今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害は障害者手帳を受け取れる?」についてです。
発達障害だと、障害者手帳を持つことが出来ないのではないか?申請をしても断られるのでは?と不安に思う人も多いかもしれません。
障害者手帳について知らないままにしておくと、本当は受けられたであろうサービスを充分に利用できない可能性があります。
そこで今回は、上記の疑問も含めて、発達障害者の障害者手帳で利用できるサービスや入手方法についてご説明します。
目次
発達障害でも障害者手帳が受け取れます
結論、発達障害でも障害者手帳を受け取ることができます。申請は各自治体で行います。まず、障害者手帳を入手するためには最低限、以下の条件が必要です。
- 初診から半年以上の通院歴があること
- 診断書をもらうこと
障害者手帳の申請を希望する場合には、医師に相談しておくとスムーズでしょう。また、必要な書類は自治体によって違う可能性があるので、事前の確認が必要です。
発達障害と診断されたら誰でも入手可能?
基本的に申請すればほとんどの方が受け入れられます。各都道府県の精神保健福祉センターで、発達障害がどのような症状か、生活をする上でどのようなことが困難かなどが総合的に審査されます。
障害者手帳とは?
障害者手帳とは、 障害があることを証明する手帳のことです。地方公共団体に申請し、認定を受けると発行されます。
障害と一言でいっても、さまざまな障害があり、それに合わせて障害者手帳にも種類があります。現在は以下の3つに分けられています。
身体障害者手帳の対象者
- 肢体(手足、からだ)の不自由
- 視覚、聴覚の不自由
- 心臓に関わる病気 などの身体障害がある人
精神障害者保健福祉手帳の対象者
- うつ病、躁うつ病
- 統合失調症
- 発達障害
- 高次脳機能障害
- 薬物、アルコール依存症 などの精神障害がある人
療育手帳の対象者
18歳以前に児童相談所などで知的障害があると診断された人が対象です。その他にIQの審査や、日常生活における困難さなどを含めて総合的に判断されます。
障害者手帳についてより詳しい内容を下に貼り付けておきますので、よろしければご覧ください。
障害者手帳があると、なにができるの?
障害者手帳を持っていることで受けられる、さまざまなサービスがあります。
これから解説するのは、発達障害の人が持つことができる精神障害者保健福祉手帳のサービスについてです。内容を確認して、必要性を感じた場合は障害者手帳を申請してみましょう。また、申請から手帳の受け取りまでに2か月以上時間がかかる場合がありますのでご注意ください。
その他にもさまざまなサービスがありますよ。
公共料金の割引サービス
以下のような公共交通機関で運賃の割引サービスを受けることができます。
- バス、鉄道
- タクシー
- 飛行機
- 高速道路 など
障害者手帳を持つ本人のみでなく、介護する人も割引の対象になる場合があります。障害者手帳を提示することが必要です。また、事前に自治体に申請が必要なサービスもあるため、あらかじめ確認しておいたほうがよいでしょう。
所得税・住民税・自動車税などの軽減
以下のような税金について一定の金額の所得控除を受けることができます。
- 所得税
- 住民税
- 自動車税
- 相続税、贈与税
自動車税の軽減は、障害者が所有する自動車に対して発生します。
以下に参考になるサイトを載せておきます。
その他の割引サービス
そのほかのサービスとして、以下のようなものがあります。
- 携帯電話の料金割引
- 美術館、博物館、動物園などの入場料割引
- NHK放送受信料割引 など
障害者手帳の申告方法
それでは、障害者手帳の入手方法についてご説明します。
用意するものと流れを知っておけば、スムーズに行うことが可能です。
用意するもの
- 交付申請書
- 診断書
- 本人の写真(縦4センチ×横3センチ)
- 個人番号カード、または通知カード
- 個人が確認できる書類(運転免許証やパスポートなど顔写真があるものは1点、健康保険証など顔写真がないものは2点必要)
まずは、各自治体のホームページで必要書類の確認をしましょう。交付申請書や診断書は定められたフォーマットがある場合があります。
また、代理人が手続きを行う際は、代理権の確認ができる書類が必要です。下記のうち1点を用意しておきましょう。
- 法定代理人は戸籍謄本等、 任意代理人は委任状
- 本人の健康保険証等(官公署から本人に対して発行された書類)
申請~交付までの流れ
- 必要書類を役場の窓口へ提出する。(介護福祉課、障害認定課など)
- 役場から精神保健福祉センターへ書類が送られ、審査が行われる。
- 手帳交付の決定通知がご自宅に郵送されます。役場窓口まで手帳を取りに行く。
障害者手帳はどんな時期に必要?
実際に、障害者手帳を取得するタイミングとして以下が挙げられます。
- 特別支援学校などの入学を希望するとき
- 障害者枠の就職を希望するとき
- 日常生活に支障を感じ、障害者手帳で受けられるサービスを利用したいとき
申請~交付に2、3カ月かかることを見込んで、前もって申請の準備をしておきましょう。
2.の就職活動については、企業によっては障害者枠で応募をしたほうが優先的に内定をいただける場合と、採用枠が限られている場合などがあります。ハローワークを利用してあらかじめ相談をしたり、企業の募集要項などを確認したりすることも大切です。また、 障害者手帳を持っていても、一般枠での応募や勤務もできます。障害者手帳を持っていることは公表する義務がないため、持っていることを言わないでもいいのです。ですが、企業との採用のミスマッチにつながる事案もありますので、ご注意ください。
障害者手帳は更新が必要
精神障害者保健福祉手帳は、2年ごとの更新が必要です。
改めて申請書や診断書を提出し、現在の精神状態、障害の状態、生活状態などを含めて判定されます。
障害者手帳を手放すこともできる
生活を送るうちに障害者手帳の必要性を感じられないようになったら、精神障害者保健福祉手帳や療育手帳はどちらも返還することができます。障害者手帳を所有することで新しい環境に一歩踏み出すことが出来て、生活に慣れて問題が解決できそうであれば手放す、ということが可能です。
まとめ
以上、発達障害でも障害者手帳を受け取れること、さまざまなサービスを受けられること、申請の方法についてお話しさせていただきました。
入手方法やサービスの利用方法については、自治体によってさまざまです。事前に確認をすることを心掛けるようにしましょう。
本人の日常生活や介護者などに不便がある場合、障害者手帳のサービスを受けることで生活の質が向上すると考えられる方は、是非申請を考えてみてください。