今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害と転職」についてです。
今回は、発達障害のある方が転職を成功させる3つのポイントについてお伝えします。
これからお伝えするポイントをおさえて、ご自身にとっての適職を見つけましょう!
目次
発達障害者が転職を成功させる3つのポイント
令和元年に障害者雇用促進法が改正され、官民問わず障害者が働きやすい環境づくりがすすめられています。
法定雇用率も令和3年3月から0.1%の引き上げが決定しており、障害のある方にとっての働く場は広がり続けています。
参照:厚生労働省
しかし、仕事をする上で大切なのは、働くご本人の気持ちです。
ご本人が長く働きたいと思える職場への転職を成功させるためには、次のように3つのポイントがあります。
1.なぜ転職したいのか、理由を深く掘り下げる
2.前職をふまえ、自分に本当に適性のある仕事は何かを考える
3.信頼できる専門家に相談する
では、それぞれのポイントについて具体的にみていきましょう。
1.なぜ転職したいのか、理由を深く掘り下げる
1つ目のポイントは、なぜ転職したいのか、理由を深く掘り下げることです。
転職をしたいと考える背景には、人それぞれ何か理由があるはずです。なぜ転職したいと思うのか、その理由についてしっかりと把握する必要があります。
なぜなら、その理由によってはすぐにでも転職をした方がよい場合と、転職せずに今の職場にとどまった方がよい場合があるからです。
もしもその理由が、次のような策により改善の余地があると思えることなら、転職をする必要はないかもしれません。
・仕事の仕方を工夫する
・同僚や上司に相談する
・部署異動や担当変更をしてもらう
・医療機関やカウンセリングを受ける
・休暇をとったり、休職制度などを利用してしばらくの間休む
上記のような策では今の職場で改善をすることが不可能な場合は、転職を検討した方がよいかもしれません。
どちらの場合も、理由を考えることは自分とむきあうことにつながります。
自分自身としっかりむきあうことで、自分に本当に適性のある仕事を考えることができます。
現在の仕事に悩みがある場合に参考になる本をいくつか紹介します。
発達障害者が仕事をする際に参考になる本
転職をしようと考えている方は、今の仕事が自分に合わないと感じたり、うまくできないと感じているかもしれません。
そんな方にとって、仕事をする上で参考になりそうな本をいくつか紹介します。
ちょっとしたことでうまくいく 発達障害の人が上手に働くための本
こちらは、発達障害の影響により生じる仕事での問題を、具体的に解決する方法を解説しています。
PCの仕事術やコミュニケーション方法など、実践できるビジネススキルが多数掲載されています。
今の仕事を改善したい方や、転職後に活かしたい方どちらにもオススメの一冊です。
出版社:翔泳社
著者:對馬陽一郎、安尾 真美他
価格:1,760円(2020年12月現在)
・発達障害の特性を理解し、投薬以外での対策を網羅した一冊です
・実践アイディア満載で、日常に応用できました
・ASDとADHDで異なる対処法を示してくれていてよかったです
・ADHD特性の強い私には、文字が細かくて読みづらかったです
・事務職向きな内容で、サービス業には参考になりませんでした
発達障害の僕が「食える人」に変わった すごい仕事術
こちらは、発達障害の当事者である著者が、度重なる失敗からの試行錯誤により身につけた、「本当に役立つ」戦略がつめこまれた本です。
発達障害のある方だけでなく、グレーゾーンの方や仕事がうまくいかない人にも役立つ一冊です。
出版社:KADOKAWA
著者:借金玉
価格:1,540円(2020年12月現在)
・生きるすべがユーモアを交えてわかりやすくまとめられており、期待以上の一冊でした
・ここまでADHDを攻略している本に初めて出会いました
・当事者だけでなく、上司などの関係者も必読の本です
・すべての発達障害者向けではありませんでした
・内容が薄く、自分には役に立ちませんでした
要領がよくないと思い込んでいる人のための仕事術図鑑
こちらは、ADHDと診断された著者が、自信を持って仕事に取り組めるようになるまでにつちかった、技術や経験が凝縮された本です。
当たり前に仕事をして、平穏な毎日を過ごせるような「普通」ができるようになる方法を紹介しています。
今の仕事に悩みを抱えている方や転職を検討している方にオススメの一冊です。
出版社:サンクチュアリ出版
著者:F太、小鳥遊
価格:1,540円(2020年12月現在)
・とてもやさしく「できない」によりそうあたたかな図鑑でした
・自分は仕事ができないと思っている人に、絶対に読んでほしい一冊です
・仕事の沼に陥った時の打開策がビシッと書かれています
・図鑑とありますが、絵があまりありませんでした
・内容がうすく、自分には参考になりませんでした
このように、発達障害のある人でも仕事をうまくこなすために参考になる本はたくさんあります。
「これだ!」という一冊を持っておくと、仕事で困難な出来事があった場合に、お守りのような存在になってくれます。
このような本を読み、現在の仕事をもう少し続けてみようと思えた方は、ぜひこれからも続けてみてください。改善できる点は改善して、働きやすい職場を実現していきましょう。
反対に、やはり転職する必要があると感じた方は、ご自身に本当に適性のある仕事を考える必要があります。
本当に適性のある仕事の見つけ方について、くわしくみていきましょう。
2.前職をふまえ、自分に本当に適性のある仕事は何かを考える
2つ目のポイントは、前職をふまえ、自分に本当に適性のある仕事は何かを考えることです。
これまでの生活や働いた経験の中で、「うまくできたこと」や「苦労したこと」を具体的にあげていきます。
実体験にもとづいて得意なことや不得意なことを把握することで、次の仕事をリアルに想像することができます。
仕事において不得意なことをする必要がなく、得意なことを活かせるような職業を考えてみましょう。
適性をしっかりと理解してから仕事を探すことで、働いた後のミスマッチが起こりにくくなります。
発達障害のある方に向いている職業について取り上げた動画がいくつかありますので、紹介します。
このように、発達障害のある方には、向いている職業と向いていない職業があります。
もちろん障害の種類や程度に個人差があるように、向き不向きにも個人差があります。
すべてを鵜呑みにするのではなく、ご自身の特性や状況に照らし合わせて、本当に適性のある職業は何か、じっくり考えてみてください。
自分に適性のある職業のイメージができたら、次は専門家に相談してみましょう。専門的に相談できる機関について、くわしくみていきましょう。
3.信頼できる専門家に相談する
3つ目のポイントは、信頼できる専門家に相談することです。
転職をする決意が固まり、自分に適性のある仕事のイメージができたら、発達障害者の転職を専門としている次のような機関に相談してみましょう。
・転職エージェント
・就労移行支援事業所
・発達障害者支援センター
・地域障害者職業センター
・障害者就業・生活支援センター
参照:厚生労働省
発達障害者の転職を支援している機関は多数あり、信頼できる相談先を選ぶにはいくつか比較検討してみることをオススメします。
それぞれ特徴が異なりますので、ご自身に合ったサービスを見つけてみてください。
では、発達障害者の転職を支援している事業者をいくつか紹介します。
発達障害者の転職の支援を行っている事業者
転職支援を行っている事業者はたくさんありますが、発達障害のある方は、発達障害者の転職支援に力を入れている事業者を選ぶことをオススメします。
発達障害の特性をしっかりと理解した上で仕事を紹介してもらえる上、面接対策や就労後のフォローなど、手厚い支援を受けられる事業者もあります。
さまざまな事業者が発達障害のある方の支援を行っているので、ご自身の特性にあったサービスを見つけてみてください。
ここでは、発達障害者の転職支援を行っている事業者をいくつか紹介します。
dodaチャレンジ
dodaチャレンジでは、それぞれの障害(身体・精神・発達・知的)の特性にあわせた専門チームで障害者の転職を支援しています。
障害について豊富な知識をもつキャリアアドバイザーが、ひとりひとりの立場や状況を理解してサポートしています。
転職支援を行うだけでなく、精神(発達)障害者を雇用したことのない企業に対し雇用支援などを行い、障害をもつ方の雇用機会を創出しています。
dodaチャレンジの特徴は次のとおりです。
【キャリアアップを目指せる】
今よりもさらに活躍できる仕事をともに考え、アルバイト→契約社員→正社員など、キャリアアップも可能です。
【豊富な知識のあるキャリアアドバイザーが担当】
障害への深い知識を備えたキャリアアドバイザーが、ひとりひとりの障害に親身にむきあい、転職をサポートします。
【続けられる仕事に出会える】
丁寧なマッチングと支援により、高い定着率を実現しています。
【就労移行支援も受けられる】
就労移行支援事業所と連携し、働く準備を少しずつ整えられます。
【障害の状況により、業務内容を最適化できる】
企業側にかけあい、障害の状況にあわせて業務の内容を再構築します。
【幅広い年齢層に対応】
20代〜60代まで、幅広い年齢層において、実績があります。
【高い満足度】
サービスを受けた方の98%が、満足したとアンケートに回答しています。
参照:dodaチャレンジ
dodaチャレンジに関する口コミを紹介します。
・親身になって考えてくれて、納得のいく仕事につくことが出来ました
・フォローがきめ細かく、障害にあった支援をしてもらえました
・前職より年収が上がり、満足しています
・地方に住んでいるので、対面してカウンセリングが受けられず、テレビ電話での対応でした
・地方の求人が少なかったです
参照:転職サイト比較Plus
アビリティスタッフィング
アビリティスタッフィングは、人材事業大手のリクルートが手がける障害者専門の人材紹介事業です。
ひとりひとりの障害にあわせたサポートを目指し、登録者全員と会って就労支援を行っています。
アビリティスタッフィングの特徴は次のとおりです。
【キャリア面談】
専門のスタッフが、障害者雇用枠での就職活動に向けたポイントについて一緒に整理します。初めての方でも安心して相談できます。
【就活サポート】
求人紹介、面接対策、就業にむけた準備など、安心して転職活動ができるようにサポートします。
【就業後フォロー】
安心して仕事が続けられるよう、精神保健福祉士等の専門スタッフが就業後もサポートします。
【多数の就職支援実績】
精神障害の方を中心に、1000名を超える就職支援の実績があります。
参照:アビリティスタッフィング
アビリティスタッフィングに関する口コミを紹介します。
・障害者手帳二級を持っていますが、配慮してもらいながら働けるのでとても助かります
・障害を理解してくれて、面接の事前打ち合わせも丁寧なので、とても感謝しています
・アビリティスタッフィング経由で応募した求人が全て書類選考で落ちてしまいました
参照:ツイッター
ランスタッド チャレンジド
ランスタッドは、「チャレンジド」という障害者向けの転職支援サービスを行っています。
専任のコンサルタントが、面談から就職後のフォローまで一貫してサポートしています。
ランスタッドの特徴は次のとおりです。
【エントリーが簡単】
プロフィールや希望の職種など簡単な入力をするだけで、3分でエントリーが完了します。
【専任コンサルタントがサポート】
専任コンサルタントが面談から就労後のフォローまで一貫してサポートします。応募書類の添削や面接トレーニングなどを行っています。
【オーダーメイド求人】
障害の状況などや仕事への希望など、親身にカウンセリングを行い、ご本人にあった求人を紹介します。
参照:ランスタッド
ランスタッドチャレンジドに関する口コミを紹介します。
・障害者向けのハイレベルな求人(年収600〜800万円くらい)を提供してくれました
・最初の面談の際、地元まで来てくれました
・面談時間が長く、気持ちによりそって話を聞いてくれました
・障害者求人のハードルが高かったです
参照:ツイッター
リンクビー
リンクビーは、障害者の就職支援実績No.1のゼネラルパートナーズが実施する発達障害専門の就労支援サービスです。
発達障害を専門としているため、発達障害の方の特性や課題を深く理解し、効果的な支援を行っています。
リンクビーの特徴は次のとおりです。
【実践的な職業トレーニング】
実際の仕事に近い設定で働くシミュレーションをすることで、適性のある仕事を発見することができます。
【コミュニケーションスキル】
働く上で必要なコミュニケーションを数多く体験することで、場面に応じた対応ができるようになります。
【企業ネットワーク】
障害者の就職支援実績があるグループのネットワークにより、発達障害に理解のあるさまざまな企業とのご縁を創出しています。
【就職サポート】
安心して働けるよう、入社後も各機関と連携してサポートしています。
リンクビーに関する口コミを紹介します。
・発達障害専門なので、研究されているし、対策も的確でした
・仕事の環境に近い訓練方法を実施されています
・自己探求研修で、自分の軸を理解することができ、とてもためになりました
・失敗してもその都度相談して、一緒に成長をサポートしてくれました
・大手なので、利用者の数がとても多かったです
このように、さまざまな事業者が発達障害のある方の転職を成功させるために支援をしています。
自分の特性を理解して相談に乗ってくれる専門家は、仕事を探す上でとても心強い味方になるでしょう。
信頼できる相談先を見つけて、転職活動を実りのあるものにしていきましょう。
まとめ
今回は、発達障害のある方が、転職を成功させる3つのポイントについて紹介しました。
まずは自分自身をよく見つめ直し、本当に適性のある職業は何か、しっかりと把握することが大切です。
そして転職を急ぐのではなく、本当に転職をするべきなのかしっかりと判断しましょう。
働く時間は、人生の中の大半を占める大切な時間です。
ご自身の特性とうまく付き合い、本当に適性のある職業につけるよう、自分自身としっかりむきあってみましょう!