今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害児の育児」についてです。
ここでは、発達障害のあるお子さんを育児している親御さんたちの「リアルな声」に焦点をあてて、実際にみなさんが抱えている困難や、その向き合い方についてのエピソードを紹介します。
山あり谷ありだと思っていたこれからの人生が、少しでも平坦な道のりになるよう、同じ境遇の方たちの声を一緒に聞いてみましょう!
目次
発達障害児の特徴
まずは発達障害のあるお子さんに共通する特徴について、発達障害のタイプごとに紹介します。ご自身のお子さんにぴったり当てはまるものもあれば、まったく当てはまらないものもあるかもしれません。
発達障害は大きくわけて「ASD(自閉スペクトラム症)」「ADHD(注意欠如・多動性障害)」「LD(学習障害)」の3つのタイプがあります。
・視線が合わない
・反応がとぼしい
・人見知りをしない
・親の後追いをしない
・空気を読むのが苦手
・対人関係をきずくのが苦手
・名前をよんでも反応しない
・長時間ひとり遊びに夢中になっている
・自分で指さしをせず、人の手を使ってしめす
・切りかえることが苦手
・集団行動が苦手
・かんしゃくを起こす
・好き嫌いが激しい
参照:こころの健康情報局 「すまいるナビゲーター」
ASDのお子さんは、人とかかわる場面において苦労することが多いのが特徴です。他人に興味をもたず、自分の世界に没頭して夢中になるような傾向があります。
・集中力がない
・気が散ってしまう
・物をなくしてしまう
・活動に順序よく取りくむことができない
・じっとしているのが苦手
・座っていられない
・おとなしく遊べない
・落ち着きがない
・おしゃべりがとまらない
・順番をまっていることができない
・他人に割りこんでしまう
参照:e-ヘルスネット、みんなのメンタルヘルス総合サイト
ADHDのお子さんは、じっとしているのが苦手で、落ち着きがないのが特徴です。目の前のことに集中できず、気が散りやすい傾向があります。
・聞く、読む、話す、書く、計算するなど、どれかが極端に苦手である
・間違えずにすらすらと読むことが苦手である
・音読みもしくは訓読みしかできない
・文字を覚えるのが苦手である
・数を数えるのが苦手である
・数字の大小を覚えるのが苦手である
・簡単な計算をすることが苦手である
・時計を読むのが苦手である
・図形を模写するのが苦手である
参照:e-ヘルスネット
LDのお子さんは、特定の分野の学習が極端に苦手なことが特徴です。文字の読み書きや計算など個人差が非常に大きい傾向にあります。
このように、発達障害にはさまざまな特徴があります。その症状は個人差が大きく、幼少期に気づく場合もあれば、大人になって初めて気づく場合もあります。
そして、ひとつの項目だけ当てはまる軽いケースから、いくつもの項目が複合的に当てはまるケースもあります。
発達障害といっても、とてもひとくくりにはできないということがわかります。
「発達障害だから」と考え方を固定するのではなく、お子さんひとりひとりの個性に合わせ、それぞれの適した方法で向き合うことが大切です。
発達障害についての相談先
まだ発達障害の診断を受けていないという方も、上記の中でお子さんに当てはまる項目があり、生活する上で困っていることや不安なことがある場合は、まずは専門家に相談してみましょう。
相談窓口はさまざまな機関に設置されているので、ご自身が相談しやすい相談先を選びましょう。ここでは、代表的な相談窓口についていくつか紹介します。
相談窓口
自治体の発達相談窓口
お住まいの市区町村の障害福祉関係の課、もしくは子ども家庭関係の課などにお子さんの発達相談ができる窓口があります。自治体によりその設置場所は異なりますので、ご不明な場合はお住まいの市区町村の総合相談窓口に確認してみましょう。
参考:横浜市戸塚区
自治体の保健センター
お住まいの市区町村の保健センターには、保健師や看護師などがおり、お子さんの発達に関して総合的に相談にのってもらうことができます。新生児訪問や定期健診などを行っているので、その時の自然な流れで相談することもできます。
参考:東京都墨田区
発達障害支援センター
発達障害支援センターでは、日常生活のさまざまな場面について総合的に相談をすることができます。保健、医療、福祉、教育などさまざまな分野の専門家が連携して助言や指導を行っています。
参考:国立障害者リハビリテーションセンター・発達障害情報・支援センター
療育センター
療育センターでは、保健センターや児童相談所、保育所など地域の施設と連携をとりながら総合的な支援を行っています。診断から訓練まで専門の職員が一貫した支援を実施しています。
小児科、児童精神科
小児科や児童精神科では、発達障害の総合的な診断の他に、心理的なカウンセリングや個別のトレーニングなどを実施しているところもあります。
参考:日本小児神経学会
放課後等デイサービス
放課後等デイサービスでは、学校の授業終了後などにお子さんの療育を行っています。障害のあるお子さんだけでなくその親御さんのサポートにも力を入れており、お子さん自身が自分の意思で行動できるよう、手助けをしています。
当記事をHPに掲載している「アレッタ」も放課後等児童デイサービスを提供しています。ぜひ参考にHPをご覧ください。
アレッタが目指すもの
子供達の未来に選択肢が増えるように、また、その事で本人が自分に自信が持て充実した日々が送れるお手伝いをさせて頂けることを目指しております。
引用元:放課後等児童デイサービス アレッタ
このように、自治体から民間の機関までさまざまな相談先があります。相談先がありすぎてどこに相談したらよいか迷ってしまうという場合は、まずは自治体の発達相談窓口に相談してみましょう。
自治体の発達相談窓口では、発達障害にかかわらずお子さんやご家庭のことについて総合的に相談にのってもらうことができます。必要に応じて他の専門機関を紹介してもらうことができるので、小さなことでも気軽に話してみましょう。
そして、ひとりで抱えこまずに、これから先も長い間頼ることができる、心強い相談相手をみつけましょう。
発達障害と診断されたら
障害を受け入れることは簡単なことではありません。
もしもお子さんが発達障害と診断されたら、親御さんの心の中にはさまざま想いがかけめぐるかもしれません。
驚き、衝撃、悲しみ、怒り、疑問、否定、不安、モヤモヤ…。
このように複雑な想いが混ざり合い、さまざまな負の感情が複合的にあらわれるかもしれません。
しかし、それとは反対に、専門家である第三者からはっきりと診断をされたことで、スッキリしたという場合もあるようです。
実際にどのような感情が生じたのか、経験者の方たちの声を聞いてみましょう。
発達障害であると診断され、ショックを受けたケース
お子さんが発達障害であると診断され、ショックを受ける親御さんはたくさんいます。
まさかわが子が…と落ち込む方もいらっしゃれば、なんとなく可能性を想像していたけれど、予想外に2つ以上の種類を併発していてショックを受けた方など、その状況もさまざまです。
発達障害であると覚悟していたケース
あらかじめ覚悟していた方でも、実際に診断を受けたことにより周りの反応に悩まされる場合もあります。
発達障害と診断されほっとしたケース
診断されたことによりお子さんの発達障害をしっかり受け止めることができ、ほっとしたという方もいらっしゃいます。はっきりと診断されたことにより、これからの色々な場面での対応を前向きに考えることができるのかもしれません。
発達障害と診断されたことにより、周りの配慮が受けやすくなったケース
このように、ひとことでは言い表せない複雑な心境を多くの方が抱えています。
そして、時間とともに受け入れることができたケースもあれば、いくら時間がたってもなかなか受け入れられずに葛藤をし続けているケースもあります。
発達障害の症状がさまざまであるように、発達障害の受け止め方もご家庭によってさまざまであることがわかります。
発達障害児の育児への向き合い方
では、この複雑な心境に対して、みなさんどのような対処をしているのでしょうか。
発達障害児の育児への向き合い方について、経験者の方たちの声を聞いてみましょう。
発達障害児を育児している親御さんたちの声
そしてこちらは、実際に発達障害児の育児に奮闘する方の動画です。
発達障害の症状には個人差があることから、どうしても家族だけで抱え込んでしまう場合があります。
しかし、発達障害のあるお子さんを育児している中で心が楽になってきたという親御さんたちに共通しているのは、周りの人とのかかわりの影響が大きいということです。
個人の症状が違うためすべてにおいて共感できなくても、「孤独で困難な状況にある」ということは共通しています。よって、悩みをオープンにすることで、ともに支えながら奮闘していく心強い存在ができるのです。
発達障害児の育児をする上で読んでおきたい本
発達障害についての書籍を読むことで、心が楽になったという方もいます。
発達障害をもつお子さんの育児をする上で参考になる本を2冊紹介します。
まずはこちらです。
読み書きが困難なLDのお子さんへの対応について、具体例を紹介した1冊です。目には見えないお子さんが抱える苦しさについて、理解を深めることができます。
怠けてなんかない!posted with ヨメレバ品川裕香 岩崎書店 2003年11月 楽天ブックスで探すAmazonで探す
続いて、2冊目はこちらです。
親御さんからの言葉のかけ方次第で、お子さんを大きく伸ばすことができるという1冊です。
お子さんへの対応に困っている親御さんには、ぜひ読んでいただきたい内容です。
発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけposted with ヨメレバshizu/平岩 幹男 講談社 2013年12月 楽天ブックスで探すAmazonで探す
このように、十人十色である発達障害児の育児については、それぞれのお子さんに合った向き合い方を見つける必要があります。
ご自身のお子さんと照らし合わせ、参考になる事例がひとつでもあれば、どんどん吸収して役立ててみてください。
発達障害児の育児をする中での喜び
発達障害をもつお子さんと奮闘する毎日には、困難ばかりではなくもちろん喜びの瞬間もあります。そんなほほえましい瞬間の声を紹介します。
このほかにも、次のような喜びの瞬間があげられます。
- 初めて夜にひとりでベッドに向かうことができた
- 普段は言わないような感謝の気持ちを一生懸命伝えてくれた
- 発達障害と診断されてから徐々に環境に適応できるようになり、感情をコントロールできるようになってきた
このように、日常の中にほっとできる幸せな瞬間があると、心が穏やかになります。
今は苦労することばかりで前向きな気持ちにはなれないという方も、いつかはほっとできる瞬間が訪れるかもしれません。
このことを頭の片すみに置いておくと、日々の生活の励みになるかもしれません。
まとめ
発達障害のあるお子さんの育児は、発達障害のないお子さんに比べてさまざまな困難があり、まさに山あり谷ありの状態です。
しかし、そんな困難な毎日の中でも、「できた」という喜びや、「楽しい」というワクワクした気持ちを感じる瞬間はどこかにあるはずです。
悩みを共有できずにひとりで抱えてしまうケースも多いようですが、どうかひとりで抱えこまずに、頼れる存在を見つけてください。
世の中には発達障害をもつ多くの子どもたちと接してきたプロがたくさんいます。まずはご自身やご家族が抱えている不安な気持ちをオープンにして、お子さんをチームで支えていきましょう。