害を抱えているとは限りません。定型発達児でも当てはまる場合はあります。
発達障害かも…?と感じたら
これまでお伝えした様に、発達障害の判断は素人では出来ません。ですが、下記の様に
「育児がうまくいかない…」
「言うことを聞いてくれない…」
「保育園(または学校)などでトラブルが多い…」など
育児に対して不安を持ち、「もしかして発達障害なんじゃ…」と悩む保護者は少なくありません。
近くの児童相談所や小児科、精神科に相談してみることをおすすめします。
また、発達障害者支援センターと言う専門の支援機関が全国に展開しています。障害に対する悩みや相談、状態によっては専門病院の紹介などの対応もできますのでご利用下さい。
発達障害者支援センターは全国に展開していますが、各支援機関によって支援内容が異なる場合があります。事前に確認しておきましょう。
発達障害の向き合い方
発達障害による影響で、生きづらさを感じながら生活している人は多くいます。ただ、この障害に対して悩みや不安を感じているのは、当事者以外に家族も含まれます。さらに、保育園や学校、職場など周囲の環境によって様々でしょう。
ですが、障害を抱えた人との対応を知ることで、負担軽減にも繋がります。
障害を抱えている人への向き合い方
発達障害を抱える人はこだわりが強かったり、臨機応変な対応が苦手であったりと、周囲に合わせることが苦手な場面が多くあります。
この為、周囲も「何故できないんだろう…」とストレスに感じてしまうことが多いでしょう。
周囲にとって「できて当たり前」ができない場合もあるのです。
ただ、手順が決まっていることや、今後の予定が明確されている内容に関しては得意なことが多く、ルーティン化させることで驚くべき集中力を見せる場面もあります。
まずは、しっかり話し合い「得意なこと」「苦手なこと」を明確化させましょう。
- 100点を求めないこと。今のその人の状態を受け入れてあげる事
- 威圧的な態度や大声で接しない事
- 何に困っているのか声をかけてあげる、フォローしてあげる
成功体験をさせる
物事によっては、正しい判断が難しく「どうして良いのか分からない」状態になり、ボーっとしてしまう場合もあるでしょう。
周囲がフォローし、成功体験をさせることで、本人に自信を付けさせていきましょう。成功へのプロセスが本人の中で確立すれば、ルーティン化へ繋げることができます。
この際「良くできたね」「がんばったね」と沢山褒めてあげて下さい。
このある意味当然とも言える「褒める」ですが、とても重要なのです。
発達障害者が人と向き合う為には
発達障害を抱えることで、周囲とトラブルになってしまったり、相手との意思疎通ができなかったりする場面は多くあります。
発達障害に限ったことではありませんが、誰しも「失敗した!」と感じる場面はあります。大切なことは、そこから反省して学ぶことです。
- 繰り返さない工夫をする
- 傾聴を意識する
- 「お礼」「笑顔」「声は高いトーンで話す」ように接する
- 体調管理の徹底
繰り返さない工夫をする
誰しも失敗することはあります。
・その原因となったことは何だったのか
・今後はどう対応すべきなのか
・今後気をつけるべきことは何なのか
を明確にして記録しておきましょう。分からないことを「そのまま」にしておくと、また同じ失敗となりかねません。メモ帳などがあれば、正しい手順を記入し、後で読み返しても分かる様にしておきましょう。
メモはとっても、後で読み返してみたら「何が書いてあるのか分からない」なんてこともありますよね。それでは意味がありませんので、明確にしておきましょう。
ADHDを抱えている人の場合、メモをとっても「メモ帳そのもの」を無くしてしまう場合もあり得ます。「いつもの場所にしまう」までを1サイクルとして覚えておきましょう。
傾聴を意識する
傾聴(けいちょう)とは「熱心に耳を傾けること」を意味する言葉です。
好みの話題などでは、ついつい出しゃばってしまい失敗してしまうことも。話相手の意見を聞く際は、熱心に耳を傾けてみましょう。何が伝えたいのか分からない場合は、聞き直すことも大切です。
「前に言ったよね?」と信頼を損ねかねない状態にもなり得ます。
まずはひと呼吸おいて、相手の意見を聞き入れましょう。
「お礼」「笑顔」「声は高いトーンで話す」ように接する
コミュニケーションにおいて「礼儀」は欠かせません。トーンの低い声や無表情では、相手に自分の意志が伝わらない場合があるでしょう。併せて、極端な作り笑いは逆に失礼になる場合もあります。
落ち込んで気分が沈んでしまうことは誰にでもあります。相手との良い関係を結ぶには、明るい環境を意識していきましょう。
体調管理の徹底
発達障害を持つ脳は、疲れやすい傾向があります。そして、脳は、疲れると理性系の思考がダウンすると言われています。
つまり、感情が先走ってしまう、衝動性に駆られる。などの支障が出てきます。
そのため、脳を休ませること。いわゆる「睡眠」が大切です。
食事管理も大切ですが、規則正しい生活を送る様に心がけましょう。
発達障害と自分自身の向き合い方
発達障害は先天性による脳機能障害と言われています。早ければ3歳頃に診断されることがありますが、その一方で成人になってから診断されることも少なくありません。
発達障害は判断が難しく、世間に正しい情報が周知されていない現状も相まって「怠けている」「変わった人」と周囲から判断されやすいのです。
その結果、うつや引き篭りなどの二次障害を併発してしまう人も多くいます。
実際、私は成人してからADHDを抱えていることが分かりました。自分が「障害を抱えていた」という事実に不安を感じたことはあります。
ここで大切になってくるのが、発達障害との向き合い方です。
自分自身の「障害」としてでは無く、自分自身の「特性」として捉えていくことが大切です。
実際、カウンセリングにて教えて頂いた言葉です。
それ以降自分は、凸凹な人間だから、「人間味があふれているんだ。」と考えています。そして、得意を生かすことができれば、より心も豊かな生活ができると信じて一歩ずつ歩んでいます。
まとめ
社会生活には、様々な人がいます。その中には、健常者だけでなく、グレーゾーンの方、発達障害者など様々です。
発達障害という言葉は周知されてきましたが、その中身については把握されていないことが多くあります。
発達障害を抱えている人達は、決して相手を傷つけたいと考えている訳では無く、怠けているつもりもありません。ただ、臨機応変に対応することが苦手な場合が多いのです。
発達障害を抱えているから、「悪い」「よくない」という考え方でなく、
「人とは違う、特性があるんだよね。」
「人よりも苦手なところがあるんだよね。」 と
周囲の向き合い方の共有、より良い環境の整備が求められています。