今日も皆さんと一緒に発達障害等に関する学びや情報交換の場所なることを願って投稿させて頂きます。
今日のトピックは「朝起きられない時の対策」についてです。
誰にでも1度や2度の寝坊は経験がありますよね。しかも、大事な時に限ってぎりぎりに…。朝が苦手の人は、発達障害に限らず多くいます。
しかし、発達障害を抱えている子供は遅刻しやすいという特徴があります。遅刻を繰り返せば、社会的にも居心地は悪くなりがちです。
この記事では、発達障害と寝坊・遅刻の関係とその対策について解説していきます。
目次
「発達障害で朝起きられない」を防ぐ対策方法7選
発達障害の影響により、悩みを抱えている人は少なくありません。ですが、それぞれ対策することで寝坊や遅刻の回避に繋げる対策はあります。
1.必要な物は前日に準備しておく
2.朝することを習慣付ける
3.事前に目的地まので距離や道を把握しておく
4.昼間に太陽を浴びる
5.体内時計のリセット
6.朝起きたら体を動かしてみる
7.起きられないことを怒らない
1.必要な物は前日に準備しておく
発達障害に限ったことではありませんが、必要な物は前日に準備し、決まった場所に置いておきましょう。
ADHDを抱えている子供は、「どこに何をいつ置いたのか」を覚えていないことがよくあります。
他のことに意識を向けてしまうことで、今手に持っている物の意識が無くなってしまいます。その為、無意識にその場へ置いてしまったり、その時は覚えていても、後から思い出せなかったりするのです。
朝起きてからの限られた時間に準備すると、無くし物や忘れ物があった際に探す時間が必要になってしまいます。精神的にも落ち着きませんし、気持ちが焦ってしまいますよね。
なので、時間に余裕のある前日に準備をし、決めれた場所に置いておくことを習慣付けましょう。
準備の際は、保護者や周囲の人と一緒にチェックすることで更に忘れ物を回避できます。
2.朝することを習慣付ける
朝起きてから、家を出発するまでの一連の行動を「ルーティン化」させましょう。発達障害を抱えている子供は、「決まった動作を繰り返し行う」ことが得意な場合が多く、この特徴を私生活に取り入れるのです。
【例】
- 顔を洗う
- 朝ご飯を食べる
- 洋服を着替える
- 荷物をチェックする
発達障害を抱えている子供は、「先の見えない行動」に不安を感じやすいこともあります。次に何をするべきか明確化させることで、対応できるでしょう。
3.事前に目的地まので距離や道を把握しておく
ADHDを抱えている子供は、周囲のあらゆる物事に意識を取られてしまいがちです。また迷子にもなりやすい特徴があります。初めて通る道などでは色々な物に注意を取られがちになるのです。
目的地の場所までの距離や道を事前に把握する為に、事前に目的地まで足を運んでみることをおすすめします。最近ではネットで周辺画像を閲覧することはできますが、自分の目や足で確かめる方が確実です。
「何に意識を取られやすいのか」「何に苦手意識があるのか」を確認する為にも効果的と言えます。
4.昼間に太陽を浴びる
発達障害の子供の特徴として、運動が極端に苦手というものがあります。苦手な場合、外に出たりしなくなりますよね。
最近は公園で遊びまわる子供を見かける機会が少なくなった気がします。友達と遊ぶといったら、室内でYouTubeを見ながら一緒にダンスをしたりゲームをしたり。
ゲームも楽しいのですが「運動が苦手」と言って動かないと、体が疲れないので夜の寝つきが悪くなります。太陽にあたり体を動かしましょう。体が疲れていると、自然に眠くなってきますよね。
体を動かすのが特に苦手な子供には「療育運動」という体の使い方を訓練していく運動療法もあります。気になった方は下記の記事も参考になさってください。
5.体内時計のリセット
人間の体には体内時計があります。
そのためには規則正しい生活リズムを身に着ける必要があります。意識して時間を自分でコントロールしていく事を教えてあげましょう。
体内時計のリセットには4番目で説明した、昼間に太陽の光を浴びることが有効と言われています。
お風呂を上手に利用する
体の仕組みも利用しましょう。体は温まってから体温が下がっていくと、自然に眠くなるようになっています。お風呂で温まって、携帯やテレビを見ないでゆっくりストレッチなどして。
子供がストレッチ?と思いますが、体をいい感じにほぐしていくと眠りやすいと思いますよ。一緒に行えばスキンシップも取れて感情的にも満たされますよね。
6.朝起きたら体を動かしてみる
朝起きた時の映像で多いのは、大きく伸びをしているところではないでしょうか?
朝体を動かすと血流がアップし、脳を刺激出来ます。1日元気に動くカギです。
発達障害の方の場合、運動が苦手という傾向があります。ハードな運動をいきなりする必要はありません。昔からある「ラジオ体操」をもっと軽くした程度からやってみましょう。
腕をぐるぐる大きく回してみたり、ちょっと屈伸してみたり。猫のようなポーズで伸びをするのも、体が目覚めるのにちょうどいいようですよ。
7.起きられないことを怒らない
「いつまで寝てるの?」「何時だと思っているの?」とついつい怒ってしまいますよね。こっちの予定もあるのにって。
でも、怒られるとますます起きなくなっちゃうかもしれません。
朝起きないといけないと分かっていても、「起きられない」という事に本人が一番傷ついているからです。
「そろそろ起きなくて大丈夫?」という優しい声掛けをしてあげましょう。
「そんなくらいじゃ起きないよ」という声が聞こえてきそうですが。本人の自尊心をつぶさないようにしてあげたいですね。
こちらのTiwtterの方はお子さんに合わせた対策を複数組み合わせされていたそうです。参考になりますね。
発達障害との関係・その影響
なぜ発達障害の影響で寝坊・遅刻してしまうのか?それは様々な要因が考えられますが、特にADHD(注意欠陥・多動性障害)を抱えている子供が影響を受けやすいと言われています。
発達障害に分類される障害のひとつで、「注意散漫」であったり「衝動的」な欲求を我慢することが苦手と、私生活において様々な支障が生じてしまう障害です。
また、忘れ物が多いという特徴もあります。
ADHD(注意欠陥・多動性障害)について説明した記事は下記になります。
睡眠障害
ADHDやASD(自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群など)を抱えている子供を持つ保護者で睡眠に関する悩みを抱えている人は多いでしょう。
発達障害の原因は「先天性の脳機能障害」と考えられており、眠りを司るのも脳です。発達障害の影響により、「なかなか寝付けない…」という子供は多くいます。
就寝時間や睡眠時間は人それぞれですが、厚生労働省によれば、必要な睡眠時間は6時間以上8時間未満ということが分かります。
夜間の睡眠時間は 10 歳代前半までは 8 時間以上、 25 歳 で約 7 時間、その後 20 年経って 45 歳には約 6.5 時間、さらに 20 年経って 65 歳になると 約 6 時間というように、健康で病気のない人では 20 年ごとに 30 分ぐらいの割合で減少し ていくことが分かっています。
個人差はあるものの、必要な睡眠時間は 6 時間以上 8 時間未満のあたりにあると考える のが妥当でしょう。
引用元:厚生労働省 健康づくりのための睡眠指針2014
また、睡眠の詳細に関しては「睡眠」をトピックスにした記事があります。良ければ合わせてご覧下さい。
夜型になりやすい
発達障害の子供の多くは、興味があることや自分の好きなことに関しては素晴らしい集中力を持っています。そのため、始めたらなかなかやめられません。それが寝る時間になってもです。
集中しているので本人にとってはあっという間に時間が過ぎます。好きなゲームを始めて、気がついたら朝になっていたというかんじですね。
そうなるとあっという間に昼夜逆転の生活になってしまいます。
時間の感覚をつかみにくい
発達障害の子供は時間の感覚が分かりにくいという特徴があります。
自分が朝起きて出かけるまでにどれくらいの時間が必要かの感覚が、分からなくなるという事です。
出発の30分前に起きたとします。ご飯を食べて着替えて出発する為に、それぞれどれくらいの時間をかけても大丈夫かという時間の計算です。
30分前は結構ギリギリですけど、頑張れば何とかなるかなという感じですよね。
しかし、ご飯のあと着ていく服を選ぶのに10分かけていたらどうでしょうか?
荷物の準備を始めたとしたら?完全に遅刻ですよね。
その感覚が分からないので起きるのが遅くなってしまいます。つまり結果として「寝坊」になってしまうんですね。
起きたくない理由がある
対人関係のストレスや、次の日にしたくないことがあると朝起きられないという事もあります。
これは誰でもあることですが、発達障害の場合その気持ちが強くなってしまいます。感情のコントロールが苦手なんですね。
この場合には、まずその原因を見つけて解決する必要があります。話をよく聞いてあげましょう。「なんでも話して大丈夫だよ」という関係を作れるといいですね。
子供が不登校になる原因について、くわしくはこちらをご覧ください。
薬の影響
もし発達障害と診断されてお薬を処方されているとしたら、その影響もあるかもしれません。薬を飲み始める前と後で睡眠のリズムが変わったと思う時には、お医者さんに相談してみましょう。
Twitterでも薬の変更や、飲み忘れ等で睡眠に影響が出た方は多くいるようです。
朝しっかり起きるための対策は、あせらず続けましょう
1回でいきなり出来るようにはなりません。大人、定型発達の人でも寝坊するのです!
自分にあった方法がきっと見つかります。人それぞれ違うんです。
朝ご飯から3食をしっかり食べた方が体の調子が良いという人もいれば、1日2回の食事にした方が良い人もいます。
朝起きるための方法が、いろいろあっても良いのです。
経験者の語るヒントになるような動画がありましたので、ご紹介しますね↓
放課後等デイサービス・アレッタでは、心身に障害のある小学校1年生〜高校3年生までの児童を対象にサービスを行っています。
また、発達障害お役立ちトピックスでは、発達障害に関する様々な情報記事を公開しています。
「なんでこの子は疲れやすいんだろう」「偏食なのは発達障害のせい?」「発達障害だと思ったらどこに相談したらいいの?」といった、さまざまな疑問に答えるトピックを準備しています。ぜひご利用ください。
まとめ
発達障害の場合、朝起きられないのは原因があります。仕方がないんです。怠けている訳ではないんですね。
生きていくためには朝起きて1日動けないといけません。
そのために自分で時間をコントロールして規則正しい生活が出来るように、リズムを作ってあげましょう。
発達障害の子供の特性として「こだわりが強い」という面もあります。個人差はありますが一旦ルーティーンになってしまえば、規則正しく寝て起きられるようになるかもしれませんよ。
将来困らないように出来るだけ早く、その子にあった対策を見つけられるといいですね。
ご拝読いただきありがとうございました。