今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害と絵が下手なこと」の因果関係についてです。
子供がお絵かきをはじめたとき、点と丸だけの絵でも感動しませんでしたか?どんな絵でも可愛いと思ってしまう年代ってありますよね。
しかし、子供が小学校で絵を書く授業があったとき、うまく絵が書けなかったら、あなたはどう思いますか?
「少しずつうまくなるでしょう」と楽観的に思っていても、子供は心の中で「なんで上手く書けないんだ」と葛藤していることもあるのかもしれません。
そこで、今回は発達障害の子供と絵が下手なことの関係性と対策についてお伝えしますね。
目次
発達障害者に絵が下手な子供が多い理由
発達障害者に絵が下手な子供が多いと言われているのは事実です。
しかし、発達障害だからといって、必ずしも絵が下手というわけではありません。また、絵が下手だからと言って、発達障害があるとも言い切れません。
また、年齢別に絵の特徴を比べた動画があるので、そちらもご覧ください。
「定型発達」「ADHD」「ASD」の絵の違いがとてもわかりやすく解説されています。
それでは、詳しい理由を探っていきましょう!
発達障害でも絵が上手い子供がいれば、絵が下手でも発達障害ではない子供もいます。
理由1:頭の中でイメージできない
頭の中で対象のものをイメージすることが難しく、丸を書こうと思っても、まんまるにならなかったり、線同士がつながらないことも。
目の前にある風景を記憶し、目を閉じると何となく景色が思い浮かぶという感覚も、発達障害の特性があると難しいことがあるようです。
特に、学習障害(LD)やADHD(注意欠陥・多動性障害)の子供に視空間認知能力が弱い傾向があると言われています。
視空間認知能力とは、物の高さ・方向・空間・距離・奥行などを把握する能力のことで、認知能力の中でも発達障害と関係性が深い場合を表します。
発達障害と空間認知能力についての詳しい記事はこちらです↓
理由2:色彩の曖昧さがわからない
水彩画は淡い色味が特徴的で、繊細な色使いの素敵な絵画が多いといえます。
実際に、小学校の授業でも水彩画を描くことはありますが、発達障害の子供にとって曖昧な色味を表現することが難しい場合もあります。どの色を使ったら良いのかわからず、手が止まってしまうことも…。
発達障害児にも心の葛藤がある
色使いがわからない、丸が上手く描けない・・・。
手伝う側からすれば、困っている友達を助けてあげている。ただ、手伝われている側からすると、お節介だと思ってしまうこともあります。
要するに、自分で最後までやり遂げたかったんですよね…↓
理由3:発達性協調運動障害(手足と頭がうまく連動しない)
発達障害者に絵が下手な子供が多い理由として、発達性協調運動障害が影響している場合もあります。
協調運動とは、両手、両足、手足などそれぞれ別の動作を同時に行う運動のことを示します。
たとえば、ボールを投げるときに、足を一歩踏み出し、手に持ったボールを勢よく飛ばしますよね。
縄跳びをするときも、動く縄をしっかり目で確認しながら、飛び跳ねます。
絵を描くときは、目で対象物を見て、手を使って描きます。
このように、無意識にもできることが協調運動。発達性協調運動障害は、身体のパーツを上手く連動しながら動かせません。
手先が不器用で、絵がうまく描けないのも、発達性協調運動障害があったからという場合もあります。
発達性協調運動障害は、注意欠陥・多動性障害(ADHD)や学習障害(LD)との合併が認められることもあるそうです。
▼協調運動障害について詳しく知りたい方は、下記記事をご参照ください。
絵が下手な子供を伸ばす方法
絵が下手だと落ち込みやすくもなりますよね。周りの子供と比べてしまうと余計に辛くなってしまいます。
絵が下手だと悩む前に、いくつか方法をお伝えしますので、試してみるのも良いかもしれませんよ。
描けた絵を褒めてあげる
発達障害の特性を持ちながら、絵を仕上げることは難しいこともあります。
一生懸命書いた絵は、子供にとっても宝物のような存在。だからこそ、子供が【頑張って描き上げたこと】をたくさん褒めてあげましょう。
途中で手が止まってしまっても焦らず見守る姿勢が大切です。
もし十分に描き上げられなくても、お子さんが出来た部分を褒めてあげれば自信を保ち、次につなげられます。
褒め方のポイント
「そうはいっても、とても上手ね~とか、すごいね~とか言える絵じゃないのにどうすればいいの?」と思われた方もいるかと思います。
ポイントは、結果ではなく過程を褒めることと、認めることです。例としては「最後まで丁寧に描けたね」「線が力強いね」「ここの色使い、お母さんは好きだな~」など。
上手い下手とは関係ないポイントをしっかり子供に伝えましょう。
番号と色を連動させる
色鉛筆に番号を振って、絵に色を塗るときにそっとアドバイスしてあげるのもひとつの方法です。
たとえば、肌の色は○番。
髪の毛の色は△番というように、番号と色をセットにしてあげると、発達障害の子供にとっても絵が描きやすくなります。
曖昧な色が苦手な子供にとっては、とても効果的ですよ。
ただし色使いはあくまで子供主体で決めてもらいます。迷っているところや困っている場面が見えたら、保護者の方が手伝うスタンスでいてください。
声かけをしてからお手伝いしてあげれば、子供の気持ちに寄り添いつつ前進することができますよ。
本を活用する
絵がうまく描けるようになりたい!という気持ちを尊重して、本を活用してみるのも効果的です。
描きたい気持ちをぐんぐん伸ばす!えがうまくなるほん
真似していくうちに、絵が書けるようになる仕組みの本です。
今回紹介するのは3~4歳向けですが、5~6歳向けもありますので、お子さんに合わせて検討してください。
価格 | 792(税込) |
対象年齢 | 3・4歳 |
発売日 | 2011年2月 |
ページ数 | 64ページ |
総合評価 | 3.67/3件 |
【良い口コミ】
・図工や美術の成績は芳しくなかったので、指導なんてできませんという人には参考になると思います。
・希望を込めて購入しました。楽しんでやっているのでOKかな。
【悪い口コミ】
・そんなに興味ないみたいです。
決定版 1日10分でえがじょうずにかけるほん
2006年以来、シリーズ100万部を超えるベストセラーとなった本の決定版です。
価格 | 1,078円(税込) |
対象年齢 | 6歳~小学校低学年 |
発売日 | 2015年2月 |
ページ数 | 72ページ |
総合評価 | 4.4/5件 |
【良い口コミ】
- 子供が使いやすく、とても良かったです。シリーズを購入したかったのですが、もう販売されていないようで、この本があって良かったです。
- お絵描き大好きだけど思った通りに描けないという長男児に購入。分かりやすく親子で楽しみながら描いています。
【悪い口コミ】
- 小学生には絵柄が子供っぽく見えてしまったようで、全く食いついてもらえませんでした。
本を活用することはおすすめではあるものの、子供の「描きたい」という気持ちを一番に考えてあげることが優先です。
絵が下手でも悲観しないこと
対策を講じても上手くいかない場合はありますが、絵が下手だからといって決して悲観しないでください。
発達障害の特性が影響してうまく絵が書けない場合があったとしても、定型型のお子さんにだって苦手なものはあるからです。
アインシュタインだって、坂本龍馬だって、発達障害があったのかもしれないと言われていますが、後世まで名を残すほどの偉業を遂げていますよね。
発達障害だからと言って色眼鏡で見ることはやめましょう。お子さんの個性を伸ばすお手伝いができたら、素敵な人生を歩めそうな気がしませんか?
施設紹介
発達障害の子供を育てる中で、モヤモヤしてしまうことはありませんか?一人で抱え込んでいるのも辛いですよね。
不安に思ったり心配ごとが出てきたら、放課後等デイサービス・アレッタがあなたのお役に立てるかもしれません。
放課後等デイサービス・アレッタでは、心身に障害のある小学校1年生〜高校3年生までの児童を対象にサービスを提供しています。
デイサービスと言っても高齢者の介護とは異なります。障害を抱えた児童や親御さんの休息の場にもなるでしょう。気になることがありましたら、一度相談してみるのも良いかもしれませんね。
お役立ち情報
発達障害お役立ちトピックスでは、様々なお悩みや症状についての記事を掲載しています。
参考になる情報が沢山あるので、良かったらのぞいてみてくださいね。
まとめ
今回は発達障害の子供と絵が下手なことの関係性と対策について解説しました。
発達障害であるからといって絵が下手と決めつけず、今より絵が描けるようになる方法を試してみませんか?
感覚過敏だからこそ物事を繊細に捉えられるのかもしれません。
自閉症スペクトラム障害で過集中になってしまうことも、裏を返せば絵に没頭できるということです。
子供の特性を伸ばしつつ、どんな絵でも褒めてあげる!本を活用したり色を塗るための道筋を作ってあげるなどの対策を取りつつ、子供と一緒に大切な絵を作り上げてくださいね。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。