今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「療育運動の効果」についてです。
療育というとなんだか難しそうなイメージは、ありませんか?
実は、簡単です。
取り入れ方を工夫すれば、子どもも嫌がらずに始めることができます。
親子遊びにもなるので、コミュニケーションの一つにもなります。
目次
療育運動とは、どんな運動?
体の動きを柔軟にしていく運動です。
漠然としていて、わかりにくいですね。
体を動かすには、脳から適切な指令をだすことが重要になります。
療育運動は、体の筋肉の動かし方を脳に覚えさせたり、脳が適切に指令をだせるように訓練する運動療法です。
療育運動を実施している施設など
療育センターや児童発達支援センター、放課後等デイサービスなどで、療育運動を受けることができます。
療育センターでは、医師の指示をもとに療育を進めます。理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの資格を持った専門職が、一人ひとりに合わせた療育をおこないます。
難点は、全国的に少ないことです。お住まいの地域から通うことが難しい場合もあります。
児童発達支援センターでは、主に未就学児が療育を受けています。幼いころから療育を受けることで、発達を促進することができるといわれています。
障害児通所給付の対象になる療育施設です。
全国の支援センターは、こちらで確認できます。
発達障害者支援センター一覧
放課後等デイサービスでは、主に小学生・中学生・高校生が療育を受けます。療育運動に特化している事業所の他に、月間プログラムに療育運動を取り入れているところがあります。
こちらも、障害児通所給付の対象になる療育施設です。
障害児通所給付とは
療育施設などに通う児童が、障害児通所給付受給者証を発行することにより、自己負担金を軽減できる制度です。
障害者手帳などの有無にかかわらず、医師からの診断があれば申請することができます。
申請先は、お住まいの地域の役所などです。
受給者証は、市町村によって形や、枚数に違いがあります。
受給できる内容や、一月の自己負担上限額の記載があります。
自宅でできる療育運動
自宅でもできることはないかな?と気になりますよね。
答えは、あります。
家庭でのお手伝いは、自然と療育運動になっている場合が多いです。
親子遊びで療育を意識したい場合は、動画を参考にしてみてください。
動画に出てくるものは、自宅にあるもので代用できます。
療育運動に期待できる効果
体を動かすことを、総合的に運動といいますね。
しかし、授業の体育のような運動ばかりではありません。
歩く・走る・蹴る・跳ねるなどの全身を使う動作や、折り紙を折る・指遊びなどの手指を使う小さな運動があります。
どちらも、脳を働かせて出来る動きです。
脳は、手や足を動かす指令だけでなく、目で追う・判断するなどの指令をだしています。
全身を使う粗大運動
大きな体の動きを伴う運動のことを粗大運動といいます。
リズムに合わせてジャンプする運動は、聞く・合わせる・跳ねるを組み合わせて初めてできる動作です。
粗大運動は、姿勢を良くする効果もあります。
じっとしていられない子どもが、大きく体を動かせる時間があると理解することで、授業中に椅子に座っていられる時間が長くなるなどのメリハリをつける効果もあります。
手指を使う微細運動
手指の細かい動作を、微細運動といい、先ほどの動画にあるような、自宅でできる遊びでも運動することができます。
お箸や鉛筆を正しく持てるようになったり、1本1本の指動作が細かくできるようになることで、力の入れ具合を調整できるようになる効果があります。
運動が苦手な子どもの心中
本人は、頑張っているのに、できないと思われてしまい、ショックを受けています。
ショックを受けてしまうと、自信が持てなくなり、やる気もだせなくなります。
子どもは、脳が柔軟なので良い療育を受けることで「できない」が「できる」にかわっていくことが可能です。
できないからと諦めず、基礎運動から少しずつ療育を始めてみましょう。
発達性協調運動障害(DCD)
発達障害と診断されている子どもに多いのが、発達性強調運動障害を併合している場合です。
発達性協調運動障害とは、ボールを両手で投げる動作を想像してみてください。
右手と左手の力加減を同じくらいにすることが難しいとどうなるでしょうか。
ボールをまっすぐ投げることができないですね。
力加減や動作を同じにすることができれば、まっすく投げることができます。
両手足を、別々に動かしたり、同じように動かしたりすることを協調性運動といいます。
動作が均等にできなかったり、階段で右左右左と足を動かせないような症状を、発達性協調運動障害といわれています。
感覚を身につけ運動を紹介している、作業療法士監修の本を紹介します。発達のつまずきに焦点を当てた本です。
子ども社会
見た目に分かりにくい発達障害ですが、運動や動作に障害があると、子どもの目でみてもわかりますね。
子どもは、見たままを話すので、話題になりがちです。
そこで、助け合えればいいのですが、茶化してしまうこともあります。
特に悪気のない一言が、辛い思いを与えてしまう場合もあるのです。
もし、運動障害かな?と感じる出来事があったら、早めに担任の先生や医療機関に相談しましょう。
興味のあることを取り入れる
苦手意識を持ってしまうと、運動に誘っても嫌がってしまいます。
そんなときは、子どもの興味のあることを探しましょう。
最初の一歩は、程遠いことかもしれません。
しかし、小さな段階を経ていけば、目標が達成できるかもしれません。
目標:階段を上る
- 椅子に座って左右の膝を交互に動かせるよう風船遊びをする
- 立って足踏み運動をする(好きな音楽に合わせてみる)
- 動画で階段を上る動作を見せる(アニメなどを活用)
- 1段だけ階段を上ってみる(右と左を1回ずつ)
- 2段上ってみる
このように、少しずつステップアップできるような療育を、家庭でも実践することができます。
すぐにできるようにはなりません。しかし、長い目でみると「できる」ようになります。
子どもが生き生きできる環境
子どもがストレスを抱えてしまうと、情緒不安定になってしまい、癇癪に繋がってしまうこともありますよね。
家族がストレスを抱えてしまっても、子どもに伝染するので同じことがいえます。なので、常日頃からストレスを貯めないよう発散する機会をつくることが大切です。
大人は、ある程度自分で発散方法を探せますが、子どもはまだできません。
メリハリをつけて、自由にできる時間を設定してあげるなど、対策を考えてみましょう。
失敗しても傷つかないように
失敗することを嫌がるのは、大人も子どもも関係ありません。
「失敗しても大丈夫なんだと思える環境づくり」が大切です。
「失敗しても、次がある。また挑戦すればいいんだ!」と思えれば、傷つかずに次に目を向けることができます。
その子のペースに合わせて
個人のペースに合わせて、のびのび運動できる環境があれば、子どもが緊張したりプレッシャーを感じることも少なくなります。
幼いうちは、どんどん新しい事に挑戦したくなったり、思いがけない行動をすることがあります。
見た目に分かりづらくても、子供は好奇心旺盛です。
その子にあったペースで運動できるよう、安全にも注意してください。
療育運動を始めた3歳児の動画を紹介します。
安全に、本人のペースに合わせて運動していることがわかります。
療育センターでは、こういった運動を取り入れているんです。
まとめ
療育運動とひとまとめにしていますが、その子にあった運動項目があります。
それは、人と比べることではありません。
発達障害だからできないと決めないで、挑戦してください。
他の子と比べると、遠回りかもしれません。
ゆっくりかもしれませんが、ステップアップしています。
家庭での療育が正しいのか迷ったとき、もっと良い方法があるかもしれないと思ったときには、療育できる施設を検討するのもいいでしょう。
アレッタでは、療育運動の他にも、順番を守るなどの社会ルールや子どもがリラックスして笑顔になれるレクリエーションを用意しています。
家庭での困りごとなども相談してください。専門のスタッフがお待ちしております。