今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。今日のトピックは「療育は何歳から始めるのか?」についてです。
ピアノ、水泳、そろばん教室、絵画教室に最近はスケートも人気でしょうか。
小さい時に色々習い事をして、その中から子供の得意な事や可能性を伸ばしてあげたいという親心です。自分がしたくてできなかったことを、存分にやらせてあげたいとも思います。将来プロになったらいいな、という希望も持ちつつ。
3歳くらいから始めると習得も早いようですね。
発達障害の子供への療育は、習い事と何が違うのでしょうか?療育は幾つから始めたら効果的なのでしょうね。
目次
療育とは?
療育とは何でしょうか?普通の保育園や幼稚園とは、何が違うのでしょうか?
障害のある子ども一人一人のニーズに応じてきめ細かな支援を行うために、乳幼児期から学校卒業後まで一貫して計画的に教育や療育を行うとともに、学習障害、注意欠陥/多動性障害、自閉症などについて教育的支援を行うなど、教育・療育に特別のニーズのある子どもについて適切に対応する。
文部科学省:特別支援教育について
療育の目的は本人の苦手な事や今は出来ない事に対して個々にアプローチをし、「出来る事」を増やしていくという事です。
なぜ個々のアプローチが必要なのでしょうか。それは発達障害と言ってもその子供の苦手分野や程度は、みんな違うからです。
療育を通して出来ない事や苦手な事を少なくし、生活しやすくしていこうということですね。
「出来た」という成功体験をたくさん経験するなら、出来ない事をすぐにあきらめて「どうせ出来ない」というマイナス思考ではなく、「続けたら出来るかな」という積極的な見方が出来るようになるといいですよね。
何歳から始めるといいの?
では何歳から療育を始めたらいいのでしょうか?
一般的には、「出来るだけ早く」と言われています。
なぜでしょうか?
発達障害と気づくのは、もしかしたら同い年の子供と比べて成長が遅いのかもしれないと思った時かもしれません。1歳半検診や3歳検診で指摘されるかもしれませんね。
もちろん子供の成長はみんな違います。ただ発達障害の子供の場合、そのペースがゆっくりなことが多いでしょう。
色んな事を学んで身に着けていくのに、思った以上に時間がかかってしまうんです。
例えば、プロスポーツ選手はなぜ専属のコーチやトレーナーをつけると思いますか?
十分に上手で結果を出しているのに。それは、さらに上達する為です。
自分の苦手な部分や弱い部分を強化する為に、専門の知識のある人の助けを借りて早く結果を出したいと思っているのではないでしょうか。
誰にコーチをしてもらうかは、結果に大きく影響するようです。それだけ教え方が大切だということではないでしょうか。
同じことが言えると思うです。
その子の苦手な部分を強化する為に、療育を利用しましょう。専門の知識のある人の力を借りて、早く身に着けるようにトレーニングするという事です。
療育の内容は?
療育とはどんな事をするのでしょうか。
最終的に目指しているのは、1人で生活していくためのスキルを身に着けることかもしれませんね。
- 食事・掃除・服の着替え・買い物などの日常生活スキル
- 社会で生きていくためルールを守るなどのスキル
- 読む・書く・計算するなどの学習スキル
その子はどのスキルが苦手なのかをまず見つけて、その苦手を「出来る」に近づけるように個別に支援してくれるのが療育ということですね。
理学療法(PT)
日常生活で必要なスキルを身に着けるためには、まずは体を上手に使えないといけませんよね。
発達障害の子供は体幹が弱かったり、運動が苦手だったりと体の使い方を苦手と感じている場合があります。
立ったり座ったり、歩いたりといった基本的な動作がぎこちない動きになってしまう事もあるようです。
筋肉をつけて、体全体をバランスよく使えるようになる訓練をしたい。
そんな時には専門家、理学療法士の方の力を借りましょう。
楽しく遊んでいる感覚で、体を鍛えることが出来るようにプログラムされているんですね。楽しいと思わないと続かないですからね。
作業療法(OT)
作業という言葉から分かるように、手先を使った動作を思い浮かべるかもしれません。
発達障害の子供は箸の持ち方・歯磨きの仕方・服の着かた等、普段私たちが何気なくしている事が、実は大変だったりするのです。
ボタンを留めたり外したり、食器を片づけたり、おにぎりを丸めたり。
無意識ですが私たちは、手先を結構使っているということですよね。
言語聴覚療法(ST)
言葉の遅れが気になった場合は、言語療法を勧められるようです。
話すという事は、舌の使い方も関係しているので大切な訓練ですよね。しっかり噛んでご飯を食べるためにも、必要な訓練といえるのではないでしょうか。
生活していくうえでコミュニケーションを取ることはかかせません。
自分のしたいを伝え、相手の話を聞くというのはコミュニケーションの基本です。子供が何をしたいのか何を悩んでいるのか話してくれたら、なんてうれしいんでしょう。
音楽療法
音楽療法が用いられる場合もあります。
音楽に合わせて体を動かしたり、グループで楽器を演奏したり歌ったりというプログラムもあるようです。
好きな音楽が流れると楽しい気分になりますよね。それは音楽が脳に刺激を与えているからです。
五感をフルに使った療育になるということでしょう。
ABA(応用行動分析)
特に自閉症の子供を対象にマンツーマンで行う療育です。
基本的には出来た時にしっかり褒めて「嬉しい!出来た!」という経験を沢山して行動を定着させる、というプログラムです。
きっとお家でも意識してそうされているでしょう。
でも外であまりにも泣き叫んで目立ってしまうと、根負けして子供のいう事を聞いてしまうって事ありがちですよね。
そこは専門家に指導してもらいましょう。
ソーシャルスキルトレーニング(SST)
ソーシャルスキルトレーニングは、大人にも用いられる訓練です。
感情のコントロールをしたり、ルールを守ったり。
社会性を身に着けるためのトレーニングと言えるでしょう。
TEACCH
「Treatment and Education of Autistic and related Communication-handicapped Children」の略で、アメリカ発祥の訓練プログラムです。
ポイントは「構造化」。
行動を分析して、何を・いつ・どこで・どのようにするか等を「見える化」して、動きやすくる効果があります。
どこで受けられる?
療育はどこで受けられるのでしょうか?
まずはお住いの自治体の窓口に相談してみましょう。
おおむね3歳~18歳くらいまでの子供を対象としている所が多いようですが、各自治体によっても違うようです。
発達支援センター
発達に遅れがあったり、成長が気になる子供のためにいろんな支援がなされています。
今困っている事の相談に乗ってくれますし、役立つ情報を得ることもできますよ。
就労支援も行ってくれるので、子供が将来仕事をする時にも色んな情報を教えてもらえそうです。
全国の支援センターを探せるサイトがありましたので、ご紹介します。
病院
専門の病院ではグループではなく個別にに、1対1でその子供に応じたプログラムを組んで訓練してくれます。
訓練といっても楽しく出来るように工夫がされています。
特に体の使い方を訓練するようです。例えば言葉が遅い子供には、言語療法で言葉が話せるように特別に訓練するという事ですね。
放課後デイサービス
グループでの行動や遊びを通して、コミュニケーションスキルを磨けるようです。施設によってはABAやSST,TEACCHの訓練を取り入れている所もあります。
専門知識のあるスタッフが、子供のそれぞれに合わせて声掛けをしたり指導をしてくれます。学校の宿題を見てくれたり、一緒にゲームしたり。
お家の近くにあったら、どんな雰囲気なのか一度のぞいてみましょう。
放課後等デイサービス・アレッタでは、心身に障害のある小学校1年生〜高校3年生までの児童を対象にサービスを行っています。子供たちの未来に選択肢が増えるように、自分に自信をもって毎日笑顔で生活できるようになることを願って出来る限りの支援をしていきたいと思っております。
家庭で出来る療育とは?
子供が「発達障害」だと診断されたら、今すぐにでも療育を行いたいと思いますよね。出来る事は何でもしたいと。
しかし療育を受けるためには申請をしないといけなかったり、入りたい施設は満員で空きが出るまで待たないといけない場合もあるんです。
そんな時は、自宅で出来る療育を行いましょう。
素人だけど?保育士の資格はないし、専門知識もないのにどうやって出来るの?と思いますよね。
療育で使っているような、おもちゃを利用するという手があります。
まとめ
子供の可能性を伸ばしてあげたい‼
親なら誰でもそう思いますよね。それは発達障害の子供も同じです。苦手な事は確かに多いかもしれません。でも心がとっても純粋だったり絵が得意だったり、優しい言葉をかけてくれるといった素敵な所もあるでしょう。
療育では生活していく上での苦手を克服するのを助けてくれるだけでなく、本当に沢山褒めてくれます。いい所はもっと伸びるように支援してくれるというのはうれしいですよね。
自宅で行う療育には限界があるかもしれません。感情的になったり、甘アマに甘やかしてしまったり。
そんな時は子供に専属コーチをつけるのはいかかですか。上手に療育プログラムを活用して、1人ではなくチームで支援していきましょう。
ご拝読いただきありがとうございました。