今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「発達障害はいつわかるのか」についてです。
どのようなことがきっかけで、いつ発達障害とわかるのでしょうか。
そして昨今増えているという、大人になってから発達障害と気付く例についても調べてみました。
目次
子どもの発達障害はいつわかる?
年齢別にポイントをみてみましょう。
子どもの発達障害の、年齢ごとの気づきポイント
おおよその年齢ごとに出てくる、「気になる仕草」や、「特徴」、「困りごと」などの【気づきポイント】について紹介します。
まずは、赤ちゃん期~思春期ごろまでの発達障害の気付きポイントをみてみましょう。
赤ちゃん期(0歳~1歳ごろ)
赤ちゃん期では、自閉症スペクトラム障害とわかる兆候があります。
自閉症スペクトラム障害がある赤ちゃんは、下記のような特徴があることが多いです。
【赤ちゃん期 自閉症スペクトラム障害の気づきポイント】
- 抱っこしづらい
- あまり笑わない
- 視線が合わない
- 人見知りをしない
- 同じもので遊び続ける
- お母さんの後追いをしない など
本来なら笑う、視線を合わせるなどして親とコミュニケーションを図ろうとしますが、自閉症スペクトラム障害のある赤ちゃんはこの力が弱いのです。
いずれにしても、自閉傾向を感じたら専門機関や医師に相談しましょう。
幼児期(2~6歳ごろ)
【幼児期 自閉症スペクトラム障害の気づきポイント】
- 言葉が出ない、つまづく
- 周囲の人に興味がない
- 感覚過敏がある
- 一人遊びが多い
【幼児期 ADHDの気づきポイント】
- いつも走り回っている
- じっとすることができない
- 大声を出してしまう
- 著しく落ち着きがない
このころにわかる発達障害は、赤ちゃん期と同じ自閉症スペクトラム障害があげられます。
まず、ほかの子と比べて気になってくるのは言葉の遅れです。
3歳ごろまでにほとんど話さない、会話を続けることができないなどの困りごとがある場合は、自閉症スペクトラム障害の可能性があります。
また、幼稚園や保育園に入園することによって、集団生活が始まるのもこの時期です。
集団生活において、ほかの子と比べていつも走り回っていたり、著しく落ち着きがない場合は、ADHD(注意欠陥多動性障害)の兆候が見えてくることがあります。
自閉症スペクトラム障害はおおよそ3歳ごろまで、ADHDは3歳以降(入園後)がわかるタイミングだと考えられています。
学童期(6歳~小学生ごろ)
【学童期 ADHDの気づきポイント】
- 席に座っていられない
- 忘れ物が多い
- 注意散漫
- 集中力が続かない
- 授業中教室の中を歩き回る
【学童期 学習障害(LD)の気づきポイント】
- 音読ができない
- 読み書き・計算ができない
小学校にあがると、集団生活が始まることによってADHDの特性が目立つようになり、発達障害とわかるようなきっかけが増えます。
授業中、じっと席に座っていることができなかったり、忘れ物が多かったりなどが挙げられます。
また、学習障害(LD)は、就学後にその困難に気付くことが多いです。
音読ができなかったり、簡単な読み書き、計算が著しく苦手だったりと、授業についていくことができないことで発達障害とわかるケースです。
現在では、全国の小中学校の普通学級において、クラスに2~3人は学習面や行動面において困難を持っていることが報告されています。
発達障害は身近なものであることを認識し、支援を行うことが大事です。
思春期(10歳以降)
【思春期の自閉症スペクトラム障害の気づきポイント】
- クラスなどで孤立しがち
- 協調性がない
- 周囲に興味がない
- ルールが守れない
- 相手の感情が上手く把握できない
→クラスで孤立、自己否定などが重なり二次障害に発展してしまう
思春期に入ると、発達障害の二次障害が顕著になってくる場合があります。
二次障害とは、発達障害が原因の「生きづらさ」から、うつ病や引きこもりなどの精神疾患を発症してしまうこと、また、家庭内暴力などの問題行動を起こしてしまうことをいいます。
発達障害の二次障害については下記の記事を参考にしてください。
一般的には、思春期は自分が何者なのかを考え、人の評価などが気になる時期です。
しかし発達障害、特に 自閉症スペクトラム障害のある子どもは、クラスでの活動や集団行動が苦手なことが多いので、ほかの子供とうまくコミュニケーションが取れなかったり、仲間外れにされてしまったり課題を持つことが多いのです。
そのため、友人ができなかったり、自己否定を重ねるなど自信を失い、うつ病や不登校などになってしまう可能性があります。
うつ病や不登校など、二次障害の治療のために心療内科や精神科を受診し、発達障害がわかるケースも多いのです。
大人の発達障害はいつわかる?
発達障害は、先述した通り、自閉症スペクトラム障害は3歳前後、ADHD・学習障害は小学校に上がるまでに特性が現れて周囲から気付かれることが多いですが、大人になるまで発達障害と気づかれないケースもあります。
それはいったいなぜなのでしょうか。また、どのタイミングで発達障害とわかるのでしょうか。
大人になってから発達障害とわかるケースについてみてみましょう。
成長とともに特性が変化した場合
発達障害は、成長とともに特性の現れ方が変化していくことがあります。
多々追えば子どものころには落ち着きのなさが目立っていても、成長とともにおさまって、おしゃべりや貧乏ゆすりなどの行動に代わっていくことがあるのです。
そして、発達障害の特性が見過ごされてしまうのです。
しかし、大人になっても基本的な特性は変わらないので、社会に関わることになってくるとその行動からトラブルを起こし、発達障害とわかるようになることもあります。
環境や周囲の人によるサポートでカバーされていた場合
学校では、1日のスケジュールがある程度決められています。
それらに従っていれば問題なく生活できていた人も、社会に出ればそうもいきません。
自分で決めなければいけないことが大幅に増えるのです。
また、学生時代は先生や親などのサポートが厚く、何かトラブルがあった際もフォローをしてもらえることが多かったかと思います。
しかし社会に出ると、自分で考えて、選択して、どうにかしていかなければならないことが格段に増えるので、うまく適応できないことが増えてしまいます。
社会に出るまでは周りの環境や人々によるサポートによって発達障害の症状をカバーされていた場合、社会生活が始まると、うまくいかなくなることも多いのです。
発達障害という先天的な要因に加えて、環境の要因が加わり問題が表面化してしまったのが、大人になってからだったということです。
親が発達障害と認めない場合
日本では、親が子供の発達障害を認めたがらない傾向があります。
そのため、発達障害の症状が出ていても、「うちの子はちょっと変わっているだけ」と見過ごされてしまうことも多いのです。
そして大人になるまで発達障を見過ごしてしまうケースがあります。
二次障害を発症してしまった場合
思春期にうつ病や不登校を経験し、心療内科や精神科を受診して発達障害に気付くということを先述しましたが、大人になってからのほうがこの傾向は強くなります。
社会に出ると学生時代よりもより高度なコミュニケーション能力や社会性を求められるようになり、うまく適応できない場合にうつ病や抑うつ状態になってしまう場合があります。
この二次障害の治療のために専門医に相談し、そこで初めて発達障害とわかることがあるのです。
子どもの頃は特に問題にならなかった発達障害の特性が、社会に出ることによって問題が顕在化し、二次障害が先に症状として現れてしまったのです。
発達障害はどこでわかる?
自分が発達障害ではないかと気になった場合は、医師の診断を受けることが必要です。
発達障害と診断してもらえるのは、心療内科(精神科)になります。
現在、発達障害を診断できる病院が増えていますが、子どもの発達障害が中心で、大人の発達障害のことはよくわからないという医師も少なくありません。
医療機関を受診する前に、大人の発達障害も対応してもらえるか確認すると安心でしょう。
また、近くに発達障害をみてもらえる心療内科や精神科がない場合は、発達障害支援センターに相談してみることをおすすめします。
発達障害支援センターは、発達障害の当事者や家族の相談に応じていて、発達障害を診察できる医療機関の紹介も行っています。
受診するときは自分の子ども時代のことや家族構成など自分のことをまとめておくとよいでしょう。
まとめ
発達障害がわかる年齢は、人によって異なります。
子どもは、3歳ごろまでに自閉症スペクトラム障害と診断されるケースが多く、就学後はADHD、学習障害だということがわかる場合が多いです。
また、大人になってから発達障害とわかる人もいます。
それまでは生活に支障をきたさなかった人も、大人になり社会生活を始めることによって困りごとが増えていき、発達障害とわかるのです。
大人になってから発達障害とわかった場合も、心療内科や発達障害支援センターで相談することができます。